気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

魔王学院の不適合者~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~4・下

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「世界は思ったよりも、愛に満ちているのかもしれないね」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで131日まで。

口絵のシーンをカラーで見られたのは嬉しいけど、ガッツリネタバレなので悩ましい。いやまぁ流石に上下巻の下巻の口絵を先に見る人はいないだろうからいいか! 

明らかになったもう一人の魔王アヴォスの正体。ただ倒すだけなら可能かもしれないが、それをすると仲間が犠牲になってしまう。

 

しかしアノスはそれくらいで諦める男ではなかった。本人曰く2000年前は諦めてばかりだったからこそ、今度は諦めないという決意が好き。

何をするにしても情報が足りないということで、2000年前に時間旅行するとか言い出す辺り相変わらずのトンデモ振りではありますが。

過去の世界でミーシャに零した「これだけの者を、俺は守れなかったのだ」という悔恨の言葉が痛い。一見傲慢に見える振る舞いもありますが、彼は紛れもなく王であり、その覚悟を持ってるのが明らかになったシーンは良かった。

 

他にもいいシーンがいっぱいあるんですよね。

例えば世界を隔てる壁が出来た後の大精霊レノと魔王の右腕であるシンの心温まる交流ですとか。大戦の終結に関係して潰えることとなった精霊、大戦の樹木ミゲロノフの在り方とか。

未来を大きく変えないように振る舞ったアノス達の残した僅かな爪痕が、未来に紡がれていくのも良かった。勇者カノンが信じた、愚かなだけではない人間の在り方を見せてくれた誇りをもった勇者イガレスも、新規登場ながらいいキャラしてましたよね……。

 

多くの人々が認識を歪められた現代でも、アノス達の事を信じてくれるキャラが居たのも良かったです。

後は台詞アリで動き回った初の神族がノウスガリアだったことで、この世界の神々の株がちょっと下がりがちだったんですが、アノスの障壁魔法に協力した創造神はまともそうで安心した。

勇者カノンもそうですが、暴虐と呼ばれるまで戦い抜いたアノスを認めてくれたのが、本当に嬉しかった。優しい魔王、なんですよね。

3巻のあとがきで「次の章が一番好きと言う方がかなり多くいらっしゃいます」と書かれていたのも納得の伏線回収巻でありました。

魔王学院の不適合者~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~4・上

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「平和になった今だからこそ、僕は――」

(略)

「――剣の代わりに、ようやく愛をつかんだ」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで131日まで。                      

人と魔族の間で発生した戦争が終わり、アノス達も無事に帰還。レイとミサの関係もより進展したようで睦まじくて良いですね。

魔王アヴォスの企みは概ね潰えた。しかし、アノスが目撃したアヴォスは異なる仮面をつけていたことがあり……実際には2人いた。

 

そんな新たな疑問が生じた所で、2000年前の魔族や神族が行動を開始。

特にアノスの前に現れたのは、4種族を隔てた障壁に協力した母なる大精霊レノを狙ったノウスガリアだって言うんだから、もう何か企んでますよって感じ全開と言うか。

他の魔族もアノス配下を狙った行動をとって、アノス相手に知恵比べを挑んでくる輩まで居る始末。

でも、アノスの手を借りずともそれらの困難を振り払って帰還するんですから、彼女達も頼もしくなったものです。レイは……元から実力は飛び抜けていたからなぁ……まぁ守りたいものを得た事で、軸はしっかりした感じはします。

 

アノスは知恵比べの過程で真実かは判然としないものの多くの情報を得たため、大精霊レノに会うべく精霊の森を目指すことにしたアノス一行。

記憶喪失の精霊リィナと出会った上で、無事に到着してましたが……。案の定というか、そこにも2000年前の魔族は滞在しており、アノス達の邪魔をしてきます。けれど、今回上下分冊なんですよね。障害を越えた後に、新たな問題が生じるんだからたまりませんなぁ。さて、結構厄介そうですが、アノスはどう超えるのやら。

魔王学院の不適合者~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~3

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「命令だ。死ぬな。殺すな。こんなつまらぬ戦いで誰の命も落とすわけにはいかぬ」

(略)

「必ず、もう一度ここで会おう。全員揃ってな」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで131日まで。

勇者学院との交流会が開催されることになり、アノス達もその一員として人間たちの住まうアゼシオン大陸の首都を訪れることになります。

魔王学院のルールとして、遠征を行う時には引率がつかないって言うのは面白いと思いましたね。魔皇を目指す以上、自分の力で問題を解決できない筈がない、という理念に基づくものだそうですが。

 

……とはいえ流石に現代では失われた転移魔法で一瞬で辿り着くのは、想定外だと思うよ。実際教師も驚いてましたしね。

いやまぁ、それもまた確かな力ですし、転生がある世界で知識の断絶起こしてるのは現代に至るまでの誰かなわけですからね。使えるものをしっかり使って、余暇を作ったアノスは間違ってない。

 

以前から交流の場を持てないかという話はされていて、今回勇者学院の受け入れ準備が整ったというので行ってみたら、向こうはやけに魔族を敵視していて。

講義でも実技でも噛みついて来てましたが、アノスって例外に思惑外されまくっていたのは正直愉快でしたね。ザマーミロ。

 

当代の勇者たちが驕っていた背景には、2000年前から繋がれ続けていたあまりにも澱んだ怨念があったわけですが。

それとは別に1巻から続いていた、アノスの存在を乗っ取った魔王アヴォス。その思惑も今回明らかになります。しかしまぁ、なんとも不器用な計画と言うか。転生前提の気の長さというか。いや、転生したアノスを狙い撃ちにする以上、2000年後に合わせないといけないわけですから長期戦略にもなるか。

一つの決着を得て多くが明らかになりましたが、けれど何か引っかかるものが残る。上手い引きだと思いました。

魔王学院の不適合者~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~2

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「……いつかなんて、待てませんよ。あたしは今救いたいんです。今、一人でも多く、苦しんでいる人を助けたい。そう思えないのなら、あたしはいつかが来たって、きっと命なんてかけられません」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで131日まで。

1巻ではサーシャとミーシャの悩みを解決した上で、ダンジョンの最奥にある王笏を持ち帰り規定上の満点を目指したアノス。

しかしいざ結果が発表されてみれば、鑑定を行う前に盗まれたため本物と断定できず、2位の成績に合わせると発表されて……そこまで腐ってるかーと思ったところで、意見を出してくれた子が居たのは良かった。

アノスがなんの対策をしてない筈もなく、馬鹿を釣りだすことにも成功してましたしね。なんで彼に喧嘩売ろうと思えるのかなぁ……。

 

今回明らかになったことで言うと、現代の魔族社会には皇族至上主義を唱える派閥と、混血も分け隔てなく扱うべきだとする統一派とがあるとか。

最も後者の勢力は大きくないものの、一応の後ろ盾があることで活動が可能になっているとか。学院での隠れ蓑としてアノスファンクラブを設立した筈が、裏と表入れ替わってそうなのは笑った。

 

さらにアノスのかつての配下を思わせる、謎の転校生レイまでやってきて。

なんだかんだで親しくなっていくんですが、また新たな企みが彼らを襲うことになります。それは魔剣大会という武を競う大会へ不適合者であるアノスを推薦するものであったり、新たな知己であるレイの母や、アノスの母を狙ったものだったりします。

 

寛容だと自称するアノスを怒らせる辺り、暴走した人は考えが浅すぎましたね……。

実際、鷹揚に構えてる部分あったわけですが。見事に堪忍袋の緒が切れるようなことするんだもんな……。殺した後蘇生させたから問題なし! みたいに振る舞う姿を見ると、寛容の意味をちょっと調べ直したくなりますが。

その力の割に、というか。力があるからこそなのかもしれませんが、許容範囲が広いのも確かです。

裏でどんな陰謀が画策されてようと、揺るがぬ意思と力で超えていく様は痛快です。

魔王学院の不適合者~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~

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「願うな、祈るな、ただ我が後ろを歩いてこい。お前たちの前に立ちふさがるありとあらゆる理不尽を、この俺がたった今から滅ぼし尽くすっ!」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。 

神話の時代、魔族と人間と精霊と神々は一つの世界に暮らし……特に魔族と人間とで激しく争っていた。

そんな中で暴虐の魔王アノスは各勢力の代表を1人ずつ集め、とある策への協力を求めた。他3名の協力を経た上でアノスが、4種族を隔てる壁の魔法を命懸けで紡ぐ。障壁は1000年は保つであろうから、その時間で憎しみが消えることを願ったのだ。

 

……もっとも、確かに障壁の術式には命を賭ける必要があるけど、同時にこの世界には転生する術式もあるから死んだあと平和な世界で生きようとするあたりアノスも強かと言いますか。

術式発動した直後にもう転生して、生まれた直後でも記憶は鮮明で、成長する術式を使って生後0日? 1日でもう外見を成長させるとかとんでもなくてびっくりしますね。

 

2000年前なら転生もまた知られていた術式であったため、アノスは自身の常識に則って発動したようですが……彼が転生した現代では、かつての術式の多くは忘れられていた。

そんな状況では、いきなり喋り成長したアノスは化け物と呼ばれても仕方なかったかもしれませんが、父母の懐が広くて良かったというか何というか。

 

さらに魔術知識が失われただけではなく、暴虐の魔王アノスの名前や伝承すら歪んで伝わり、大きな戦争などはないが魔族の学校は間違った血統主義に染まっていた。

アノスは始祖の血を引く子として生まれたが人間との混血でもあったことや、現代の常識に疎いことなどから、入学は出来たものの不適合者としての烙印を押された。

……最もそんなこと気にせず、立ちふさがるなら蹴散らすし、友人になった相手は守ろうとするしで、実に魔王的で分かりやすく読みやすいです。

アノスの伝承が歪んだのは歴史の流れによるもの……だけではなく、何者かの作為があったようですし、今後その辺りに切り込んでいく形になるんでしょうね。

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