気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

空ノ鐘の響く惑星で

空ノ鐘の響く惑星で外伝 -tea party’s story-

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「――教授、安心してください。私は今、幸せです。私の幸せを祈っていてくれたお父さんの思いにも、今は応えられた気がしています」

 

12巻最後に告白したハーミットとシルヴァーナの結末を描く「錬金術師ノ嘆息」。

舞台はラトロアで、ちょうど12巻終幕でフェリオとリセリナが帰還したぐらいの時期。

半年ぐらいしたらまた来る、と言った彼女がハーミットに会いにくる話。

元首が退いても、ラトロアの闇は深いというエピソードでもあります。北方民族の間諜、割といつも手痛い反撃を食らってるイメージだったんですが、今回はギリギリ間に合って反撃した感じかなー。ハーミットも強いですよね……そりゃ警戒されるわ。

 

ライナスティの過去と、王宮騎士団に所属することになったエピソードを描く「幻惑ノ剣士」。強かな侍従長が好きです。いや、あんな侍従長いてたまるかって剣腕でしたけど。

「今宵、二人ノ結婚式」。眼帯をした貴族ベルナルフォンの過去が重くて、辛かった。お前、そんな過去を背負いながらクラウスとニナの世話焼いてたのか……

あとはブラド―とソフィアの微笑ましい交流を描く「王ト王妃ノ今日コノ頃」。いやぁ、バロッサが老獪というか本当いい性格してますね。

 

4つの短編の間に幕間として、10年後の今を描いて。

シアとフェリオの子供たちの交流が、賑やかでいいですねー。そして子供たちにモテモテのシア。1巻からこっちアルセイフかなり大変でしたけど、その果てにこの平穏があると思うと和みます。

欲を言えば、結婚して子供を授かったフェリオ達夫妻のエピソードも欲しかったですけど。ま、コレはコレで楽しい短編でした。



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「必ず……必ず、リセリナ様やシア達を連れて、戻ってきてください。待っていますから」

 

元首ジェラルドを交えて、ラトロアの議員たちとの会談に臨んだウルク達。

ジェラルドが、リセリナ達を確保したという札を効果的に使ってくるのがいやらしい。

それでも折れずに、反撃をしてのけるあたりフェリオも成長している感じがしていいですねぇ。

しかし、会談の途中でメビウス達が行動を開始し、なし崩しに協力する羽目になったのはちょい残念ではありました。あのまま会話続いていたら、どう転がっただろう。

 

来訪者たちの世界に帰りたいバニッシュと、向こうへ行きたいメビウス。

そして彼らに与するシズヤ達暗殺者集団。さらには強化された屍の兵と対峙する羽目になって。

それでも切り抜けて、メビウスの下に辿り着く辺りフェリオの強さも相当ですよね……

パンプキンが助力してくれたり、状況に恵まれた部分はあるにせよ。

リセリナを救出したときとか、一段上の技を披露してましたし。いやはや、格好良かった。

最後まで諦めずに食らいついて、メビウスを止めてのけたのも見事でした。

 

最後の、平穏無事な未来の話が、とても暖かくて好きです。

某人物のフルネームが愉快で、読んだ当初何度も読み返して覚えたんですよね。未だに空で言えますよ。



空ノ鐘の響く惑星で11

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「……なんでもそうだよ。力が入りすぎると、上手くいかない。ただ力を抜けばいいってものでもないから難しいけれど、加減が大事なんだ。リセリナを見ていると――剣に限らず、そのあたりのことが不安になる」

 

ラトロアを訪れた来訪者一行。

元首やメビウスと対面し、バニッシュを交渉窓口に置いて日々を過ごしているようですが。

パンプキンが本当になんか日々楽しそうだなぁ、と言うか。

イリスがなんだかんだエンジュに執着しているのが、微笑ましくていいですね。

 

フェリオ達はラトロアに交渉に向かい、リセリナ達は北方民族と協力してラトロアの研究施設を叩く。

ただ、フェリオが道中で懸念していたようにリセリナは本調子ではない……というか、フェリオへの想いやらで、自分を上手く制御できていない感じ。

 

ただ、そんな中で、父の遺した手記を見て負担が減ったのは何よりではありましたけど。

裏で動くにあたっては、敵地という事もありメビウス達に軍配が上がって。

いやまぁ、アレは情報収集の時に警戒を怠ったハーミット達にも難がありますけどね。彼以外から漏れる可能性も考慮するべきだった……




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「危ないから駄目だって、何度も言おうと思ったけれど、同時に“止めても無駄だ”っていう気がしたから。だったら、ウルクが望みを果たせるように手伝いたいって、思ったんだ」

 

タートムとの交渉など諸々の事案の為に、ジラーハを訪れたフェリオ達。

これまでもウルクが「神姫の妹」というのは触れられてきましたが。お膝元での人気には正直驚きましたね。

いやまぁ、驚いたと言えば一般に「神託」と言われている「神姫」の選出方法でしたけど。それでいいんだ……

 

あとは、ウルクに内緒で父親が見合いの話を進めていたというのがまた。良かれと思って行動して嫌われるヤツだ。

記憶を失った事で一度は流れたとかで。アレが役に立つこともあるんだなぁ……

そしてついにフェリオ達と対面した神姫ノエル。ウルクの姉だけあるというか、中々強かな人で楽しかったですね。振り回される周囲は大変そうですけど。

 

これまで敵国として描かれてきたラトロア。

ただ、ラトロアも決して団結しているわけではなく。元首の方針に対抗する勢力も居る。

コチラがラトロアを知らないように、彼らも東方諸国の内実を知らない。

ならば、有力者を招いて交流してみようじゃないかと、行動を起こしてみる無謀な政治家が居たのは、不幸中の幸いと言いますか。

 

志を同じくする人からも「本格的に処置無しの阿呆ですか」とか言われてましたが。でも、信じたいと言う彼の意思は尊いと思います。いやまぁ、中々に無茶ではありますけどね。

でも、その無茶を通して来た王弟とかが、ジラーハにはいたんだよなぁ。非公式の使者が来たタイミングが、奇蹟的です。



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「彼の期待に応えられる王になれるか、まだわからないけれど…でも僕も、この国を愛する心だけは、確かに持っている。これは諸卿も同じことだろう。まだ未熟な王だけれど、これからどうか、支えてもらいたい」

 

タートムの侵攻を退け、アルセイフでは舞踏会が開かれることに。

ウルクの記憶も無事に戻り、戦姫として名高いリセリナと共にフェリオと一緒に参加して。

両手に花状態で、比較されることを畏れて令嬢が近づいてこない効果が発揮されていた模様。

 

三角関係も中々こじれてきているというか。フェリオが、第四王子であったこと。家族に恵まれなかった事もあって、自分はどうしたいのか困惑していて。

ライナスティが「貴族社会なんて嫌いだ」なんて零してましたが。家族には恵まれなくても、良い縁にはめぐり合っているので、それぞれが納得できる答えが出るといいなぁ、とは思います。

ウルクが、記憶を失っていた時期の事も覚えていて、より強くなったなぁと言う印象。

 

平穏無事に舞踏会が行われれば、戦乱の中でも穏やかな時はあったとまとまりそうなものですが。

ラトロアの工作員が、またちょっかいを出してきて。しかも、今回赴いてきたのが、シズヤ達に指示を出しているトップだって言うんだから、そこは行動力なくていいんだよ……

気軽に王宮に潜入すんな。ウィスタルの縁で、ハーミットがアルセイフに滞在しているタイミングで良かった。

空ノ鐘の響く惑星で8

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「それも、とびっきり頼りになる味方だ。どういう理由であの方が動いたのかはわからんが……これは、紛れもない好機だ」

 

侵攻してきたタートムに対抗するために、ベルナルフォンが兵を率いて先行。

クラウスの保証があってなお、若造である彼を好ましく思わない人は居て……

いやぁ、世知辛いですね。彼も危ない橋渡ってはいますが、内乱で上手く立ち回っただけと、王都から離れるほど辛く評価されてるとかで。

そんな彼に手を貸してくれる人もいるから、捨てたもんじゃないですけどね。

 

タートムの行軍が遅れるように裏で動いている兵も居て。

序盤は上手く状況をコントロール出来ていたと思います。ただ、シズヤ達がタートムに合流して工作要員を排除していった上に、玄鳥で戦場支援までしてくるのが厄介で。

タートム側の指揮官が、シズヤ達がラトロアに与しているのを知ってなお活用するという、良い性格してたのもアルセイフにとっては誤算でしたね…

 

予想を裏切ったと言えば、ブラドーが動いたのも意外ではありました。

実際にいい方向に作用していましたし。病弱ってことでしたが、単身レージクを排除しようとしたこともありましたし、結構思い切りが良いタイプですね。

フェリオとは違った方向に行動力がる感じ。そして、そのフェリオも神殿関連でトラブルがあったとはいえ、自国の危機にじっとしていられる性質ではなく……

蓋を開けてみれば、タートムの侵攻を1巻で撃退してるんだから大したもんです。



空ノ鐘の響く惑星で7

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「そうかね? しかしバニッシュよ。天が人に言語を与えたもうたは、敵とも言葉をかわせとの思し召しであろうと我は愚行している。言語なき獣を見よ。彼らの本能に忠実な様は、それはそれで美しくもあるが、我はそこに楽しみを見出せぬ。獣は笑わぬし泣かぬではないか」

 

ラトロア側の行った実験によって、御柱から謎の兵が現れて。

フェリオ達王宮騎士団と、神殿騎士団は暫定的に協力して対応していましたが……

戦闘狂のべリエが暴走して、味方すら攻撃する面倒な状態になったり。

剣聖と呼ばれるウィスタルが、実力者と戦う場面が描かれたのは楽しかったですけどね。今、正直そんな事してる場合じゃないけど!

 

御柱に詳しいシャジールですら、解決方法は一つしか出ず……それは、フォルナム神殿に、アルセイフに大きな影響を与える手痛い方策で。

それしかないとあっても、それまで当然にあったものが失われるのは、かなり痛い。

ラトロアがそれを狙ったわけではなく打撃を与えて来てるのがひどさを増してる。

 

騎士たちが屍の兵と戦っている裏側で、来訪者たちの間でも動きがあって。

イリスから事情を明かされたウルクが毅然と振る舞ってくれたのには、正直スカッとしました。

その後、パンプキンと相対したライナスティの会話が結構好き。なんだかんだで相性いいと思うんですよねこの二人。出会いが違ってれば友人になれたと思うけど、初手で王殺してるのが、致命的過ぎる。

 

ラトロアからの勧誘を受けて来訪者たちは神殿を離脱。最後昇華させて損害を拡大させてる辺りイリス……って感じですが。

教授がシアを連れて残ってくれたのは、幸いでした。彼が居なかったら、ウルクへの処置も間に合わなかった可能性が高いわけですし。

泣いているシアの絵が切実で、あそこで「大丈夫だ」と言ってくれる人が居るのは、ほっとした。




空ノ鐘の響く惑星で6

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「いいか、パンプキン――そもそも俺は、そんなことを選ぶような立場にいない。誰かの命を選んだり選ばせたりするなんて、ただの傲慢だ。俺は――どっちも護る――!」

 

教授と呼ばれる来訪者、ムスカ。

彼は文献に当たり、神官から話を聞き、来訪者たちの世界と今いる世界との時間差に気付いた。

一つ一つ当てはめていけばその答えに辿り着くのは確かですが。イリスが、あり得ないと言ったように、推論とはいえよく思い付いたなぁ。教授の肩書はダテじゃない。

 

そしてこの騒乱の時に、西の大国ラトロアから、アルセイフを訪れた剣士が居たのも巡り合わせでしょう。

彼がウィスタルを訪ねてきたこと。その道中で、フォルナム神殿に協力している北方民族に出会った事。そして神域の街を訪れた際に、フェリオが介入できる場所で会った事。

この縁が、また後々大きく影響していくわけですよね。1つの出会いにいくつもの意味を持たせて、繋げていくのが上手い。

 

カシナートとの交渉にあたって、フェリオが来訪者を見逃す条件すら出して来たのにはちょっと驚きました。

何につけまず行動の人だと思っていたからなぁ。王族らしい、優先順位と判断も出来るのか。ただ、彼自身の価値を過小評価しがちなのかな。

意外だったと言えば、神殿騎士の悪辣さを煮詰めたべリエが、今のアルセイフの力を正しく評価しているって言うのが皮肉というか。戦いを求めるからこそ、力には敏感なんでしょうかね。

状況を動かす為に副団長のリカルドに指示出したのは許せませんが。



空ノ鐘の響く惑星で5

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「だけど、もし――来訪者がウルクの失踪に絡んでいて、ウルクの身に何かあったとしたら」

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「……その時は、俺は来訪者を許さない。許さないだけじゃなくて、多分――追いかけて、剣を突きつけて、思い知らせてやる。理屈じゃないのかもな。こういうのは」

 

第二王子が死に、王太子の息子も騒動の中で殺されて。

第三皇子ブラド―と、第四王子フェリオ。どちらが王になるかで意見は分かれ、譲り合うことに。兄弟仲が、他に比べて良好だった二人が残り、それぞれの性格ゆえに相手を推す様子にはちょっと笑ってしまった。いや、本人たち真剣ですけど。

 

そこに、フェリオの下にある報せが届いて……

神殿に戻ったウルクの話。彼女は、そこでイリスとカシナートの会話を聞いてしまって。

来訪者たちの技術で処置を施される事に。いやぁ。容赦ないわぁ……

展開知ってても、ちょっと手に取るの躊躇いましたからね。

ウルクが行方不明だと知ったフェリオが迷わず行動を起こしてくれて、ウルクを大切にしているというのを言葉にしてくれたのは良かったですけど。

 

謹慎と言う名目で、辛くも命を拾った妹の世話を甲斐甲斐しく焼いているクラウスが癒しですね。

レージク麾下の時は、あれだけ苛烈だったくせに、随分と変わったというか。

それだけ大切なんだなぁ、とちょっと和んだ。ベルナルフォンが一時はフェリオ達についてまで取り戻そうとした親友の姿が見られたのがいいですね。

 

カシナートが神殿で行動を起こした時、フォルナム神殿の人々が抗う意思を示してくれたのが良かった。

イリスやカシナートの行動、どうしても好きにはなれませんね。

彼らなりに出来る事をしているのは分かるので、嫌いでもないですけど。

アルセイフの次代の王が定まっても、神殿はまとまらず、更には他国の侵略まで始まって、休まる暇がないですね……

空ノ鐘の響く惑星で4

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「俺は、代替物である事実から逃げない。それでいいと思った。それでこの国が、平和でいられるなら、それでよかったんだ。兄上も――そう考えれば、よかったのに」

 

内乱終結巻。思ったよりも大分早かったなぁ。

それを言ったら、別行動していたリセリナとの合流も3巻後半に果たしているわけですが。

彼女が協力してくれたおかげで、敵の意表を付けた部分もあっての速攻。

途中、クラウスの策略にハマってましたけど、そこから諦めずに進むあたりがフェリオだよなぁ。

 

少数で動く必要があったからと言って、最終的に単身でレージクの前に立ってるのには笑った。王子、行動力がありすぎる問題。

その前にクラウスと対峙したとき、「この剣は、貴方を決して斬らない――」と、叱咤できる真っ直ぐさが眩しい。

 

王都で、一時誤魔化すために婚約者だと言った。そして、二度目の脱出時にフェリオがその嘘を口にしてくれた。冗談とはいえ、彼がそう言ってくれた事を喜んでいるウルクが可愛くてもう。

来訪者としての戦地でフェリオの隣にたったリセリナも可愛いですけどねー。

鈍感な王子を交えた三角関係要素も、中々見ていて楽しいです。



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ちゃか

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