気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

竹岡美穂

死んでも死んでも死んでも好きになると彼女は言った

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「支倉の夢のおかげで、俺の夢も叶ったんだ。感謝してる」

 

タイトルとあらすじから予想できる流れを外さない。

そういう意味では、「買ってみてから失敗したと嘆く」事は無いので誠実。

というかあらすじで大体描かれているので、細部はこうやって詰めていくのねー、みたいな見方になってしまった。

 

何度死んでも君を好きになる、という彼と彼女の関係については切なくも良い感じにまとまっていたと思いますが。

帯文の「今世紀、もっとも泣けるラブコメディ」というのはハードル上げ過ぎた感。

 

夏祭り実行委員に参加して、祭りで打ち上げられる花火の構成を変えたいと少女は言って。

市から予算が出て、構成についても指示が入っているので簡単ではないと花火屋の息子は言うものの。彼女の熱量に振り回されて、最終的にはそれを叶える。

青春モノだし、恋愛要素もあるけど、コメディはそこまで強くないかなぁという印象。


1パーセントの教室

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「アナタが私を巻き込みたくないのは伝わりました。ですが、もう手遅れですよ。私とアナタは無関係でいられません」

 

積読消化―。積んでるうちに続刊が出てるヤツ。

クラウスメイトの少女、日々野明日香。

彼女は、親しい人間を悉く破滅させる死神という異名があって。

本人曰く正確には『これから不幸になる人間を好きになる』という事ですが。

そんな事情を聴いた後に、彼女から「好きになった」と告白されたらそりゃあ逃げたくもなるでしょう。

 

とはいえ、クラスメイトを避け続けるのは難しく……

破滅を避ける為に恨まれないようにするという協力体制を組むことに。

そして、主人公の周囲で起こる問題に対処していくことに。

妹に格好つけて嘘をついていたので、それを取り繕うために彼氏役をする、とか。

ストーカー騒ぎの謎を解こうとしたりだとか。

 

問題のネタに事欠かない学校だなぁ……

というかあの教室がそうした問題をはらんでいる可能性が示されていますが。

まぁ、確かにどこか粘着質というか、絡みつくような感じはあるかなぁ。もうちょっと関心が薄いクラスメイトとかいても、不思議じゃないと思うけど。

変な方向に団結してる感じはします。その辺りの謎が描かれるまで続けばいいんですけどねぇ、とりあえず早めに2巻読もうかな……




RE;SET>学園シミュレーション 1万4327度目のボクは、1度目のキミに恋をする。

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「未来が暗くてわからなかったら、私が手をつないで歩いてあげるから」

(略)

「今野君と同じ速度で、私を未来に連れていって」

 

正直絵師買い。その割には楽しめたのは思わぬ誤算。

教師のセクハラとか、生徒のドラッグ問題とか学校の暗部を告発する謎の存在――ジャック。

生徒たちは正義の味方的存在にかなり注目していたみたいですが……

とある一件を期に、ジャックの正体が主人公――今野だとバレてしまって。

 

それ以来今野は、腫物を扱うように距離を取られている、と。

悪を追放するために動いていたってことですが……飲酒は暴いたのに、タバコは暴かなかったというあたりは問題じゃないかなぁ。

結局彼自身が正義であろうとして、自分自身を基準に置くと独善的なものになってしまいますしねー。

 

今野がジャックとして活動出来ていたのは、学園のシステムの中にあった、使用されている形跡のない学校内のデータを管理する統合システムという怪しいものに手を出していたからで。

ただまぁ、正体を諭されないように細心の注意を払っていたし、そんなシステムを使っている物だから暴こうとする動きがあれば、分かったはず。

 

それなのに暴かれたのは何故なのか、と。今野は調査をはじめ、ジャックの正体を暴くと謳っていた科学情報部に接触。

彼が使っていた統合システムの作成者はこの部の初代部長だったとかで、色々と調査をしていますが。

 

そのシステムを活用して疑似的な未来を観測できるようなっていましたが……その未来の世界で今野は殺される、という結末を迎え。

死の運命を回避するために、色々と策を練る方向にシフトしていきます。

試行錯誤しつつ、まぁ、なんとか死亡のバッドエンドからベターエンドくらいまでは浮上で来たのは良かったのでは。

 



楽園への清く正しき道程 国王様と楽園の花嫁たち

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「ああ、ずっと楽園にいるようだったよ」

 

置手紙を残して去った王妃を迎えに行く決断をしたルドヴィーク。

それを止める声も当然あったんですが、振り切って彼女を追って。

行動力だけはありますねぇ。事情が事情とはいえ、王様一人だけの行軍なんて危なくて仕方ないと思いますが。

実際問題、不思議空間に迷い込んで連絡が付かなくなったりもしてましたしね……

 

無事に国に戻っていたお転婆王妃は王妃で、「勝手に戻ってくるとは」と親たちから監禁されかけていて、逃げ出すという自業自得トラブルの連鎖に見舞われていましたが。

かつての想い人と対面し、今の自分の心境の変化に気付き。

そこに追いついてきたルドヴィークとちゃんと話をして、お互いの思いをしっかり伝えられたのは良かった。

 

まぁ、王が長期不在にしていたけど何とか回っていたあたりだとか。

王妃と寵姫で6人迎えるというあたりを国民があっさり受け入れてる辺りだとか。

そもそも王妃を迎えに行った時の相手側の反応だとか。

色々うまく運びすぎかなぁ、という部分はあります。一歩間違えばアーデルハイドが企んでいた計画が実行されていてもおかしくなかったわけで。

そういう意味ではルドヴィーク自身の運というのも捨てたものではなかった、という事でしょうか。

 

 

楽園への清く正しき道程 庶民出身の国王様がまたご愛妾を迎えられるそうです

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「ルディが大切な人たちを失わずにすみますように、幸福な楽園の主として、賢く誠実に行動できますように」

 

愛する寵姫を迎えたけれど、正妃との間に子が出来るまではイチャイチャしすぎるな、と妨害が入る状況のルディ。

庶子のルディを引っ張ってこないといけない状況なら、とりあえず安全策として王の子供量産しといた方がいいんじゃないかなぁ。

正妃との関係が改善したときに、血統の問題が出てきそうなのは面倒ですが。

 

1巻から思ってましたが、この国の貴族叩けばホコリが出る輩が多すぎないだろうか。

特命騎士がちょろっと調べただけで、崩れ落ちる程度には弱みが転がっている。

……この国で世継ぎ騒動が起きると、確かに通常よりも面倒そうだという納得はできますな。絶対利用されそうな未来が……

アーデルハイドの一族が健在だったら、そう大がかりな工作できなそうではありますが。

 

今回は女騎士エヴァリーンに縁談が持ち上がり。

オマケに公爵令嬢のテレーゼも妹の縁談がまとまったこと、幼馴染のエヴァリーンの縁談の話を聞いて、色々と暴走中。

まぁ一番暴走してるのはフロリンこと正妃様なんですがね……やることなすこと裏目に出ていて、こう目を覆いたくなるポンコツ感が。

 

前回ミーネ一人だったので、一巻一人で進めるのかと思いきや二人まとめて進行してきたときには、ラノベの短期打ち切り増えてるから巻いてきたのかなぁ、と思いましたが……

巻末の短編でさらに増えたのを見て、流石に笑った。驚きの速さ。

正妃が最後逃走を図りましたが……短慮にもほどがあるというか、これ結構問題なのでは。6番目と「手に入らない」7番目が誰なのかが気になりますなー。

 

黄昏色の詠使いⅩ 夜明け色の詠使い

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「でも僕は名詠式があって良かったって心から思ってるんです」

(略)

「だって」

(略)

「クルーエルさん、一緒に詠ってくれたじゃないですか」

 

クルーエルは消え、ネイトは「助けに行く」という約束を果たすため、戦場に戻る。

ネイトだけでなく、エイダもレフィスも、一度敗れた雪辱を晴らそうと各々準備していて。

名詠式が使えなくなる、という異常事態が発生している中で、クラスメイト達も自分に出来る形で祈っていて。

 

シャオたちの様子も描かれていますが。

あっちはあっちで仲いいですよね。別にネイトたち憎しで組した敵という訳ではないですし。

ただそれぞれに譲れないものがあって立ちはだかってるだけで。

 

エイダとアルヴィル。レフィスとテシェラ。

それぞれの戦いは、以前とは違う結末になって。若者が先達を超えていく姿は見ていて心地よい。

勝利した後、先に言った少年の後を追うエイダがネイトのところに行って「あとはちび君がやること」だから応援してる、というのも信頼があればこそ、ですな。

 

シャオとネイトの対峙も、結局引き分け……からのネイトが男を見せたという流れでしたし。

名詠式を失敗してばかりだった少年が、成長したなぁとしみじみ思いました。

彼が揺るがず、約束を果たすために進み続けていたからこそ、クルーエルとまた詠うことが出来たわけで。

良い最終巻だったと思います。


 




シリーズ感想
黄昏色の詠使い イヴは夜明けに微笑んで
黄昏色の詠使いⅡ 奏でる少女の道行きは
黄昏色の詠使いⅢ アマデウスの詩、謳え敗者の王
黄昏色の詠使いⅣ 踊る世界、イヴの調律
黄昏色の詠使いⅤ 全ての歌を夢見る子供たち
黄昏色の詠使いⅥ そしてシャオの福音来たり
黄昏色の詠使いⅦ 新約の扉、汝ミクヴァの洗礼よ
黄昏色の詠使いⅧ 百億の星にリリスは祈り
黄昏色の詠使いⅨ ソフィア、詠と絆と涙を抱いて』 

楽園への清く正しき道程 1番目はお嫁さんにしたい系薄幸メイド

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「死にたいなんて言ったらダメだ。僕もきみと同じように、ついさっきまで絶望していたんだ。僕はずっと一人で、本当に欲しいものは決して得られないし、なにも変わらないんだって。今も――絶望はしてるけど、それにのまれちゃダメだ」

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「僕もあきらめないから、きみもあきらめないで」

 

国に想い人がいるという王妃。

彼女は、王様の恋を応援すると約束していて。だからふさわしい相手を見つけようと画策したりしているようです。

城内で開催されることになった「お嫁さんにしたい子番付レース」。優勝者は王の寵姫として迎えられるという噂まで広がりヒートアップしてますが。

……この国、コレで大丈夫なのかなぁ、ホント。

 

そんなレースが開幕されてから、ルドヴィークはいじめにあっている内気な侍女と出会い。

彼女を勇気づける為に色々と手を打って、身分を隠した状態で心休まる時間を過ごしていたようです。

途中、不正疑惑が持ち上がり、上手い事膿を出すことに成功するなどの棚ぼたもありましたが。

 

今回のヒロインは、表紙にもいるメイドさん。

いじめられているけれど、業務熱心で、自信がなくて。

けど、ちゃんと魅力を持っている少女で。

ルドヴィークが王だと知ったときに離れてしまいますが。

それでも、彼のかけてくれた言葉はうれしかったから、と再び会いに来てくれたのは良かった。

 

ルドヴィークも環境の変化に戸惑い、望んだものが得られず絶望を感じていたようですし、彼の安らげる場所ができたのは素直に祝福できます。

……最も王妃との関係が進んでいない状態で、寵姫と先に進むことは許されず。別種の悩みを抱えることになったようですけど。

今回の終わり方を見るに、次回は女騎士さんが絡むエピソードとなるんでしょうか。

 

 

ただ、それだけでよかったんです

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「学力テストが100位下がるよりも、」

僕は疑問になったことを尋ねてみた。

「人間力テストで10位下がる方が嫌なんだね」

「当たり前ですよ……だって、友達は重たいです……重たくて、潰れちゃいます」

 

帯には圧倒的勘当で頂点に輝いた衝撃作と有りますが……

感情が動く作品ではありましたね。電撃でこれを対象にするのかと、感心しましたし。挑戦的な作風ではあると思いました。

ただ、感銘を受けたかどうかというと疑問符がつきますな。

 

人気者だった少年が自殺し、クラスメイトの一人を名指しで悪魔と謗る遺書を残した。

特殊な制度を取り入れていた学校。イジメが原因にあったらしいが、目撃者が誰もいない。

多くの謎が残された彼の死の真実を求めて、死んだ少年の姉が調査を始める。

……最も、この姉初手から「死んだ生徒の姉です」と相手を委縮させて上手く情報集められてませんが。

 

徐々に明らかになっていく真実。

悪魔と呼ばれたスクールカースト最下位にいた地味な少年、菅原拓が「革命」と語った彼の行い。

菅原拓が望んでいたのは、本当にちっぽけなことだった。けれど、それすら彼は手にすることができなかった。失敗してしまったから。喪われてしまったから。

 

彼がとった手段は決して正しくはなかったけれど、志はそれほど間違ってないと思いますがね。例えば、陰口叩いてる連中を糾弾できるのは、貴重ですよ。

それを思うに、校長の勝手さはちょっと目に余るような。生徒に期待を押し付けすぎというか。頼ってさえいればこんなことにはならなかった、なんていうのは傲慢だろう。

善人に救いがあるでなく。悪人に裁きがあるでなく。すこしモヤモヤする気持ちも残ります。
大人たちの対応もどうなんだと思います。読んでいて息が詰まりそうになる。
あるいはこの息苦しさが、悪魔である彼が、死んでしまった彼が抱いていたものだったんだろうか、なんて思いましたが。 
挑戦的な作風は面白いと思いました。粗もあるけど、読ませる力というか引力はあると思ったので今後にも期待。 

 

ただ、それだけでよかったんです (電撃文庫)
松村涼哉
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2016-02-10
 

楽園への清く正しき道程 0番目は北国産のツンドラ王妃?

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「おまえは、望めば楽園の主にもなれるだろう」

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「だが、七番目だけは、おまえのものにならない」

 

つい先日まで服屋で若旦那をしていたルドヴィーク。

しかし、彼は今なぜか国王として戴冠式を行い、他国の姫を迎えることになっていて。

悪性の病によって王族が次々と倒れ、前王の隠し子であった彼を祭り上げるしかなくなってしまうほど切羽詰まっているようで。

それを思えば、即位三日後に結婚話を側近から持ち出されるのも納得はできます。

 

元々服屋として生きてきた彼に、それを飲み込んで上手くやれって言うのは中々の難問ですがね。

そうして迎えられた王妃が、氷のように冷たく、初対面でキモイなんて言ってくるような相手だったらなおさら心が痛むでしょう。

ぽっと出の隠し子が王となって……という事情も考えれば対応が冷たくても仕方ないか、と思いきや、彼女の秘密が明らかになるとこう肩から力が抜けました。

 

庶民の血を引くルドヴィークが王になる事には色々と問題やら課題もあったでしょうが。

そのあたりの話はメインではなく、女性陣に振り回される彼の姿を見て微笑ましく見守るような感じでしょうか。

帯にも「ファンタジーハーレム(予定)コメディ」ってありますし。

気遣いが出来る王様を慕う女騎士なんかもいるようですし、とりあえず王様稼業も何とかできるんじゃないか、とは思えますが。彼の恋路のゴールは果てしなく遠いな……

 

 

吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる  Long Long Engage

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「みんな、お父さんより先に死んじゃうんだよ。そしたらお父さんは、やっぱり一人になっちゃうでしょう」

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「ううん、詩くんは、この先も一人にはならないよ。詩くんは、そういう人だから」

 

本編が多くの謎を残したまま、続きが出ないと知ったときの悲しさが少し晴れた気がします。

成長した詩也の娘、ミナ・アリス=原田の視点で語られる、「その後」のお話。

 

甲斐崎の謎とか、雫の過去だとか、そういったものの答えが描かれていたのはうれしかったです。ただ、同時にやはり惜しくもあります。

謎は明かされましたが、「昔を懐かしんだ父の語った話」という体裁なので、どうしてもダイジェストなんですよねぇ。

それが惜しい。甲斐崎と詩也のバスケ勝負とか、それは楽しいシーンだったろうから、それに至るまでの話を見てみたかった、という想いもあります。

けど、本当はあそこで終わりだったはずなのに、期せずしてその後の話が見られたのは本当にうれしく作者さんや編集さんには感謝の気持ちで一杯です。

 

あらすじで「母は父のそばにはいられなかった」と有ったので、一体何があったのかと思っていたんですが。

吸血鬼である故に別れが来るのは分かっていて、それが想っていたよりも早かった。けれど、子どもたちが生きていたり、彼の秘密を知ったうえで黙ってくれている人達がいる、というのは安心できました。

吸血鬼、という事に苦悩していた十六歳の少年はもういなくて。全てを受け入れた「父親」として、ミナを見守っていた詩也が格好良くなっていたなぁ、と思います。

これから先、喪失は増えるだろうけど、きっと今の彼なら大丈夫なんじゃないかなぁ、と思える良いお話でした。

 

……あとがきで作者さんの容態の方がちょっと心配になりましたが。元々先に原稿を書いて余裕を持っているとか以前書かれてましたが……それでも、どうかお体をお大事にしていただきたいものです。


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ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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