「一番好きな相手と恋人になれるのって、とても幸福なことよ。それいつまで続くかは、本人たちしだいだけれど。苦労して手に入れた者は、大切にしたほうがいいわ」
(略)
「大切にしても……失われてしまうこともあるけれどね」
……完結巻、です。
話は、途中です。むしろこれから盛り上がってくるところだったろうに……
売り上げ的な理由で、ここで終了となってしまったようです。好きなシリーズだったので、すごく残念でならない。
というか、野村さんと竹岡さんのコンビは『文学少女』以来鉄板のコンビで、まさか打ち切りの憂き目にあうとは予想外。
本編は相変わらず面白かったです。
バレンタイン公演から、カレナたちの世代の卒業まで。
相変わらず報われずに空回っている偲とか、表向きは交際していないことになった詩也達の付き合い方とか。
ホワイトデーまでのイベントとか、詩也の周囲の女子たちの想いとか。
イベントが盛りだくさんで、飽きることなく最後まで読めました。
男女逆転の『ドラキュラ』は、コレはコレで見ごたえある舞台だったことでしょう。迫力はあった。
理歌が覚悟を決めたり、例によって冒頭の「ミナ=アリス・原田」の気になる記述とか、
終わりの「この後に来る哀しみを、今は、知らなかった」とか。
本当に、これから盛り上がってくるってところで終わってしまうのは無念です。
……どこか他のレーベルで続きとか出してくれないものだろうか。