気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

竹岡美穂

吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる5

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「一番好きな相手と恋人になれるのって、とても幸福なことよ。それいつまで続くかは、本人たちしだいだけれど。苦労して手に入れた者は、大切にしたほうがいいわ」

(略)

「大切にしても……失われてしまうこともあるけれどね」

 

……完結巻、です。

話は、途中です。むしろこれから盛り上がってくるところだったろうに……

売り上げ的な理由で、ここで終了となってしまったようです。好きなシリーズだったので、すごく残念でならない。

というか、野村さんと竹岡さんのコンビは『文学少女』以来鉄板のコンビで、まさか打ち切りの憂き目にあうとは予想外。

 

本編は相変わらず面白かったです。

バレンタイン公演から、カレナたちの世代の卒業まで。

相変わらず報われずに空回っている偲とか、表向きは交際していないことになった詩也達の付き合い方とか。

ホワイトデーまでのイベントとか、詩也の周囲の女子たちの想いとか。

イベントが盛りだくさんで、飽きることなく最後まで読めました。

男女逆転の『ドラキュラ』は、コレはコレで見ごたえある舞台だったことでしょう。迫力はあった。

 

理歌が覚悟を決めたり、例によって冒頭の「ミナ=アリス・原田」の気になる記述とか、

終わりの「この後に来る哀しみを、今は、知らなかった」とか。

本当に、これから盛り上がってくるってところで終わってしまうのは無念です。

……どこか他のレーベルで続きとか出してくれないものだろうか。

 

黄昏色の詠使いⅨ ソフィア、詠と絆と涙を抱いて

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「否定……するのが虹色名詠なの?」

(略)

「否定の否定は、強い肯定だよ?」

できないはずがない。・・・・・・・・・

 

再読したので記事作成。

今回の見どころはやっぱりカインツさんの名詠でしょうね。

ついに、という感じですが。ここまで引いてきたからこそ、その想いの深さが分かるんですし、魅力が増してると思います。

 

そして、ネイトとクルーエルの会話と、そこからの展開が最初読んでるときは辛かった。

……まさか悲劇にはならないだろうが、この後どうなっていくのかと思ったものでした。

結末をわかっていても、グッとくるものはありますがねー。

好きな作品だから、補正かかっているのを否定はしませんが。

 

ネシリスすら退けたファウマ。

勝てないと思いながらも足を運んだカインツは、ネイトの必死さに打たれて。

「大切な誰かを喪う事は、辛いことだよ」。

彼の過去ゆえの言葉。まぁ、勝ち目がないと最初に言っていた通り、苦戦してましたが。

それでもなんとかしてくれるあたり、本当頼りになるなぁ。

 

しかし、テシェラと相対していたレフィス。アルヴィルと対峙していたエイダはそれぞれ良い所なし。

相手の行動や発言によって冷静さを失っていたのは、痛い。それでなくても一癖ある実力者ばかりですし。

シャオたち一向に振り回されて、一度は手を放してしまいましたが。それでも折れないネイトの姿には安心したというか、成長したなぁ、と思いましたね。
 





シリーズ感想
黄昏色の詠使い イヴは夜明けに微笑んで
黄昏色の詠使いⅡ 奏でる少女の道行きは
黄昏色の詠使いⅢ アマデウスの詩、謳え敗者の王
黄昏色の詠使いⅣ 踊る世界、イヴの調律
黄昏色の詠使いⅤ 全ての歌を夢見る子供たち
黄昏色の詠使いⅥ そしてシャオの福音来たり
黄昏色の詠使いⅦ 新約の扉、汝ミクヴァの洗礼よ
黄昏色の詠使いⅧ 百億の星にリリスは祈り

黄昏色の詠使いⅧ 百億の星にリリスは祈り

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『小娘、お前』
「ううん、わたしネイト信じてるよ。でもそれとは別に伝えたいことがあるの。信じているからこそ伝えたい事って、きっとあると思うから」

シャオたちの伏せていた札が明かされていく巻。
それはつまり、ネイトたちに望まぬ真実が突きつけられるシーンでもあるわけで。
絶対の悪でもない部分があるのが、悲しいところ、というべきか。

今回注目するべきは、やっぱり「セラの庭園」でしょうねー。
ここでシャオがしっかり「穢歌の庭」を別名にあげているんですよね。
他にも「赤き実のなる大樹」と「夢見る星々の都」とか、細音啓ワールドのつながりが見られるのがいいなぁ。
シャオはどうして、これらの異名を知っていたんだろう。
ミクヴェクス関連で得た知識なんだろうか。

ネイト、エイダ、レフィス。
それぞれシャオの仲間に足止めされて、揺さぶられてますけど。
クルーエル大事で、そのために動けるネイトは、幼いながらも立派に主人公してます。
……まぁ、個人的に一番の見どころは、ネシリスとファウマの決闘なんですけど。
本質が戦いにないといいながらも、覇者として君臨しているネシリスの力は凄まじいですねぇ。
それを破るファウマが、名詠の方法も含めて危うく見えて仕方ないですけど。
勝負に負けようと、目的を果たすあたり、ネシリスが大技ばかりでないって言うのもいい感じ。
頼りになる援軍が駆けつけてくれたようで、何とかなるかも、という雰囲気ですが。
最後クラスメイトが不安を感じているようで、なんともハラハラする終わり方ですなー。






シリーズ感想
黄昏色の詠使い イヴは夜明けに微笑んで
黄昏色の詠使いⅡ 奏でる少女の道行きは
黄昏色の詠使いⅢ アマデウスの詩、謳え敗者の王
黄昏色の詠使いⅣ 踊る世界、イヴの調律
黄昏色の詠使いⅤ 全ての歌を夢見る子供たち
黄昏色の詠使いⅥ そしてシャオの福音来たり
黄昏色の詠使いⅦ 新約の扉、汝ミクヴァの洗礼よ

黄昏色の詠使いⅦ 新約の扉、汝ミクヴァの洗礼よ

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「お前のその完成は間違っていない。綺麗事という奴も少なからずいるが、それでも名詠士の本分が競戦宮(こんなばしょ)にないことに俺も異論はない」
(略)
「世の中には、自分でもどうすることもできないまま、それでもその道を選ぶしかない人間がいる。俺のように不器用で惨めな人間がな」

イ短調のメンバー。名前だけは出ていたネシリスが登場。
競戦宮の覇者。最強の名詠士と謳われる男。
彼の立ち位置といいますか振る舞いが結構嫌いじゃないです。
ネイトの想いに真摯に答えているあたりとか、いいですよねー。

サリナルヴァから依頼を受けて、凱旋都市エンジュを訪れたネイトたち。
個別に話を受けて、前に進むことを選んだネイトは、1巻の時からは信じられないほどに成長しましたね。
まぁ、これも彼一人でなしえたことではなく、クルーエルが隣にいたことが大きいんだとは思いますが。

何度でも何色にでも使える新しい触媒。
そんな怪しい話があって、エンジュに来ていたわけですが。
ネイトたちは新たな灰色名詠の使い手レフィスと出会ったり、ついに空白名詠の使い手、シャオ一行と鉢合わせたりするわけで。

エイダとアルヴィル。レフィスとテシェラ。ネシリスとファウマ。
そして、ネイトとシャオ。
それぞれ縁がある相手と向かい合って。
状況が分かっていないだけあってネイトたちが相手の話を聞くばかり、な状況はちょっともどかしいです。
それだけに「発想が幼稚だ。勝負に勝ったほうが手に入れるのではなく、必要なものを手に入れたほうが勝者だ。そうだろう」と言い切るネシリスの安定感は半端ない。
本格的な交戦は次回に回っていますが、やっぱりこの分散して一対一になる場面とかは流れとして結構好きです。



シリーズ感想
黄昏色の詠使い イヴは夜明けに微笑んで
黄昏色の詠使いⅡ 奏でる少女の道行きは
黄昏色の詠使いⅢ アマデウスの詩、謳え敗者の王
黄昏色の詠使いⅣ 踊る世界、イヴの調律
黄昏色の詠使いⅤ 全ての歌を夢見る子供たち
黄昏色の詠使いⅥ そしてシャオの福音来たり

黄昏色の詠使いⅥ そしてシャオの福音来たり

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「……好きな人、います」
「それは、どれくらい好き?」
「……ずっと、離れたくないくらいです」


平和な日常を描き第一楽章が終わり、新キャラが登場してシリーズ第二楽章が始まります。
まぁ、今回は学校での日常を描く短編集で、大きく話は動かないんですが。
内容も大きな騒動があるわけではなくて、穏やかな毎日。
間にこういうのはいると、「穏やかだったのはここまででした」みたいな雰囲気がするような……

クルーエルの誕生日を祝うために、準備をする話。
かつて母が見せてくれたものを、同じように贈りたいと努力する。
ネイトは年相応に幼い時もありますけど、必死に頑張っている姿勢は見習いたいものがあります。

生徒たちが盛り上がっている裏側で、エンネ達が青い顔している緑奏も笑えた。
長く付き合いある分、あんな黒歴史があろうとは。
……早々に処分してしまえよ、そんなもの。

青奏で描かれていた料理部とか、白奏で描かれていた護身部とか、物騒な部活ばかりですね。
……どうしてあれらの活動が認可されているんだ名詠学校。
学長はもうちょっと真面目に、活動規定を見直すとか、注意するとかしたほうがいいんじゃなかろうか。

最後は、次につながるエピソード。
カインツに連れられて、美しい声もつ姫に謁見して。
その裏側では、ネイトと正反対の少年、シャオが暗躍しているようですし。
不穏な空気が漂っている感じがしますねー。




シリーズ感想
黄昏色の詠使い イヴは夜明けに微笑んで
黄昏色の詠使いⅡ 奏でる少女の道行きは
黄昏色の詠使いⅢ アマデウスの詩、謳え敗者の王
黄昏色の詠使いⅣ 踊る世界、イヴの調律
黄昏色の詠使いⅤ 全ての歌を夢見る子供たち

吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる4

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「オレが、吸血鬼だからです」

綾音と距離をとる決意を決めた詩也。
カレナ様視点でも書かれていましたが。
お互いに想っているのが傍目に明らかなのに、変な方向に覚悟しちゃったから厄介に。
レグルスのトップなのに、綾音の演技は精彩を欠いていて。
一方、役にはまったため、今回は詩也の演技での問題は大事になってませんでしたね。
重要なのは、すれちがっていた人間関係の方だったわけで。

詩也が雫とデートしたり、それに嫉妬した綾音がカレナとデートしたりと錯綜してる。
動きやすい格好として詩也がコーディネートした雫がいつもとイメージ違って中々可愛かった。
巻頭のミナ=アリス・原田の言葉。
これを見るにこのまま詩也は綾音を選んでいくコースにも見えますが。
一人きりの雫にも何か得るものがあってもいいんじゃないのかなぁ、と思うんですが。

すれ違いの果てにちゃんと距離が縮まったのは良かったんじゃないですかね。
秘密を打ち明けたりしたのもあって、関係がより強固になった気もしますし。
とりあえずストーリー的には、理歌が自覚しかけてる想いだとか、詩也が見た雫の過去だと思しき映像だとか、いろいろ気になる点は残っているわけで。
そのあたりにどういう決着をつけるのかが気になります。
後書きが体調に関する供述あって不安ですが……今年あと7本書く予定でその分脱稿済みって……相変わらず驚異的な執筆速度……体に無理がない範囲でやっていってほしいものですな。


黄昏色の詠使いⅤ 全ての歌を夢見る子供たち

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「あなたは、大切なことを忘れてる!」
(略)
「では、お前は違うというのか!」
(略)
「僕は、大切なものを見つけたから!」


エピソード1、完結。
とりあえず、しばらく暗躍していた灰色名詠の敗者との決着がつきます。
それ以外で暗躍しているらしい、シャオたちの謎は持越しになりますが。
まぁ、クルーエルの抱えていた問題も同時に解決しているから、ひとまずは安心できますね。

アマリリス。クルーエルの中にいる真精。
彼女は彼女で色々と思うところがあるようですけれど。
ネイトを認めないといい、信じられるのかと問いかけ。
彼女なりに、クルーエルを大事にしようとしている感じはします。

それにしても、倒れたクルーエルのために、無茶をして、傍に居ようと行動できるクラスメイト達の団結力がすごいなぁ。
ミシュダルも、過去が明らかになると、なるほど失敗し、敗者を自称したくなるのもわかります。
けど、それでも。
巨大な力に対して、ちっぽけな自分のまま向かっていくネイトの姿を見ると、若さだとか懸命さだとか、そうしたものの大切さがわかりますなー。
迷っている暇はない。大切だから、行動しないといけないのだ、という無鉄砲さが心地よい。




シリーズ感想
黄昏色の詠使い イヴは夜明けに微笑んで
黄昏色の詠使いⅡ 奏でる少女の道行きは
黄昏色の詠使いⅢ アマデウスの詩、謳え敗者の王
黄昏色の詠使いⅣ 踊る世界、イヴの調律

黄昏色の詠使いⅣ 踊る世界、イヴの調律

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「僕の夜色名詠も、あれだけ素敵なものを詠べればいいなぁ」
(略)
そう。あんなに輝いて、あんなに透きとおった夜空の色は――黒なんかじゃない。


既存の名詠は五色に区分されていて。
その中に白色も含まれているのに。なぜネイトが使う、母から受け継いだ名詠は「夜色」なのか。
問いかけられ、ネイトが必死に考えて、自分の答えを出す流れが良いですね。
幼くて、未熟で、でも何が大切かはわかっている。
だから頑張れるし、多少の無茶は押し通せる。
たまにちょっと危なっかしくて心配になりますが、目を離せないネイトの軌跡が気になってならない。

前回の騒動があって、クルーエルの体調はすぐれず、あちこちで警戒している中。
灰色名詠の石化生物とは違う、新しい敵が騒動を引き起こして。
空白者。エイダが一度たたかった、「姿の見えない名詠生物」。
ただでさえあわただしい所を引っ掻き回してくれるあたり、面倒なことこの上ないですけど。
シャオという、新しいキャラクターが登場して、灰色名詠の敗者だけでは問題が済まなくなっていくという厄介さ。

エイダの父が組織した「イ短調」の面々がまた個性的で笑える。
マッドサイエンティストっぽいサリナルヴァはこの間来ていましたけど。
今度は別のジルシェと研究者が派遣されてきて。
ジルシェのルーファ老は、学園長とも知り合いなようで。
普段は喧嘩しながらも、いざという時の息の合い方はいい感じですね。
……普段が普段なので、アレは堂なのかと思いますけど。子供のケンカか。

倒れたクルーエルを見て心配しているネイトがかわいい。
本当に彼は純真で、まっすぐで、まぶしいったらない。
そりゃあP319のあたりで、騒いでいたクラスメイトもすごすごと帰るよなぁ……
今回起きた騒動は何とか収拾がつきましたが、クルーエルの抱えた問題が解決していないってのが一番の問題ですよね……



シリーズ感想
黄昏色の詠使い イヴは夜明けに微笑んで
黄昏色の詠使いⅡ 奏でる少女の道行きは
黄昏色の詠使いⅢ アマデウスの詩、謳え敗者の王

黄昏色の詠使いⅢ アマデウスの詩、謳え敗者の王

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今はまだ、何もできない僕だけど。
いつか、一緒に詠ってくれますか。

2巻に明らかになった、これまでの名詠とは違う、人を石化させる灰色名詠。
ネイトの使う夜色のような新しい概念ではなく、白色が変質したもの。
そして謎の触媒であるエッグ。
調査のために、カインツの知人の研究者、サリナルヴァがネイトたちの通う学校を訪れて。
同時に、各地でエッグに絡むと思われる不審な事件が起きて。

クルーエルは、赤色名詠の素質を買われて学園長に呼び出されたりしてました。
ただ、才能が開花したというものではなくて、「過去に詠唱に使用され容易く使えないはずの触媒」で簡単に名詠をしてしまうなど、教師たちが戦慄するような面を見せ始めて。
体調もかなり悪くなっている場面もあったりと、かなり危うい状況に見えます。

一方でネイトは、サリナルヴァに「なぜ黒ではなく夜なのか?」と問われ、また悩んでます。
でも、今回はそんなに深刻にならず、自分で答えを見出してるんですよね。
まだ十三歳だというのに、この前向きさや、成長速度には目を見張るものがあると思います。
大切なものがあるって言うのはやっぱり大事なんですなー。

「ただの強欲者だよ。名詠士の資格すら持っていない、名もなき敗者だ」
そう自称する、灰色名詠使いの男。
彼によって随分と引っ掻き回されて、クルーエルは化け物じみた技量を見せ、ネイトも一歩を踏み出した。
騒動のお蔭というのは抵抗がありますが、あれがあったからこその成長でもあるわけで。
ネイトが自分の詠を謳えたのは良い事だったんでしょう。
敗者には逃げられてしまいましたし、因縁が続くといいますか。
強欲と言いつつ、打つ手は冷静だから厄介なんだよなぁ、あの男。




シリーズ感想
黄昏色の詠使い イヴは夜明けに微笑んで
黄昏色の詠使いⅡ 奏でる少女の道行きは

黄昏色の詠使いⅡ 奏でる少女の道行きは

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自身の背に護るべき者が、自身の前に倒すべき敵がいるならば。
――至高の称号を抱くものとして、退けない道がある。


クルーエルたちのクラスメイト、エイダ。
活発で槍術部に属している彼女には、名詠学校の生徒という意外にもう一つの顔があって。
名詠は、門を開いて生物を召喚している。
しかし1巻の事件のように、時にそれが暴走することもある。
その為、対応するための技術として、門の向こうに送り返す反唱というものがあって。

それに特化した技術を持つ祓名民の家に生まれた少女。
才能はあった。
そして、挫折を教えるために敢えて苛烈に設定してあった訓練を乗り越えてしまえるぐらいに。
若い少女でありながら、最上の位を与えられる程度には。
だが、それゆえに彼女は迷ってしまっていて。

「分からないわけじゃない。お前がまだ気づかないだけだ」
娘の迷いをしり、涙を見て、送り出した父は何を思っていたのか。
同じような疑問を経て、それでも自分で気づいて、自分で定めた居場所。
願わくば、自ら悟ってほしい、と。……この親父大分不器用ですな。

今回は、クルーエルも前回の事件以来名詠の「調子が良すぎて」ちょっと悩んでいましたが。
全体を通してエイダがメインのお話でした。
ネイトがクラスメイトにからかわれるマスコットのようになっているのを見ると和みます。
そういう場面がありながら、悩みを丁寧に描いていて、絵柄もまたこの作品の雰囲気にあっていて。
読み返していて、あぁ、やっぱり好きだなぁ、と思わずつぶやいてました。



シリーズ感想
黄昏色の詠使い イヴは夜明けに微笑んで
プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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