「わたしにとっての友達は、支えたり支えられたり、頼ったり頼られたりしながら、ふたりで笑いながら歩いていける関係だよ。紫陽花さんは、違う……?」
紫陽花さん回な3巻!
一番好きなキャラなので、メイン張る話が来てくれて嬉しいです。
口絵の「こっちこっち」してる場面とか、れな子みたいに「ウワー! カワイイ!」って叫びそうになりましたよ。
夏休みに突入してついに先延ばしになり続けていた、紫陽花さんのお家訪問が行われることになって。
れな子視点と紫陽花視点が交互に描かれているんですが、れな子を招くために念入りに準備してる紫陽花さんが可愛い。
紫陽花さん家に足を踏み入れて、テンションバグってるれな子も中々愉快でしたね。
「まあ、ほんとのわたしを頑なに見せようとしないのはわたしなんですけどね! あはははは! このゴミクズが!」とか地の文にありましたが。ツッコミ、ますます冴えわたってませんか。
ゲームが上手い、ということで紫陽花さんの弟たちから大人気で。
けれど、約束していた時間になっても弟たちが離れなくて「もー!」って怒ってる紫陽花さんが挿絵ついてたのもあってかなりの破壊力でした。外向きの顔と、家族相手とでは変わってくるものありますよね……。
紫陽花さんは、共働きの両親と弟たちが居る関係で、れな子曰くの「天使」みたいな対応を取り続けていたそうですが。
ずっと「いい子」でいた彼女が、今回の一件で家出してしまおうと思い立って。でも、最後の一線は超えられないだろうから、駅まで行って帰ろうと思っていたのに。
れな子が一緒についていくと言った事で、紫陽花さんが心強さを感じて、彼女視点でれな子が天使のように見えた、のがまた尊い。
まぁ、れな子の方は大分テンパった上での行動で。後に旅行の費用に関して卓球でバトルした時も、情緒グチャグチャになって泣きながら負けてしまってましたけど。
危なっかしくても、行動した結果として良い未来を引き寄せてるんだから、中々に豪運です。
れな子が、途中(かなり早い段階)で泣きついた沙月さんが、「本物の瀬名を見てあげることね」と言ってくれたのも良いんですよね。
天使様、なんていって一段上において敬うのはそのまま距離を取ることですから。今まで見えていなかった部分に、正面から向き合うための物語だった、ともいえるかな。
……それはそれとして、なんで沙月さんコスプレしてたんですか? しかも見た直後に電話して来るとか、ホラーですよもう……。
しかも契約とか気になるワード出てきたし、香穂ちゃん一体何を抱えているというんだ。4巻も出せそうって話ですし、期待したい。
王塚真唯は今回、要所において良い活躍をしてました。迷ってる紫陽花さんの背中を押してくれたのとか格好良かったですしね。
でも彼女に関しては、れな子とイチャついてるより、今回の終盤で思わず聞き返してたみたいに「おもしれー女」してる方が好きだな……。