「冗談です。その自身はけっこう尊敬しております」
「お、おう」
「ただ……今だけ、今この時だけは、私に『一番可愛い』と言ってください。一度きりでいいんです。そうすれば……それだけで、私は心の支えに出来ますから」
女装してモデルのhikariとして活動している晴間くん。
親戚の頼みから始めた行為だがハマって、女装した自分が一番可愛いと思っていたけれど……クラスメイトの雨宮さんの素質を見出して、彼女が一番で自分が二番という納得をした。
彼のアドバイスでイメチェンした雨宮さんは、校内四大美少女に数えられるようになって注目を集めるようになったようですが。2人は変わらない距離感での交流を続けていて。
いやぁ、実に微笑ましかったですね。
話題性があるということで、生徒会が仕事の一環としてインタビューをしたいから、と接触してきたりもしましたが。
……その担当になったのが、四大美少女の一人でもある生徒会書記を務める後輩、雲雀鏡花で。
晴間くんはうっかり彼女が告白されているシーンに鉢合わせたり、彼女が周囲に隠しているバイト先を発見してしまったり、さらにはhikariが自分の女装であることが雲雀にバレてしまったりと、いろんなイベントを巻き起こすことになります。
お堅い家族の下で育ったお嬢様的な顔も持っている雲雀は、母の反発を恐れてロリータ系の衣装を好んでいることを明かせずにいた。
でも、ロリータが好きな気持ちは本当で……イベントに参加しようと決意して、ちょっとウキウキしてたところを母に見つかるトラブルなんかもありましたが。
晴間くんが、hikariってバレてるのもありましたがいい感じのアドバイスして、吹っ切れたのは良かったですね。雲雀ちゃんの描写も結構良くて、好きなキャラになったんですが……最速で失恋していったのは悲しい。
先に雨宮ちゃんと出会って、彼の一番が決まってしまっていたからな……。
雨宮からのアドバイスもあって彼女の事もしっていたからこそ、晴間の背中を押してしまえる雲雀ちゃん、実に良い娘だったよ……。
雲雀が背中を押してくれたこともあって、晴間と雨宮の関係が進展したのは良かったですけども。