気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

花ヶ田

異能アピールしないほうがカワイイ彼女たち

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「顔も名前も知らない他人が描いた、紋切り型の『サキュバス像』なんかに、私は従うつもりなんてサラサラないわ。ミューデントがミューデントの偶像に縛られて生きるなんて、息苦しいだけでしょ。そんなの個性どころか没個性、順番が完全に逆転しているじゃない」

 

第二次性徴期からの若い期間だけ、サキュバスや雪女のような伝承に語られる存在の力を扱えるように覚醒する……ミューデントと呼ばれる存在が生まれるようになった世界。

『神話(ミュトス)』の『生徒(スチューデント)』という意味で『ミューデント』と呼ばれてるみたいですが。

病気というよりはちょっとした特徴の一つ、みたいな形で受け入れられているとか。

 

とは言え、主人公の古森翼の幼馴染である斎院朔夜はサキュバスであることを公言してて……思春期の男子たちから劣情を向けられることもしばしば。

ただミューデントの能力って、伝承そのまま凄い能力を使える、みたいなものではなくて。

例えば猫娘の真音とかで言うと、「夜目が利く」とか「嗅覚が秀でている」とか。ヴァンパイアなら吸血だけで眷属を増やすようなことは出来ないし、人狼も満月の夜にテンションは上がるけど獣人のような体に変身するようなことはない。

ただ、サキュバスは魅了……性的興奮を刺激する能力を持っているのは確かなんですが、元々サキュバスは魅力的な女性であることが多いので、男子が興奮してもサキュバスの能力由来なのかどうか区別はつけられない、なんて話もありました。

 

朔夜と幼馴染であり交流の多い古森は「コウモリ」なんて蔑称よりのあだ名をつけられているけれど、ミューデントではない一般人。

ただちょっとミューデント関連の情報については、色々と詳しかった。

朔夜と古森は文芸部の部室を不法に占拠していたけど、活動実態がないということで生徒会からメッセージを貰うことになってしまって。

生徒のお悩み相談を受け付ける活動を始めることになって、いろんなミューデントとの交流が生じていくわけです。

「ミューデント」という存在になってしまったことで、評価の物差しが一つ増えている彼女達(実際には男もいるんだろうけど、作中では女子しかでなかったので)は、偏見の目だったりに悩んだりすることになるわけですけど。その悩みを聞いてくれる場所が出来たのは、良かったんじゃないですかね。



星美くんのプロデュース Vol.3 女装男子でも可愛くなっていいですか?

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「……一緒に、いてくれるの?」

(略)

「……違います。わたしが、いたいんです」

 

星美くんの幼馴染にして、「可愛い」にトラウマを持つ原因ともなった少女・未羽美憂が転校してきて。

彼女もまた色々と抱え込んでいた、というか。とある出来事から「可愛い」を嫌うようになってしまった母に逆らうことが出来ず、星美くんに酷いことを言うコトに繋がったみたいです。

 

自分が「可愛い」を奪われたからこそ、同じように「可愛い」を好きだった星美くんを同じところに引きずり落そうとした、だとか。大分湿度が高いというか。

そして、その行いを後悔している彼女は再会できた彼と仲良くしたいという気持ちがないわけじゃなかったみたいです。

ただその割には言葉のチョイスが致命的に悪すぎるよなぁ……って感じもしますねぇ。

 

ストレスが溜まって女装して楽しもうとしていたところ、その未憂と出会ってしまって。

抑圧されても「可愛い」が好きだという気持ちは変わらなかった未憂の葛藤を見て、「存在しない女子生徒」のコーディネートアドバイスを始めてしまうあたりが、星美くんだなぁ、というかなんというか。

幼馴染との再会からのアレコレでトラウマを刺激された星美くんでしたが、それを乗り越えていけたのは良かった。それに貢献したのが心寧ちゃんだっていうんだから、シリーズの積み重ねがあってこそですよね。完結巻ということで主人公を掘り下げていったのは王道の流れでしたが、良かったですねー。



星美くんのプロデュース Vol.2 ギャルが似合わない服を着てもいいですか?

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「その気持ちを、きっと折戸くんだって抱えてる。『期待外れだと思われたくない』って、嫌われたくないってことだよ。でもそれって本当は期待してほしい、って裏返しだよ」

「裏返し……」

「だから、嫌われるのが――期待外れになるのが怖くても、前に進めるってところを見せてあげてよ」

 

女装男子の星美くんと、心寧ちゃんとその友人聖蘭との交流は続いていて。

まぁ、聖蘭の前だとジルちゃんとして振舞っていくことになってはいますが。

星美くんが心寧と出かけたある日、心寧が人とぶつかってしまって……その時に持っていたコーヒーを鞄にかけてしまった。それが高額ブランド商品だったことでワタワタする羽目になってましたが。

お相手はあまり気にせず使っていて、気にしないでいいよと言ってくれたんですが、それでは気が済まないから出来る範囲で弁償を……という話が出て。

 

その人物が店長を務めているカフェでバイトを掏る流れになって。

……まぁ星美くんではなく「ジルちゃん」で入ったことと、そこで折戸くんが既に働いていたせいで、別の火種を抱え込むことになっていましたが。

コーヒー掛けたのは心寧だったわけですが、陰キャを自称する心寧はまぁ接客業には不向きすぎて初日でクビ通告されてました。うーん、順当……。

 

女装を隠している男友達と一緒のバイトで接点が増えて。

それを隠しつつ悩んでいる彼に的確な言葉を掛けたせいで、妙な状況になってしまったり。

さらには折戸が気になっている聖蘭のプロデュースをすることになったりとしていました。妙なすれ違いとかみ合いがありつつも少し前向きになれる決着を迎えられたのは良かったですねぇ。

それでホッとしたところ、エピローグで刺されたわけですけど。今度は星美の過去が襲ってくるわけか……3巻楽しみだけど怖いな。

私の推しは悪役令嬢。1

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「どんなにつらくて苦しいときも 最後の最後まであきらめないでください」

「ちょ ちょっと… なんですのそれ? そんなことが望みですの?」

「はい それが私の望みです」

 

王立学園を舞台に、3人の王子様との恋を楽しむ乙女ゲーム。

ブラック労働をしていた大橋零は、そのゲームをプレイすることが息抜きだったが……ある日プレイ中に気が付いたらゲーム世界に入り込んでしまっていた。

さらにゲーム主人公の特徴であるテイラー姓も持っていて……。好きなゲーム世界で過ごせることになったわけですが。

 

乙女ゲームをプレイする女子ではあったものの、彼女の推しは攻略対象の3人の王子様ではなく、ヒロインに嫌がらせをする悪役令嬢クレアであった。

レイもまたゲームヒロインのように彼女からの嫌がらせを受けることになるわけですが。推しからのコミュニケーション! とテンション上がってるのは、もう限界オタク過ぎて笑うしかないんだよなぁ。

 

そして推しを前にしてテンションバグっているオタクの相手をするには、クレア様はちょっと常識人に過ぎたというか。

貴族令嬢として立場もありながら、平民相手の嫌がらせにも自ら動くあたり美徳でもあるような、貴族としては欠点も抱えて良そうな気配はありますが。

レイの目線で見る彼女は、なんか見守りたくなる微笑ましさがあり、レイが推しているのも分かるなぁ、という感じです。

 

クレア様に注目してもらって嫌がらせしてもらうために、ゲームと同じイベントを発生させようとするの、歪なんだよなぁレイ。

でもそれだけ推している熱と、抱え込んだ知識は本物で……。それを活かして、1巻時点でクレアのメイドとして潜り込んでましたからね。クレアの父を言いくるめたワードは妙に意味深で気になるところですけど。なんのゲームイベントが絡んできてるんですか。

星美くんのプロデュース Vol.1/陰キャでも可愛くなれますか?

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「だって、どれだけわたしが自分のことを否定しても、星美くんは一度だってわたしのことを否定しなかった。わたしが変われるように、諦めないで背中を押してくれた。だから、わたしが強く見えたのなら、それはきっと、星美くんのおかげなんです……! 星美くんが隣で支えてくれるって思うと、なんだか、今まで怖かったこともあんまり怖くなくなるんです」

 

女装が趣味の主人公、星美次郎。

必要な知識としてファッションやメイクなんかの知識をしっかり仕入れて活用し、女子ともそう言ったトークで盛り上がれる立ち位置になっていましたが。

友人たちにも女装趣味は伏せていた。ただ女装して出かけた先で、ファッションに悩む女子を見かけたら「可愛くしてあげる」と声をかけていたことから、『存在しない女子生徒』の噂が学校で流れることになってしまっていて……。

 

それでも趣味の女装はやめられず、「(姉からもらった制服で)女子生徒と誤認されてるなら、私服で出かけよ~」って出かけるの、自由ですねぇ。

バレるリスクがあっても、可愛いとは時に人を狂わせる魔法のような力を持っている、と自覚して動いているわけですが。

その上で悩める女子への声掛けもやってるんだから、もうすこし自重してもいいのでは、とはちょっと思いましたが。

 

実際声掛けの帰りにクラスメイトの陰キャ女子に見つかって、「可愛くしてほしい」というお願いをされてしまったほか、ウィッグが取れてしまったことで正体発覚までしていたわけですからね……。

学校でのバレを星美は警戒してましたが、心寧は「可愛い」として認めた相手の秘密をバラす気はなかった。……というか陰キャすぎてバラそうにも話しかけられる相手がいないという悲しい暴露までしてましたが……。

 

「可愛くしてほしい」という提案に対して星美くんが躊躇していたら、頑張ってバラしてやると脅迫じみた真似までしてきたけれど。

陰キャ力高すぎて自虐が過ぎるのはちょっとアレでしたが、星美くんの女装趣味を否定しないでくれたのは良かったですね。花ヶ田さんのイラストが本当に綺麗で、可愛くなっていく過程が描かれているの良いですね。スカート選んで試着しているシーンの絵と、カジュアル寄りの女装する星美くんのイラストが特に好き。

 

星美くんの指導によって少しずつ変わっていく心寧は、注目を集めてクラスで浮きかけたりしてましたが……友人たちのアドバイスを受けて対処したりもして。

心寧さんには心寧さんの想いがあって。星美くんに「過保護で過干渉」と突っぱねられるシーンもありましたが……自分がおかしなことをしてる自覚はあって、自罰的になってしまうの背負いすぎ感はある。

過去に傷を持っていた彼女が、それと向き合うことが出来たのは良かったですねぇ。

16年間魔法が使えず落ちこぼれだった俺が、科学者だった前世を思い出して異世界無双2

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「いいか、これは兄貴分からのアドバイスだ。なんでもかんでも見返りとか対価を求めるのはいいことじゃねえ。確かにそういうことを耳心地のいい言葉で振りかざす奴もいるが、損得を抜きにした人間付き合いができた方が人生は絶対豊かになる。俺に恩を感じてくれてんなら、そうだな、他の誰かに返してやれ」

 

ロニーの魔法研究は成果を出したものの……それで自分が扱えるようになった魔法の協力さに、彼は恐怖を感じて。

力に溺れるような愚かさを示さなかった部分は安堵できますけど。悩みを得つつも、少しロニーが前向きになったところで、父の策略が発動。

 

父は、無能として知れ渡った彼を始末しようと殺し屋を雇って。

もともと身体能力も低く剣も振るえないことで評価が下がり、魔法が使えなかったことで欠陥品扱いを受けたロニーですから、緊急時への心構えがなってなくても仕方ないか。

いきなりナイフで刺されて混乱して、それでも足掻いたのは偉かったですけどね。

辛くも撃退し屋敷に戻ったロニーを出迎えたのは、虜囚になる運命だった、と。

 

他人に変装できる魔法使いがロニーに扮し、屋敷の使用人を襲っており……冤罪でロニーは捕まることに。

いやはや、命を狙うばかりではなくロニーの評判まで貶めようとか、念入り過ぎて怖いよ。

その裏側にはより上位の貴族の思惑が絡んでいたようですしね……あまりにもロニーが救われない。

 

事実に気付き其の上で、弟のために父を殺さない選択ができたのはすごいと言えますが。

……追い込まれた中で一人で考えた最善が、本当に最善とは限らないというか。弟のヨハンが純粋に兄を慕っていたのに、何も教えてもらえなかったと結構沈んでるっぽかったのが惜しいというか。

タイトルに「無双」って入ってますけど、いうほど無双はしてないんですよねこの作品。むしろ泥臭く研究して一歩ずつ進んでいく話なので、全てロニーに解決してもらうってのも難しいところではありますけどね……。

 

家を出たロニーがダミアンを頼って、王都で生活の基盤を整えることができて。

そこで研究に打ち込みつつ、子供たち相手の講師を務めたりと良い環境で過ごすことができてる分、ヨハンのおかれた環境の厳しさがどうしても気になってしまうのは確かです。

水魔法からの氷魔法、そして今回は光魔法の基礎を掴もうとしている彼の歩みがどこまで行けるのか見守っていきたいですねー。

16年間魔法が使えず落ちこぼれだった俺が、科学者だった前世を思い出して異世界無双

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「前の俺はただできないと決めつけて諦めていた。でもその実、何も努力なんかしていなかったんだ。あえて言おう、今までの俺は愚かだったと。だがその十六年間の無念に、今の俺が報いてやる。魔法の方程式とやらを奴らにつきつけてやろうじゃないか」

 

ナラザリオ伯爵家の長男として生まれたロニー。

しかし16歳となった彼は、両親からも使用人からも期待されない「欠陥品」扱いをされていた。

それはこの世界では誰もが魔力を持ち、規模の差こそあれど魔法を扱えるはずなのに、彼はそれすらもできなかったから。

それでも弟は慕ってくれていたし、期待はされてないにせよ食事等の世話は最低限してくれていたので、なんとか生き延びていた感じですが。

 

ある日、階段から落ちて頭を強かにうち……科学者として生きた前世の記憶を取り戻す。

そして彼は弟の協力を得ながら、「この世界の魔法」を科学的に分析しようと試みることにして。

魔法が使えないのにも関わらず結構真に迫った仮説を立てるところまでは行ったようです。

ある程度研究が進んだ折、ロニーは領地にある祠で精霊セイリュウと出会います。

本来人には見えず聞こえず触れられないはずの存在だった精霊の存在を、ロニーはなぜか察知することができて。

この世界に魔法を与えたとされる精霊の視点から、ロニーの論理が間違ってないだろうとお墨付きをもらえたのは良かった。

 

更に、ロニーが魔法を使えないのは、あくまで彼自身の肉体に魔力の出口がないことが原因であり、「出口」となるものを用意することで魔法を使えるようになるという知識まで与えてくれたのはありがたかったですね。

ロニー自身が魔法を扱えるようになったことで、この世界にこれまで存在していなかった「氷魔法」を実用的な形にすることに成功したわけですし。

彼を認めてくれる人が増えてよかったと思う一方で、父の周辺で怪しい動きがあるのが気掛かりですね……。

グリモアレファレンス2 貸出延滞はほどほどに

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「いいか……お前が迷宮書庫の意志なのかなんなのか、知らないが」宣言を下す。「俺は……俺達は必ず、この場所を解き明かす。全てだ」

 

1巻は、地下書庫について知って、隊を結成し実績を積みつつ、最後には他の隊も巻き込んだ大規模作戦を実施するという、一連の流れが描かれていましたが。

今回は連作短編形式と言いますか、章ごとに違う事件が起きて山あり谷ありを経た後、最後には守砂隊だからこそ訪れた試練に挑む、という展開でした。いや、どの事件も中々楽しかったですねぇ。

 

試験前でボチボチ活動頻度を落とそうか、と言う所に飛び込んできたレファレンス。

地下六階にあるという情報をもらい探しに行ったものの……書類上の本棚には収まっておらず。階層全てを探し回る羽目に。

ありますよね、本来とは違う場所に勝手に戻されるの。凄い困るんだよな……。今回の一件は、迷宮書庫ならではの理由も影響してはいましたが。予期せぬ時間泥棒に遭遇した守砂隊はお疲れ様でした。

 

三火、試験勉強を尊と一緒にやろうと思ったら、レファレンスで知り合った教授に教わっていて出遅れてたり、何かと残念な部分もありますが。

彼女の容姿・性格は実際のところ守砂の好みドンピシャみたいですしね。もうちょっと姉ぶる態度を抑えれば完璧みたいですが。早く付き合え、という気持ちともうしばらくそのままで楽しく観察させてほしいという気持ちが入り混じってる。

 

たまたま一緒に延滞書籍の回収業務になった時とか、凄く可愛く笑ってましたし、どちらかと言えば頑張ってほしい気持ちの方が強いかな?

イラスト的にはエスキュナも可愛いですけど、なんというかマスコット感が強い。ちなみに私が一番好きなのは思兼先輩なんですが……。パンケーキと格闘してるの微笑ましかったですね。

 

男子だけしか入れない隠し書庫の情報をこっそり共有してる、思春期男子のバカみたいなエピソードは笑えたし。

地図作成のために、階層を端から端まで踏破した守砂隊がイベントフラグを建てたというのも納得できる展開で良かったですね。探索委員の仕事、バイトみたいにしてる人も多いってことですから、これまで条件を達成したチームが居ないのも納得できるし。

障害に折れず、前に進む気概を示してくれたのは良かったです。今回も満喫しました。


グリモアレファレンス 図書委員は書庫迷宮に挑む

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「面白いコト、見せてくれるのよね?」

(略)

「もちろん。期待していい」

 

国内有数の蔵書数を誇る宇伊豆学園の図書館。

開架書庫が地上4階、地下2階の規模を誇り、限定的に学外へ開放もされており、研究者なども利用するほど。

しかし、それはあくまで表の顔。

 

より深い場所ある「閉架書庫」は、奇書・稀覯本が収められていて、図書委員の中でも一部の人員は、その閉架書庫の探索も兼任していた。

広大なだけならまだしも、障害となる魔獣まで闊歩していて。迷宮と呼ばれていた。

探索チームも魔書というアイテムで、バフをかけたり魔法じみた力を発揮したりしてますが、時には犠牲者も出るとか。

 

……最も、迷宮内で負った損害は、外に出ると治るという不可思議な環境で、頭部さえ確保できていれば死者も蘇るほど。

故に、探索チームも危険と隣り合わせながら、報酬ももらえるということでバイト気分で臨む人も多いそうで。

いやぁ、いいなぁ。正直楽しそうだなぁって思いました。学校生活の中で、リアルにファンタジー体験出来て報酬ももらえるとか羨ましい。

 

主人公の守砂は、序盤はそのことを知らない一般生徒でしたが。

手違いから迷宮に迷い込んでしまい、魔書に適合した為探索チームに勧誘されて。

いくつかの条件を付けた上で、守砂も了承し。チームを結成して探索していくわけです。

素人ゆえに、最初は失敗をしたりしていましたけど。

目標は明確なうえに、守砂が適合した魔書の能力がオートマッピングや敵探知。さらには、未踏地では周囲の能力が強化されるバフ能力まであって。
ゲーム的だけど、他の魔書の能力が身体能力強化とか攻撃・防御手段が多そうなのに、探知・支援型の能力はかなり反則的なのでは……。

 

報酬を求めて競い合う環境であるため、助け合いの精神が薄い探索委員。

迷宮の特性もあって、取り残された班員に救助を出せない事も多いとかで。

「じゃあ、僕の隊がやります」と。報酬よりも、探検に主体を置いているから、なんて利己的な判断もありましたけど。

 

魔本の能力的にも適役ですよね……。地図を作って情報共有したりもして、その結果ちょっとした騒動が起きたりもしてましたけど。

相手に利益を与えつつ、自分の目的も果たしていたのでお見事。裏でこそこそするんじゃなく、自分も命かけていたので、不快でもなかったですし、むしろ痛快だった。

勇骨を読んでいたので、期待してましたが楽しい新作でした。続いてくれるとうれしいなぁ。

あと、挿絵も好みの雰囲気で良かったですねー。
別チームの人だけど思兼先輩が特に好き。表紙のエスキュナーちゃんも中々。
歳上幼馴染な天寺先輩は……守砂関連だと箍外れちゃうとこ含めて面白い人だと思いました。
守砂、本命は早めに決めた方がいいぞ……。天寺先輩以外を選んだ場合が怖そうだけど。

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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