気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

英雄と賢者の転生婚

英雄と賢者の転生婚4~かつての好敵手と婚約して最強夫婦になりました~

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「――ただ強いだけの奴だったら、俺は『英雄』とは呼ばれてねぇよ」

 

以前話題にでた、千年以上生き続けてる東方大陸の国主の獣人少女が、まさかまさかの来訪というのが口絵に描かれてびっくり。

婚約者を守ろうとエルリアは腕組んでるし、レイドも珍しく冷や汗かいてる感じで面白かった。

 

序章が中々に不穏だったと言いますか。平和と安寧のためにエルリアが作った魔法という技術。けれど、それによって争いは激化し……何度も何度も、悪用するものを殺してきたという過去。

それを数百年以上繰り返してきた、だとか。彼女に会いに来た『英雄』が、「今までの記憶」どうこうの会話していたりだとか。

 

エルリアが賢者ではなく『魔王』と呼ばれていたり、英雄が転生を繰り返しているとか。気になる情報の宝庫過ぎたな……。『魔王』エルリア、絶望しすぎていて今のレイドとイチャイチャしてる彼女みてると別人のようでしたねぇ。

ウォルス、転生を繰り返した『英雄』達の願いを『魔王』エルリアに届け、幸福な未来を描こうとした人物だったんですねぇ……

そんな彼から、本来辿るはずだった歴史と、改変された歴史についての話を聞いて、アルテインの遺志を継ぐ連中は許すべからずという方針を共有できたのは良かったですね。

独自の方法で新しい『英雄』生み出しているのといい、面倒そうな相手ではありますけど。

 

レイドが『英雄』と呼ばれていたのも納得の知識と分析力で、侵略者たるアルテイン側の行動を予測できるのは強いですよねぇ。頼もしい。

敵が動くだろうし、それは襲撃ではなく戦争と呼べるレベルのものだろう、って予測してましたし。純粋な強さ以外でも、対処できる部分あるの良いなぁ。

相手側にも事情があり、それを汲もうとする度量を持っているレイドとエルリアは本当に格好良かったです。

いまを生きるレイドとエルリアが紡いできた縁を頼りに、戦争にまでなりかけた状況を上手く解決する方法まで見出していたわけですからね。やることのスケールがデカいわ。

英雄と賢者の転生婚~かつての好敵手と婚約して最強夫婦になりました~3

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「あなたが駆けつけてくれた時……私は本当に嬉しかったんです。自身の命を賭してまで、その想いを貫いてくれたのですから」

(略)

「だから――その想いが遠い未来で果たされることを、私たちは過去より祈っています」

 

アルテイン時代のレイドのエピソードからスタート。

彼はあまりにも病弱で、故郷はそもそも寒村なのに戦争続きで貧困が続くような状況だった。

そんな状況であっても、息子の前では溜息をつかないように配慮できる母と、元気になったらいろいろと教えてやるとと笑ってくれる父の下に生まれたらしく、家庭環境だけは恵まれていたようです。

ただ、国や村の貧しさだけが問題で……ジリジリと平穏が崩れていっただけで。

 

優しい家族の、わずかな助けになればと自ら身売りに行こうとするあたり、レイドは思い切りが良すぎますが。

……そしてレイドは不審な男に出会い、「英雄と賢者、どっちになりたい」と聞かれるわけですが。

エルリア含めて転生してること含めて、絶対なにか知ってそうな奴が出てきましたね……。

その男もかつて英雄だった存在を知っていて、その相手の真意を理解できず突き放した経験を持ってるみたいですから、黒幕というには不審さが足りないというか。

いやでも終盤の台詞とかは怪しかったな。レイドが英雄を作った、みたいなこと言ってるし。その真意が明かされるのはいつになるのやら。

 

あとは、ファレグに付き従っていた従者2人が無事に復学することになってましたね。

しっかりと挨拶に来る辺り律儀だなぁ。まぁファレグ君も2巻で大分丸くなったとは思いますが。

従者2人はファレグの困った性格を知っている当主が、フォローを頼んでいたらしくてそこは納得しかありませんでしたが。

幼馴染故の親しさもあってか、ファレグの恥ずかしエピソードを赤裸々に語り合う2人はなかなかにいい性格してると思いました。

そしてその従者2人もまた、レイドとエルリアの地獄特訓の餌食となるのだ……合掌。

 

エルリアたちのいる国では外的変化を齎す魔法が発達したけど、東方では呪術という内的変化を齎す別技術が発展してるとかで。

普段はその地域を担当している特級2人が、今回レイドとエルリアの試験官としてやってくることに。

トトリ達の背景とかも結構良かったですけど……レグネアの情報が出てくると同時に、かつてのレイドが成し遂げた偉業の情報出てくるの笑っちゃうんだよな。危険な海域を泳いで渡るな……。

 

1000年前の、婚前に「そういうこと」をしないという価値観をレイドとエルリアは持っているわけですが。

凄いイチャついてて夫婦とからかわれても、まだ婚約者と都度訂正するその理由が、「どちらが強いか決着をつける」という名目で婚約したわけだし、まず目の前の問題としてそこに決着をつけたいと思うあたり、戦場にあった人だなぁという感じ。

まぁそれらはあくまで筋を通そうとする理屈であって、普通に好きだし惚れてると認められる状況ではあるみたいですし……状況によって対応を変えたりしてましたけどね。

照れてるエルリアが可愛かったです。

レイドたちの関係は良好ですが。転生の謎は深まるばかりというか、レイドとは別の『英雄』が現れたりして、気になること増えてきますねぇ。最後に手がかり見つけた感じで終わってるので、情報開示回となるだろう4巻が早めに来てくれると嬉しい。

英雄と賢者の転生婚~かつての好敵手と婚約して最強夫婦になりました~2 

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「だから、何かあった時はレイドを信じて任せたい」

(略)

「――おう、全部任されてやるよ」

 

前回の騒動を見事に解決したレイド。

しかし、彼の能力の全容は明らかになっておらず――魔法全盛の時代において、彼の存在を認められない人も多かった。

学園長はレイドの味方で、彼の功績を認めて報奨を与えるべきだと提言してくれたみたいですが……認めない大多数に押されてしまったそうで。

 

とは言えレイドも元英雄として培った経験もあり、平民出身の怪しい能力持ちが不審な魔獣を討伐したなら、自作自演の可能性を疑う人もいたハズだという上層部の言い分にも予想がついて。

それを説得できる材料がないから、結論に文句はないといえる当たり大人な対応するなぁ……。もっともエルリアの方が不満そうでしたけどね。

上層部としては魔法の天才であるエルリアの功績としてしまいたいけど、そうするとレイドの功績を奪う事になるから、と。互いを思いやっている感じがして良いですねぇ。

最もその後、上層部から嫌がらせとして課されたレイドの試験は全て特級魔法士が受け持つって決定を聞いた後、私も戦いたいって言うあたりがエルリアなんですが……。

 

自分達が転生したと言う事を、ウィゼルとミリスに打ち明けたレイド達でしたが。

この2人を育てる時も実戦主義で育ててますし。レイドも、以前因縁を付けてきたファレグに剣術を叩き込んだりしてるし。

ファレグ、前回の騒動で取り巻き2人を守って逃走の手が打てたり、振る舞いはアレですけど中々根性在りますよね。今回、予想外にもミリスに大きな借りを作る事になっていたのが、今後どうなるのかとかは気になるところ。

 

レイドとエルリアの凄いところって、個人戦力としてずば抜けているだけじゃなくて、しっかりと後進の育成にも意識が割かれてる所ですよね。エルリアの弟子たちはいわずもがなですし、レイドはレイドで彼を慕った人物の末裔が健在ですし。

過去に存在した大国が歴史から消された今にあっても、彼らの功績は生き続けているのがとても良い。

 

異国からやって来て、その力を見せつけることを求められている少女ルフスと縁が出来て、エルリアが決闘のような事をすることになりましたが。

……そこでもまた不審な介入があって。レイドとエルリアの転生にも誰かしらの思惑は絡んでいるんでしょうけど、怪しい「先生」といい敵が何を目的としてるのかはいまだ見えず。気になるので、どんどん続き出て欲しいなぁ。

英雄と賢者の転生婚~かつての好敵手と婚約して最強夫婦になりました~

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「誰かに褒めてもらえるのって、すごくうれしいことだとわたしは思ってる。だけどレイドはずっと一人でいたから、まだそのことに気づいてない」

(略)

「――だけど、今はわたしがいるから一人じゃない」

 

1000年前の戦場において、大剣を振るい戦果を挙げ続けた英雄レイドと、魔法という新技術を編み出し彼と戦い続けていたエルフの賢者エルリア。

2人は所属する国が違うために戦っていましたが、それぞれより良い未来を目指していたのは同じで。

50年以上戦い続けていたが、エルリアの死によってその関係は一度終わりを迎えます。訃報を聞いてからレイドが取った行動が好きだなぁ。

 

そして2人は死後、どういうわけか1000年後の未来に転生を果たす。

エルリアの国が大陸の覇者となり、魔法市場主義が敷かれる事となった世界では、魔法への適正がなく物理特化の英雄だったレイドは評価が難しい対象だったわけですが。

今世では人間となり、名家に生まれたエルリアがレイドを発見。婚約者として迎え入れることで、彼の立場を確立しようとします。

 

それは利益供与の契約ではありますが、あくまで建前。対人コミュニケーション能力が乏しいエルリアが告げられなかっただけで、しっかり彼への恋心があるのが良き。

レイドの方も前世での縁もあって、彼女の存在を忘れた事はなかったようですし。2人の関係が中々に尊くて良いですね。

ただ世界全体が魔法至上主義になってしまったのは、危うさも感じますけどねー。一極化しすぎると、それが通じなかった時対処するの大変そうじゃないですか。

まぁこの2人のスペックがとんでもなく高いので、大抵の障害は蹴散らせるので安心して読めますが。

なぜ2人が同じ時代に転生したのか。歴史から消された情報がある事などなど、気になる設定はいくつもあるので、シリーズの続きを楽しみに待ちたい。

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