気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

荒川弘

黄泉のツガイ8

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「困った時はお互い様ですよ」

「あの宇宙…黒服のツガイさんも言ってました」

「「ツガイさも日とも一人では生きていけない」って」

 

ツガイという伝承寄りの存在を知っている、現代の異能使いの集まりである影森家。

そんな家でも、不審死が出たら家に警察が入るから秘密裏に死体は処理しないとと言っていたり。

弾痕なんて一般の医者に掛かったら根掘り葉掘り聞かれる奴……とアサが心配したり。

そもそも隔離された村で育ったユルみたいに、戸籍も怪しい子がいたりとかなどなど。現代社会だなぁ、って問題点にチラホラ触れられているのがなんか好きです。

影森ゴンゾウ氏、めっちゃ強い人ではあるのが前回描かれていましたし、今回も当主として決断を下せる人だと描かれていましたけれど、完璧じゃないのは良い塩梅だと思います。

 

影森陣営もアキオという裏切り者を出してしまったし、そこから得られた情報も限られている。

東村はアサを含む影森家や、イワンが乗り込んだことで多くの死者を出してしまっている。

どっちも双子の完全な味方ってわけでもないですけど、バックアップなり情報源なりになる伝手でもあるわけで。そこが弱体化するって言うのは、正直嬉しくはない状況ですよね。

イワンがつるんでいる、滅んだはずの「西ノ村」陣営と思しき連中が暗躍していてるみたいですし。

……イワンのツガイから双子の親の血の気配を左右様が感じ取ったりしていましたし、両親と普通に暮らすという双子の願いにとって一番の障害となるのが、今のところ西ノ村陣営にはなりそうです。

 

ただ、6巻まで来ましたが未だにユルは「封」の力に目覚めていませんし、もう一つ二つ波乱が起きてもおかしくはないよなぁ、と思っています。

双子が力に目覚めた後に動き出す陣営とかが居てもおかしくないんじゃないでしょうか。

黄泉のツガイ7

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「まだ俺に付き合ってくれるのか?」

「あたりまえじゃい!」

「主ユルよ わしらは常にお主と共に在るぞ」

 

冒頭が東村から逃げた時のアサと両親の視点でしたけど。

下界の事を知っている母が、かなり現実的に「保護を求めたら『行方不明者の発見』として広く報道されて、東村に場所を知らせてしまうことになる」と現代の情報拡散能力を知っているからこその悩みで良かった。良くない。

アサとユルのこと大事にしているのが伝わってきてるのに、今行方不明なんだもんなぁ……。

 

さらわれた偽アサと東村の子どもアザミちゃんのところに最初に踏み込んだのは、思う所ありまくりのアサ本人で。

陰陽ちゃんの力で確保して、言いたい事は本当に山ほどあっただろうに、仕事を優先して戻ったの偉い。その時に言ったのも「ここを出たら兄様に今までのこと全部説明しなよ」なのが、彼女が兄大事にしてるの伝わってきますね。

大事にしすぎて影森の人から「兄大事ウーマンでポンコツ化する」認識になってるの笑っちゃった。

 

双子の父母についての情報を持っているイワン、情報を求めてる左右様は殺しがご法度っていう制限があるとは言え(割とやる気だった気はしますが)、左右様と戦いつつ捕まらず。

応援として駆けつけたユルの弓や、デラさんの狙撃を相手にしても致命傷は追わずに逃げ延びたの厄介すぎるな……。

両親を殺したと挑発されようと、心を落ち着けられたユルの狩人メンタルはお見事。大分ギリギリでしたけども。アサと再会できていたのが良い影響を与えててホッとした。

……途中「狂暴なところが似ている兄妹」みたいな評価されてましたけど、最後のシーンの2人で敵認定したイワンと次対峙した時の打ち合わせしてるシーン、迫力ありましたねぇ……。

黄泉のツガイ6

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「四百年ぶりの双子だぞ 「解」と「封」がそろえば 俺たち東村が天下を取れるんだぞ!」

「ガキ二人の人生犠牲にして得られる天下でふんぞり返ってるおっさんにはなりたくないんだよ俺は」

 

東村を襲撃し偽アサと子供を攫ったイワン。

彼が振るう刀のツガイから、左右様はユルの両親の血の匂いをかぎ取って……。

左右様がイワンを引き受けて、別途連れ去られたユルを田寺が追う形になったわけですが。

 

双子の力を開放するためにユルを殺そうと目論む新郷相手に臆せず、隙を見て逆に命を狙いに行くあたりが狩人メンタルだよなぁ。

相手もさるものというか、ツガイの能力によってユルもサクッと逆転されてしまってましたが。ツガイ持ちが12体を伴っている、っていうのが活きますよね。

……かと思ったら、影森当主のゴンゾウさんがトンデモ能力披露してきたわけですが。その爺さんの陣営に解の力を得たアサがついてるの、強すぎ。

たまにツガイ見えない人視点での描写も入りますけど、「じいさんがシャドーボクシングすると、建物が壊れる」みたいな警備員視点笑っちゃった。

 

影森内部にもスパイが潜り込んでいたみたいですけど、それをあぶり出すために先日の襲撃から内側に引き込んだ人材も活用しているの、良かったですねぇ。展開が繋がっている。

狩人メンタルのユルに射抜かれていたガブちゃん、強かったんだなぁ……。相性も大きいのだと実感しました。今回の彼女の戦闘シーン迫力あって好き。


黄泉のツガイ5

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「おまえも俺をだましてたんだな」

 

小凶と大凶というツガイを連れたイワン。

空間系の能力を持っているらしく、祈祷師を介して結界に覆われた東村に侵入し蹂躙を始めたわけですが……。

解と封の双子の片割れユルを、偽物のアサを使って縛り付けたりした悪習のある村ですが……だからと言って、こんな風に殺されていいわけではないでしょう。

1巻の時の襲撃は双子のアサが関与していた復讐だったわけですが、これは本当にただの蹂躙じゃないですか……。

 

イワン、人斬りの性質を持っている上に最後に左右様と対峙したときにめっちゃ重要そうな指摘されていましたし、叩くだけ情報落ちそう。

祈祷師を利用するだけしたあと切り捨ててるイワン、外道だなぁって感じではありますが。その祈祷師の遺体にユルへのメッセージ残したり、どこまでも利用するつもりなの厄介すぎる。

 

ユル達が新しいツガイと出会ったりしてましたけど、犬が主となったために固有の名前を付けてもらえてなかった宇宙人っぽい2人。

彼らの訪問によってちょっと空気がコミカルになりかけましたが……東村のピンチを知らせに来たダンジの秘密に気付いたりして、ピリピリしはじめて。

イワンの呼び出しを見たことで、情報を聞いた外で活動する東村関係者「山賊」が対処に動くことになっていましたが。
ダンジと遭遇して情報を得たユル達も独自に動くことになって。……まぁユル君ハンターメンタルだから「山賊」に先陣切ってもらおうって言いだすの、強すぎるんだよなぁ。
現地に赴いたことで、敵から干渉されることにもなっていましたが。思った以上に空間能力系の能力持ちのツガイ多いんだなぁ。そうでもなければ、影森サイドが何年もアサたちの両親見つけられない、なんてことはないか。


黄泉のツガイ4

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「これは俺の仕事だ」

「「承った!」」

 

田寺家のツガイ、マヨイガの領域で手長足長と戦うことになった一行。

デラさんが左右様の主と誤認させて攻撃を引き受けたり、保管されてた武器で反撃を仕掛けたり、飄々としてるけど頼れるところは頼れますね。

……下界に出てる東村関係者で、4巻後半で発覚しましたがユルへ「山賊」差し向けたこと知ってる人とのつながりもあるので、信じすぎても良くないとは思いますが。

 

ユルも守られるばかりではなく、自分なりに出来ることをしてますし。狩人メンタルで、なんだかんだ強いんだよなぁ……。

左右様との信頼関係も築けているし、少しずつ成長もしてる。

 

とは言え、相手も油断ならない存在ではありますけど。

影森家のアスマ、人とツガイとで2重に尾行してマヨイガへの抜け道察知したり、大分食えない。

ただあからさまに怪しい動きしてるから、双子の両親誘拐とはまた別口なんじゃないかなぁ……。彼の叔父が、影森襲撃の際に潜んでいた刀使い囲いこんでるみたいですし。

その刀使いが東村まで襲撃したとなると、目的が分からんな。

なんで東村と影森と同時期に襲うんだ。双子の力狙いの分かりやすい小悪党、で済んでくれるならいいんですが。
沖縄に住む、双子の母方の祖母が「一言一句同じ電話をかけてくる」状態にされてたり、どこまで悪意が根付いてるのかがわからないからなぁ……。



黄泉のツガイ3

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「俺は逃げも隠れもしない こそこそする理由がない

 東村だ影森だとごちゃごちゃ面倒くさい どっちだろうが俺の首を取りたい奴は取りに来い!」

「ただし全員返り討ちにした上で情報を搾り取らせてもらう……ってな!」

 

アサは影森に保護されていたけれど、去年刺客に捕まってしまって……。

その時に殺され、伝承にある力を得て復活したんだとか。

死んだと思ったら不可思議な空間に居て「ここは地獄?」って思わず零したアサに「なんで死んだら地獄直行と思っておる?」って冷静にツッコミ入れる解のツガイ、面白すぎるな……。

 

ユルも東村の方で襲撃うけて、父の教えを基に撃退してきたみたいですけど。

下界に逃げたアサはアサで大変な時間を過ごしていたんですね……。兄をハンターメンタルと称したアサですけど、彼女も自分の手を汚したことで覚悟が決まったようですから、似た者同士と言えるのでは。

 

実質敵地である影森の拠点に、東村関係者の田寺さんも乗り込んできて。

死ぬと力を得る双子の秘密について田寺が明かさなかった理由が、「1回なら死んでも大丈夫と思うのは危険だ」というもので、それは納得できましたね。

色々な思惑があって双子を狙ってくる勢力がいるようですけども。

ユルも言ってましたが左右様が早い段階で、双子が悪いのではなくてそれを狙った奴らが争いを起こすだけだ、と言ってくれたのはありがたいですね。

スタンスが定まってきた感じはしますが、まだ情報が足りてない状況ですから、この後どうなっていくのかを楽しみにしたい。



黄泉のツガイ2

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「いつ何が起きても万全に戦えるように道具も万全にしておけって父様に教えられれた」

「わけのわからないいこの状況が怖いくないのか?」

「怖いも何も、村を襲われてからわけわかんない事しか起きてないだろ」

 

下界での保護者役である田寺たちを頼らず、単独(ツガイはいるけど)で故郷の村を襲撃した影森の関係者へ攻撃を仕掛けたユル。

妹からガチハンターメンタルと称されただけのことはある、というか。

とは言えユルも左右様も、隔離された村のことしか知らず。影森家側のツガイに、別空間に色々しまえる相手が居たり、特殊技能持ちが居たりで苦戦もしてましたが。

しっかりと一撃お見舞いした上で一人捕らえる辺り、強かです。

 

さてどうなるか、と思ったら影森家側に乗り込んでいくことになるんだから、展開割とサクサク進みますね。

影森家に保護されていたアサが、兄を慕っているけど距離感を測りかねているのいいですね。

……まぁ兄には甘いけど、それはそれとしてユルの故郷を襲撃したときみたいに容赦ない顔も持ってたりするんですけど。

 

素直に情報交換を行えるかと思ったら、影森の屋敷をツガイ使いが襲ってくる事件が起きて。

まぁ使い走りの相手が多くて、簡単に撃退はされていましたけど。

ユルの殺意を察知できる相手も紛れ込んでいたし、油断はならなそうですね……。アサが打ち明けてきた秘密と、ユルが経験してきたことなど、双子の運命は波乱万丈ですね……。ユルが下界に降りたことで、ますます激化していくんでしょうけど。

黄泉のツガイ1

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「あのチビは俺の獲物だ 手を出すな」

 

山奥にある小さな村で、野鳥を狩りつつましく暮らしていたユル。

彼は双子の妹アサを大切に思っていたが、彼女は村の奥の牢で「おつとめ」を果たしている、という。

昔ながらの生活を送っている村だから、そういう因習もあるのかと思いきや……ユルの故郷は実は、結界によって隔離された特殊な村であった、と。

 

1話目から主人公の故郷の村を隠す結界が破られ、ヘリから急襲されて容赦なく人が死んでいく殺伐とした展開になるんだから驚きというか。

さらには普通の人には見えない異種「ツガイ」と呼ばれる存在の力を借りる人々までまざっていて、情報量が多い。

 

ユルは特殊な生まれ故に狙われる存在だったようですけれど、利用するためか多くの情報から隔離されて育っていた。

彼に事情を説明する、という形で世界観説明がされていくのが良いですね。

狙われているから下界に逃げ延びたユルですが、これまで秘密にされていた背景から村の関係者を信じ切ることも出来ず。

彼が契約したツガイの2人も「追われるより追う方が性に合っている」とか言ってるし、分からないなりに動き始めるんだから行動力凄いですよね。

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ちゃか

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