「何が起こってもいいように、最悪のケースを考えながら行動するべきだ」
志穂乃の治療を頼んだセラフィナから、病ではなく毒だという事を明かされた司。
それは志穂乃が、死霊魔術というこの世界で忌避される力に目覚めたことが影響しているようで……かつて自分を暗殺しようとした王女アリアーヌの影を感じるわけです。
さらに、元クラスメイト達を戦力として確保した人間の国と魔族間の戦争も過激化しており……この世界で、特に魔族の国で人間である彼が生きていくには何かしらの後ろ盾が欲しい。
単純にセラフィナに取り入って、彼女に取り替わろうとしている叔父ラドリムを排除する方向にいくのではなくて。
自由傭兵としての活動実績を積み上げていくことで、ラドリムの眼にとまるようにして、彼に取り入ることを選ぶあたりが捻くれてしまった司らしい。
……いやまぁ、最後セラフィナに接触して契約のルーンを持ち出しているあたり、ずっとラドリムを仰ごうとしてるわけでもなさそうですけどね。
ラドリムの性格を想えば今は認められて仕事を任されていても、いつ排除されるかわからないしな……。
そうやってファンタジー方面での状況も進展しているわけですが。
美穂乃との関係に気付いた志穂乃。かつて想い人と姉が先に付き合うことになりコンプレックスを強めることになったこと、この世界で寝込んで孤独を感じていたことから、「見捨てられるのは嫌」という想いが強まって自ら踏み込んで司との関係を深めることを望んで。
さらに、大家さんのシルエとも肉体関係を持つことになったりと、順調にハーレム築いている感はありますが。他の転移者たちが、魔族の軍に対して優位を取るだけの戦果を挙げる強力さを示している一方で、司はまだその領域になくて。仮に今正面からラドリムと戦うことになったりしたら、彼を支持する派閥の戦力も加味するとかなり厳しそうですから司らしい工夫には期待していきたいところ。