気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

菊池政治

ハブられルーン使いの異世界冒険譚3

ico_grade6_3h

「何が起こってもいいように、最悪のケースを考えながら行動するべきだ」

 

志穂乃の治療を頼んだセラフィナから、病ではなく毒だという事を明かされた司。

それは志穂乃が、死霊魔術というこの世界で忌避される力に目覚めたことが影響しているようで……かつて自分を暗殺しようとした王女アリアーヌの影を感じるわけです。

さらに、元クラスメイト達を戦力として確保した人間の国と魔族間の戦争も過激化しており……この世界で、特に魔族の国で人間である彼が生きていくには何かしらの後ろ盾が欲しい。

 

単純にセラフィナに取り入って、彼女に取り替わろうとしている叔父ラドリムを排除する方向にいくのではなくて。

自由傭兵としての活動実績を積み上げていくことで、ラドリムの眼にとまるようにして、彼に取り入ることを選ぶあたりが捻くれてしまった司らしい。

……いやまぁ、最後セラフィナに接触して契約のルーンを持ち出しているあたり、ずっとラドリムを仰ごうとしてるわけでもなさそうですけどね。

ラドリムの性格を想えば今は認められて仕事を任されていても、いつ排除されるかわからないしな……。

 

そうやってファンタジー方面での状況も進展しているわけですが。

美穂乃との関係に気付いた志穂乃。かつて想い人と姉が先に付き合うことになりコンプレックスを強めることになったこと、この世界で寝込んで孤独を感じていたことから、「見捨てられるのは嫌」という想いが強まって自ら踏み込んで司との関係を深めることを望んで。

さらに、大家さんのシルエとも肉体関係を持つことになったりと、順調にハーレム築いている感はありますが。他の転移者たちが、魔族の軍に対して優位を取るだけの戦果を挙げる強力さを示している一方で、司はまだその領域になくて。仮に今正面からラドリムと戦うことになったりしたら、彼を支持する派閥の戦力も加味するとかなり厳しそうですから司らしい工夫には期待していきたいところ。

ハブられルーン使いの異世界冒険譚2

 ico_grade6_3

「ああ、司だ! 志穂乃、助かりたかったら僕と【契約】しろ!」

 

病床の志穂乃を救うためルーンを用いた【契約】を交わした司と美穂乃。

高位の跳躍スキルを持つ領主の少女、セラフィナに必要な素材を教えてもらった2人は、採取のために危険地帯であるギヴァ渓谷に向かうことに。

そこで危険なドラゴンと対峙する羽目になり……美穂乃に突き飛ばされ、戦場を一時離脱することになった司でしたが。

【契約】の縛りはかなり強力で……義務を果たせ、と彼を苛むことに。美穂乃の生存を確認できたのは良かったですけど、魔術による契約、なかなか融通が利かなくて大変ですね……。

 

終盤に司も反省してましたけど、「志穂乃の病気を治すために協力する」ではなく「志穂乃を救うために協力する」と言った影響か、薬が完成してからも2人の契約状態が継続してたりしましたし。契約を結ぶ時は気を付けた方が良い、と反省してましたが、それはそうだよ……。

まぁ美穂乃と契約をした際は、司を裏切った友人・柊恭弥の方が信頼できるというような言葉を美穂乃が言い放ったせいで司も冷静じゃなかったから、多少同情の余地はある。

今回のプロローグがまさに恭弥の裏切りのシーンでしたが、「俺を信じたのはお前の勝手」とか言ってきたりして、なかなかに恭弥も歪んでるな……感はありました。

 

薬は無事に完成させることが出来ましたが、セラフィナが幼いため後見人を務めている叔父が彼女を軟禁状態に置いたことで、面会が叶わない状態が続いたりとかのトラブルも起きていました。

司の排除を躊躇わず実行した王女も健在ですし、あちこちきな臭い世界ではあるので、なんというか今後も司は巻き込まれていきそうだな……という予感しかしませんでしたね。

……そもそも志穂乃は病気ではなく、毒を盛られた結果だなんて話まで出て来てますし。

 

美穂乃、契約の関係もあって抱かれ続ける中で司に絆されている部分も出てきてるみたいでしたけど。リエラに教育を受けているときのエクストラエピソードで、彼女は比較的恵まれた環境に居て、自分なりの「普通」を信じていて、その「普通」から外れた「かつてよく遊んだ幼馴染」に向ける無自覚な視線はどんな蔑みの言葉よりも残酷だった、的なことが地の文で書かれていて、まぁ……そういう娘だよなぁ、……という納得はありました。

ハブられルーン使いの異世界冒険譚

ico_grade6_3
「期待外れで悪かったわね」
「期待なんて初めからしてないよ」

 

級友たちと共に異世界に召喚されたものの……召喚者である姫様に不審なところを感じていた司。

それを疎遠になっていた友人を信じて相談したところ……裏切られ、城を追われることになって。異世界で頼れるものもなく、色々とひどい経験をしたみたいで彼は大分異世界に適応したというか、荒んでいきつつとりあえず生きてはいけるようになった。

 

そんなある日、幼馴染の少女・美穂乃が、病に倒れた双子の妹・志穂乃を救うために城を出て……司を頼りに来たわけですけど。

序盤で「幼馴染だから助けてくれたんだよね」とか言って、司に「そんなわけないだろ」とバッサリ切り捨てられる程度の関係。……いやまぁ、昔は仲が良くて、進学するにつれて距離が出来て、異世界で司が追われることになったことで完全に歪んでしまったというのは考慮する必要はあるでしょうけど。

……それにしたって、美穂乃の振る舞いは頼って来た相手に向ける態度じゃなかったですしね……。

 

明確に描写されてはないですけど、城を追われてから大分司も苦労して荒んだみたいですけど、そんな彼に「自分たちを見捨てて逃げた」みたいな物言いまでされちゃ、そりゃ司も怒るってもんでしょう。

そこで追い出すのではなくて、異世界で司が目覚めた才能であるルーンを用いた『契約』をするあたりは、まだ若干甘さが残ってるな……という感じもしましたが。

城に滞在していただけの美穂乃は異世界の金を持っているはずもなく。自分の身体で協力の対価を払うことになって……というあたりが実にノクターン。

あとがきに寄れば、エロにもシリアスにも本気の作品を書きたかったとのことです。面白くなりそうな要素はありますが、まだまだ序章なので今後の盛り上がり次第ですかねぇ。

賢者の孫3 史上最強の魔法師集団

ico_grade6_3

『魔人共……覚悟しろよ? 一体残らず討伐してやるからな!』

 

シンの影響を受けて、常識はずれの能力を得た究極魔法研究会の面々。

軍のトラウマ製造機とすら言われる「災害級」の魔物をそれぞれ単独撃破できる能力を持つ一大戦力。

今回はシン達が台頭するのと同時期にオリバーが暗躍して、磨人という人類の敵とされる敵が生じたから良かったですけど。

これで敵がいなかった場合、アレだけの力を持っている国は脅威だ、と恐れられる可能性もあったわけで。まぁ、上手い事時流にのった感じはあります。

 

オリバーの過去。なぜ帝国を恨み、理性もつ魔人となったのか。

割に壮絶な過去ではあると思いましたが。帝国という土壌で、ああいう事が出来たのなら過去にもオリバーのように大事なモノを奪われた人って言うのは多くいたと思いますが。

実際、オリバーの魔力があったとはいえ、魔人の集団ができる程度には騒動の種がまかれていたわけですし。よくもまぁ、これまで魔人が発生しなかったな……と別のところに感心してしまう。

 

オリバーの目的は、帝国を滅ぼすことのみ。

それを達成した現在は、この後どうしようかと考えている状況のようで。

力を得たことに慢心した連中は、オリバーの元を離れ戦争を始めますが……オリバーのように自ら覚醒したわけでもない人工の魔人がシンたちにかなうはずもなく。

あっさり蹴散らされてましたね。最も、この世界における一般的な兵士たちからすれば驚異的な戦闘力を持っているようですが。

流れとしては分かりやすい、といいますか。苦戦することがないので、さらっと読めますね。



賢者の孫2 破天荒な新英雄 

ico_grade6_3

「好きだよ、シシリー」

 

魔人を退けたことにより、勲章をもらったシン。

ただし、理性ある魔人シュトロームを倒した時の出来事が心に引っかかっていて。

敵が生き延びているのではないか、という疑いがぬぐえなかった。

……実際に生き残ってて、帝国で大暴れして発覚するんですけどね。

 

シンがいかに強かろうと、常識はずれの魔術を使えようと。

一人でできることには限界がある。

だったら、身近にいるみんなを強くすればいいんだ! と強化イベントが発生。

合宿をやったり、いろいろと特訓していくんですが……ここで、成果がサクサクでて、面白いぐらい実力が伸びていくあたりは難易度低すぎだろ、って感じですけど。

 

味方の実力が隔絶しているから、戦闘とかあろうとも、心配せずにスルスル読めるのは利点なんじゃないですかねぇ。

起伏に乏しいという見方もできますが。

シンとシシリーは、前々からお互いの事を想っているのが周囲にバレバレだったわけですが。ついに告白して、付き合い始めることに。

……その前からさんざんイチャイチャしてたから、今更付き合うと言われてもなぁ、というところはありますが。ちゃんと踏み込んだのはいいことでしょう。

帝国でヒャッハーしている人のせいで、「戦争」って単語が絡んできますが……なんか緊張感に欠けるよなぁ。

賢者の孫2 破天荒な新英雄 (ファミ通文庫)
吉岡 剛
KADOKAWA/エンターブレイン
2015-10-30
 

賢者の孫 常識破りの新入生

ico_grade6_3
「マーリン! アンタは……アンタは何でこの子に『自重』を教えなかったのさぁ!!」
「確かに……」
「これはちょっと非道いですな……」


小説家になろう発の、異世界転生もの。
転生した先でも赤ん坊のころに家族を亡くし、「賢者」と謳われるマーリンに拾われる。
そして彼に孫として育てられ、賢者の知人に鍛えられ。
更には現代で得た知識も活用して、特訓に特訓を重ねた果て。
主人公のシンは、賢者ですら目を疑うような隔絶した実力を身に着けていた。
というか、通信設備もまだ発展していない世界で、空間転移の魔術を開発してしまっている時点で色々と間違っている。

賢者も、孫がどんどん吸収していくのが楽しくて、うれしくて、魔術ばっかり教えていて。
結果として、常識とかすっ飛ばして魔術特化の『賢者の孫』が完成する、と。
あっさり一人で城落とせそうですな。
ま、自重という言葉はないけれど、困っている人を助けたり、実力があるのだから危険に立ち向かったり出来る好感の持てる少年です。

さすがに、常識も何もない状態で世間には出せない、と学校に通うことに。
……もうちょっと早く誰か思い出してあげればよかったんじゃないかなぁ。
賢者自身も自重を知らない性格だから、無理か。
そして学校で、皇子と出会ったり、友人ができたりと、順調にイベントこなしていますね。
「小説家になろう」の異世界転生ものとして王道の展開で、かなり読みやすい感じでまとまっています。

賢者の孫 常識破りの新入生 (ファミ通文庫)
吉岡 剛
KADOKAWA/エンターブレイン
2015-07-30

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
 コメント歓迎。ただし悪質と判断したものは削除する場合があります。

メールアドレス
kimama.tyaka@ジーメール なにかご依頼等、特別連絡したい事柄はこちらにお願いします。
メッセージ
アーカイブ
カテゴリー
記事検索
最新コメント
  • ライブドアブログ