「そういう八方美人な対応をする貴族もいますが、お館様ほど大貴族になってしまいますと、仲が悪い貴族がいても仕方がありません。やはり、敵だとわかっている方がこちらも対応が楽なのです」
魔族の国ゾヌターク共和国の前身である、ゾヌターク王国。
無血革命によって地位を退き庶民となったという歴史があるようですが。
その中でも魔王を名乗る幼女がヴェル達に接触してきて。ややこしい問題の方からヴェル達に近づいてくるから、対処する必要出てくるのは大変です。
これまで外敵にさらされてこなかったけど、人間の国と接触したことでよくもわるくも魔族にも大きな変化が訪れるだろうし、王国を再建して魔族の勢力を2つ作ればどちらかは生き残れるだろう、っていう計算があったりもするようですが。
両親を亡くし生活保護受けてる幼女魔王のライラ、志は立派ですけど甘いんだよなぁ……。その理想にこっちを巻き込まないでほしいなぁ、みたいな気分。
止む無くライラとの交流が続き、彼女が得たペット用にアルフレッドが残した魔道具を使おうとした場面で、ルイーゼがヴェルに使ったのは迂闊すぎるとは思いましたけど。
敵対する可能性は低いとは言え、王国の方ではにらみ合いと交渉が続いてる状態なんですけど……。
実際、魔王とヴェルを暗殺しようとか計画してる馬鹿魔族までいますからね……。
親善大使として共和国を訪れ、しばらく滞在した後帰国したヴェル。
その後、交渉が長引いてるためリンガイアの解放交渉に関して特命を受けることになって。
暴走したバカ貴族にすべての責任を負わせることで、残りの人員を開放させたあたりは、ヴェルも貴族っぽくなりましたかね。
後は王国へ対応を任せることにして自分の領地に戻り、南方の探索へと乗り出したわけですが。細々と生き延びていた人々と出会ったり、また新たな嫁候補を見つけたりと、ヴェルが意図してないとはいえ、どこ行っても問題にあたりますね……。
もうどこにもいかないで引きこもってたら? って言いたくなりますが、バウマイスター伯爵領こそ地下遺跡があるから危なかったりするしな……。