「人間を単なる動物から人として分け隔てるものこそが精神だと、私は思います。知性、理性、感情、意思、こういったものを持ち得るということが何よりも人間に与えられた可能性であり、現にそれを働かせているという状態が人であると……違いますか?」
(略)
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「理性を持たない人間は動物か?」
「自ら理性を退けるのなら。少なくとも、人ではありませんね」
エリクと旅を続ける雫。
途中、ある男が女を殺している場面を目撃して、目撃者として連行されることに。
ちょうど女の人員が求められていたから、体よく利用されるところでしたが。
こういう展開を見ると雫が本当に戦力という意味では頼りないことが分かります。
エリクの知識やメアと共にいることで助けられたりしていますが、非力な現代人なんですよね。
けれど、彼女の精神は、それを理由に諦めることを許さない。
行動力はあるよなぁ、と思います。
問題を超えながらも、ファルサスに無事に辿り着いた二人。
『Unnamed Memory』が好きなので、ファルサスと聞くと懐かしくなるし、何となく心が弾みます。
まぁ、この時代のファルサスは少し前に王族同士の争いが起きて直系がほとんどいない状態のようですけど。
疑い深い王と相対したとき、雫が塔の上で下した決断とか。
ラルスは王として疑わしきは斬る、とばかりに窮地に立たされていましたが。
身一つでそれと向き合った雫は相当の傑物だと思います。
ファルサスに来たことでエリクの抱えていた過去が明らかになったり色々と状況も明らかになってきた感じはありますが・・・最後。
また雫は拉致されるのか。お前もう一人で行動するなよ。
・・・でも、ある意味こう来ると様式美な感じもしてくるからきっとまた一人でいる時に危機に陥るんだろうなぁ、とか思ったり。