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「あなたは、私の勇者様です」

 

人には発音の出来ない名を持つ魔王。仮称としてドラグヴァ―ルや、ドグヴァーとか呼ばれてるらしいですが……。

倒されようとも復活する不滅の魔王を、長く辛い旅の果てに倒した勇者ジーク。

しかし、魔王と勇者の強大な力がぶつかり合ったことで時空が歪み……その穴に引きずり込まれた彼は、気付いたら過去の世界に戻っていた。

 

レベルは下がっていたものの、記憶だけは確かなままで。

そのことに気付いたジークは直後に強烈な吐き気を覚え、涙を流していましたが。

それもそのはず。彼の旅には仲間がいたけれど……最後の魔王との戦いに辿り着いたのはジーク一人。つまり、彼の旅は失い続ける旅だったんですよね。

勇者の故郷として大々的に知られた故郷の村も焼かれてしまったらしいですし。

本心から「もうやりたくない」、と思うような。同じことがもう一度起きるなら、壊れてしまうだろうと感じるような旅。

 

三日ほど涙が枯れるほど泣いて……その果てに「やり直せばいい」と立ち上がれるジークだからこそ、勇者として選ばれたんだろうなという納得があります。

今度こそ多くを救うために。親しい人を喪失したくないから、今度は可能な限り交流を断ち、一人で動く覚悟を決めて。

ジーク、自分の行動によって影響を受ける人が減るように、勇者としての存在を公にせず、故郷とのつながりを断つために、早々に旅に出る準備を整えた。

 

……失いたくないからこそ、かつての旅で得たもの、持っていたものを擲っていく在り方は痛ましい。

勇者には左手の甲に紋章が現れて隠すのは難しい……ならば、紋章を授かる瞬間に左手を切り落とす!(後に治療できる準備はしてましたけど)とかやるので、失われたものを救うためにジークは結局自分を削っているんですよね……。

知識を持っている彼は、重要なアイテムをゲットして自分を鍛えたりして、悲劇を回避することに成功してはいますが。かなり早い段階から、ジークの想定外のイベントが起きたりもしているので、このまま予定通りとはいかないだろうなぁ……という感じはありますが。折れずに頑張って欲しいという気持ちと、これ以上傷付かないで欲しいという気持ち、どっちもある。