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『面白いわ。こういう考え方もあるのね。読書の感想や解釈にはこれが正解なんてものはないの。その人が読んで感じたことがすべて正解なの。(後略)』
中学時代に好きだった人に告白するも振られて失恋。
ひねくれた性格で青春を斜に構えてみている主人公、竹久優真。
読書が趣味な彼は、高校で廃部寸前の漫画研究部の先輩葵栞に気に入られ、よくそこで時間を潰すことにして。
入学以来妙に縁のある朗らかな少女、宗像瀬奈も交えて色々な話をしていきます。
葵が描いてる漫画を見せられたり、過去の名作や文豪について実はこういう説があるだとか、陰謀があったんじゃないかとか、適当なことを言って盛り上がったり。
竹久の解釈は、彼自身も自覚している通りひねくれていて、うーんってなる時もあるんですが。ある人に、ひねくれてる自分を肯定してもらえたことで、それを恐れなくなってしまったみたいですしねぇ。
良くとらえるならば、他の意見に流されない自分の芯があるってことですよ。
実際に竹久目線で物語を見ていると、イケメンクラスメイトの黒崎大我の事が気に食わなくて心の中で「リア王」って綽名つけたりして、僻んでるわけですが。
大我目線では、竹久の姿勢に自分にないものを見て羨ましいと思ってるのは、正直意外ではありました。
また、大河の恋人となっている笹葉更紗にも実は思うコトがあるようで……。
誰もが簡単に正解なんて選べずに、見えているものの解釈を違えて『読み間違えた』結果として、思いが交差しこんがらがっているの、ややこしいですねぇ。
一つの関係が終わることで、また新たに始まっていくことにはなりそうですけど、どう決着するのか気になるところ。
前半の解釈問答は正直しゃらくせーって感じだったんですけど、後半に行くにつれて盛り上がってきた感じで良かったですね。