「殺しの魔法がこんなくだらない代物なはずないだろ。あれはもっと派手で、俺でも真似できないようなとんでもない遺物だよ」
BOOK☆WALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで9月30日まで。
シリーズ完結巻。WEBでは後日譚も描かれているので、気になった方はそちらもどうぞ。
負傷したチャフたちが行動できるようになるまで。商会連合を乗っ取ったホルガ―やザシャが双頭人形と道を別つ準備を整える期間。
様々な思惑が蠢く中で、奇しくも各勢力は準備に半年ほどを費やすことに。まぁ、その間もソラ達が止まっている筈はなく、リュリュ・サニアに任せた切り札の新造船を隠したり、件の粘土板についての答え合わせエピソードが入ったりしています。
神話の時代、この世界は「人は人を、獣人は獣人を」のみたいに同じ種族を殺すことができなかった。しかし、殺しの魔法使いが現れたことで、同族を殺せるようになった。
そのために、教会は魔法使いを敵視する教えを広げていたそうですが。その「殺しの魔法使い」が何を思ってそんなことをしたのか、を記していたとは。
教会が教えを伝え続けていたように、粘土板に書かれた知識を重視する側の末裔もいて。異国に行って遺跡を荒らしていたフリーダも途中で合流したりしてましたが、思わぬ情報ばかりが出てきたなぁと思いましたが。徒に否定しないソラ達が好きです。
遺跡があったために双頭人形も目星をつけていた場所で、敵側を上手く騙しおおせたのも愉快でしたしね。
状況をひっかきまわしてばかりだった双頭人形。
その配下も振り回されていたのは哀れに思う部分もありましたが。それまで火事場盗賊団として好き勝手暴れ回った他国の間者集団なわけですし、因果応報か。
逃げ回っている相手を、負傷の癒えたチャフたちが夜襲して削り、火炎隊まで合流したあと、トドメにソラまで来るんだから逃げ場ないですよねぇ。
商会連合に苦い思いをさせられてた期間長かったですし、決着はこれくらい完全勝利じゃないと。