気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

超法規的かえる

魔女と傭兵6 上

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「皮算用か? 仕事の基本を教えてやろう」

「……ほう?」

(略)

「仕事は一つずつ、確実にだ」

 

なんかもういつも通りな感じがする、病室にいるジグからスタート。

荒事をやってる冒険者ばかり見ている医師のドレアから「まともな人間なら二回は死んでる怪我」とか評されているのは、やっぱり笑える。

シアーシャの仮説によれば、魔力のある異大陸の住人は魔法で底上げしてる分肉体そのものが頑丈ではなく、ジグは魔力がないからこそ素のスペックが高いという差異が現れているのではないかという事でしたけど。まぁそれを踏まえた上で、ジグ個人の回復力とか高そうですけどね……。

 

ジグも回復したものの、医療費や装備の修繕費で財布が寂しくなってしまったから、仕事を探そうとしていた矢先、緊急依頼がシアーシャに飛び込んできて。

刃蜂の巣に攻撃を当ててしまったバカがいて、それによって狩場が大混乱。転移陣近くに居た人々は逃げられたものの、80人近くが未帰還で……。

出来るだけ多くを救ってほしい、と言う人命救助の依頼を受けることに。ジグは傭兵としてシアーシャの警護を優先しようとしていましたが、副頭取のカークが仕事に誠実なジグに対して依頼を持ち掛けてきて。

シアーシャの同行者申請を出しているジグに、外部協力者として適切な報酬を出すという形で上手く話を持って行ったのは流石一つの組織で責任を負う側にいるだけの事はある。

 

要救助者の人数が多いため、シアーシャ達以外にも冒険者が派遣されることになって。

可能な範囲で助けて回ってはいましたが、それでも結構な犠牲を出してしまう状況で。そんな場所で、人を抱えたまま刃蜂の群れを引き付けて逃げおおせたジグ、凄まじいな……。

「助けた人数に応じた報酬を払い、出来具合で評価が決まる」という依頼で、ジグが直接助けたのは3人に収まっていましたが、刃蜂を引き付けたことをカークが功績としてしっかり評価してくれたのは良かった。

 

シアーシャ達が来てからこっち、異常な行動をする魔獣ばかり見て来たので読者目線だといっそそれが普通に想えて来ましたが。

当然、そんなことはなく。今回の刃蜂の騒動でも敢えてそれをやった、工作員のような輩が要るのではないか、と言う疑いが出てくることになって。

ジグがカークから当たらしい依頼を受けて、犯人探しをしていましたけど。目立つのもあってあまり得意分野ではないんでしょうけど、仕事に誠実な稀有な傭兵として実績を積み上げたり、偏見がないことで亜人からも裏社会からも話を聞ける立場なのは使い勝手が良い人員ではありますよね。

……まぁ、使い方を間違えるとシアーシャっていう爆弾が突っ込んでくるので、あまり無茶な使い方はできないんですけどぉ。今回上下巻になっているとおり、ちょっと最後、カークさんの胃が心配になる展開になってるので、手を合わせておきましょう。合掌。

魔女と傭兵4

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「あいつが裏切らずとも戦う理由などいくらでもできるさ

 たとえと共に酒を酌み交わそうとも背中を預けて戦場を渡り歩こうとも

 それが刃を交えない理由にはならない」

 

21話~28話を収録。

異大陸に来た時にジグが拾っていたバッジ、情報収集の際に聞いた「また傭兵か」という発言……その答えであるかつてのジグの指導役でもあった傭兵ライエル。

 

音信不通になった先遣隊に参加していた人物であり……「誰もが魔術を使い、魔獣という脅威が存在する」という元の大陸との常識の差異や、魔獣に仲間を殺されたこと、かつての弟分が自分の家族を殺した「魔女」の同族を連れていたこと。様々な要因から狂気に陥ってしまった人物。

不器用な彼の優しさが垣間見える過去編が挟まっているのが味わい深い。

……恩義があろうと、それでもなお衝突するのならば切り捨てる。その割り切りが出来るのがジグだよなぁ……

 

ジグが「接近戦でなら今の俺で五分、用兵技術にもたけているから総合的には勝ち目がない」とか評価する彼の師匠の強さ、とんでもないな……。

イサナから情報を貰いつつも、次に戦う時の為に観察を怠っていない彼が、何がきっかけで戦うか分からない的なこというの良いですよね。ライエル切り捨てた後だから説得力が凄い。

その上でシーアシャには「お前を護るのが俺の仕事だ」と返すのが、頼れる仕事人過ぎる。敵に回したくなさすぎる人物、とも言えますが。



魔女と傭兵3

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「そんなこと? 何があろうとも絶対に手を出すなと言ってるんだ

 “そんなこと”なんて思ってもらっては困るな」

 

1420話を収録。

裏の住人からの情報収集を、別の派閥……ジンスゥ・ヤの腕利きに咎められたジグ。

戦闘に発展して勝利したあとに、彼女が二等級冒険者のタグを持っていることに気が付いて……高位冒険者の死因は調べられるだろうし、そこで自分とのつながりが見えるのはよろしくない。

冒険者である以上、放置して逃げるにしても鉢合わせる可能性はある。……というかジグほど目立つ体格と装備だったら、逃げてもあっさり見つかるでしょうけど……。

 

止む無くシアーシャのところにその武人、白雷姫の異名を持つイサナを連れ帰り……交渉によって手打ちとすることに。

イサナからしても、薬物所持は違法だけど即座に切り捨てて良いレベルの犯罪じゃないのにやりすぎたという事実に気付いたことで引け目あったみたいですし。

シアーシャに手を出させないことを約束させたうえで、戦闘で破壊されたジグの武器を更新できたのはまぁありがたかったか。

 

イサナ達もまた別の地域からやってきた異邦人で、この街では微妙に浮いているみたいでしたけど。

「別の種族は受け入れられない?」とイサナに聞かれたシアーシャが、「理解してくれる人を大事にしたい」と返答できたのは良かったですねぇ……。

魔女として孤独だったころの彼女からは出なかった台詞でしょうし。

 

少しずつランクを上げているシアーシャが、複数の冒険者が参加する規模の大きめの魔獣討伐に参加することになって。幽霊鮫の時に知己を得たアラン達が、いざという時のフォロー役で参加していたのは……ジグとシアーシャの実力を察知した上で貸しがあるという意味で、ありがたかったですね。

うっかり眼帯の女性とか来てたら変にピリピリしたでしょうし。

アラン、予期せぬ魔獣が襲ってくるっていうトラブルに際してジグの力を借りようとして「依頼がしたい」と持ち出したの、ジグ相手のパーフェクトコミュニケーションでしたしね。

魔女と傭兵2

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「そうだ 人間社会で生きていく上で大事なのは 敵を作らないことと味方をつくることだ」

 

6話~13話を収録。

冒険者になったシアーシャと、その護衛というスタンスを変えなかったジグ。

依頼を受けて足を運んだ地域で、腕利きたちの戦闘風景を観察できる機会を得て。人間の魔術や冒険者の戦い方を見たい2人の思惑が一致し、技術を盗み見しようとしたことで敵対するリスクを踏まえた上で覗き見ていたわけですが。

 

魔法を感知できるジグが嗅覚で姿を隠していた魔獣、幽霊鮫を発見。

「後ろだ!!」と危険を知らせる声を発しているの、彼らしい判断基準があって良かったですね。

そして助言を受けたとはいえ即座に適切な判断を出来ていた冒険者たちもお見事でした。

先述の通り下手したら敵対していたかもしれない。だから目立たないという一点を目的にするのなら、助けずに見殺しにするのがジグ達の最善になり得た。

でも、ジグはそうしなかったわけですし……シアーシャにも、似た場面があったら可能な範囲で手を貸してやると言い、と言ってるのが良かったですね。

 

なにかトラブルがあった時にフォローしてくれるくらいの付き合いがあると、後々の助けになるというアドバイスは人づきあいを避けていた魔女のシアーシャにとっては難しいことですが……大事ですからね。

 

ランクを上げるために同じ依頼を繰り返すのに飽きて荒れていたシアーシャに、息抜きのため「服でも買いに行こう」と声を駆けたり、ジグかなり面倒見良いですよねぇ。

そして店員さんも実に良い仕事をしてくれていました。シアーシャ、素が良いので着飾ると生えますねぇ。可愛い。

……その合間に、幽霊鮫の時に助けたアランから頼まれて調査していた人物が接触してきたりしてましたが。腹のうち探りに来た相手に下剤盛ったり。必要に応じて痛みを薄れさせる薬を使ったり、それを商っている裏社会の輩に接触したりとか。

 

傭兵やってるだけあって、ジグ別に清廉潔白な人物じゃないし、必要であれば汚い手も使うんですけど、彼の軸は「契約」にあって仕事である以上真っ当に勤めようとしてるのが好きですね。

……裏の輩から情報収集していたところに、腕利きの冒険者と鉢合わせてしまって戦闘に発展していたの、ジグがついてないというべきか。ある意味戦闘的な意味での運命に愛されているというべきか。退屈しない人生送ってますよね、ジグ。



魔女と傭兵1

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「一つ聞かせろ てめえは……勝ったのか?」

「――――俺はここにいる」

 

主人公のジグが、金を貰えばなんでもやる傭兵。

契約を重んじるタイプであり、「魔女を殺す」なんて参加者の多くが信じてない依頼であっても、警戒を怠らなかった。

魔術と呼ばれる未知の技を操るため恐れられる魔女。噂に尾ひれがついてる部分もあるみたいですけど、実力は確かで……討伐隊を容易く一蹴していたのは凄まじい。

足元から棘だして集団を蹴散らす魔術、見開きのイラストで見るとかなり凄まじい眺めですよねぇ……。

そんな相手でも踏み込んでいくの、覚悟決まってて良いですよねぇ。

 

ジグは魔女の命を奪う直前まで迫ったわけですが……魔女シアーシャの攻撃によって依頼主である領主の息子が死亡。

生き残りが一人だけ、息子も死んだと領主に報告に行ったところで、報酬も得られないし自分の命が危うい。だから仕事はここで終わりだ、と割り切るのジグらしいですよね。

シアーシャも魔女でちょっと違った判断基準があるから、新しい契約を結んでよいパートナーになってましたけど。

普通の感性の持ち主だったら「自分の命に迫る危険人物だ」と見なされて、後日報復されてもおかしくないのでは……?

 

今いる大陸では魔女の狙われない場所はない。

そこで造船技術の発展によって可能となった、異大陸への調査船に紛れ込むことを決めて。

魔法技術について解説するときノリノリで、ポーズ決めたりしているシアーシャかわいいですねぇ……。

そうやって乗り込んだ異大陸ですが……個人差こそあれど市民でも魔法を扱える世界であると同時に、巨大な体躯だったり特殊な能力を持っている魔獣と呼ばれる存在がいる、新天地で。

魔獣によって乗ってきた船が沈んだシーンで、一瞬で切り替えて「行くか」「そうですね」ってやってるジグとシアーシャの割り切り方が好きです。

 

異大陸、魔獣と言う存在が邪魔してくるので人と人の間で起きる戦争なんてものは起きなくなって久しく、だから傭兵という職業は「人の命を食い物にしている」と低く見られがち。

その意識は特に魔獣相手に戦う冒険者の中で強いみたいですけど。そんなことよりも、傭兵と言う在り方が脅かされた方が、魔女や異大陸について見聞きした時よりも衝撃受けてそうなの、彼のこれまでの生き方がよくわかりますね……。

魔女と傭兵5

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「その腕を何故傭兵などに消費するのです! 金も、名誉も、欲しいままにできるでしょうに!!」

(略)

「ずっとこの生き方をしてきた! 儲かるからと都合よく鞍替えできるほど、器用ではない!!」

 

亜人ウルバスと交流し、彼らが鱗人と呼ばれていることを知ったジグ達。

彼等との交流は変わらず続いていて、「他人の金で食う飯は上手い」とジグに教え込まれているシアーシャを見て「間違ってないけど、教育に良くない」とか言ってるのとかなんてことのないやり取りながら笑えて好きです。

亜人側から見た澄人教の話を聞いて、それでも付き合い方を変えることのない2人が良かったですね。

 

傭兵として見て来た経験からジグが宗教には有用な面もないわけじゃないんだぞ、という話をしてましたが。最初の例に持ってきた「危険な食物を食べないように『神聖だ』というイメージを与える」という危険を遠ざける使い方への反応が悪く、「『聖戦』と言えば恐怖を忘れた兵隊にもできる」ってウルバスが宗教への危険度を高くする話持ってくるあたりが実にジグらしかった。

 

そんなジグ達の振る舞いは、人間至上主義の教義を掲げる「澄人教」からすれば認めがたいものとなっていて……。

澄人教徒からギルドに居る時に襲撃を受けて、関係者ではないジグが立ち入りに制限を掛けられることになってしまうことにも繋がってました。

 

その裏側には「問題解決すれば、そんな処置をとる必要もないよ」という思惑も込められていて……ジグと連れ立ってちょっかい出してきた輩を蹂躙できるとあって、シアーシャがそっちに乗り気になってくれたから良かったですけど。

ジグというストッパーが居なかったら、別のトラブルが発生してたかもなぁという意味ではちょっと肝が冷えました。

 

まぁジグとシアーシャが乗り込んで暴力での解決に踏み切るとなれば、心配することもないかーって読者目線でもちょっと安心してましたが。

事情を知っているウルバスとかは、ジグ達の力になろうと奔走してましたし。ジグが「自分よりも強い」と評するほどの使い手が教会に滞在していたり、一筋縄ではいかない戦いになったのは驚きましたね。

相手が強かろうと勝ちを拾ってみせるジグの在り方は、やっぱり好きですねぇ。仕事だからシアーシャの命に迫るほど戦いに臨んだし、依頼人が死んだから刃を引いた最初の戦いを思い出しました。

 

……番外編として書かれた「魔女と傭兵たち」でそんなジグの師でもある傭兵団の人が、彼が消息を絶ったシアーシャの小屋を訪問し、そこで別の魔女と鉢合わせたことでなんか別の物語が始まろうとしてましたが……。

シアーシャの異質さに気付いたヴァンノのリアクションといい、やっぱり魔女って存在特殊だよなぁと思うなどしました。

魔女と傭兵3

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「確かにここまで連れてきたのは俺かもしれん。だが選んだのはお前だ、シアーシャ」

決めるのはお前だと、ジグは言った。

その先で得られる益も責も、自らのものだと。

「――――お前の望むままに往け。結果敵が出来たとしても、それは仕方がない。生きるとはそういうことだ。……安心しろ、やり過ぎぬようにフォローしてやる」

 

異大陸での生活にもなじみ始めたジグとシアーシャ。

たまの贅沢ってわけでもないですけど、朝市に繰り出して仲良くご飯食べているの良いですよねぇ。ジグ、傭兵としてあちこちわたってきた経験か、酒盛りしている男たちの輪に飛び込んでスペース借り受けてるの、なんか好きです。

シアーシャが貝焼いて美味しそうにしてるのとか、なんというか基本的には微笑ましい風景でした。

……亜人を迫害する連中を最後に見たことで、どうにも締まらない終わりにはなりましたけど。

 

賞金が設定された魔物が現れたことで、討伐を狙う高位冒険者が流入したり、一部地域に立ち入り制限が設けられたりしたために、シアーシャが立ち入れる狩場は人が過密になってしまって。

周囲に気を使いながらの探索は気疲れするために、早めに仕事を切り上げたところでアランと遭遇。ワダツミの騒動で戦ったミリーナの兄であったらしくて、ちょっとピリピリする場面ありましたが。もう終わった問題だから、とジグが掘り返さなかったのは彼らしくて良かったですね。

 

翌日、空いた時間でシアーシャは魔術の開発に勤しむことを決めて。食事に出たジグはそこで知人のベイツとグロウと出会って。傭兵として雇われることになって、仕事に赴いて……しっかり見せ場を作っていたのは流石でしたね。

まぁ、負傷もしてしまってましたが……肉体の基礎スペックが高い彼は、魔術治療の効果が高いというのが明らかになってました。……まぁそれは読者目線で会って、当事者たちは「腕利きの回復術士だな」とか「やけに効きが良い人間だな」みたいな反応になっていたわけですが。

回復作用が高い反面、エネルギーを多く使うので飢餓感を覚えるという副作用もありましたが……ジグからすれば問題ない範囲か。

 

別の日、狩場に出た先で亜人……爬虫類のような見た目の鱗人との交流する機会をジグとシアーシャは得て。他と変わらぬ対応をしたことで、彼等からの評価も高まった模様。

一方、亜人を嫌う勢力からは嫌われて細かい嫌がらせを受けることになったわけですが。

あまりにも細々としていて、即座にはギルドも動けないようなやり口で。規則改正もされることになったみたいですが、それよりも先に殴り込みで解決してたのは……まぁ彼女らしいか。

……その彼女の背中を押すのがジグではあるんですけどね。どっちも仕事とか自分のやりたいことに忠実で、実に良いキャラだなぁと思います。

魔女と傭兵2

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「確かにそいつは憎い。ぶち殺してやりてえ……だがな」

(略)

「……俺にとって死んだ仲間の仇討ちより、生きた仲間を守る方がずっと大事なんだよ」

 

異大陸に渡り、冒険者活動を楽しく行っている魔女シアーシャと、変わらず傭兵としての在り方を貫いているジグ。

シアーシャの依頼に護衛として同行したり、宿も一緒だったりと変わらず不思議な協力関係を続けている2人ではありますが。

実力が確かなこともあり、今後の事も考えてシアーシャは臨時で他のパーティーに加えてもらって集団行動を行うことに。

 

そうするとジグは手が空くわけですが……。以前知人となった冒険者のイサナから子ども誘拐事件の捜査協力を頼まれることになって。

専門分野とは言えないものの傭兵である以上、仕事であるならばと全力を尽くすジグが好きですね。揺らがない軸があるキャラは好きです。

まぁ傭兵として荒事を経験してきたのもあって、ここが異邦だからというのを抜きにしても彼の常識って時々歪なんですけどね……。

 

「人殺しを楽しんでしまう」という性癖を持ったライカを相手にしていた時とか顕著でしたけど。魔女シアーシャを受け入れたように、異質とされる相手にも「そういうものだ」という認識で受け止めているのが強い。

そして、今回シアーシャが単独でいるシーンも描かれていましたが……思った以上にジグ大事にしているというか、彼女の寄る辺になっていてちょっと怖くはなりましたね。

ジグ、傭兵家業を続けている関係もあってどうしても荒事に参加することにはなるし。魔物の異常行動などいろんな異変が起きている中で良く巻き込まれていたりするしで、簡単に生死の境をさまよいそうな気配がありますが……。そうなった時、シアーシャがどうなってしまうのかという不安が。長生きしてくれ……。

 

謎の双刃剣使いが冒険者を斬る、という事件が起きて特徴的な武器菜性もあってジグが疑わる一幕もありましたが。

仕事に関して他言は出来ないというスタンスを崩さず、相手に必要以上の被害を出さずに抑えたジグはお見事でした。

肝心の事件は関わることもなく終わるかと思いきや、護衛対象にちょっかいを出してしまったばっかりに刈られることになっていましたが。まぁ、遅かれ早かれではあったでしょう。

シアーシャがジグに懐いているのが微笑ましいので、2人の関係を今後も見たいものですね。

 

魔女と傭兵1

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「悪いが、お前の事情に興味はない」

(略)

「俺が興味あるのは、お前に、仕事に見合った報酬が払えるかどうかだけだ」

 

魔術を操り、人知を超えた被害を齎す存在、魔女。

かつては魔女の怒りを買ったことで、一夜にして滅びた国すらあったという。

そんな魔女を殺そうと貴族が出兵。過去の討伐隊が誰一人として戻らなかったことから、領主の私兵意外にも民兵や傭兵などを集めに集めて挑んだようです。

メインキャラの一人であり、タイトルの傭兵部分を担うのが『ジグ=クレイン』。彼もまた貴族に雇われて魔女を殺さんと現地に赴いた一人だった。

 

危険な相手だろうと、前金は受け取っているのだからと果敢に攻め込んでいくの良かったですね。体格の良い彼が使っている武器は、それに見合ったサイズと威力で……あとロマンもあって良かったですね。

ジグは歴戦の経験などもあって、標的であった魔女ことシアーシャの命に手がかかるところまでたどり着きましたが。

魔女との激戦の中で雇い主であった領主の息子が死亡。これでは残りの報酬は受け取れないから、と魔女を殺せる距離だったのに「これ以上は仕事じゃないから」と殺さない選択を取って。

……その態度に思う所があったのか契約解消してフリーになったジグを、シアーシャは自分が雇いたいと言い出すことに。

 

魔女の身の上話には興味がないと言いつつ、報酬があるなら仕事は全うする。ジグ、公私の線引きがハッキリしているというか、自分が干渉するラインを見極めているので結構好きなキャラですね。

彼らの住む大陸全土で忌避されていると言っても良い、「魔女」という存在に雇われることも厭ってないですし。雇われた後は、彼女のためになるように動いていますし。

彼がした提案が、この大陸で忌まれているのならば、別の大陸に渡ればよいというもので。技術の発展で、今まで渡れないとされていた異大陸へ渡れると目され、調査船団が出ることを知っていたジグの提案にシアーシャが載ることに。

 

そして実際に、異大陸にはたどり着いていたわけですからお見事です。えぇ。技術発展ってすごいですね!

……まぁ、異大陸ではジグ達の故郷では魔術が御伽噺の存在となったように、歴史の中で消えていった魔獣と呼ばれる狂暴な獣が生存していて、調査隊ほぼ壊滅したんですが……。

 

情報が何もない中で孤立することになったジグとシアーシャでしたが、2人とも戦闘技能は確かなので、そこまで不安はありませんでしたね。実際、調査隊が壊滅した騒動の時も、無事に生き残っていましたし。

傭兵として多くの出来事を見てきたジグは数百年単位で引きこもっていた魔女に比べれば、対人関係なんかにも気を配れる人材だったのもありがたい。

 

異大陸ならではの事情もあって、異なる文化に戸惑うことも多々あれど、少しずつ人の世界に踏み込んでいけているのは良いですねぇ。

異大陸ではヤバい傭兵が多かったりしてジグが衝撃を受けていたり。魔獣対策がメインの冒険者と呼ばれる職業が広く受け入れられていて、シアーシャがそれに参加することになったり。有能だから色々と注目を集めることになったり。

イベントには事欠かない生活を2人は送っていくことになります。いや、評判いいのは知っていたんですが読むの後回しにしてしまっていたシリーズで……実際面白かったですね。私は好きです。



プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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