気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

冒険者酒場の料理人1

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飯ってな 美味いんだぜ?

人生を豊かにする最高のスパイスだ

 

コミカライズ作品。

一品目「石胡桃」~五品目「霞肉」、おまけ「ウカノがやってきた日」、「迷宮[上層]食材採取マップ」を収録。

異世界に迷い込んだ主人公のヨイシ。酒場をやっていた老人に拾われ、その死後に店を継いで店主となった。

この世界は、ダンジョンという脅威があり……そこに挑む冒険者たちは荒くれ者も多かった。酒が入ると喧嘩始めようとするしな……。

 

ヨイシが仲介に入ろうとした際に突き飛ばしてきたわけですが、それであっさり腕折れるくらいヨイシは弱くて。

冒険者の常識的に「あれくらいで骨折れるはずない」ってレベルの小突きっぽいですけど。他の冒険者から「か弱いお嬢様だと思って扱わなきゃ」と言われる程の弱さ。

この世界はダンジョンの影響もあって食事事情が貧相で……元の世界の美味しい食事を知ってるヨイシは工夫して、それでも美味しい食事を作ろうとしていた。

トラブルも多いけど、なんだかんだこの世界が好きなんだと思う、と言える辺り大人ですよねぇ。

 

そんなある日。新人冒険者が持って来た迷宮食材の苦すぎて食べられない「石胡桃」を買い取り……改めて創意工夫することにして。

過去に一度失敗したけれど、再チャレンジした結果成功したのはお見事。そこから新しい食材に挑戦して、時に失敗しつつも成功例を増やしていってるのが良いですね。

その美味しい食材に惹かれてやってきた亜人の娘ウカノを保護することになって、看板娘になっていくのも好き。



冒険者酒場の料理人3

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「ヨイシよ。お前は全く大した料理人だ。なあ、嬢ちゃん? こんな良い友人、良い親父は王国広しと言えど中々いないぜ」

「知ってる。私のお父さん世界一だもん」

 

ユグドラとセフィによって、迷宮が攻略されて「元の暮らし」が戻ってきた元迷宮都市。

ヨイシは、ウカノという可愛い娘とアカルナニアという恋人と一緒に、酒場経営を続けていたわけです。

貯金があるのでつつましく暮らす分には問題ないが、ウカノが霞肉を食べないと体調を崩してしまう体質なことが今後の課題でもあって。

 

楽なのは別の迷宮都市に移住することだけど、ヨイシは継いだ酒場を離れることにも抵抗があって。干し肉や塩漬け肉といった保存食でどうにかできるうちに決めないとなぁ……と悩んでいたある日。

ヨイシ達は新たに誕生した迷宮に呑み込まれてしまうことになって。

足元から生えた巨大な樹木に街が半分呑み込まれるような形で、天高く持ち上げられるような形とか、トンデモない事態に巻き込まれたな……という感じ。

 

何が厄介って巨大樹ダンジョンの中腹辺りに街があることなんですよね。

突如持ち上げられたから、入口から町までのルートが開拓されてないし、備蓄にだって限りがある。だからまずダンジョンを下るような形で攻略を進め、応援に来るだろう攻略部隊との合流や物資搬入のためのルート確保をすることになって。

アカルナニア、ヨイシと同棲して結婚まで行くつもりで装備手放してしまってたっぽいのは、思い切りよすぎると思わなくはないですが。「木剣でも岩くらい斬れる」そうですし、迷宮誕生の噂を聞きつけてトンボ帰りしてきたユグドラとセフィとの合流にも成功してるから、ある程度なんとかなる想定ではあったんでしょう。なんか普通に亜竜とか仕留めてるしな……。

 

迷宮に呑み込まれたことでどうしたって食材不足の状況はあった。領主が備蓄を放出してパンと水だけは確保できたけど、食卓に彩がない。

だからこそ、これまで多くの迷宮食材を食べられるようにしたヨイシには期待が集まるわけです。実際、いくつも調理方法見出していたのは流石の一言。

余所の貴族令嬢が弟子入りしにくるだけのことはある。最初の弟子入り理由は食い意地でしたけど、貴族としてちゃんと抑えるべきところは抑えてて、ヨイシの教えを自らの領地を豊かにするために生かそうとする気概があったのは良かったですね。

冒険者酒場の料理人2

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「俺はこれで料理を作ろう。最下層にこれがあったのはきっと意味がある。もう一度挑むなら俺の料理を食べていってくれ」

 

1巻でも加筆エピソードがありましたが、迷宮関連の話が増えていたりしましたねぇ。

相変わらず迷宮食材を用いた「迷宮料理」を出す店として人気を博しているヨイシの酒場。

異世界ならではというか、酒場の娯楽として吟遊詩人の歌は結構重要で。異世界に来た当初言葉が分からなかったヨイシ的にも、メロディに載って覚えられる歌は良い教材だったようですし、爺さんの葬式での葬送歌も頼んだとかで、かかわりが深かったそうです。

料理のおいしさで話題のヨイシの店は、一晩で帽子がいっぱいになるほどのおひねりが期待できる人気店だそうで……最初のエピソード「透明玉菜」もそんな吟遊詩人のひとりを招いたことで挑戦することになった食材でした。

 

歌にするためにいろんな噂に通じている吟遊詩人から「ヨイシの酒場」として噂になっていると聞くことになったり。最後にはヨイシの歌まで作って去っていったんだから、にぎやかで面白い御仁でしたねぇ……。合間にユグドラとセフィの歌も作ってるので、目の付け所が良い。

 

山二つほど離れたところにある養鶏場が魔物の襲撃を受けたことで、卵の供給が滞ることになって、爆発卵というそのまま割ると爆発する卵の調理方法を模索したり。

迷宮料理の噂を聞きつけたさる貴族から「食べると死ぬ昇天キノコの調理」を依頼されたり。うわさを聞き付けた王家が宮廷料理人を派遣してきたり……その後も式典に際しての協力を要請されたり。

爆発卵は近隣への影響が大きいのもあって、方法確立してからは結構直ぐに情報提供してましたし、「上手い飯を出す店の主」ってだけじゃなくて、ヨイシにそこまでの意識はなさそうですが、名声的な部分も高まってきてる感じはしますね。

 

ヨイシ、根が小市民だからなぁ。爆発卵の調理法を探しているときに、ウカノがちょっと反抗期的な振る舞いを見せて部屋に入れてくれなくなって、盛大に戸惑ったりしてるし。

実際は爆発卵ちょろまかして部屋で羽化させてペット化計画企んでただけだったわけですが。

ウカノのこと鹿とトカゲのハーフかな? とか言ってますが。吟遊詩人からは「ドラゴンみたいな尻尾生えてなかった?」と指摘されてもまさかと流してるし。

あからさまコカトリスだろうウカノのペット・ホウオウも「ニワトリだろ」で流してるし。

 

爺さんとの付き合いもあったアリムラックに不審なところを感じても、なんか丸め込まれてるし。ちょろい。赤い目と長くて尖った耳を持って、鏡の無い診療所でコウモリをペットにして夜間診療を行う、ニワトリの鳴き声で卒倒する一般人が居るか。吸血鬼だよ、それは。

まぁアリムラック先生、一瞬ちょっと危うい場面あったものの、おおむね善良になった吸血鬼ではあるようでしたけど。

閑話「料理人の冒険者」で爺さん世代のエピソードがちょっと見られたの良かったですね。迷宮が土の力を奪うために失われてしまった、かつて王国を代表する作物だった「氷芋」の話があったり。ヨイシを拾った「爺さん」の仲間たちのリーダーの家系、9世代くらい前に女神が居たとかで。わずかな神聖を頼りに迷宮の謎をほぼ解き明かしていた、っていうのも凄いし……そんな彼らですら最下層は攻略できずに、ヨイシが来るまで迷宮都市は健在だったというのが寂しくもある。

 

割と長命なウカノ、ヨイシに懐いていて実に微笑ましいんですけれども。

彼女の母は旦那を亡くしてから娘にあたっていたようですし……寿命差で別れが待ってそうなのとか、不安は尽きませんが。それでも今幸せなのは間違いないから、良いかなぁ。

大迷宮は踏破しないと土地の力を枯れさせ続けるし、成長を続けた果てには崩壊して大規模な砂漠を創り出したり、迷宮の主が外を放浪するようになったりするとか、危険しかないので、ユグドラとセフィが偉業を為してくれたのはホッとする要素ではある。

読了した人は、WEB版の最後に書かれている「裏話」を読みに行くことをオススメしますよー。



冒険者酒場の料理人1

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「それはお前の武器だろ、とっとけ! 別に気にしなくても……いや。そうだな、そんならまた石胡桃を持ってきてくれよ、買い取るからさ。俺は冒険者に旨い飯を鶴久。冒険者は迷宮に潜って、俺に飯のタネを持ってくる。ほら、対等な関係だろ?」

 

魔法や迷宮の存在する異世界に迷い込んだ青年ヨイシ。

迷宮に挑めるような腕っぷしを与えられるでもなく、言葉も分からず頼る先もない。

そんな彼を拾ってくれたのが、迷宮都市で酒場をマスターでもある爺さんだった。

爺さんはヨイシにこの世界の文字を根気強く教えてくれて……ヨイシは美食大国日本での料理知識を活かして酒場に貢献した。

 

日本が食事にこだわりすぎていた、という側面もあれどこの世界の食事は貧相で……。

迷宮の性質のせいで土地は瘦せているし、立地もあって食材を仕入れるのにも限界があるから工夫して少しマシな料理を出せるようにしていたようです。食材以外であれば迷宮から資源として回収できるからこそ、都市としての規模と盛り上がりはあるようですけど。

迷宮に挑む冒険者、という荒くれものが多い街でもあるようです。

 

腕っぷしで冒険者を黙らせるとかはできないものの、ヨイシがなんとか店を切り盛りできる程度になったのを見届けてから爺さんが亡くなって、彼は一国一城の主となった、と。

そうやって酒場の主になったヨイシの元に、新人冒険者が迷宮で取れるけどクソ苦いため食用とみなされていない石胡桃を持ってきて。

礼儀を知る子供だったから、それを買い取ったヨイシはお人好しではありますねぇ。

後日、石胡桃がゴミ扱いされていることに気付いて謝罪に来てるし、その新人……ユグドラとセフィもまた善良な子ではあるんですが。

 

2人が気にしているようだったのもあるし、塩加減や焼き加減といった工夫でクオリティを改善するのにも限界を感じていたヨイシは、石胡桃を食べられるようにする方法はないのか、と模索することを決めて。

 

実際それでうまいこと調理方法を見つけて、酒場を繁盛させることに成功しているんだからお見事。迷宮の食材に可能性を見たヨイシはその後もいろんな食材の加工方法を模索して、新しい方法を発見したらその前のアイデアは公開することでもうけ過ぎて他の店から恨みを買い過ぎないようにしたりと、工夫を続けているのが良かったですね。

成功続きじゃなくて失敗もして解決を先送りにしてる食材もあったりするのが、人間味を感じる……まぁ、失敗してるの糞桃くらいで他は試行錯誤の果てとは言え、これまで食用とみられてなかったものの加工法を編み出し続けてるので、日本での経験で下駄はいてるとは言え才能ある方なのでは。

 

途中で行く宛のない少女ウカノを保護することになったりもしてましたが、骨魚の調理に成功していたことで彼女を餌付けできていましたし……その次の霞肉の調理にも経験が生きているので、めぐりあわせだなぁと感じました。

最初はちょっと警戒心があったというか、お互い手探りなヨイシとウカノの関係でしたけど。ウカノが「おとうさん」と呼ぶような形で落ち着いたのは良かったですねぇ。

ウカノ、鹿のような枝分かれした角と爬虫類系の尻尾を持つ少女であり……冒険者たちもそういった特徴をもついわゆる「亜人」は見たことがないそうですけど。

 

言ってしまえば異質な見た目を持つ少女を「鹿とトカゲのハーフとかかな。直接聞くの失礼かもしれないしやめとこ」で受け入れてるの、日本のサブカルとヨイシの鷹揚さの組み合わせで起きた事故感がありますが。まぁ、ウカノちゃんかわいいからね。可愛いは全てを救う。冒険者たちも、初見「魔物じゃ?」と疑いの目を向けて来る奴がいても、ヨイシの後ろに隠れようとする姿を見て、微笑ましさにほだされてますしね。

水ぶどうの回で、手持無沙汰で酒場のカウンターに飾られていた大鹿の角と角の付き合いしてたりするの、想像すると微笑ましい。

WEBの裏話でヨイシに惚れてるとされつつも「女冒険者」表記だったキャラに、アカルナニアって名前がついて、ちゃんとイラストももらっていたのは良かったですかね。

今日も絵に描いた餅が美味い3

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「なあ、少年。ずっと絵を好きでいるといい」

彼はそう言った。

「君が絵を描くことを好きで居続ける限り、君は全ての経験を乗り越えられる。煮えたぎるような怒りも、やり場のない悲しみも、悔しさも嫉妬も失望も。今日、君を死に追いやろうとした絶望だって。それらすべてが君の表現の深みになる。……すべての経験は、君の絵の材料になる」

 

レッドガルド家のお抱え絵師となったトーゴ。

相変わらず森での生活を軸としつつ、絵の仕事を受けたりしていたわけですが。

この世界にも存在した「天使」を描くために、また新しい奴隷を探すことになるのはどこまでも彼らしい。

レッドガルド家の人々は心優しく、持ってくる依頼もトーゴにとって負担のないものだったので、なんだかんだ楽しく描いていたようですが。

 

……そこにちょっかいを出してきたのが、王家にもつながりを持つ貴族アージェント家の人物で。

彼は典型的な貴族というか。すべての人が栄光栄華を求めていると思っているタイプの人物だった。

そして彼が欲していたのはトーゴの膨大な魔力や、彼が抱えているだろう「竜の生み出し方」の秘密の方だった。だから、彼はトーゴの絵を見ることもなく彼を呼び出して「商談」を持ち掛けてきて……トーゴと相互理解できず破談になるんですが。

 

その後、レッドガルド家の領地を通る霊脈を堰き止めたり、トーゴが魅力を感じる景品を絵画コンクールの景品にして、貴族の権力が無いと優勝できないぞと話を持ち掛けてきたりするんですが。

どこまでもズレてるんだよなぁ……こういう貴族を見ると、トーゴが最初にフェイと出会えた幸運を感謝せずにはいられない。

霊脈の一件は嫌がらせも兼ねているだけで、別の目論見もあったみたいですが。

どれも最終的にはトーゴに邪魔されて失敗してるので痛快ではありました。

 

ちなみに本作、今回のあとがきでも触れられていますが書籍版は3巻で完結となります。

打ち切りと言えばそうなんですが、書籍版としての独自ルートを描き、単独でも満足感のある形になっております。

WEBの方も本編は完結していて、不定期に番外編を更新している形。実はWEB途中までしか読んでないのでおいおい読みたいところ。

今日も絵に描いた餅が美味い2

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「いいか? トーゴ。忘れちゃ駄目だぜ。無くしていい無駄と、無くしちゃいけない無駄があるんだ。人の役に立たなくても、金にならなくても、名誉にならなくても、無駄だと他人に言われても……空を見て美しいと思うことは、無くしちゃいけない。花を見て慈しむ心も無くしちゃいけない。そして、夢見ることも。何故なら、それが僕らの心の餌だからさ!」

 

プロローグはかつて地球に居た頃のトーゴのエピソード。

美術の授業で褒められ、それを喜んで親に報告したら……芸術なんて無駄だと切って捨てられて、絵の具なども捨てられてしまった。

それを嘆いていた時に「必要な無駄もある」と教えてくれる先生が居たのは、本当に良かった。彼の心は先生によって救われていたと言っても良い。

 

とは言え、地球での出来事はどうしようもなくトーゴの心に刺さっていて。

フェイの紹介でレッドガルド家の人々と出会い、温かく迎えてもらってお抱え絵師にならないか、と提案されたときにも大分迷ってましたしね……。

絵を描くことは間違いなく好きだ。けれど、「絵を仕事にする」ということは、絵を好きじゃないことに使わないといけなくなるかもしれないし、その果てに絵が嫌いになってしまうかもしれない。

 

実に人間らしい悩みだなぁと思いました。好きという燃料はとても強いけれど、だかこそその火が絶えてしまうのを恐れるの、分かる。

……不安を抱えていた時に思い出す両親とのエピソードが、芸術家肌のトーゴを苛んでいたのがより伝わってくるんですよねぇ。

 

絵に集中しすぎると食事を忘れたりするトーゴを心配し、フェイにも勧められて奴隷を購入することになってましたが。

「描きたい」と思った石膏像のような男を選ぶとか、本当にトーゴらしく生きてるのが面白い。犯罪奴隷であった彼と、なんだかんだうまくいってるのも良かった。

フェイがレッドドラゴンという伝説の存在を得たことで、他の貴族が権威の象徴として求めたり、それを生み出したであろうトーゴに手を伸ばしてきたりとトラブルもあるんですが。縁に恵まれたのもありますが、なんだかんだ乗り切ってるのでヨシ。

今日も絵に描いた餅が美味い

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「きっと君もそういう性質だな。たとえ死にそうになったって、絵を描くことをやめられないだろう」

(略)

「僕は死んでも、描くのをやめない」

 

絵が描ければ、それだけで生きていられる。

それくらい絵に入れ込んでいた高校生トウゴ。しかし、彼が絵にのめり込むことは家族に認められていなかったようで……小中学生の頃使った画材だったり、果ては教科書までも捨てられてしまった。

だから彼は、昼食代として与えられた金額をやりくりしてチマチマと画材を揃え、それに協力してくれる「先生」のところに隠して、絵の練習をしていた。

 

そんなある日、気がついたらトウゴは異世界の森の中に居て。

食べ物と水を探して森の中をさ迷い歩いたものの、何も見つからず……そんな極限状態でも、絵を描くことだけは出来る、となるあたり筋金入りです。

思い立って書き慣れている餅と麦茶を描いてみたら、なんとそれが実体化して。他にも試してみたところ、しっかり色を付ければトマトなども実体化出来た。

 

そこまで分かったところで、「じゃあ他の色を集めよう!」ってなるあたり、本当に生きることの優先順位の中で『絵を描く事』がトップに輝いてるんだなぁ。

端的に言うとトウゴ君、遭難してるんですよね。安全地帯の確保とか、善良な住人を探してみるとかするのではなく、自分の欲求に素直過ぎる。

 

まぁ彼の「絵を実体化させる能力」、出来る事の幅が本当に広いんですよね。

自分の食糧確保した後、泉を生み出したり、家建てたり。この森には、表紙に居るユニコーンのような幻獣が住んでるんですが、怪我した彼らの「怪我していない状態」を描けば再生することだってできる。

最初に出会ったのがフェイって言う善良な人間で本当に良かった。うっかり密猟者とかに確保されていたら、それはそれは大変な目に会っていた気がします。

 

……まぁ、悪党に目を付けられてはしまったようですけどね。一度危険な目に会って、その中でも絵を描いた辺りは凄い。

実際あそこで実体化させたもので状況が変わったので、功績はおっきいんですが……それがまた次の面業事を呼びそうなのは頭痛いですな。まぁ、フェイとかは味方になってくれそうだから、そこは救いか。

異世界居酒屋のぶ11

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「これからどんな日々が待ってるんだろうね」

「少なくとももっと賑やかにはなりそうだな」

                               

王女摂政宮のセレスと、帝国皇帝のコンラート

二人がお忍びで古都を散策している時にたまたま出会い、お互いに一目ぼれするとか、天文学的な確率すぎて笑う。

先帝である祖父の才能に及ばないと思っているコンラートは、コンプレックスの塊になってしまってたようですけど。初めて好きになった人のために、かなり決定的な選択が出来たのは何よりでした。

 

しのぶちゃんの記憶力、本当にすごいですよねぇ。

前の巻でもお客さんが初めて頼んだメニュー覚えていましたし、2回だけしか訪れていないセレスの情報をかなり正確に伝えられてたし。

更に言うなら、コンラートが皇帝陛下であることも、彼の祖父が訪れていたことから察しがついていたようですし。

 

セレスが弟に嵌められていましたが、弟なりに姉の幸せを願っての事みたいでしたし、いつか和解できればいいですねぇ。

まぁ、コンラートとセレス間の想いは確かなようですし、幸せにはなってくれそうですけども。

 

異世界居酒屋のぶ10

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「だから特別な一日があるんじゃなくて 毎日が特別な日なの」

 

ベルトホルトとヘルミーナの仲が好調なのはめでたいですが。

彼女の実家からの贈り物が過剰で困惑してるのは相変わらずの様子。魚介類の干物の差し入れを、同僚などに分けてもなおあまり、のぶにまで持ち込むことに。

あぶって食べる以外の食べ方を思いつかないから、ってことですが。それだと確かに、飽きてくるでしょうし、アレンジして欲しいって言うのは分かるー。

 

ハンスが料理人になることに反対していた父親ですが、ハンスの兄フーゴは酒が飲めないそうですが、二人で連れ立ってのぶを訪問して。

息子の料理を食べさせてもらえないかと言ったところ、断られてしまって……すわ何事かと思いきや、怪我しちゃったから今日は調理担当させられない、というオチ。

そこで親子丼が提供されて、ローレンツさんが息子たちの仕事への向き合い方を認めてくれたのは良かった。

 

父親と和解したから、ってわけでもありませんが。ハンスに新しくのぶのメニューに載せる料理を考えてみろ、と課題を出されて。

色々と考えた結果、こちらでいう餃子的なものが出来てお客さんに大人気になっていたのは、努力する才能が結実した成果として綺麗だったと思います。

水運ギルドの二人がマルセル議長と密談してましたが……重大な話だから盗み聞きの耳を排除したかったからこんな形になってるんだろうなぁ。内容としては古都の未来を考えて、新しい水路を通そうだとか、近々持ち込まれそうな縁談についてだとか、かなり真っ当な交渉でしたねー。良い方向に進んでくれればいいんですが。

異世界居酒屋のぶ9

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「はいっ! 美味しい料理ならおまかせくださいっ」

 

古都に偵察に赴いたフランソワでしたが……のぶに入ってしまったばっかりに、帝国の実力を過信した報告書を上げることに。

案の定「誰が信じると思いますか?」とか言われて、再度派遣される事となりますが。またしても、疑いまくって脱兎のごとく逃げかえることに。

 

ただまぁ王女にも思惑があったというか、彼の食レポが見事だからもう一回行かせたってのは笑う。平和な世界だなぁ……。王女摂政宮の名前を騙った手紙が出回って居たり、キナ臭い部分もありますけども。

串カツ美味しそうでしたねぇ。専門店じゃないから種類は少ないと言ってますが、居酒屋として見れば十分なんじゃなかろうか。

密偵として活用されてはいるものの、本来は「王族の耳を喜ばせる奇譚を集める」のが仕事らしいので、本来の用途ではある模様。

 

影響を受けすぎて帝国を訪れた時に、お忍びで王女様がのぶに来てたのには笑いましたが。のぶの訪問客が豪華すぎるんだよなぁ……。

「異世界に通じている」という特殊性を、雇用した三人に打ち明けるエピソードもありましたが、内緒にしてくれると約束してくれたのは良かった。

ゲーアノートさんが超税関として仕事をした後に、彼の家族が古都を訪問して対面するのが気まずい、ってなってる私的な話が盛り込まれていたのは、構成的にも良かったと思います。

 

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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