「でも、誰だって初めは弱い。キャローナたちはこれから強くなればいい」
(略)
「……私たちでも。強くなれますか?」
「当然。鍛えれば強くなる。それは誰でもおんなじ」
神級鍛冶師アリステラから依頼を受けて、隣国の魔術学院へ向かうことを決めた師匠とフラン。
道中でチーズを堪能したり、屋台の魚料理を楽しんだりと相変わらず食事に感じての嗅覚は凄いというか、こだわりますねぇ……。一気にチーズ食べ過ぎて飽きてたりするのも、気ままなフランっぽくてかわいい。
穏やかに何事もなく進めばよかったんですが……向かう道中でゼロスリードらしき存在の情報を得たり、国境の手前で魔物に襲われていた3人組を助けたら、冒険者に悪感情を持った人物が紛れ込んでいて絡まれたり。
3人組の主である少女カーナはフランに対してしっかり向き合ってくれる良心的な一面と、その上で彼女を利用する強かさを持っていて。
利用されていることには気付きつつも、黒猫族を侮らない態度もあって。フランはカーナのこと気に入ってたみたいですねぇ。
巨大な湖があり、そこを周遊している船団があるという面白い環境がある国みたいでしたけど。
そこまで強力な魔物もおらず、船団という閉ざされた環境で動いているせいか、ギルドマスターとか上位の人は油断している人が増えている現状を憂いてましたね……。
実際、まーた絡まれていましたからね、フラン。
依頼を受けて若手に実力を示したりして、黙らせることには成功してましたが。
無事に学院に到着できたのは良かったですけど……そこでゼロスリードと鉢合わせてしまったのは運が悪かった。
何事にも鷹揚なフランですが、さすがにゼロスリード相手に冷静ではいられず。それにしたっていきなり切りかかるのは、思い切りが良すぎるとも思いますが。
場所が学院の敷地内だったことや、そのタイミングでのゼロスリードの立ち位置なども影響して、学院長と戦う羽目になったり、学院に通うことになったりしていました。
不運な始まりではありましたけど、学校に通って同年代の人と同じ時間を共有しているのは微笑ましくて良かったですね。
調理実習で本気出して、先生唸らせるほどの一品作ってたのは笑った。
それとは別件でまたフランの赴いた先で起きた騒動に巻き込まれていくんだから、引きが強いんだよなぁ……。プロローグからして裏にゼライセいるの確定だから、まぁなるべくしてなった感はあります。