気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

逢沢大介

陰の実力者になりたくて! 3

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「所詮……月が赤いだけの話だ。そうだろう?」

(略)

「ただ月が赤いだけ……伝説の『赤い月』もシャドウ様の前では形なしですね。ご武運を、お祈りしております」

 

ローズ会長が傀儡となっていた父王を殺し、逃亡したことでオリアナ王国はゴタゴタしてるみたいですねぇ。

あくまで他国の問題なのもあって普通に2学期が始まり、夏休みに突入。シドの将来を危ぶむ姉に無法都市へと連行されたわけですが。

伝説にある『赤き月』と呼ばれる吸血鬼による災害が、無法都市を脅かそうとしていた。

クレアがわざわざ足を運んだのも腕利きの魔剣士だからだったわけですが……。

 

姉の会議中に興味本位でフラフラしてたら、シドとクレアははぐれてしまって。互いに別の意図をもって、敵の本拠地である紅の塔へと踏み込むことになります。

普段のシドはあくまで暗躍を楽しんでいるけれど、あくまでモブとして行動してるわけですが。

塔へ踏み込んだときに小市民らしく金貨を浅ましく漁ってる当たりが小物だよなぁ、シド。一方でシャドウとしてそれっぽい振る舞いしてると、なんか上手く回ってくのが面白いんですけど。

七陰との間にある溝が埋まれば、ミツゴシ商会の資金をもっと頼れるんでしょうけど、そこが埋まらず勘違いしまくってるからこその面白さがこの作品の売りだからなぁ……。

 

今回の後半とか、ミツゴシ商会の繁栄に対抗するべく大商会が連合を組むことになって。その動きを分かっていたからシャドウガーデンは迎え撃つ構えなわけですが。

何もわかってないシドが「新興が大商会敵に回すのは得策じゃないから、ちょっと介入して別のやり方を試そう」とか思ってるの、傲慢にもほどがあるというか。

君から聞いた断片的な情報でチョコレート再現したり、紙幣制度を浸透させたりして影響力を持つ有能な部下が揃っているんだから、下手にちょっかいかけない方がいいよ、とか言いたくなる。

 

シャドウガーデンを裏切るような真似して、シャドウに心酔しているがゆえにアルファたちが揺れる場面もありましたが、終わってみればシャドウガーデン一人勝ちしてるの凄いな……。

もう真実明らかに出来ないくらい絡まってるから、いっそ開き直ってデルタの言う獣人スタイルで強さでのし上がって群れの長になるくらいの未来図くらいでいいんじゃないかな、シドくん。

陰の実力者になりたくて!2

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「我らはただ、真実が知りたい」

 

アルファから『暇なら聖地に来て』と手紙をもらい、彼女の誘いに乗ると楽しいイベントに遭遇できるからと、翌日には行動開始してるあたりシド相当暇してたんだな……。

直近の事件で学園が半焼したから前倒しで夏休み入っていたのもあるでしょうし、予定があってもそんな面白そうなイベント見逃すわけにはいかないってどうにかスケジュール空けたでしょうけど。

 

本気を出せばダッシュで余裕だけど、モブらしく馬車にのったら生徒会長のローズと同行する羽目になってる当たり、モブになりたい主人公的にはついてない。

彼女も妙に盲目的になってるというか、シドと全く会話かみ合ってないの笑っちゃうんだよな……。

シド、初手でシャドウガーデン運営に全力出せちゃう有能なアルファを配下に迎えてたりするので、そういうの引き寄せる運はあるんですよね……。

 

聖地とは、かつて英雄オリヴィエが魔人ディアボロスの左腕を切り落としたと伝えられる場所で……そこで行われる「女神の試練」は聖域から古代の戦士の記憶を呼び覚まし、戦うという催しだとか。

そこでディアボロス教団がうごめいていたことで、シャドウガーデンのメンバーや王女殿下たちがそれぞれ調査をしようと足を運んでいたわけですが。

 

先んじて調査対象が口封じされてしまったり、ノリで動くシドによって計画変更を余儀なくされたりしてますが、アドリブいれつつ対応できるシャドウガーデンは優秀だなぁ……。

トップのシド君、わりとなにも考えてないのに。どうしてそれで何だかんだうまくいってるんだ……勘違い状態での爆走は見てる分には面白いですけどね。

詳細は知らず巻き込まれた先で、最終的に力ですべて弾き飛ばすシャドウ強すぎて笑えますし。

 

聖域の件が片付いた後、ガンマの商会経営やデルタの加入時とか、イプシロンのプライドの高さがわかる短いエピソードが追加されてたのは良かった。シャドウガーデンメンバーの解像度上がるし。

シャドウに救われたことで、ガーデンメンバーは本当に彼を大切に思ってるんだなぁというのがわかるの好きです。

 

まぁシド君はそんなことつゆ知らず、陰の実力者ごっこにいそしんでるんですが。

実力を隠して「ブシン祭り」に出場したいって思い付きでメンバーや、他の大会参加者を困惑させてるし。ジミナという偽名で出場した主人公の行動を、実力者たちが勘違いしたまま分析したつもりになってるの、空回りすぎでな……乾いた笑いが出た。


陰の実力者になりたくて!

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「ディアボロス教団。それが僕らの敵だ。彼らは表舞台には決して出てこない。だから僕らも陰に潜むんだ。陰に潜み、陰を狩るんだ」

 

表向きは人畜無害なモブだけれど、その実「陰の実力者」であるキャラに憧れていた主人公。

花形であるところのヒーローやラスボスではなく、陰ながら介入し実力を示すようなそんな存在になりたかった。

まぁここまでならちょっと変わってるけれど、分からないでもないです。どんなキャラ造形が刺さるかなんて人それぞれですからね。

 

でもこの主人公のすごいところは、実際になるための努力を続けまくったことなんですよね。とはいえ現実社会には核などの兵器が存在するし、そもそも個人の武勇を伸ばしたところで鍛え上げた軍人に囲まれたら終わりなわけで。

それに対抗するために超常の力――魔力でも気でもなんでもいい――すら求め始めた。

狂気的な足取りで夢に向かっていた主人公は事故で命を落とし、魔力が当然のようにある世界へと転生した。そして前世の記憶そのまま保持しているとなれば、そりゃ同じように「陰の実力者」を目指して驀進しますよね……。

 

魔力という下地を得た主人公は今度こそ核にも負けない力を得ようと裏で奮闘し、表向きはモブを装い続けた。

それで実際に実力者になってしまうんだから、凄まじいというほかない。

自分に相応しい武器としてスライムを用いた武装を作ったり、実戦経験積むために密かに野党退治したり、割と好き勝手してますよねぇ。

 

その過程で彼は異形と化した少女と出会い、実験のつもりで行った魔力操作で少女の本来の姿を取り戻すことに成功。

救われたことで心酔する彼女には、ぜひとも「陰の実力者になる夢」に付き合ってもらおうと決意して、この世界の伝承を基にした作り話を披露します。

そしてなんということでしょう。作り話だったはずのそれは世界の真理をついており、彼が組織した陰の組織「シャドウガーデン」は、歴史の裏で暗躍を続けていた「ディアボロス教団」と敵対することになります。

 

主人公は最初の実験以降も多くの少女を救って同志を増やし続けていた一方で、ディアボロス教団なんて存在しないけどねーと、夢を追う自分を楽しんでいるようですが。

救われた少女たちは独自に調査を進めて歴史の真相に迫り、主と仰ぐ彼をサポートするために力を尽くすわけです。

迷子になった主人公が逃げ出した敵の首魁と鉢合わせたりして、すべては手のひらの上感を演出できる運の良さだとか。救われたことで少女たちが信者と化しているから、とか色々重なった結果ああなってるので、主人公の演技に気付くことはなさそうだなぁ……。

読者目線だと大分テキトー吹いてるんだけどなぁ……。

でも、なにもわかっていない主人公が、ノリと勢いと夢で敵の計画ぶっ壊していくのは面白いので割と好き。

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ちゃか

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