「すごい。信じられない。甘いのに美味い!」
辺境最速の船の船長として、講演を頼まれたダン。
タイミングよく連邦大学にいた怪獣夫婦から食事に誘われて……それが「テオドール・ダナー」だって言うんだから、巡り合わせですねぇ。
『トゥルークの海賊』1~3巻後のエピソードらしくて、とある集合写真に熱を上げてる辺り、ダンも船乗りだねぇ、というか。そちらを読んでなくても読めますが、読んでからだと更に面白い。ゝリアクションした人がいますもんね。
テオドールと和解したパラデューが宣言通り入り浸ってるのは、笑う。忙しいんじゃないんですか。
「店に飾る」という条件に限って、特別な審美眼を発揮するテオドールの能力を試したくなる辺りは、アンヌの父親という感じがする。彼女も同じようなことをやって、能力を認めるに至ったんだろうな……。
アンヌが方々に手を回して、テオに最高の一品を作ってもらう為、連邦大学で無音飛行機を飛ばす許可を取って居たりするとか、情報が増える度に彼女の格が上がっていくのは凄い。
閉店していた時期に連絡が途絶えていた遠方の知人を訪ねようと思ったテオドール。
心配したルゥが怪獣夫妻に護衛をお願いしていましたが、賢明だったと言わざるを得ない。
長い付き合いのある生産者の方々は、テオドールの無口さとか彼の腕前とかを信頼し、後を追ってきたアンヌの父親であるパラデューに弔意を示したりと、とても心優しい人々で、良い縁だなぁ、と思っていたものですが。
それぞれにテオの料理が好きで、料理を食べる為に昼食に三人を招待するローリー、鉱物が好きぎて気がついたら平らげていたトレミィとかいいキャラしてましたよね。アガサおばさんのところで出された卵料理を食べた時のパラデューの反応も面白かった。
パラデューが店内で零していた、とある財団にまつわる噂話が影響してきたのは、ルゥやダイアナみたいに「嘘ぉ」って言いたくなりましたね。犯人たちの考えの浅さにも驚きましたが、テオドール・ダナーの影響力の凄さを侮っていましたね……。
Ⅱ世が護衛も付けず訪問していたのを、もっと評価するべきだった。リィに甘いモノを食べておいしいって言わせる、シェラの悲願を果たせてしまう位には、神業を持ってる御仁だったんだな……テオドール、すごい。