気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

鈴木理華

暁の天使たち外伝2 天使たちの華劇

ico_grade6_4

「この格好が客寄せになるっていう理屈は正しいと思ったからさ。本当にいやなら、おれはやらない」

                                                                                                

ヴァンツァーが論文に不可を出されて相談にやってくる「一般市民のすすめ」。リィが寮長のハンスにロッドの腕を見込まれる「常識の問題」。

学園祭で喫茶店を開くことになり、リィとシェラが給仕を務めることになる「ヴァレンタイン卿の災難」。シェラがかつてつくった衣装に再挑戦する「趣味の時間」の4編が収録されています。「ヴァレンタイン卿の災難」だけ中編で他は短編。

 

単位を餌に夜の誘いをしてくる教授はバカ過ぎるけど、とりあえず要求を呑んだ後消そうとするヴァンツァーもまだこっちの常識に馴染んでない感じがして笑える。

……これまでも同様の手口で被害者が出てるので、笑えないですけど。ヴァンツァーに声かけた時点で破滅確定してるようなもんだからなぁ……。実際、見事に沈んでいったので痛快でした。

 

「常識の問題」は、本調子ではないリィがうっかりハンスをロッドで倒してしまって、腕を見込まれてチームに勧誘されていく話なんですが。一般市民を目指すリィはそれを断って。真剣勝負の片鱗を見せて、ハンスを鍛える方向に行くのは、リィ達ならではだなぁ。

 

「ヴァレンタイン卿の災難」に関しては、表紙にある衣装――ウェイトレス姿になって接客をするという喫茶店のはなしですが。シェラ渾身の作品を金銀天使が纏うだけあって映えますねぇ。

チャリティーも兼ねていて、諸々を最後オークションに出していましたが。マーガレットが全力で落札したのも頷ける。

 

「趣味の時間」はかつて王妃に作った衣装を、シェラが改めて作る話。自主制作衣装の発表、その代表の代理に選ばれたからですけど……既に決まっていた人物が、デザイン画提出前日に骨折してしまったというのは不運でした。

そこで短い期間でウェイトレス衣装を仕上げたシェラに話が来たようですけど。こちらの世界に来て、あの衣装の基となったデザインも見て、再挑戦したいというのはシェラらしいですねぇ。

暁の天使たち外伝1 舞闘会の華麗なる終演

 ico_grade6_3h

「自己満足って言うけど、あなたのその自己満足のおかげで、あたしはダンに会えた」

 

6巻で描かれなかった時間軸を穴埋めする『嵐の後』。ダンの息子であるジェームズがルゥを探しに行きたいと言い始めるエピソード『宇宙一不幸な男』の2編を収録。

『嵐の後』では、ダイダロス・ワンからリィ達が逃げる時の状況が追加されていたりしますし、ケリーの身元確認のために連れてこられていた「関係者」とジャスミンが再会してるシーンも入ってます。

 

四十年が経っていても、昔なじみをしっかり見抜く目を持っている辺りは流石ですね。

ダンも鉢合わせてヘレンやプリスティンに正体を見抜かれてましたから、女性陣の目が鋭いと言うべきか。

しかし、ガイアへのフリーパスであるケリーが帰還してくれたことで、説明がスムーズに済んだように。今回と同様の事例が起きてないか調べる為に、統合管理脳ことゼウスの助力を求められるジャスミンがいてくれたのは本当にありがたかったですね。

良いタイミングで帰って来てくれたものです。

 

一方、パラス・アテナ内部でのリィたちのわちゃわちゃ具合も楽しかったですね。負傷したリィがレティシアを栄養食扱いしてるのは、さすがの野性っぷりと思いましたが。その後、まさかのお菓子作りを始めたのには驚いた。

実際、美味しそうな品が出来て呆然としてるファロット三人の様子が本当に笑えましたねぇ。リィを知らない怪獣夫婦とダイアナからすると、その反応こそ分からないみたいでしたけど。

後は、シェラが披露した謎の力。『月』としての力の現れでしたけど、普段は『太陽』と『闇』が強いから表に出てこない、という設定にはなるほどな、と思いました。
しかしそれだと、使う練習とかできそうになくてそれはそれで大変なのでは。そうなんども二人が動けない状態にはなってほしくないですけどね。

 

『宇宙一不幸な男』に関しては、ルゥを諦めきれないジェームズのために一芝居を討つ話ですけど。思わぬ着地をしてダンの胃にダメージ入ってて笑えました。

暁の天使たち6 天使の舞闘会

ico_grade6_4

「だから、おまえが迎えに来てくれ」

 

ルゥが暴走を始めたとき、ファロット三人はなにがしかの異変を感じたようですが……リィはなぜか察する事が出来なかった。

その間に状況が進行し……セントラル星系は、ルゥの怒りによって滅ぼされようとしていた。

 

ルゥは行動を激化させる前にヴェラーレンに会ってましたけど……ただ息子に帰ってきてほしかっただけではなく、「理想の息子」になって欲しかったが為の行動だったって言うんだから、度し難い。

5巻でケリーが指摘してましたけど、息子の死後三年娘をほったらかしにしてたり、良い親要素全くないからなぁ……。良い仕事についてるから、資金問題がないことだけが救いか?

 

幽霊星の異常を知っているダイアナも困惑する、あり得るはずがない異変。ケリーは即座にリィに連絡を取ろうと行動を開始します。

その後も要所で美味しい活躍してくれてるし、デモンも言っていましたけど本当によくぞこのタイミングで帰って来てくれていたものです。

なんだったら連邦相手の交渉も任せられるし、ガイア相手のフリーパスまで持っている。んだもんなぁ。色々すっ飛ばせたのでラッキー。

 

あずかり知らぬ下の暴走で、セントラルが……ひいては連邦が壊滅するかもしれない、となった連邦上層部の方々はご愁傷様でした。

そもそも今回の事件には情報局の長官が関与してるし、連邦の管理不行き届きによるものだから自業自得ではありますけど。巨大な組織になると身動きとり難くて大変そうですねぇ。

 

……まぁ、そういう組織の柵を抜きにしても。大人の傲慢があったのは否めませんけどね。全てが無事に収まったあと。ルゥにかつてリィが体験した「実験」を味わわせた後の反応を見るに、想像力が足りてなさすぎる。

 

暴走した相棒を止める為に、行動を開始したリィ。しかし、そうすればお互い無事で済むはずがなくて。シェラも一人でいかせるのは反対してましたけど、迎えに来てくれと言われてぽかんとした場面が好きです。

まぁ、ハラハラしましたが無事に帰って来られて何よりです。リィ戻ってこないとマーガレット意識不明のままになっちゃうしね……。

 

暁の天使たち5 女王と海賊

ico_grade6_4

「いいか、海賊。わたしを愛しているからだなんて言うなよ。今度こそ顔の形を変えてやるからな」

「どこまでも薄情な女房だぜ」

 

ルゥの力でケリーが蘇り、ジャスミンも目覚めた。

そして女王がダイアナを目覚めさせたことで、かつてケリーが願った再会までの道筋は整い始めましたが……未だにケリーは敵の基地の中。

それでも平然としているというか、総帥時代の積み重ねでむしろ黒幕側に冷や汗かかせているのはお見事としか言うほかない。

 

ヴェラーレンに、実は昔娘さんに味方したころあるんだよ、って通信で暴露するシーンとか。その後対面したとき、どっしりソファーに座ってるシーンとか、ケリーの強かさが感じられて好きです。

そうやって圧される場面がありながらも、自分の願いのために引きことは出来ない、とプラント技術の提供を求めましたが……そもそも渡しても意味がない、と

 

オマケに女王様のためにしっかりクインビーを整備した状態で遺しておくんだから、抜かりないですよね。

さすがに探知機能最新兵器は安全性重視になったせいで、昔に比べてパイロットの腕が落ちている、と。かつて共和宇宙一だった「あかいひこうき」が自由に飛ぶ姿を見られるのは読者的にも嬉しい場面ですね。あの映画撮影を覚えている人員が、この場所に居合わせたのも運命的というか。

 

ルゥの能力でそれらの場面をのぞき見していたリィ達ですけど、ダンの困惑はいかほどだったろうか。

思わずルゥに当てにしてはいけない力を頼ろうとするくらい、か。あれは母親が関わっていたからと言うのもあるでしょうけど、意外な展開ではありましたね。ジャスミンがしっかり相手を見抜いたのはお見事でした。母は強し。……いろんな意味で。

あと、ジャスミンがルゥに息子夫婦に恩義があると聞いた後、しっかりと礼を言う場面も好きです。

 

怪獣夫婦が再会を果たして、お互いにいえなかった事を告げて。これで大団円かと思いきや、最後にルゥが暴走を始めてしまったわけですが。最後の一文で理由もわかるから、連邦、なにやってるの!? と初めて読んだ時でも慄いたものですね……。

暁の天使たち4 二人の眠り姫

ico_grade6_3h

「天使が奇跡を起こしてくれたぜ」

 

蘇生した場所が連邦の「ダイダロス・ワン」であったのが、良かったのか悪かったのか。事態を大きくしたともいえますけど、この場所だったからキングの仕込みが効いた部分もあるわけで。

使うつもりのなかった悪戯心が、未来で有効活用されるとかなんとも面白い展開になってるなとは思いました。……いや、なんで連邦の秘密基地に自分の認証登録をこっそり入れてるんですか、ケリー。

 

ルゥのことを良く知ってる彼は、ルゥの死体を近場の惑星の海に落して。そこで魔法で飛ばされてきたリィ達と対面して、戦闘になりかけたんだから冷や汗ものです。

リィが気が付かなかったら、洒落になれない事態になっていたことでしょう。不審に思って「金色狼」であることに気付くケリーの洞察力も流石ですけど。

一旦基地を脱出して、復活してきたルゥをリィが釣り上げるシーンは、ドタバタ騒動の中で息抜きできるコミカルなシーンだったので良かった。

 

その後、ケリーの目覚めに合わせてルゥがジャスミンの身体を癒してましたが……「自分は死んだはず」と強固に信じている彼女は目覚めず。

刺激を与える役を任されたケリーが、火薬庫に爆弾放り込む感じで覚醒させてましたが。やり方がおっかないよ……。激高した怪獣と対面する羽目になったルゥはお疲れ様です。

自ら眠りにつく判断を下したダイアナをジャスミンが起こしに行く場面も、録画なのに妙に噛み合ってる会話のくだりとか楽しくて好き。


暁の天使たち3 海賊王の帰還

ico_grade6_3h

「ただ、もしかしたら――もしかしたら、ですが、二人を活かせるまでもなかったかもしれません」

 

クーア財閥総帥だったケリーが残したモノ。

冷凍睡眠状態のジャスミンと、彼女の治療方法を模索する施設。そして、それと隣り合った形で作った、彼のクローンを生み出すための施設。その存在がどこからか連邦に漏れてしまって。

 

今のクーア財閥は総帥を置かず幹部たちによって運営されているそうですが、その幹部たちの過去の弱みに付け込んで、ケリーを再生するためのプラントを持ち去ったとか。

不老不死が実現できるかも、という毒の様に甘い蜜を見つけたら、そりゃ集るよなぁって感じではありますけども。

 

かつて約束した相手の遺産を、そんな風にいじられて黙っていられるルゥではなく。連邦の秘密基地に乗り込もうってんだから、行動が迅速に過ぎる。

ただそこで失敗してリィに悟られてしまったのは、痛かったですね。タイトルにある通り、ついに海賊王が帰還してくれるわけですが……あとがきでは「予定は未定」とか書かれていて相当な難産だった模様。終盤にしか登場シーンないですけど、やっぱり彼の描写を見ると安心できるというか、状況が良く分からない中でも最善に近い動きをしてるのはお見事でした。

 

ジャスミンが死んでおらず、治療法がないために寝ている状態だというのを知った『スカーレット・ウィザード』で登場したキャラクター達が、眠る彼女と再会して涙する場面が好きです。

……対面者からジンジャーを省く、なんて恐ろしい真似をしたアレク以外の幹部の行動には肝が冷えますが。絶対碌な目に合わないぞ……。

暁の天使たち2 神々の憂鬱

ico_grade6_3h

「おまえが、どうして生まれてきたかは知らない」

「…………」

「それでも、ここがお前の家だ。ぼくがおまえの父親なんだ。それだけは忘れないでくれ」

 

シェラがこの世界に馴染むための一環として、遊園地に行った時のエピソードからスタート。

実際に動く船や戦士を知っていると、あまりにもおかしく感じられる「作り物」。あとは遊園地でしか食べられない「ブランド化」された食品とか。シェラにとっては違和感だらけ。

これまでの常識が通じない世界で、困惑しながらも学び続けているシェラは本当に真面目だと思います。

 

ルゥがリィに打ち明けていない、彼の中で眠り続けている魂の話とか。

リィの育ての親であるアマロックに関する情報と、彼の妻に会いに行ったヴァレンタイン卿のこととか。

ボンジュイに残して来た聖霊たちの話と、ラー一族の伝承の話を聞いたり。シェラだけが打ち明けられている情報なんかもあって、新鮮でしたねー。

 

……ヴァレンタイン卿は、家族にも内緒でシルヴィに会いに行ってましたが。リィはそれを察していたり、「父さん」と呼べないことを謝罪したり、不器用なこの二人の関係も好きなんですよねー。

心配しながらも送り出した息子が五日で騒動を巻き起こしてたり、彼の胃が心配になる。

元王妃とファロット一族が3人、この世界の常識を語りつつ一般市民を目指そうという指針を共有してはいましたが。シェラがレティシアを警戒して威嚇しまくってる雰囲気出してるの、微笑ましく見えますねぇ。

 

ダンがラー一族のデモンから、特異能力者としてのリィが過去にどんな目にあったかの話を聞いたり。息子を育ててくれた「天使」相手に複雑な感情を持っているところを、親族にどうして結婚しなかったとか追及されたり。

そんな困惑しきった所に、祖父がジャスミンに関しての話を持ち込んでくるんだから、彼は彼で波乱万丈な人生を送ってる感じがしますよねー。

根が常識人に寄りすぎてて、怪獣夫妻のような安定感がなく流れに巻き込まれてばっかりの様にも思いますが。


暁の天使たち

ico_grade6_3h

「へええ? おまえもまあ、開き直ったもんだな」

「……以前のままの私と思うな」

 

デルフィニア戦記後を描くシリーズ。リィはシェラを連れて元の世界に帰還した。

あちらでは何年も経っていたけれど、こちら側では十日程度の時間しか流れておらず、肉体年齢を若返らせる処置とかをした上で、ドレステッド・ホールを訪問。

そこにはリィの産みの親と、彼の兄弟姉妹が住んでいた。母親のマーガレットは、リィの特殊性を察していて、ルゥにあげたそうですけど。

父親のヴァレンタイン卿は、リィとの距離を測りかねている部分がある模様。……なんだかんだ寛容な部分もありますよね。

 

魔法はオカルト扱い。一般市民が戦闘に関与する事はほとんどなく、科学技術が発展した世界。

シェラはこの世界の常識が何一つ分からない状態で、ルゥが異世界から拾ってきたとは言えないために、それらしい経歴を偽装して、リィの父親に後見人になってもらう流れになっていました。

 

最低限の学習を終えた後、リィとシェラは連邦大学の中等部に入学することになって。

シェラから情報を引き出そうとダン船長やヘッケル女医なんかがカウンセリングをしてましたが。それで故郷が分かるはずもないんですよねぇ。

 

ヴァンツァーも蘇生させられて、別の学校通っていたようですが。シェラはどうにも顔を合わせにくい気分だったみたいです。

ただそれも、リィの中で眠っていたレティシアという爆弾が起動したことで、否応なく対面することになって、最終的には丸く収まったんではないでしょうか。

警備の方とか、信じがたいものを見たダンやヘッケルに関しては、徒労に終わるカウンセリングの末のアレだからなぁ……お疲れ様です、本当に。

リィとシェラが「男子」であることに驚く一般学生たちのリアクションとかが笑えて好きです。

スカーレット・ウィザード6

 ico_grade6_4

「俺にとって大事なのは飛ぶことそのものじゃない。前にも話しただろう? 次に宇宙に出ていく時は、あの女と一緒にだと」

 

ジャスミンが眠りにつく前、ケリーと共に子育てしてる時のエピソードが笑う。

蹴り上げて「高い高い」するんじゃないよ、この夫婦は! それ以外にも、クインビーに乗せてみたりと色々と無茶してますよねぇ。

この契約結婚についてジャスミンがどう思っていたのか、も更に描かれていましたが。遺書でも語られていた通り、ケリーの事好きだったんだな……と言うか。大切にしていたのが良いですねぇ。

女王の真意をたまたま聞かされていた海賊ラナートからは、色々言われてましたが。「幸運を祈る」「捕まるんじゃねえぞ」と言って別れる二人が好き。

 

ジャスミンの死後、次代の後継者として育てられる筈だったダニエル。

しかし、彼は経済の勉強よりも宇宙船の操縦技法を学びたいと言い始めて。その目的の一つに、キングと呼ばれる海賊へのあこがれがあるっていうんだから、凄まじい。

しばらく活動していないのに、いやだからこそなのかもしれませんが、彼の名が今も残り続けてるのは読者視点だと嬉しいですね。

身分を捨てて自分のために行動した彼の背中を押すために、公的に死んだことにする父親の決断力がまた愉快です。

 

宇宙を離れてからも、なんだかんだ総帥業をこなしてるケリーのスペックの高さも見逃せません。

新しい技術開発に関して、宇宙航海に効果的ってのを抜きにしても意欲的ですし。門に頼らない長距離跳躍を可能にする機械、とかとんでもない物開発するなぁ。

それに伴って、新しい発見がされたりと影響も大きいようですけど。海賊業が活発になったりと予期せぬ方向にも作用したのは、技術が魅力的すぎる故、だろうか。

 

さらに宇宙に出ていった息子の傍に、幽霊星の住人が居るという情報まで出て来て。

ルゥのトンデモ具合を受け入れられるケリーの度量がかなり好きです。息子は常識人なのに、父親はどうしてこうなの? みたいな困惑具合が見ていて楽しい。

スカーレット・ウィザード5

ico_grade6_5

「さすがだ……魔法使い」

(略)

「恐るべき非常識……!」

 

クーア・キングダムが駅爆発に巻き込まれ、総帥・副総帥ともに死亡。息子だけは奇跡的に助かった、というシナリオでジャスミンの敵、クーア財閥幹部の五人が声明を発表。

それによって敵の姿が明確になって……ここで、実は私達は生きていた、と名乗りを上げるのは簡単だけれど、息子の命を人質に財閥を要求して来ることなどが考えられて。

秘密裏に奪還するための作戦を考え、ジンジャーや連邦主席のマヌエルまでも巻き込んで、大規模な「映画撮影」という建前で敵を呼び寄せるのが面白いですね。

 

前回の一件から保護していたクライストをアレンジャーとしてこき使うことにしたり。

ジャスミンがゼウスをたらしこんでいることを有効活用したり……ケリーはケリーで知り合いの海賊に声をかけて戦力にしてるのが面白い。ジャスミンが「エキストラ」呼びするのが本当に好きなんですよねぇ。

 

この巻は愉快なシーンが多いんですけど、先代財閥トップのマックスが作ったクーア・キングダムに仕込んでいた「悪戯」もかなり笑えますよね。事情を知っていなかった面々が絶句したのも頷ける。

それを活用するための手段をケリーとダイアナが用意する事になっていましたが、それがウィノア近郊の門を活用するってものだったので、4巻で過去のエピソードが出てきたのこれに繋げるための伏線だったのか……という感じで驚き。

 

無事に奪還したあとのエピソードも描かれていましたが……ジャスミンもケリーも、歯に衣着せないタイプなのに、肝心な言葉は告げてないんだもんなぁ、全く。今度は捕まえて見せると決意したケリーが好きです。

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
 コメント歓迎。ただし悪質と判断したものは削除する場合があります。

メールアドレス
kimama.tyaka@ジーメール なにかご依頼等、特別連絡したい事柄はこちらにお願いします。
メッセージ
アーカイブ
カテゴリー
記事検索
最新コメント
  • ライブドアブログ