「……ありがとう。けど……俺は行くよ」
「なぜ!?」
「……好きな子を、待たせてるから」
BOOK☆WALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで8月31日まで。
暗殺者として経験を積んできたヒカゲは、世界を救う為に行動する勇者パーティーの一員に抜擢され、実績を積んでいた模様です。
勇者は戦場で戦う敵幹部相手に「なぜ戦うんだ!」と問答をしながら切り結んでいましたが、暗殺者なヒカゲからすると余分な行いで彼はそのやりとりを無視して敵を殺す選択をします。
そしてそれを見て「いつも活躍を奪ってるお前はいらん」と勇者に追放されてしまうことに。
「敵を可能な限り排除して、人類に平和を齎す」という観点ではヒカゲは正しいんですが……仲間との相互理解が出来てなかったのも良くないと言いますか。
「またでしゃばりやがった」と言われてるくらい、いつも通りのことだったようですけど。
高ランクの魔物を倒すとレベルが上がる世界で、ヒカゲばっかり強くなってもパーティーとしてはバランスが悪くなるし、方針が違う状態で戦い続けたら今回みたいに破綻するからな……。
勇者も自分が活躍しなきゃって意識が強すぎるから、それがなくても自分以上に活躍するヒカゲは目障りで追放してたかもしれませんけど。どうしたって上手くまとまる未来がないか……。
追放後は敵国との国境にある奈落の森で魔物を狩る生活をするようになって。
そこで人知れず暮らしていた村人と出会い、守り神として慕われることになって。さらには幼馴染と再会して、仲を深めたりするわけです。
高ランクの魔物を狩り続けてレベルアップしたので基本的に苦戦はしないし、サブタイトル通りの展開が繰り広げられる作品ではあります。
ただ、追放されて最強になった後、村人との交流やら勇者パーティーとの再会、宿敵である魔王陣営との戦いと、イベントを盛り盛りにしたせいで駆け足になってた部分はあるかなぁ。物足りなさを感じる作品。