「別にあなたのために助けたわけではありません」
「! そ、それって……」
「私がやりたくてやっただけ。あなたを助ける気はなかったわ。勘違いしないでちょうだい」
人を癒す奇跡の技・法術。
これは女性にしか使えない術であり……いかに法術を上手く扱うかが女性の価値を決めると言っても良いほどのものだった。
主人公のマリィはゴルドー公爵家の娘でありながら、法術を一切扱うことが出来ず……王太子との婚約者であったのにも関わらず、妹に懸想した彼によって婚約破棄を告げられることになってしまって。
そのショックから彼女は実は彼女は、魔女神ラブマリィとして後世に名を遺した偉大な魔女の転生者であることを思い出すことになるわけです。
現代では衰退し、綺麗に忘れ去られてしまった「魔法」の知識をマリィは所有していた。さらに、今世の肉体は以前よりも魔力量が多く魔法適正も高かったため、無意識に魔法を使っていたとか。記憶がないことで上手く制御できず垂れ流し状態で、それによって公爵家や国には恩恵があったようですが。
まぁ、妹と比べて迫害されていたようですし、恩恵剥奪も止む無し。
記憶を取り戻したことを期に彼女は家の柵から解き放たれて、旅に出る事にしたわけですが。
彼女は魔術の試し打ちだったり、美味しい食事や安寧を求めて魔獣討伐をして、結果的に多くの人を救っていくことになります。
マリィはかなりドライな性格していて、本当に自分のためにしか行動しておらず、結果的に周囲が助けられてるだけ。それを周囲が誤解する、勘違いモノの御約束展開に繋がっていくんですが。勘違いされた結果として出力されるのが毎回「ツンデレだ」なのが、なんか癇に障ったかな……。