「所詮……月が赤いだけの話だ。そうだろう?」
(略)
「ただ月が赤いだけ……伝説の『赤い月』もシャドウ様の前では形なしですね。ご武運を、お祈りしております」
ローズ会長が傀儡となっていた父王を殺し、逃亡したことでオリアナ王国はゴタゴタしてるみたいですねぇ。
あくまで他国の問題なのもあって普通に2学期が始まり、夏休みに突入。シドの将来を危ぶむ姉に無法都市へと連行されたわけですが。
伝説にある『赤き月』と呼ばれる吸血鬼による災害が、無法都市を脅かそうとしていた。
クレアがわざわざ足を運んだのも腕利きの魔剣士だからだったわけですが……。
姉の会議中に興味本位でフラフラしてたら、シドとクレアははぐれてしまって。互いに別の意図をもって、敵の本拠地である紅の塔へと踏み込むことになります。
普段のシドはあくまで暗躍を楽しんでいるけれど、あくまでモブとして行動してるわけですが。
塔へ踏み込んだときに小市民らしく金貨を浅ましく漁ってる当たりが小物だよなぁ、シド。一方でシャドウとしてそれっぽい振る舞いしてると、なんか上手く回ってくのが面白いんですけど。
七陰との間にある溝が埋まれば、ミツゴシ商会の資金をもっと頼れるんでしょうけど、そこが埋まらず勘違いしまくってるからこその面白さがこの作品の売りだからなぁ……。
今回の後半とか、ミツゴシ商会の繁栄に対抗するべく大商会が連合を組むことになって。その動きを分かっていたからシャドウガーデンは迎え撃つ構えなわけですが。
何もわかってないシドが「新興が大商会敵に回すのは得策じゃないから、ちょっと介入して別のやり方を試そう」とか思ってるの、傲慢にもほどがあるというか。
君から聞いた断片的な情報でチョコレート再現したり、紙幣制度を浸透させたりして影響力を持つ有能な部下が揃っているんだから、下手にちょっかいかけない方がいいよ、とか言いたくなる。
シャドウガーデンを裏切るような真似して、シャドウに心酔しているがゆえにアルファたちが揺れる場面もありましたが、終わってみればシャドウガーデン一人勝ちしてるの凄いな……。
もう真実明らかに出来ないくらい絡まってるから、いっそ開き直ってデルタの言う獣人スタイルで強さでのし上がって群れの長になるくらいの未来図くらいでいいんじゃないかな、シドくん。