「力は代償を要し、責任を伴い、孤立を強いる。新しき力を手に入れたお主は険しい道を歩むことになる。半端な覚悟では進めぬ道だ。それでもお主は力を望むか?」
「はい。どのような道であれ、前に進むだけです。私は冒険者ですから」
支援職の精霊術士として幼馴染の勇者パーティーを支えてきた主人公のラーズ。
職業にランクが存在する世界で、仲間がランク3にあがっていくなかでラーズだけランク2で留まっていたこと。
精霊術士が従える精霊は不可視の存在であること。彼の属するパーティーの攻略が一月ほど停滞状態になっていたこと。いろいろな理由が重なって、ラーズはパーティーを追放されることになって……。
それを受けてラーズは精霊王から能力を覚醒してもらえることに。
本当なら今挑んでいたサードダンジョン攻略後にするはずだったらしいですけども。ラーズが苦境に立ったことと、他にも理由があり後押ししてもらって。
落ちぶれた先達をみても冒険者賭しての道を諦めるつもりがなかったラーズは、心機一転活動を開始することにして。
ラーズを追放した元勇者パーティーは、別のパーティーから人材を引き抜いたものの……彼らを支えていたラーズという存在が居なくなったことで、どんどん凋落していくことになって。
そこにメンバーが引き抜かれたことで、ラーズを評価していた女冒険者のシンシアが自由を得てラーズを追いかけられるようになったのは、妙な連鎖ではあったけどありがたかったか。
分かりやすい追放からの逆転と、元所属パーティーの没落という要素を盛り込んだ作品で、読みやすい作品ではありましたね。