「あんたが選んだのは俺だ。俺の名だけを、あんたはあの本に書いたんだ」
この作品の感想を書く前に、ちょっと語りたい前提情報が多いんですよね……。
まずレーベル的には電撃の新文芸なんですが、こちら『電子限定』の刊行となっております。また、chibi先生のイラストは表紙イラストの扉のみです。
古宮九時先生が、以前同人誌で刊行された『Fal-reisia』1~3巻と、短編集『Fal-reisia Unnamed Stories』に掲載された一部エピソードを加筆修正のうえでまとめ上げた1冊ですね。なので、めちゃめちゃ厚いです。BOOK☆WALKERのストア上だと、547ページとかになってます。
『Unnamed
Memory-after the end- Extra』と頭についている通り、『Unnamed Memory』の後日譚である『Unnamed Memory-after the end-』シリーズの第4巻に登場した「扉」を巡るエピソードが紡がれるシリーズです。
今月発売予定のあるate5巻は、このエピソードを超えた未来の話が描かれていくことになります。『Unnamed
Memory-after the end-』というシリーズが、呪具について深掘りしていく(と思われている)シリーズだということもあって、その本筋(呪具)に関わらないエピソードは割愛されていくって話をどこかで聞いた気が。
そんな中で、電子限定とはいえシリーズ纏めてくれたのは嬉しいですね。短編集の方は持ってなかったので、一部とはいえ再録されたのはありがたい。
一応、逸脱者たちも登場しますがメインではなく、キーファという普通の少年がメインで進んで行くので、ateを抑えてなくても読めるとは思いますが。謎が残るでしょうから、時系列順にate4とate5巻の間に読むのをオススメします。