「どうでしょう。レガリア。覇者として、現人神として――君臨し、暴食されますか?」
浮かんだ返答は、ごくシンプル。
「そんなことしたら、ミスティアが、一緒に驚いたり喜んだりしてくれなくなるだろ」
命を落とした一介の社畜ソウジロウ。
生前に女神の像を綺麗にした、という事を評価されて異世界に転生できることに。
成人した肉体はそのまま異世界の森に放り出されたわけですが、女神様からクラフトギアという様々な工作に使える神器を与えられたのもあって、異世界的には未踏の危険な領域とされる森でも、一人で暮らしていける状況ではありました。
ただその森の資源の平和利用を訴えるハイエルフの女性、ミスティアと出会ったり。
神器か、はたまたソウジロウの創り出す環境が魅力的だからか、伝承に語られるような精霊獣が多くよってくることになって。
魔法で布を織れるシルキーモス、土壌に影響を与えるリドルズ。はたまた気ままな妖精サイネリア。狼だけどまだまだ子犬チックな可愛さを持つマツカゼなどなど。
少しずつ住んでいる場所がにぎやかになっていくのが楽しくて良いですねー。
ソウジロウの他の転生者である、闇魔法の使い手である少女チグサもやってきたりして、一緒に暮らすことになったりして、話題には事欠かないわけですが。
……ハイエルフの伝手で街に資源を売りに行って、必要な調味料なんかを買い出しに言ったりも言ってましたが。
希少性ゆえにソウジロウの持ち込む素材は高値が付き……それなりの商会が手形を発行して、対応に苦慮するほどのありさまでしたが。
ミスティアが「浮世離れがますます加速して織るではないか」と言われているの、ちょっと笑っちゃいました。ソウジロウもこの世界の常識に疎いのに、そのあたりをフォローしてくれるミスティアが浮世離れしてたらそりゃストッパーないよなぁ……みたいな。