「有能で安全な人間になど、会ったことが無い。旧世界の英知と同じだ。その危険性を理解した上で、適切に運用するしかないのだよ。発展の為にはそれが昼用だ。それが出来なければ滅ぶだけだ」
(略)
「発展を止めてはならない。進歩を躊躇してはならない。その抗いを止めてしまえば、我々は過去となる。旧世界に敗北し、朽ち果てた文明の残骸と成り果てて、その一部となる」
親しくなっていたハンターのユミナを、自分の手で殺すことになったアキラ。
シズカのフォローもあって、理由はどうあれ大切な人の死は悲しんでいいのだと泣けたのは良かったですね。
そして彼は、いつも通り敵を殺す覚悟を決めた。今回でいえば、都市幹部のウダジマなわけですが……いくらランクが上がってきたからといって、幹部クラスを狙うには問題が多い。だからそれを解決できるまでは先送りにしておけ、とイナベから助言をもらって。
いつもの強硬策ではなく、ハンターランクを上げることで都市を脅せるほどの力を得ることが選択肢の一つだと言われたこともあって、アキラは強さを求めることに。
そこにはユミナを殺してでも生き残ったのだから、という強迫観念もあったみたいですが。
直近の騒動でツバキからもらった回復薬の作用だったり、アキラの意識の変化も影響して、他のハンターの勘を鈍らせていた「旧領域接続者としての負の感情発信」の方向が変わり、実力者認定をもらえるようになったのは、今後を思えばプラスでしょうか。
変化でいえば、アキラと付き合いの深い都市職員と言えばキバヤシなわけですが。
彼からの紹介でヒカルという女性がアキラに接近。上昇志向の強い彼女は、キバヤシの抱えているハンターを自分の担当として奪い、その功績でさらに飛躍しようと試みたみたいですけど。
それで手を出したというか、キバヤシが見せ札に使ったのがアキラっていう爆弾なんだものなぁ……。
そのせいでヒカルは胃痛を覚えることになっていくわけですが。彼女は彼女で、アキラの調査が不十分すぎた感じはありますけどね。敵に容赦はないタイプだとか、そのあたりはわかりきったことじゃないか。
でもアキラが高位ハンターであることや、ヒカルがそこそこ優秀な都市職員であることは変わらず。彼からの信頼を勝ち取るために、各種交渉をまとめてくれたのは、正直ありがたかったですね。
いつまでもエレナ達を頼るわけにもいかないし。かといってヴィオラは、話をまとめることはできるだろうけど、別の厄介ごと引っ張ってきそうだし。
アキラを抑えるために任務に同行したヒカルが、誤解から敵の標的になったりしていたので、こうヒカルも問題引き寄せる気配は感じてますが。今後に期待、ということで一つ。
シェリルが、アキラがユミナを殺したこと。自身がその遠因となったことをイナベやヴィオラから知らされて萎縮してましたけど。
そこで躊躇って足踏みしてると、愉快犯ヴィオラたちに引っ掻き回されて状況どんどん悪化するんじゃないかなぁ、と不安ではある。これまでも問題乗り越えてきたし、シェリルには頑張ってもらいたいところではあります。