「弱いままじゃ死んじまう。弱いままじゃ姉さんを助けられない。だったら」
「解は一つです。貴方が強くなればいい」
近年最も売れたRPGシリーズ『精霊大戦ダンジョンマギア』の世界に転生してしまった主人公。
しかし転生先ゲームで主人公を張るようなキャラではなく……むしろ、やられ役の代名詞となっている清水凶一郎だった。
ゲームでは「ヒャッハー」と言いながら襲い掛かってくる、世紀末感あふれるモブヤンキーで、どんなルートでも必ず死ぬ運命にあったようですけど。
それは彼の姉である文香も同じで……意識が覚醒した時間が、本編開始の三年前だということに気付いた彼は、姉や自分を救うための方法を模索することにします。
魅力的なキャラとバトル、ストーリーとで人気を博したそうですが……。
それはそれとして無茶ぶり難易度を用意して来たりするような運営だったそうで。
運命に敵対するために手順すっ飛ばして凶一郎は裏ボスのイベント起こして、ダンジョンに挑んでましたけど。そこに置かれた救済策が救済策の体裁なしてなくて笑っちゃった。理不尽ルールを敷いて運ゲー押し付けてくるダンジョンの救済策が、初回攻略時にしか出てこないって、なんでそんな設定にしたの……。
やり込み要素の裏ボスだもんね、難易度あげるか。バカヤロー! でも、それゲットした喜びに震えてる主人公が居るし、うん根強いファンがいたんだろうなぁ感がある。
その攻略の中で、凶一郎は転生した自分以外にも「凶一郎本人」の残滓も確かにあって……それに背中を押されていたの、結構良かったですね。
無事にダンジョンを攻略して裏ボス――『アルテマⅣ ヒミングレーヴァ・アルビオン』との契約も果たしていましたけど。
それはそれとしてやられ役である凶一郎自身のレベルが低いままでは、アルの能力も十全に発揮できない。そのためアルを教官に、彼自身も困難に立ち向かうためのトレーニング積んでるのが偉い。
知識だけじゃなく、自分自身が鉄火場にたって問題解決しようっていう意思がある。
目標のために走り出した凶一郎ですが、原作知識があることはメリットでもあるが、一方で原作に時間が追い付いていないため、ヒロインなどを味方に引き入れるには必要なイベントが起きていなくて難しい部分もある。
……そこで発想を逆転させて、自分と同じように悲劇に見舞われ、ルートによってはボスとして登場するキャラを助け出して味方にしよう、という方法を考えて。それがサブタイトルにつながるわけですな。
メインストーリーに関係するキャラと下手に絡むと、世界を救う主人公の枷になる。なら、正史では主人公の味方にならないボスキャラを引き込もうっていうのは、悪くないと思いますが……。
それはそれで、超えるべきハードルが消えて主人公のレベル上がりにくくなるのでは疑惑があります。まぁ、だからって凶一郎や遥が運命通りの結末を辿ればいいとも思いませんが。
凶一郎は自分の死の運命を乗り越えた後、改変されたストーリーと向き合って困難を打破するという新たな戦いが待っていそうですけど、ぜひそこまで駆け抜けてほしいものです。
……まぁ、アルを味方に引き込むために結構大言吐いてるっぽいから、道のりはもとからハードモードなので、あんま変わりそうにないですけどね! ファイトだ凶一郎!!