気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

電撃文庫

君のガチ恋距離にいてもいいよね?~クラスの人気アイドルと気ままな息抜きはじめました~

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「――灯也、これからも末永くよろしくね」

 

元バスケ部の高校生・瀬崎灯也。

選抜選手になれる程度のスペックは有ったけど、スポーツ漫画みたいに弱小高校から実績を残すために、顧問や部活仲間の意識改革を新入生の時から出来るほど尖り切った才能でもなかった。

そのため彼は部活を辞めて、現状維持の事なかれ主義になり……空いた時間でカラオケバイトとかをやっていたみたいですけど。

 

そんな彼が働いている店の常連客が、実はクラスメイトでもあり……人気アイド姫野雫であることに、ある日灯也は気付いてしまった。

とは言え、誰かの秘密にしていることを敢えてさらけ出すような露悪趣味はなかったので沈黙を続けていたわけですが。雫の方から灯也に接触してきたことで、交流が始まっていくわけです。

 

雫、活動が周知されていることもあってか、学校でも神聖視されてるというか、微妙に距離がありそうなんですよね。

強火ファンな女子生徒・夏希が、近ごろ雫と仲が良い灯也に接触してきた時も「別に付き合ってるわけじゃない」と言った灯也に「雫ちゃんはトップアイドルだから、同世代男子なんて眼中にない!」って返してましたし。

雫がブランディングちゃんとやってる、というか。他の女子生徒も「男子とは連絡先交換しないんだよねー」って言ってましたし。

 

……でも灯也には、雫の方から教えてくれたりするんですよねぇ。

学校でも『友達』として接する灯也は珍しがられてますけど。付き合っているわけではないけれど、2人だけの秘密の関係でお互いの事を知っていくうちに、それまでとは違う顔を見せるようになっていくのが良かったですねぇ。

銀河放浪ふたり旅 宇宙監獄の元囚人と看守、滅亡した地球を離れ星の彼方を目指します

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「マスター。この船を使って、どんなことをなさりたいので?」

「そうだね。せっかく拾った命だ、この銀河の色々なところを見て回ってみるのも面白いかもしれないね」

 

とある政治結社の下で人類の指導者として教育を受けるも、冤罪によって宇宙空間に追放される刑罰に処されたカイト。

管理官としてのAIはいるものの、追放される事そのものが刑罰なので、地球に帰還できない以外はデータ送信してもらって娯楽作品を読んだりとかも出来る環境だった。

カイトは思想強い教育を受けつつも、常識と良識を失ってなかったというか。積極的に抜け出そうと試みることこそしてなかったけれど、染まってなくて。

裁判の前後で国の指導者である総帥に資質を見出されていたこともあって、環境が良かったのは色々と便宜を図ってくれたから、という部分もありそうです。

 

それまで周囲から思想を押し付けられて来たカイトからすれば、模範的に振舞っていれば趣味に没頭するのも構わない、という状況はかなりありがたいもので。

景気は19年ほどあったみたいですけど、3年が経過したある日。これまでAIから番号で管理されていたハズのカイトはその名前を呼ばれることに。

曰く、地上との連絡が途絶。あらゆる国家と連絡が取れず、地球の汚染領域が拡大し……宇宙空間に伸びた軌道エレベータも折れてしまった。

それらの事実をもって、地球が滅亡したと判断したことで、「刑罰期間が消滅した」とAIは判断したみたいです。柔軟だな……。

 

そしてあくまでAIである刑務官は、人間であるカイトに今後の行動について判断をゆだねることも決めて。

文明が崩壊した可能性が高いとはいえ、資源的な問題も考慮すると地球に帰還するのが最も生存期間が長くなる選択肢だとAIは提言。

カイトはそれには惹かれず……今の文明を生きる人類最後の旅路として、可能な限りの先を目指すことを決めたわけです。そして宇宙追放なんて刑罰が実行される未来でも未踏だった、木星軌道を超えた民間人となった彼は……そこで地球外生命体と接触することになったわけです。

 

最初に『連邦』と呼ばれる異星人との交流に成功したことで、地球の代表と扱われ十四段階のうち上から三番目の権利を得られることになったカイト。

複数の種族が暮らしている「連邦」の環境に適応するために改造されたり。刑務官ことエモーションも「連邦」の権利を得てアップデートを受けられることになってアンドロイド的な肉体を得ることが出来たりもして。

カイトとの交流の機会が得られたことは「連邦」の人々にとっても福音で、基本的には歓迎されていたの良かったですね。口絵にもいるクラゲみたいな宇宙生命体の方々が、地球にクラゲっていう外見似た生命がいると聞いてちょっと暴走したりしてましたけど。

 

カイトが連保市民としての権利をえて「連邦」の協力を得られるようになったことで、「連邦」に加入していない宇宙人が地球を好き勝手しようとしていたのに介入できるようになったのは良かったですね。

千早ちゃんの評判に深刻なエラー3

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「設計者への感謝はどこに置いてきた? 製作者への敬意をどこに置いてきた!? 相棒であるオーダー系とは生涯の付き合いになるはずだろうっ!?」

(略)

「――機体への愛を忘れたのか、貴様ぁあぁぁっ!?」

 

人見知りすぎて上手くコミュニケーションが取れず、当人の適性的には採取とか研究系なんでしょうけど、トラブルも多く引き当てて……白兵戦・射撃戦で乗り切れるセンスがないため爆弾でなんとかしていたら、ボマーと言う悪評を得てしまった千早。

毎回、望まぬトラブルに巻き込まれて、必死に乗り越えようとしているだけなんですけどね……。

 

企業側からすると、千早はいつも渦中に居て問題を大きくしている「戦争屋」と呼ばれるトラブルメーカーだと思われてしまうわけです。

収入マイナスを回避するために壊れた機体の回収とかで利益を得ているので、依頼も戦闘のものが増えてしまうことになって。

綱渡りながらなんとかやってますけど赤字になることもあったりして。そんなバタバタの中で、彼女を「戦争屋」と認識してる組織からカスタムされた機体を贈られて。

アレンジするために塗料を自作しようと、研究都市での依頼を受けることに決めたわけですが。

 

……ボマーが来て戦々恐々としてる一般組織と、ボマー憎しで悪評を垂れ流して叩きのめそうとする組織とが現れるわけです。

千早ちゃん的には不本意極まるでしょうけど、研究都市への襲撃は明確にボマーへの悪意に満ちていたので、彼女が中心にいたんですよね……。

ただ、他組織が「戦争屋」とみているような存在ではなく、ただの新人なんですよねぇ。だから「機体アレンジの為に色付けたいけど、塗料安いところないから自作しよー」ってなる奴とか想定できなくて。

ボマー叩きを加速させようとしていたのに、それが上手くいかなかったのは正直笑った。

 

騒動の裏で千早は必死に依頼をこなしていて、生態調査依頼の報告書を大学教授が喜んでくれたり。その縁から新しい依頼が持ち込まれることになったりもしてるわけです。

で、ソロの気楽さもあって先行研究を参考に、「万色の巨竜」と呼ばれるステルス機能を持った新界由来の特殊生物の生態について新しい情報を獲得して。

依頼主である教授に「野生生物に餌をやるのはよくない」って注意をされつつも、仲良くなって交流しているのは微笑ましかったですね。

……そこにもまた無粋な襲撃があったりしたりしましたが。まぁ、コミュ障で情報を上手く仕入れられず、地雷原過ぎて誰も手を出していなかった土地を買ったりした千早ちゃんにも問題はあるから……。

ヒロイン100人好きにして?

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「――俺のことはどうだっていいんだよ!」

弾かれたように声が出る。

「目の前で人が困ってたら助けるんだよ。無理とか言ってる場合か!」

 

空木夜光は天才でどんな問題でも解けるが……しかし、女心の分からない男だった。

そんな彼の前に現れたのが魔女ベルカ。

実はこの世界には恋する少女の心に寄生する「影魔女」と呼ばれる存在が居て……ベルカはそれに対処する「正魔女」だとか。

 

夜光はベルカによって騎士に選ばれ、『百姫夜行』という恋する少女の心に落ちた影から生まれるので、少女を恋に落としてください! というハチャメチャな出来事に巻き込まれていくことに。

『百姫夜行』が終われば、その期間の記憶は上手い感じにベルカの魔法で修正されて、闇を超えたまま少女は過ごしていくことが出来るようになる、と。

 

夜光君、過去の経験からちょっとトラウマがありつつも、困っている人は放っておけない善性の人間なので、ベルカに無茶ぶりされた始まりでも少女達と真剣に向き合ってるのは良いですね。

 

……ただそうやって少女たちの心の闇を祓った後、修正されて関係リセットされてしまうのは、なんだかなぁ……って感じでもありましたが。

まぁあくまでベルカの魔法で認識いじってる形なので、再会した少女達が夜光に何かを感じて会いに来たりとか、残るものがあるのは悪くなかったですけど。

夜光に一目惚れして裏事情に巻き込んだベルカと、夜光に傷を残した元カノとが魔女関連のエピソードの根幹に関わってそうで、その2人がそのまま2強ヒロインとして他の98人を駆逐していきそうなのは惜しい。



最強賢者夫婦の子づくり事情 炎と氷が合わさったら世界を救えますか?

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「あなたはわたしに、たくさんのものをくれています」

 

三百年前に降った星。

それは極彩色の柱状になって地に刺さり、呪晶石と名付けられた。

呪晶石は周囲に毒をバラまき多くの命を奪い、村を、街を、国を滅ぼした。十年の後、毒の放出は止まったが、どんな攻撃・魔術・兵器を駆使しても呪晶石を破壊することはできなかった。

さらに、呪晶石の毒で死なず異形の獣と成り果てた、呪晶獣と呼ばれる存在まで生まれた。

不幸中の幸い呪晶獣は呪晶石と違い不滅ではなく、倒すことは可能であったが……その力は強大で英雄や賢者と呼ばれるものが死力を尽くして勝ちを拾えるかどうかというレベルだった。

 

さらに呪晶石は30年周期で飛来を続け、どんどん人々は生存権を脅かされていた。

そんな情勢もあって、呪晶石災害が発生して以来、呪晶獣を討伐した者は呪晶獣が縄張りにしていた土地の所有権が生じるようになった。

ただそれもあくまで「権利」の話であって、呪晶獣によって生来の土地を追い払われた人々からすれば、よそ者が彼らの土地を奪ったと思われ恨みを買うこともある。

……実際、主人公たち朱雀の民と白虎の民がそれで土地の権利を巡って長く争うことになったわけです。

途中から犠牲を減らすために、それぞれの代表の一騎打ちをして勝者の意向に従うという方針になったみたいですけど。

 

そんなある日、呪晶石の飛来を予測・監視する世界塔と呼ばれる機関の巫女が、朱雀の里の頭領であるシラヌイに会いに来て言うわけです。

「白虎の頭領アウラと結婚して、子どもを作れ」と。

未来を見ることが出来るという巫女に寄れば、2人の子どもが未来に起こる大災厄を打破する希望になるのだとか。

シラヌイはアウラに一目惚れしていたこともあり、それを受諾。

 

ただ「予言だから結婚する」のではなくて、朱雀の頭領として白虎の頭領との一騎打ちに勝利を治め、2つの里の間で合意が取れていた決着をつけてから先に進もうとしているのとか、真面目で好きです。

直ぐに飲み込める素直な輩だけではなくて、白虎の民から襲撃まがいの事を受けたりもしてましたが……魔術は凶器になるからこそ、家族には向けられない、と。朱雀と白虎の民は家族に慣れると信じてそれを受け、あしらったシラヌイはなるほど一つの民をまとめる頭領なんだなぁ……と納得しました。

 

初恋の相手であるアウラの前ではかなり初心で、どうにも先に進めずにいましたけど。

なんならアウラに手を出すよりも先に、より大きな戦果を挙げに行ったりしてて、それを贈り物にしようとするとか微妙にズレてるところもありますけど。

そんなだからいざ一線を越えてからアウラに圧されるんだぞ……。

大災厄に備えるためとは言え呪晶獣討伐を成し遂げて国を作ろうとか大それたこと考えるなぁとも思いましたが。

 

そして、その土地に元々住んでいた国の人に良く思われず襲撃を受ける羽目になったりもして。「呪晶獣を討伐したものに所有権を与える」ってルール、さっぱり守られてないじゃないですか。元の所有者が呪晶獣を打破して平和裏に取り戻したケースとか、ないんだろうか。……物語的に盛り上がりに欠けるから描かれないだけか……。

主人を慕うがゆえに暴走してしまったメイアですけど……キャラデザめっちゃ好きですね。可愛い。彼女の使う術を知ってから見るとちゃんと小物にもネタ詰められてて良い。

よって、初恋は証明された。―デルタとガンマの理学部ノート1―

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「少し見方を変えるだけで、世界はこんなに素敵になるんだね」

 

プロローグ・エピローグが高校三年生で、青春の日々を過ごした少年がとある会話から、自分の青春の始まりを思い返すと言った構成になっているわけですが。

友人の水崎にデルタとあだ名をつけられた出田(いずた)君。植物に詳しい理系オタク、扉絵の紹介文にはありました。

水崎と出田、陰陽でキャラは違うけど中学時代は同じ化学部に所属していたし、噛み合う部分あるんだなぁ……って感じがするよい友人関係なのが伺えました。

 

水崎が拾ってきた噂で、「綺麗なハートマークが見える、恋愛成就の桜」を見に行った出田は、同じように水崎から噂を吹き込まれたクラスメイトの少女・岩間と出会って。

噂のような綺麗な景色は見えず……どうしてかと探ることにしたり。

不可解な部分のある部活勧誘のポスターを見つけて興味を持ったり、秘められた巨木の樹齢についてちょっと調べてみたりとか。

短編連作、日常の謎的な感じで気になった出来事について理系の出田くんたちらしいアプローチで謎を解いていったり。その過程で、同じ部活の仲間が増えたりしていくの青春してるなぁって感じがしましたね。

プロローグ・エピローグの雰囲気が好きで、そこに至る彼らの積み重ねの一端が見られてると思うと味わい深かった。

彼女のカノジョと不純な初恋

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「どっちかが好きにならなければ、浮気とは違うよ」

「そうだよね……うん」

 

ひとり暮らしをしながら学校に通っている少女、拝島雪。

彼女は「赤点を取らない」を条件にひとり暮らしを許されていたけれど……中間で赤点を取ってしまって。補習をちゃんと完遂することで、いったんは見逃してもらったようですが。より難しくなる期末試験の事を考えると頭が痛いところではありますねぇ……。

崖っぷちの雪は、学校でも随一の美人であるつかさが同級生の少女玲羅とキスしてるのを目撃してしまって。

友人の弓莉に聞いてみたら、百合カップルとして有名だったらしいですけど。そういった噂に疎い雪はさっぱり気付いてなかった。

 

ただキスを目撃してしまった後日……雨の中、所在なさげにしているつかさとバッタリ遭遇してしまって。

家に帰りたくないというつかさを、雪はひとり暮らしの家で保護する。その代わり、勉強ができるつかさが雪の赤点回避に協力する。

そんな協力関係を結んで、歪な同棲生活が始まるわけです。

普通なら女子同士だし、何の問題も……まぁ保護者や友人が心配するとかそういうアレコレはあれど、間違いは起きないハズですが。

つかさは玲羅と恋人関係のままで。同性でも恋愛対象になる相手が、恋人関係が続いているのに、他の女の家に転がり込んでいる。

 

これは「浮気」になるのでは……? いや、勉強を教えてもらう代わりに寝床を与えているだけ、と雪は言い訳を続けるわけですけど。

つかさと過ごす時間が増えて、彼女の事を知って。自分の抱えてた悩みを打ち明けたりなんかもして。少しずつ思いは育って行って……ついには「恋」を知ることになるわけです。

入間人間先生の推薦帯文で「誰かを好きになるって言う当たり前が、こんなにもギザギザ」なんて表現されていましたが、なるほど確かに。

歪んだ形で育って行った思いが、絡まりあってしまっているので、これどう決着すればいいんだ……って感じでゾクゾクしますね……。

異能アピールしないほうがカワイイ彼女たち

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「顔も名前も知らない他人が描いた、紋切り型の『サキュバス像』なんかに、私は従うつもりなんてサラサラないわ。ミューデントがミューデントの偶像に縛られて生きるなんて、息苦しいだけでしょ。そんなの個性どころか没個性、順番が完全に逆転しているじゃない」

 

第二次性徴期からの若い期間だけ、サキュバスや雪女のような伝承に語られる存在の力を扱えるように覚醒する……ミューデントと呼ばれる存在が生まれるようになった世界。

『神話(ミュトス)』の『生徒(スチューデント)』という意味で『ミューデント』と呼ばれてるみたいですが。

病気というよりはちょっとした特徴の一つ、みたいな形で受け入れられているとか。

 

とは言え、主人公の古森翼の幼馴染である斎院朔夜はサキュバスであることを公言してて……思春期の男子たちから劣情を向けられることもしばしば。

ただミューデントの能力って、伝承そのまま凄い能力を使える、みたいなものではなくて。

例えば猫娘の真音とかで言うと、「夜目が利く」とか「嗅覚が秀でている」とか。ヴァンパイアなら吸血だけで眷属を増やすようなことは出来ないし、人狼も満月の夜にテンションは上がるけど獣人のような体に変身するようなことはない。

ただ、サキュバスは魅了……性的興奮を刺激する能力を持っているのは確かなんですが、元々サキュバスは魅力的な女性であることが多いので、男子が興奮してもサキュバスの能力由来なのかどうか区別はつけられない、なんて話もありました。

 

朔夜と幼馴染であり交流の多い古森は「コウモリ」なんて蔑称よりのあだ名をつけられているけれど、ミューデントではない一般人。

ただちょっとミューデント関連の情報については、色々と詳しかった。

朔夜と古森は文芸部の部室を不法に占拠していたけど、活動実態がないということで生徒会からメッセージを貰うことになってしまって。

生徒のお悩み相談を受け付ける活動を始めることになって、いろんなミューデントとの交流が生じていくわけです。

「ミューデント」という存在になってしまったことで、評価の物差しが一つ増えている彼女達(実際には男もいるんだろうけど、作中では女子しかでなかったので)は、偏見の目だったりに悩んだりすることになるわけですけど。その悩みを聞いてくれる場所が出来たのは、良かったんじゃないですかね。



86-エイティシックス- Alter.2 魔法少女レジーナ☆レジーナ~戦え! 銀河航行戦艦サンマグノリア~

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「前に、変わっている、と言いましたね、レーナ。……訂正します。優しいんですね、あなたは」

 

アニメBDの特典小説だった、IFストーリーをまとめた一冊。

加筆修正と書下ろし短編を加えてるそうで、満足度は高い。レイドデバイスという名のマジカルステッキが無かったことに、イラストを見てから気付いたそうでそれが加筆されていたりするそうです。

 

部隊が宇宙になっているし、そもそもそこで戦っているの「魔法少女」になっているし。シンやダスティンといったエイティシックスたちはケモ耳ついた精霊になって、魔法少女のパートナー的存在になっているしで、IFで好き勝手やってるなぁ! 楽しそうだなぁ! ってシリーズですね。

 

レーナが魔法少女として格別な才能を示して、精霊シンを発見しともに戦う中で彼女達が戦っている敵についての真実をしることになっていくわけです。

宇宙で、魔法少女で、「レジーナ☆レーナ」みたいに名前に☆は必須とか言う謎ルールがあって、独特なネーミングがある世界ではありましたけど。

捨て犬のように箱詰めされた状態で、魔法少女の前に現れる精霊の顕現儀式とか。ツッコミどころ満載なんですけども。

「羊飼い」や「エイティシックス」の真実や、それが明らかになっていく展開はなるほどエイティシックスの味わいだなぁ……と思いました。

 

そしてレーナ編で少し寂しさもありつつも良い終わりだったな……と思ったら、その後のフレデリカ編でギャグ味増していくの笑っちゃったな。

なんですかあの妙な名前砲。さっぱり正式名称覚えられる気がしませんけど、効果ちゃんと強いのやめて……?

あと新しい魔法少女「メルクリウス☆」さんの存在が、笑えて仕方なかったですね。

女子校の『王子様』がバイト先で俺にだけ『乙女』な顔を見せてくる

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「――――俺は君の教育係だから。立華さんを守ってあげるのが俺の役目だと思うんだ」

「…………そうか」

 

同じ町にある男子校・蒼鷹高校と、女子高・雀桜高校。

代々学校ぐるみで仲が良く……雀鷹カップルなんて言われるくらいに、カップル成立して薔薇色の高校生活を送るって言うのが黄金パターンだったみたいです。

しかし、雀桜高校に立華一織という少女が入学したことで状況が一変。彼女は『雀桜の王子様』として女子たちの視線を独り占め。

一織と同世代の蒼鷹校生たちは、恋人を作ることが出来ず灰色の青春を送ることに。

 

主人公もまさにその煽りを受けた世代であり、雀桜の生徒と話すこともなく高校2年生に進級してしまった。

まぁ彼は彼で「雀鷹カップルなんて言われてるくらいだし、簡単にカップルにはなれるんじゃないか」という思って進学した部分もありつつ「誰でもいいわけではない」って考えているタイプで、友人の佐々木ほど飢えてるわけではなかったみたいですけど。

 

そんな代わり映えのしない日常が続くかと思いきや、バイト先の新人として『王子様』がやってきたことで、彼の生活が変わっていくことに。

先輩バイトとして一織の教育係を任された夏樹くん、真面目に仕事してるなぁ……というか。

『王子様』の為に雀桜校の生徒が殺到して、それまでの体制で回すのは大変なくらいお客様がやってくる状況になって。

スタッフからも「現状じゃ回りませんよ」という声が出て、客寄せになってる一織の評判通りの態度を前面に出した王子様接客を一時取りやめようって方向になってましたが。

教育係の夏樹くんは、一織に我慢を強いるのではなく自分たちが頑張ればなんとか回せると主張して、みんなもその勢いに乗った結果通ってました。

 

一織相手のパーフェクトコミュニケーションではありますけど、店的にはそれでいいのかという部分はある。一応、かなり早めに次の新人を採ってくれたり、出来る事はしてますけど。負担強いすぎるのも良くないぞー、と思いつつ当人たちが良しとしたからな……まぁ。

学校生活でも雀桜の人気者である一織との縁が出来たことで、体育祭の応援に雀桜の生徒を呼ぶことにも成功したりと、影響範囲がデカいんですよねぇ一織。

少しずつ交流を進めていく中で、2人の関係が進展していくの良かったですね。読みやすいラブコメでした。

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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