「私に女らしくなれとほざいた不届き者がいる。むろん根拠のない不当な評価だ。私は充分に女らしい」
再読。6巻と7巻の間に発売された短編集。
「1話 峰島由宇、ただいま花嫁修業中!」「2話 峰島由宇、ただいま乙女の修行中」は、「5話 由宇と麻耶、二人で花嫁修業中!」。
闘真に「もう少し女の子らしくしたほうがいい」と言われた由宇が、「どうしたら女の子らしくなれるのだろう」と考えるようになって……。
刃物こそ貸出が許可されなかったものの、まずはパンケーキでもということで料理にチャレンジしたわけですが。
フリルエプロンを着て楽しそうな由宇を、涙ながらに見る岸田博士の挿絵あったの笑っちゃった。
そして作り上げられたものがアレなのが……うん。実験とかはできるだろうに料理に失敗するの、なんでやろな……。裁縫の方はいっそ見事な腕前でしたけども、関係したブツがアレだと思うと……うん……。
他には逃走時の横田家に滞在していた時、由宇は自分の下着とかの扱いも粗雑で……そういう所が女の子らしからぬと言われるところではあるんだけど。
ちょっとズレているところはあるけれど、だからこそ峰島由宇らしくて好きです。
5話は書き下ろしで……タイトル通り由宇と麻耶が花嫁修業するという、1話2話と似たテイストの話ですが……闇に葬られる事件になってしまったのは……うん……2人の良いところは別のところだからね、はい。
「3話 男の生き方、プライスレス」は八代の配下として動いている萩原君。
危険な任務に派遣されることが多いものの、その嗅覚で無事に帰還するリターナーとしての才能を買われている彼ですが。
元々は警察に属していたようですが、危機回避の勘……その理由を人に説明できなかったため腫れ物扱いというか、上部も上手く扱いかねていたようです。
退社したのちは警備会社に入っていた萩原君、燻っていた状態だったわけですが。そんな彼を見出した八代に引っ掛けられてADEMに参加することになっていった経緯についてのエピソードでしたが……初期からあの2人らしいやりとりをしてて笑えました。
「4話 Lady Steady Go!?」はアメリカからやってきたアメリアと、アドバンスLC部隊のあきらの交流がメインの短編。
アメリアの事が気掛かり……というか、伊達を狙っている関係で一方的にライバル視してるようなあきらですが。アドバンスLC部隊にいるだけのことはあるというか、やろうと思えばしっかり頭も回るし腕もある有能な人材なんですよねぇ。
ウンディーネを巧みに操って光学迷彩みたいな使い方したり、結構柔軟なのは良かった。
文庫用の書き下ろしなんですが、本編に居れようとしたものの入れる場所がなく断念された話を復活させたものだったようですが、確かに闘真や由宇が絡んでないエピソードで本編にはなかなか盛り込みにくそうではありました。でも良いノリで楽しめたので、こうして読めたのはありがたかったですね。