気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

電撃文庫

魔法科高校の劣等生16 四葉継承編

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「叔母上。貴女は、狂っている」


タイトル通り、四葉家のエピソードでした。
卒業後も毎回のように登場していた真由美さんもさすがに今回は出番なし。
その代わりに四葉の関係者で新キャラが大量に出てきて、困惑しましたが。
他に当主候補もいますが、深雪が次期当主になるというのは、ほぼ確定の出来レース。
まぁ、「四葉の魔法師」として深雪が最も優秀で他のキャラは「普通に優秀」の範囲だから仕方ない。

分家の当主たちも、別に深雪が当主になる事には反対してないんですよね。
ただ、それによって、兄でありガーディアンでもある達也の立場が向上してしまうのは耐えられない。
どうして彼らが、達也をあそこまで目の敵にしているかも明かされましたが……
随分と、小物だったといいますか。達也がばっさり切り捨ててくれたのは気持ちがよかったですけど。
最強の守護者を願っていたのに、最強の破壊者、或は最恐の復讐者が生まれてしまったから、疎んだ、と。
この理由だと、ちょっと弱いというか、物足りない感じが。
その能力を恐れるならば、なおの事、大事に扱って家への忠誠心を刷り込んだほうがよかったんじゃないのかなぁ、とか思うんですが。

深雪のお兄様スキスキぶりが留まるところを知らなくて、いったいどこまで行くのか興味深いようないっそ怖いような。
これまでも、深雪の美しさについては触れられてきてましたが。
十士族だから、以外の理由があったんですねー。当主発表に至るまでの名家の出であることをにおわせる要素でしかないのかと思ってましたが。
別に深雪、嫌いじゃないですけど。ほのかとか真由美とか他のキャラのが好きなんですよねぇ。
他家に対して情報が公開されて、学校の面々もそれを知って思うところがあるようですが。
さて、真っ先に行動を起こしたあの家がどう状況を動かしてくれるだろうか。

魔法科高校の劣等生 (16) 四葉継承編 (電撃文庫)
佐島勤
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2015-05-09

Fate/strange Fake2

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「あぁ! あぁ! 今まで何度か聖杯戦争は見てきたけど、流石に『警察に捕まったサーヴァント』なんていうのは初めて見たよ! (後略)」


55Pのイラストの破壊力が凄まじかった。
え、なんであのサーヴァント大人しく警察に捕まってるの。
いやその理由は、しっかり後に彼自身の口から語られてますが。
警察署長も哀れな。
必死に工作して、準備していたのに、まさか自分から捕まるサーヴァントがいようとは。
それがテレビに流れてしまったものだから、襲撃しかけてくるサーヴァントまでいるわけで。

そこからまた混沌としてましたね。
死徒が現れて、代行者が暴れて。
えーっと、戦闘はあったはずなのに、まだマスターもサーヴァントも誰も脱落してませんよ……?
これ、5巻では間違いなく終わらないでしょう。
だって、2巻終了時で壱日目の昼ですよ? 

アサシンの少女が、宝具を多発しているのが中々いいですねぇ。
警察所長の部下たちも、派手に武器使ってますし。
1巻でのアーチャーとランサーの戦いもそうですが、あちこち展開が派手でいい。
さらに参加者増えている様子がありますし、大戦レベルの人数になりそうなんですが、どうなるのやら。

Fate/strange Fake (2) (電撃文庫)
成田良悟
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2015-05-09

独創短編シリーズ2 野崎まど劇場(笑)

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――この本を読んだとき、あなたは『賢者』へと覚醒する。


賢者に覚醒するというか、一周廻って悟ってしまうという方が正しいというか。
相変わらず頭おかしいなぁ!(褒めてる)。
まぁ、あらすじですら「編集部の狂気を感じる短編集!」と書いているあたり公認です。

カフェのネタとか、前編イラストなんですが、何やっているのかと。
まぁ、雑誌掲載時はカラーイラストで、なおさら何をやってる感が強かったものですが。
一発目の『白い虚塔』のお医者さんになろうは、シュールというか、そんなサイトで来ているならもっと早くに取り締まられるべきだっただろうオマエラ……

破壊力抜群だったのは出落ちな『大オーク』でしょうか。
このタイトルで著:野崎まどっていう時点で笑うしかない。
コメント機能が付いている電子書籍『ワイワイ書籍』も笑えましたが。
ただ、これ本文読めなくてすごくウザったいですよね。

全部の作品にツッコミどころがあって、ツッコミが追い付かない。
というか、もう読んでいるとゲシュタルト崩壊的に、ツッコミを入れる自分の方がおかしいのだろうかとか思い始めてヤバい。
個人的には1巻の方が好みのネタ多かったんですが、相変わらずのハチャメチャ具合は笑えました。

独創短編シリーズ (2) 野崎まど劇場(笑) (電撃文庫)
野崎まど
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2015-02-10

ドウルマスターズ2

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「それは俺の都合だ。あいつらには何も関係のない都合で……俺の嘘のせいで、あいつらを悲しませてしまっただろうな……」

ドウルマスターズとしての訓練を重ねる四人。
蒼生と朱理。そして、玲音と竜一。
一緒に訓練をする中で、少しずつ親しくなってきてはいるようですけど。
同時にそれぞれ隠し事をしていたりするわけで、腹の探り合いのような微妙な緊張感もあったり。

けど、今のところ、まだまだ伏線を展開していってる感じ。
蒼生が特に顕著だと思いますけど、まだまだ発展途上の青い実という感じで。
悩むし、実戦に出ても成果を上げられないし。
最後の竜一離脱イベントは、敵側の予定調和で終わっているわけで。
主人公サイドの見せ場が圧倒的に物足りないわけで。

説明がやたらと多いのは魔法科でもそうなんですけど……
あっちの方は既にメインに最強クラスの劣等生(笑)がいるので、説明過多でも最後には敵に痛い目見せてくれる痛快さがあるんですよね。
顧みるに『ドウルマスターズ』は、これから育ってはいくんだろうけど、届いていない。
それが分かるから、何となくパッとしない雰囲気になっているように思います。
次か、遅くてもその次あたりまでに、大きな動きないと厳しいんじゃないかなぁ、と思いますが。
キャラが予定通りの配置についたところでしょうし、とりあえず、次読んでから判断しましょうかねぇ。

ドウルマスターズ (2) (電撃文庫)
佐島 勤
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2014-12-10

ラテラル~水平思考推理の天使~

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だから論は、問題を解く。
学校の勉強に限らず。クイズを。パズルを。迷路を。頭の体操を。推理小説を。
こうやって問題を解き続けていれば、数学の答えのように、完成したパズルのように、迷路の出口のように……いつか『愛』が理解できるのではないか。そう思って。


水平思考。
このゲームについては、「ウミガメのスープ」が有名ですなー。
作中で語られていますが、垂直思考は、一か所に穴を掘り進んでゆくこと。
対して、水平思考とは、別の場所にも穴を掘る事。

不自然なまでに肌を隠している少女。
その少女に触れた時に、『天使』が支配する空間に引きずり込まれて。
そこから脱出するためには、天使が提示する命題を解かねばならず。
「リモコンを踏んで叫んだ少女」の謎とかいろいろ。
こういう幅広く、自由な思想って言うのは中々面白くていいと思います。

伏線を回収して、友人関係をしっかり描いて。
タイトルにも盛り込んである水平思考ゲームについてもいくつも盛り込んで。
嫌いじゃないんですけど、盛り上がりもちょっと足りないかなぁ。
中堅作家が、安定して書き上げたという感じ。

ラテラル ~水平思考推理の天使~ (電撃文庫)
乙野四方字
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2015-02-10

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンⅦ

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「乾杯しようか。君の堕落と、僕たちの勝利に」
「ええ――乾杯」


もう、言葉もない。
イクタとヤトリの間にある、分かちがたい絆。
いつかその源泉を見てみたいとは思っていました。
信頼するに足る相手。己が半身。
そんな想いを抱くに至る経緯は、納得できるだけのボリュームがありました。
でも、だからこそ、これは無いでしょう。
戦場にそれを求めるのは愚かだとわかっている。
けれど、それでも引き返せない一手を打って行動を起こした結末がアレではイクタが、誰もが救われないじゃないですか。

幼少期、わずかな時間ではあったが、密度の濃い時間。
バダとイクタが計画していたヤトリの堕落。
「一つ覚えておいてよ、ヤトリちゃん。おれの持論の中でさ。これだけは絶対に譲れない。――すべての子供には、夢を見る権利があるんだ」

なるほど、昼行燈と揶揄された過去を持ち、それでいて大将になるだけの器は確かにあったんじゃないでしょうか。

なぜイクタが帝国から離れないのか、閑職とはいえ司書をコネで回してもらってまで、落ち目の国に残牢としていたのはどうしてなのか。
結局それは、これまでに語られていた通り、ただ一人のため、だったわけです。
イクタの熟女趣味についても、その根幹となる要素が描かれていて。
少し予想から外れてはいましたが、イクタの母はかわいらしく、そして強い人でしたね。

イクタの父が戦犯として裁かれた理由も、過去のイクタたちは推察してました。
しかしまぁ、本当にどうしようもないほど、ボロボロなんだな、この国。
そりゃあ、レミオン派も立たずにはいられなかったんじゃないだろうか。
過去の回想を踏まえて、イクタとヤトリの話には文句のつけようもないのですが。
元帥は、もっと何かできなかったのだろうか。彼だって内心悩みはしていたみたいですが。

イグゼムは確かに強い。最強の剣士であるのかもしれない。けれど、前回イクタがレミオン大将を軍人として最適化されていて政治家向きじゃないとか言ってましたが。
イグゼムは、最強でありすぎるあまり、孤立し、ただの「権力を護る装置」になってしまっていないだろうか。
この点ばかりは、狐の言い分に納得してしまう。頭が固いとかそういう次元の話じゃない。
ここまで騒動が大きくなって、喪って、もう二度と戻らないものがあるというのに。
狐狩りに失敗してしまったのは、悔やんでも悔やみきれない。

戦記モノとしては、文句のない一冊では、ありました。
結局ライトノベルだし、どこか甘い夢を見ていた部分もあるかもしれない。
何とか無事に着地できる未来があるのかもしれないと、想っていた。
こういう決別というのは、痛くて苦しくて、辛い。けれど、心に残って止まない。
ここまで積み上げてきたものをすべてひっくり返すような展開を書くのは、作者だからこそ辛く、けれど書かずにいられなかったことなんだろうか、なんて。

狐狩りには失敗する、柱は失われ、最後には「破壊」と共に記される王が君臨する。
ただでさえ、下り坂に在った帝国ですが、これはもう歯止めが聞かないほど壊れてしまったんじゃないでしょうか。
後はもう転がり落ちて、チリの一つも残らないほど、砕かれていく未来しか見えない。
これで新章が秋ってのは酷だ……


ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンラインⅠ スクワッド・ジャム

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『しかし、何がいけなかったんだろうな?』
『うむ、何がいけなかったんだろう?』
『同じこと言うなよ。まあ、何かが、いけなかったんだろう』
『アホかお前らは! 実のある会話をしろよ。――ま、負けたのは事実だ。認めようぜ』

メイン処じゃないんですが、マシンガン好きな同盟の人たちが面白かった。
負けた後、じゃあ次は両手にマシンガン以て二丁マシンガンで火力倍だ! とか阿呆なこと言っているあたり和む。
『キノの旅』の時雨沢恵一が、川原礫の『SAO』、特に「ガンゲイル・オンライン」を舞台に描くスピンオフ。
公式で許可出て刊行しちゃったから、という訳でもないでしょうが。
時雨沢さんが楽しそうで何よりです。

リアルでの高い身長に悩みを抱えている少女が、念願のチビアバターをゲットしたガンゲイル・オンラインを楽しむ、というストーリー。
銃ネタを存分に織り込んで、さすがの時雨沢恵一節といいますか。

SAO本編でのバレット・オブ・バレッツ。
その決勝では、ソロのバトルロワイヤルのはずなのに、タッグを組んで敵を倒していたわけで。
どっかのキリトさん達ですな。
で、この世界ではそれに触発された金のある某作家が「あんな感じのチームバトルロイヤルが見てみたい!」とスポンサーになってまで個人の要望を押し通したわけで。
絶対これ本人モデルだろ……

日本サーバでのみ行われる個人協賛のイベント、スクワッド・ジャム。
チーム対抗戦に、主人公たちは参加することに。
いろんな思惑が入り乱れていたりして、中々楽しかったですよ。
厚みある分本編の戦闘シーンとかもそこそこ熱かったですし。
時雨沢恵一先生の銃ネタが嫌いじゃなければ手に取って損はないんじゃないかと。
SAO未読でも楽しめるように、解説もちゃんとされてましたし。


少女は書架の海で眠る

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「なんにせよ、頭痛の種は執着である、とのことだよ」
(略)
「そうね。執着ね。それがいつだって、私たちを苦しめるんだわ」


電撃大王でコミカライズが連載されている作品の文庫版。
先に完結まで描かれています。単巻完結なのが惜しいですね。
「マグダラで眠れ」のスピンオフ。マグダラ~よりも前の年代について描かれています。
だから、クースラたちが追いかけている異端審問官が普通に登場したりするわけですよね。
こんな性格だったのかと最初は驚きましたけど、断片からしても変人の臭いはしていたよな……
話進むにつれて、本の虫度というか、「興味あるもの以外」への対応の差がすさまじく思えましたが。

本は高価なものだった。
それは一つ一つ人の手によって書き写され、装幀凝ったりしているからだったりしたわけですが。
書店員としては思うところがありますね。
本の価値とは。そして知識の活用方法。
「探求の精神というものがなければ、人は本を読みません」。

手に取る人がいない。いたとしても、ただ読むだけではダメなのだ、と。
水車の構造を描いた本があっても、それを読んで修理を成し遂げられるわけではない。
知識を得たという事に満足してはいけない。いかにして活用するかが重要であると。
アブレアは、変人ではあるけれど、たまにまともに聞こえる事言うから困る。 

「本は素晴らしい知識の泉です。あなたは書籍商になれないかもしれませんが、本はいつかあなたの力になってくれるでしょう。そのために、今後とも読書に励むことをお勧めしますよ」

つまりは、そういう話だったんではないかと。
フィルのマグダラ。書籍商の夢とその決着。
アブレアも言っていましたが、時勢というものがあるから、書籍商は成立しないだろう、と。
本が高価で多くの人が手に取らない中で、フィルが自分なりに納得できる答えを出せたのは、よかったんじゃないでしょうか。
 
少女は書架の海で眠る (電撃文庫)
支倉凍砂
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2015-02-10

絶対ナル孤独者2 発火者

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「私も正直、きみみたいな人、好きにはなれないわ」
(略)
「それでも、私はきみを信じるよ。倒れた私を助けるために、バイターに飛びかかっていったきみをね」


新たなルビーアイが登場。
酸素を操る発火者。それはかつてユミコたちが追い、倒しきれなかった相手だった。
しばらく沈黙を保っていた敵が行動を起こし、新たな戦場が生まれる。
ジェットアイを宿したミノルやユミコたちは組織を形成して、対策を練っているようですけど。

今回描かれていた様子を見るに、ルビーアイ側にも冷静な相手がいて、対抗するためのチームを作っているようです。
バイターは能力的に美しくないから誘っていなかったとかこぼしてましたし、ルビーアイ側の組織がどれだけの規模なのかはわかりませんが。
ミノルたちの行動を察知できる程度には警戒網を展開で来ているわけで、油断なりませんね。
狂っているのに、異常であるのに、冷静に潜んでいられるとか、厄介以外の何物でもない。

ミノルが孤独を望み、最後には自分の記憶を消してもらおうと願っているのに。
それでも箕輪との交流があったり、周囲を振り払いきれてない処に人間臭さがあって、割と嫌いじゃないです。
最後の敵の攻撃に対して、孤独を象徴するはずの殻の中に、ユミコを入れて防いだりとか、少しずつ変わっているようにも見えますし。
なんちゃって科学モノの能力が発言して、なんとなく説明できる感じになるようですけど。
ミノルの防御殻については、未だ謎が多いようで。
ちょっと特課のキャラクターが一気に登場しすぎて、混乱するっていうほどでもないですけど、文量割かれた分、本編は盛り上がり切れなかったというか。
どこか物足りなさはありましたが。1巻でうまくまとめ切っていたといえばそうなりますし、とりあえずもう少し買って様子見ですねー。

絶対ナル孤独者 (2) ―発火者 The Igniter― (電撃文庫)
川原礫
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2015-02-10

はたらく魔王さま! 12

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「だからって、殴っていいのか」
「え?」
「傷がつかねぇなら殴っていいのかって聞いてんだよ!!」


ライラがついに魔王と勇者の前に現れて。
ついに、暗躍していた事情とか、セフィラのあれこれについて踏み込んでいくのかと思いきや。
勇者と天使の親子喧嘩が勃発して。
これまで期待を押し付けられてきていた勇者としては、勝手すぎる母と相いれない者があったといいますか。
で。魔王は魔王なりの理由があって、ライラの話を聞くことを拒否。

距離をうまく詰められないままダラダラと日常を過ごし、時間が経っていくわけで。
大家さんたちもしばらくは静観する構えだったんですが。
勇者を襲う影が現れて。状況の変化を受けて、最後には話を聞くように進めてくることに。
また魔王が器の大きさを見せたと思ったら、勇者が豆腐メンタルすぎてもう……
何やっているんだか。
ちーちゃんに「むしろ私は今、ライラさんをこそ恨むべきなのかもしれません!」とまで言わせたライラは逆に素晴らしいんじゃないだろうか。

魔王の同僚のかわっちとか、恵美の同僚だった真季の話とか。
今回は色々と、いいセリフは場面が描かれていたと思います。
特に気に入ったのは、ガブリエルに魔王が語った「鉄の話」でしょうか。
強い金属で、ちょっとやそっとでは傷がつかない。
人間の歴史においても、鉄器の登場は転換点の一つであるわけです。
でも、メンテナンスを怠れば、いかに強かろうと無茶な使い方をすれば壊れてしまう。
壊れにくいからって粗末に扱うのが正しいはずがない。
なるほど言われてみればもっともなことばかりで。

力持つものの責任、というのは状況や価値観によって変わるとは思いますが。
自らそれを行うのと、誰かに踊らされてやるのとでは全く違うわけです。
そのあたりを天使たちはうまく察することができていなかったんですよね。
…つまり、天使たちがもうちょっと上手く立ち回っていれば、謎って早々に明らかになっていたんじゃないだろうか。
天使、ろくなことしないな……アシエスにたまに襲撃かけられているらしいガブリエルとかちょっと痛い目見たほうがいいんじゃないだろうか。

ただ、謎が明らかになるまでの引きが長いというか、ちょっと冗長に感じる部分がないとは言わないので、そこは少し残念。
次の巻では、親子喧嘩解決して、問題を知るところまで行ってくれればいいんですけど。
あと少し気になったのは、魔王が栄養失調で救急車で運ばれた話は、鈴乃は告解の場面で聞いていたんじゃないかと思うんですが。


プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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