気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

電撃文庫

Fate strange Fake 1

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これが偽りの聖杯戦争であると知りながら――彼らはそれでも、台座の上で踊り続ける。
真偽などは彼岸の彼方。
聖杯ではなく――他でもない、彼ら自身の信念を通すために。


アメリカ西部、スノーフィールド。
そこで聖杯戦争が行われようとしていた。
とはいえ、冬木のものを模した、偽物の聖杯戦争でしかないわけですが。
外典ではなく、偽典。
ただ偽物ではあるものの、サーヴァントを召喚できたりと、それらしい能力は秘めているようで。
偽物であるがゆえに、なんかサーヴァントたちにも不具合というか、大分おかしな状況が構築されてる感じもありますが。

ライダーとかその最たる例じゃないのかなぁ。
……他の陣営、まともなサーヴァントとマスターいませんが。これ、他の聖杯戦争で会ったようにマスターとサーヴァントとして、絆を深めて何かを得る結末を迎えられるのがどれだけいるか。
他の戦争での不遇枠ランサーのような、マスターと信頼を結べず、ほころびていきそうな予感が。
特にアサシンあたりとか。狂信者の暗殺者とか誰得だよ……
今回はランサーが不遇枠にならないことを祈ります。まぁ、アーチャーに殺されない力量あるし、マスターが裏切るとかもなさそうですけど……油断できないのが聖杯戦争だからなぁ。

偽りであるため、セイバーのクラスが召喚されない、六騎のサーヴァントの争いになる、という話ですが。
最後怪しい動きが見えていて、なんか今から引っ掻き回されそうな予感が。
まぁ、今回は、各陣営の状況やら出会いやらを描く、序章も序章なんですけどね。
ただ、序章ではあるものの決してつまらなくはない。
偽りであると知りながらも、聖杯戦争に参加するそれぞれの理由。

召喚された英霊たちもまた魅力的なキャラたちですしね。
表紙にいる金ぴか英雄王が相変わらず暴君で、いっそ安心した。
コイツがいると、コイツの圧勝で終わらないかなぁ、と思いましたが、そんな単純な展開を許すわけもなく。
同じような例外が召喚されていて、エアの一撃も易々しのいでいるような感じ。
ロード・エルメロイⅡ世が登場していて、嬉しかった。自分の階位は低くとも、君主として恥じない実績を残しているとか、格好いいじゃないですか。やっぱり彼好きですよ。
Fateというかタイプムーン世界というかきのこワールドは雄大なのでさっぱり追いきれてないんですが、こういう楽しさがあるから、他のも手を出していきたいとは思っているんですよ、常々。
懐と時間に余裕がないので中々かなってないんですが。
さておき、序章と初戦で十分盛り上げてくれましたし、この調子で偽りのこの争いを盛り上げていってほしいものです。今から楽しみ。

Fate/strange Fake (1) (電撃文庫)
成田良悟
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2015-01-10

青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ない

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「普通、ここは『少しずつでも自分を好きになって行けばいい』とか、『双葉にもいいところはいっぱいある』とか言うべきなんじゃないの?」
と言ってきた。
「そんな前向きな生き方、疲れるだけだろ。自分大好きな奴ってウザいしさ」
 無理やり嫌いなものを好きになんてなれない。好きになろうとすればそこに摩擦とか圧力とか、何らかの無理が生じる。それが自分を苦しめるだけなら、前向きに諦めてみるのも一つの手だ。それで救われるものがあることを、咲太は二年前に学んだ。かえでの件を通して知った。戦うだけが全てじゃない。それでいいのだ。


二年前にあった、咲太の初恋の相手、牧之原翔子。
高校生だったはずの彼女は、再開したら、中学生になっていて。
思春期症候群のような気がしますが、咲太が中心なのか、翔子が中心なのかは気になるところです。
ただまぁ、今回は翔子の事情が明らかになったりとか交流したりもしていましたが。
ロジカルウィッチ。科学の輩、双葉理央がメインなわけで。

咲太と双葉、それに佑真。
どこか歪なようでいて、それぞれ馬があっているんですよね。
いい友人関係を築けている。帯にもありますが「友達だけど好きになっちゃった」。
好きな人には既に彼女がいて、なんだかんだでそこの関係は強いようです。
咲太を嫌い、時にそれでケンカしながらも付き合っているんだから、あそこのカップルも相当な感じ。
今回、嫌っているはずの咲太に理央の話をしたあたり、単なる嫌なヤツではない気もしますが。相当不器用というか、逆にまっすぐすぎる感じ。

咲太も、思春期症候群に巻き込まれまくってて、あまり長く交流で来てませんが、美人の彼女がいるわけで。
自分が嫌いだという理央は、不安だったんですよね。
彼女の実家も、温かさとは無縁の場所のようですし。
だから彼女は孤独で、寂しかった。頼ろうとして、頼れなくて。
けど、咲太は「青春ブタ野郎」で自分の事ならいいけど、他人のためなら行動を起こせるヤツだし。
佑真だって、深夜に呼び出されても、事情を聴く前にすぐに飛んできてくれるわけで。
そんな二人と友人である彼女が、孤独であるはずはなかった。
ちょっと異常な症候群が挟まっている物の、大分まっすぐ青春しているなぁ、という感じです。

そして一つ事象が片付いたと思ったら、また次が発生するわけで。
いくらなんでも咲太の周りで、頻発しすぎじゃないかなぁ、コレ。
咲太もまた「ラプラスの悪魔」だったりするんだろうか。最終的にそうやって壮大な夢落ちにされると萎えるのでやめてほしいものですが。
興味を持っている記者の方とかもいるわけで、症候群についても何がしかの回答みたいなものがシリーズを通して示されるといいんですけどねー。


魔法科高校の劣等生15 古都内乱編(下)

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「黒羽様。忠誠心など無用なものなのですよ。意味があるのは行為だけです。たとえ面従腹背であろうとも、立場を裏切らず期待を裏切らず結果で裏切らなければ、結果を出せない忠義者より有用なのです。道具に忠義は必要ありません。兵器に心は不要です」
(略)
「兵器は恐れを懐きません。兵器は不安を懐きません。ただそうなる可能性があるという不安だけで、無垢なる者を殺そうとする人の心葉、果たして心無き兵器に優るものでしょうか」


一校生の二年生たちが、達也に毒されているなぁ、といいますか。
達也の背景の一部でも知っているから。
行動の理由を察して、手助けしたり、大人しく守られる選択をしたりと。
実際に荒事に巻き込まれても、事情を知らずに襲撃を受けたけど……事情説明されてもついてきただろうとか思っているあたり、相当なものですね。

なんか、レオが気になるCADを持っていたんですけど。
ローゼン・マギクラフト社の最新作。とある伝手で受け取ったとか軽く流されてますが……
それ、前回の2年次九校戦の時にあっていた相手からもらった物なんですかね。
幹比古の過去。神童が犯した失敗については、電撃文庫MAGAZINEに短編乗ってましたが。
他の面々の短編も早めに公開されませんかねー。こう、面白いは面白いけど、この辺の引っかかるところがちらほらあって乗り切れな勝ったといいますか。

あらすじにも表紙にも出てきている割に一条の御曹司の活躍がパッとしなかった感じが。
いや活躍、してるんですよ。襲撃犯撃退したり、潜入や、最後の戦闘に協力したり。
ただ、他の十師族の面々に比べて、戦闘力特化しすぎといいますか。
光宣も、虚弱な面もありながら、頭が回る部分を見せてくれたのに、なんだかなぁ。
あと毎回ある真由美さんのサービスシーンの温度差がひどい。
なんだかんだで登場回数はあるのに、どうした事だろうか。いや、真由美さん嫌いじゃないんですけどね。

上下巻だったのに思った以上に進まなかったといいますか。
次回以降に向けての伏線回でしかなかったな、というよな印象。
ギリギリ周を倒せはした感じですが……次回物語が動く……といいなぁ。
まぁ、サブタイトルが大分不穏な色を持っていますが。次回「四葉継承編」。
四葉の分家の方々が、なんか黒幕っぽいのに小物臭いんですが、どう転ぶのやら。

魔法科高校の劣等生 (15) 古都内乱編 (下) (電撃文庫)
佐島勤
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2015-01-10

ソードアート・オンライン プログレッシブ3

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「……ねえ。あなたは、いつまで、わたしと一緒にいるの?」
「…………」
瞬き一つしないヘイゼルブラウンの瞳をしばらく覗き込んでから、俺は答えた。
「君が十分に強くなって、俺が必要なくなる時まで」
「…………ふうん」


キリトさんこれでソロとか嘘吐きにもほどがある……!
周囲の評価から言っても、アスナとのコンビで広まっている感じがありますがねぇ。
一体どこで分岐点が来るのやら。
神聖剣さんはどのあたりで台頭してくるのかも気になるところです。

そして、2巻でも1層しか進めなかったのに、3巻でも4層攻略しかしないって、本当にこれゴールまで何巻かかるんだか。
2層のボスのパターンでも大分変更があったみたいですけど、4層もかなりβから変更点があるフロアで。
β時代は、枯れ谷の様相を呈していたのに、いざ到達してみたら、谷だったところは水路になっていて。
建築物の感じからして、この変更は予定されていたモノみたいですけどねぇ。

時期的に、4層でクリスマスを迎えたそうですが。
ここから一年で番外編に描かれたあそこまで上り詰めていくのかと思うと。
攻略組の人々の行動力っていうのには、驚かされます。
ま、かなりギスギスしていますが。ビーターの存在が逆に楔になっていて、暴走がギリギリのところで抑えられている感じも。
キリトも考えていましたけど、このままではいけないでしょうから、もうちょっと、攻略組が充実して、もっとまとまりが出てくるといいんですがね。

キズメルさんが予想以上に早く登場したといいますか。
エルフたちのクエストが、層をまたいで行われる長期的なものであるっていうのがよくわかる感じで。
キリトが本当に、LAボーナス取りすぎで、その内刺されるんじゃないかと。
どうして遠ざけようと画策されているっていうのに取っていってしまうのか。


境界線上のホライゾン ガールズトーク 狼と魂

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「貴女は騎士です、ミト。武蔵において、戦士団でも、傭兵でも、総長連合や番屋でもない。彼らとは別の、一つの力としての騎士が貴女です」
ゆえに、
「その証明を、御願いします」

聖譜歴1648年。大規模な禊祓を行う武蔵は行っていた。
その事業を行っている時にたびたび、梅組も彼らが口にする昔あった同じような事例。
当時武蔵にいなかった正純が知らなかったエピソード。
この機会に聞いてしまおうと、狼の語りが始まるわけで。
回想中に現在から厳しいツッコミ入ってるあたりは相変わらずというか、本当いコイツラ共食い好きだよなぁ、というか。

中等部ということもあり、あちこち未熟だったり、外道度抑え目だったりします。
だから、本編になれているとちょっと物足りない感じも。
薄いし(シリーズ比)。いやこの薄いっていうのは決して表紙のキャラの胸部装甲的意味じゃ……
……まぁ、ラノベとしてはこれぐらいが正しいといいますか。
普通だったら、これで、ちょっと厚いかなとか言われる感じじゃないだろうか。
慣れとはかくも恐ろしいものか。

男子どもも回想では登場するから表題のガールズトークな感じは少なかったかなぁ。
一応現在のチャットでは女子しかいないと思いますが。
後書きでなんか「個人の年表がある」みたいなこと言ってますが。
本当に川上さんどこまで設定練り込んでこのシリーズ始めてるんだろうか。
恐ろしいにもほどがある。この短編は短編で面白かったんですが、過去編でいえばBD特典のきみとあさまでの方が面白かったですね。
外道さになれたせいで、ちょっと物足りなかった。というわけで本編はよ。







キノの旅ⅩⅧ

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「前に師匠が言っていた。『人を助ける時は、相応の覚悟が必要ですよ』って」
「言っていたねぇ。でも、そのお師匠さんがキノを助けたわけだけど」
「そう……。だからわかる。今のボクには、あの人を助ける力はない」
「『自分の力を認識し、それ以上のことはしないことも重要ですよ、キノ』」
「今の、結構似てたよ」


久しぶりのキノの旅ー。
相変わらずの雰囲気で中々楽しい。
よくもまぁ、こんなにたくさんの国を考え付くものですよねぇ、といいますか。
同じ調子で18巻も続いているっていうのは中々凄いことだと思いますよ。

扉絵には、牛の国、草原の国。
プロローグ・エピローグは、キノの旅の国。
エピソードは九話収録。
スポーツの国、止まった国、税金の国、主食の国。
チョコレートの話、遺産の国、祝集の国、お金の国、私の戦争。

個人的に気に入ったのは、スポーツの国、税金の国あたりですかね。
スポーツの国は、五か国が密集して争っていた地帯で、戦争をやめてスポーツ大会を行いましょうという風に変化していった地域の話。
この大会で優勝すれば、問題が発声したときに優遇されたりされるから、各国力を入れている。
で、スポーツ大会で大体の問題を片づけられるから、軍隊は廃止されていて。
まぁ、今でも大会で優劣争うあたり、敵愾心というか競争心はおられてなくて。
ちょっかい賭けようとした連中が痛い目を見るというのは中々。

税金の国は、割と皮肉が聞いていてよかったと思います。
制度がしっかり整っていて、必要なサービスを受けたければ、必要な準備をしていろ、という話。
サービスを受ける側が、自分にとって必要がないと思った分の税金を払わなくていい国。
教育なんて必要ないって思えば、教育に関する税金を払わなくてよいと。
浮いたお金で家庭教師や党也好きに穴埋めしてくださいって制度があるそうですよ。
実際に存在したら「助けられる命を助けなかった」と周囲から批評されそうな制度ではありますが。

復讐の国とかも中々いい感じだと思いましたけどね。
師匠の話を聞いたキノが変化したその国の姿を見るっていう感じのエピソード。今回でいうと「お金の国」なんかも好きなんですけど。
要するに、巻数重ねているうちにいくつも旅人のグループがあるので、時間の流れとか旅人のスタンスとかで、相対の仕方が代わるっていうのがいいよなーと思うのですよ。

ねじまき精霊戦記 天鏡のアルデラミンⅥ

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だからこそ、トルウェイは固く心に決めた。――自分は覚えていよう。そして、いつか人々に思い出させよう。人間は誰もが、死に怯える弱い生き物であることを。そんな臆病者たちが勇者を演じて殺し合う、それが戦争の正体だったという事を。その上で――
「ぼくが、その在り方を過去にする」


絵師交代でイメージと違ってしまったのは残念。
あとがきで理由がしっかり描かれていたのは好印象ではありましたけど。
体調がすぐれないとかで。お大事になさってほしいものです。

さておき帝国内乱編。
イグゼムの一族が厄介すぎてもう。
元帥は堅物だし、名誉大賞は戦狂いだし、ヤトリはヤトリで、若いながらもかなりの実力を見せますし。
こいつら本当に人間かよって思う部分が無きにしも非ず。
一方で、クーデター起こしたトルウェイ父の方は思考的にもわかりやすいといったらアレですが。
憂国の士としてのパーソナリティはしっかりあるようで。
イクタに言わせれば、失敗する未来しか見えないけど、交渉の余地あり。

騎士団組は、ヤトリがいない状況で、少しでもよりよい未来のためを求めて行動。
いろいろ手を尽くしているわけですが、状況は予想よりも厄介な状況。
狐が上手というか、火に油そそぐ真似しかしないからなぁ、アイツ。
皇帝を抑えられなかったのは痛い。ずるずると長引けば長引くほど、問題根深くなって、遺恨とかも生じそうですけど。
そもそも、長引きすぎれば、国を憂いてクーデター起こしたはずなのに、それによって不安定になったところをキオカに攻め込まれるという未来が待っているわけで。

今回は、トルウェイ回でしたね。
やはりクーデターを起こしたのが、父親の派閥ということもありますし、もともとの性格もあって、結構悩んでいましたからね。
これまでイクタがトルウェイに課してきたもの。イクタの期待。そして、それを受けてのトルウェイの決断。
誰よりも臆病であるからこそ。戦争という場で、自分ができること、するべきことを見極めたトルウェイは、重要な一歩を踏み出したんじゃないでしょうか。

狐が、最後に出てきて相対していましたが、この期に及んでも何かろくでもないことしそうで嫌な感じ。
不眠の輝将をどう超えていくのかと思っていたイクタたちがあっさり内乱の方に絡んできたのは少し意外。
そして、内乱とはいえ戦争。死者が出たりしていますけど……
これ、ずいぶん難しい状況になっているんじゃないか。
続きはよ。


ソードアート・オンライン プログレッシブ1

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「……《ビーター》、いい呼び名だなそれ」
にやりと笑い、俺はその場の全員をぐるりと見回しながら、はっきりとした声で告げた。
「そうだ、俺は《ビーター》だ。これからは、元テスター如きと一緒にしないでくれ」


コミック版を読んだので再読ついでに記事作成。
SAOのスピンオフというかIFのストーリー。
攻略に至るまでの時間をキリトたちはどのように過ごし、傷つき、乗り越えてきたのか。

今回は、第一層と第二層攻略。
ずいぶん厚くなりましたね……
各層でイベント+ボス攻略をするとなると、これぐらいの厚さにはなるのか。
これだけやってると、本編1巻の距離感がおかしいな、ってレベルになってきますが。
矛盾とかは無視して、こういうモノだと飲み込めれば楽しめると思います。
まぁ、一つ一つの話は面白いし、全体の世界観の方も気に入っているので、俺はあまり気にしない方向で行こうかと思いますねー。

第一層でさっそく取り上げられた、βテスターの問題。
彼らが初心者を見殺しにしたから、被害が拡大したのではないかというキバオウの意見。
対して、情報屋アルゴが提供していた、攻略の冊子が街中のショップにおかれていて、情報はもたらされていた、と主張するエギル。
まぁ、SAO世界において、避けようがない問題で、不和の種としては格好のものではありますか。

キリトやアルゴがお互いがテスターだろうと察しながらも何も言わないでいたり、攻略組プレイヤーのぎすぎすした空気とかはやっぱり死が目の前にあるからのものかなぁ。
ディアベルは万全を期そうとするあまり、気が急いて、失敗してしまいましたが。
彼が生き残っていたら、また展開は違うモノになっていたのではないでしょうか。
βテスターでありながら、人々を率いて攻略する姿勢を見せていた彼なら、ギルドを、雰囲気をよくしていくことすらできたかもしれない。
全ては儚い夢でしかないですけどね。キリトが、プレイヤー間の不和を呼びこまないよう、βテスターをさらにわけて。情報を抱え込む、βのチーター、ビーターと偶々運よく当たっただけの初心者であるキャラと。
クラインを置いていったこともありますが、ソロまっしぐらですな。なんだかんだでアスナとのイベントはこなしてますけど。

そして第二層。
まだ不慣れな序盤の層において、まさかさっそく詐欺行為を働くキャラが出てこようとは。
まぁ、実行犯の裏側には、その詐欺のネタを吹き込んだ、黒幕がいるようですけど。
なんかすごくラフィンコフィンの匂いがするんですけど、アイツらこんな時点から動いていたのか。
筋金入りだな、レッドプレイヤー。
というか、茅場さん、第二層から、βテストとの違いだすためにちょっとハッスルしすぎじゃないですか、とか思いますな。


青春ブタ野郎はプチデビル後輩の夢を見ない

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「別に全人類に好かれるために生きているわけじゃないからな」
「わたしはみんなに好かれたい……ってか、嫌われたくない」
「僕はたったひとりでいいけどね。そのひとりが必要としてくれたら、生きていける」

タレント業に復活した麻衣。
彼女と、恋人同士になれたはずなのに……咲太は昨日に戻っていて?
とりあえず一日疑問を感じながらも過ごしてはみたが、また同じ日に戻ってしまって。
ループ展開に入り、自分以外にはその現象を覚えている人がいないようだった。
まぁ、咲太の交友範囲って妹、麻衣先輩、友人二人程度の狭い輪だからなぁ……それでもクラスメイトの様子やニュースなどを見て、繰り返しの自覚があるのは自分だけ、と判断した。
双葉に相談をして「本物のラプラスの悪魔を探すんだね」と現象を起こしている引き金となる人物を探せとアドバイスを受ける。

そして出会ったのが、前回奇妙な出会いをした後輩の古賀朋絵だった。
空気を読みすぎる彼女は、友人の憧れの先輩から告白されそうになり困っていた。
告白を受けても断っても、友人グループからは浮いてしまうだろう。
力の強いグループにいるから、そこからはぐれた後、紛れ込めるとこもない気がすると心配そう。
そこで古賀がとったのは、同じように繰り返しの記憶を持っている咲太「恋人」であるという嘘をつき、周囲との軋轢を少しでも和らげようと、あたりさわりなくいこうという行動だった。
彼女がとりあえずの解決方法を見つけたからか、時間はまた進み始めるように。

咲太も、妹と似たような発言をした古賀のことを放っておけず、その偽恋人の関係に協力することに。
麻衣との関係もあるので、期限付きの契約ではありましたけど。
『空気に喧嘩を売っても仕方ない』と、人付き合いの少ない咲太ではありますけど、気に駆けた相手に対してはやっぱり優しいんですよね。
嘘の関係だと、麻衣のことが好きなのだとわかっていても古賀の気持ちを動かしてしまう程度には。
そんな思いに気が付きながらも、麻衣のことが好きだから、と正直に伝える咲太は一本筋が通っている感じがして好感が持てます。

咲太に爽やかすとかイケメンでムカつくとか言われながらも交友を続けている国見。
毒吐きながらもなんだかんだと咲太の相談に乗ってくれている双葉。
絞っている分咲太の友人たちにはいい奴が多いですね。まぁ、国見の彼女とかは1巻で咲太に対して「あんたと仲良くしていると国見の評判が落ちる」とか「国見がかわいそうだ」とか面と向かっていってくるような輩もいるわけですけどね。
国見はなんだかんだでそんな彼女の事を大事にしているようですけど、双葉の方がいいんじゃないのかぁ、とか思います。
友人の想い人だからどうしようかなーと古賀が対応に困っていた先輩も、ダメな部分見せてましたし。

さて、また最後、気になる引きで終わってましたけど。
過去咲太が出合っていた、気になる相手と同じ名前、と面影を持つ少女。
しかし、彼女は咲太よりも年上だったはずで。どう見ても、咲太が出合ったのは中学生くらいだった。
今度はどんな思春期症候群が起きるのかどうか。気になりますねー。
ヒロインが先輩から始まり後輩になり、今度は中学生になるとか、どんどん幼くなっていってまた咲太の評判が悪くなっていく流れなのではないだろうか、コレ。


青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない

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「困ってるのに、誰にも頼れないのはしんどいから」

中々面白かった。
ある日、主人公の梓川咲太は、図書館でバニーガールの格好をした女子を発見する。
それは、同じ高校に通う先輩で、活動を休止している人気タレントである桜島麻衣だった。
彼女によれば、ここ数日「彼女の姿が周囲に見えない」という状態になることがあって、それの検証をしていたのだとか。
バニーガールの格好をしている人がいたら、思わず二度見するだろうから試金石としての格好だったらしいですけど。なぜそこでバニーガールなのか。

一方、ネットでは「思春期症候群」という都市伝説が広まっていた。
他人の心の声が聞こえたとか、誰それの未来が見えたとか、オカルトじみた出来事が起こるとか。
ま、都市伝説なので当然市民権を得ているわけでもなく、精神科医に見せても「多感故に不安定な心が見せる思い込み」だとばっさり切り捨てられるような自称。
けれど咲太はそれの実在を信じていた。
なぜなら、妹が過去その思春期症候群でしか説明できないような状況に陥っていたから。
いじめを受けて引きこもりになった妹は、SNSでの悪口を見ると、身体に傷が突然浮かびあがる症状を見せていた。
周囲の人は誰も信じれくれず、母も、妹の置かれた状況を受け入れられず離れて暮らすような状態になってましたが。

妹の影響か、咲太にも怪我が浮かんだことがあり病院に搬送されたこともあった。
その様子に尾ひれがついて「同級生を病院送りにした奴」という、どうにも近寄りがたい存在として咲太は認識されていた。
咲太は咲太で、そんな実体のない『空気』に喧嘩を売るなんて馬鹿げていると、交流を取ろうとはせず、自分の言葉を信じてくれた二人だけを友人と呼び、日々を過ごしていた。
しれっと書かれているけど、中々重いというか。そりゃあこんな捻くれた行動もするかなぁ、という感じ。
デリカシーない発言をすることもありますし。
けど、それでも彼は優しいんですよね。付き合いを極端に絞っている分、その大切な誰かのためになら『空気』とだって戦って見せる。行動を起こせるというのはすごいことだと思います。

最初は、一部の地域で見えないだけだった麻衣。
学校では見える人も多く、普通に通うこともできた。
けれど、見えなくなる時間はどんどん増え、買い物もままならい状況に。
しまいには存在していたことすら認識されないようになっていって、アレは中々辛い。
そして咲太も一度は忘れてしまうモノの、断片は引っかかっていて、それを活用して、消えた麻衣を取り戻した。
交流を通して、距離を縮めた二人。告白して、付き合うことになったと思ったら……
エピローグで、次回への引き。また新しい思春期症候群か、告白が成功した日の「昨日の朝」に戻っていたのだった、と。

「思春期症候群」っていう異質な要素を入れながらも、しっかり真っ当な青春をしていたといいますか。
咲太が結構好きですよ。自分なりの芯がある感じで。心臓が鉄でできているような言動・行動は真似できない。


プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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