気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

電撃文庫

未踏召喚://ブラッドサイン

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「だけど『弱さ』から生じる行動に妥協はない。あなたはそいつを覚えておいたほうが良い。窮鼠は猫をかむんだ。……言っておくけど、僕は今、相当追い詰められている訳だが。フェアで対等な勝負をしましょうなんて笑っていられないほどにね」

あらすじから想像していたのとは若干違ったかなぁといいますか。
召喚儀礼という様式が整い、神々の奥に潜んでいたものさえ引きずり出し、その力を行使できる召喚師たちの物語。
まぁ、一気に強力な奴を呼べないとか、依代と召喚師のコンビでないと力が使えないとか、いろいろ制約もあったりするわけですが。

少女から発せられる、本気の「たすけて」という願いを断れない少年、城山恭介。
彼は、かなりの実力を持つ召喚師だったが、この半年ほど仕事をしないで貯金を切り崩しながら暮らしていた。
思うところがあっての行動というか、依代を失ったこともあり、召喚業界を引退しようとしていたようで。
買い出しに出ていた帰りに、何者かに追われている少女からたすけてと声をかけられてしまい。
それを引退の依頼にしようかと行動し始めるが、敵は予想以上の難物で。
半年のブランクもあって、若干勘が戻っていないところに、想定外の存在まで飛び出してきて。

情報を一気に出しすぎというかなんというか。
合間に入っている「Fact.」っていう用語解説というか、章ごとのまとめというかが毎回挟まるからテンポ微妙な感じがしますし。
個人的には主人公の言動が気に障ったというか。「~という訳だが」とか言う口癖なのか知らないけど、語尾がたびたび出てくるあたりとか、微妙にキャラぶれてないかって感じの言葉遣いというか。
なんか読みにくかった。

未踏召喚://ブラッドサイン (電撃文庫)
鎌池 和馬
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2014-09-10

マグダラで眠れⅥ

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「……自分で言って、信じてなさそうだけど」
イリーネの指摘に、クースラは肩をすくめる。
「信じると目が曇る。だがかけらも信じなければ、新しいことは見つけられない。錬金術師の中には二人の人間がいる」

異端審問官アブレアの足取りをたどり、古代の民の謎を追う一向。
アイルゼンが『聖女付きだった大錬金術師』だったクースラたちを旅立たせる腹積もりを語っていましたが。
言われてみればそうですよね。フェネシスは、聖女として死んだということになっていますが。
その傍にいた二人は生き残っているんだから、前線となったあの街においておいても、他の面々の士気を上げる意味では良い駒であったでしょう。
まぁ、その場合フェネシスは人目につかないように隔離された場所に軟禁状態になるか、安全策で他所の街に移送という形になるでしょう。
クースラは自分のマグダラを手放せないでしょうから、またぞろ問題起こしそうな予感。

さておき。
アイルゼンとしては、クースラたちは重要な手駒ですが、それでも自由を許すのは、古代の民の情報を追う中で、龍に匹敵するような新たな知識を得られないかと期待しているからのようで。
こういう油断ならないけど、こちらに利用価値を認めて評価してくれる相手がバックについてくれたのはクースラたちにとっていいのか悪いのか。
騎士団に伝手があるのは頼もしいことでしょうが、いざという時それが首輪にならないとも限らない。
前回の鐘の話でも、安全策に逃げようとしていたら、聖女の錬金術師という名札の価値が上がってのっぴきならなくなったわけですし。

今回は北へと向かうことにした一行。
騎士団の力が及んでいない地域もあったりするようで、監視役・補佐役として密偵が数名ついているのはその辺の事情もかかわっているのだろうか。
そしてクースラのヘタレっぷりが留まるところを知らない。
お前孤高の錬金術師じゃなかったのか。

錬金術師という金看板を使えなくなったので、変装をしたりする訳ですが。
イリーナはもともと職人だし、ウェランドはそつなく着こなす。フェネシスも、職人見習いだと思えば、問題はない感じ。しかし、クースラはどうしても職人には見えない、ぎこちなさが残るとか。
こういうところだけ錬金術師きわめてどーすんだってツッコミ入れればいいんだろうか。
その様を踏まえたうえでそれぞれの設定を考えているわけですが。
反論の余地がなくとも面白くなく、微妙にふてくされているクースラがもう……その見栄っ張りな鎧は、前回ひびが入っているんだから、脱ぎ捨ててしまえばいいのに。
少しずつ二人の関係が変わったり、クースラの行動にも変化が見られたりと、着実に進んでいっている感じではありますね。

今回はガラス職人たちのお話でありました。
変装していても、会話をしていく中で、クースラのことを錬金術師と見抜いた親方とかいいキャラいたと思います。
少し柔らかくなったとはいえ、やっぱりどこまでも錬金術師であるんだよなぁ、という格好よさがありました。
フェネシス絡むと途端にダメになるあたりも、キャラクターとしては良い属性何ではないかと。

マグダラで眠れ (6) (電撃文庫)
支倉凍砂
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2014-09-10

神様のメモ帳9

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いや――回り道が僕の人生なのだ。これまでだってそうだったじゃないか。後悔なんて墓に入ってからすればいい。
今は、とにかく走り出すときだ。


長かったシリーズもついに完結です。
まぁ、前の巻でてからこのエピソードが本の形になるまでに時間が空いているっていうのもあって、なんか終わったという感じがしません。
久しぶりの新刊が最終巻とかジョークが利いてるなとか言えばいいんだろうか。
もうでないかもと思っていたので、ちゃんと刊行されたのはうれしい限りなんですけどね。

これまでの話では、ニート探偵団それぞれに関係するような事件を取り扱ってきてました。
エンジェル・フィックスはニートたちの居場所を壊したものだったし、彩香の事件でもありました。
園芸部がつぶれそうになったときには、テツ先輩の過去を暴くことになった。
それらは、アリスがやっていたニート探偵が死者の代弁者であったから引き出せた真実です。
引き出してしまった真実という面もあるかもしれませんが。
鳴海が遠回りをしたり、相手をだま蔵化したりしながら真相にゆっくり近づいていく危うげな道のりを、裏でサポートしたり、最後暴き立てる役回りをアリスが担当してきていたわけですが。
最後のエピソードは、これまで暴く側だったアリスのエピソード。

描かれるべくして描かれたというべきでしょうか。
シリーズを通して、鳴海は何処までも鳴海であったというか。
冒頭引用したように、いつまでたってもグダグダうじうじ悩んでいて。けど、吹っ切ってしまってからの行動は、容赦がないというか。
大事なものはすでに決まっているから。覚悟を決めた彼の行動は何処までもまっすぐで。
「大事は恐れないくせに小事にびくつく。マフィアの頭領に向いてるんじゃない?」
なんて、あるキャラクターには言われていましたけど。

微妙な個所とか駆け足な個所もありますが。
好きなシリーズという補正もかかって、中々いいラストだったと思いました。
最後、それぞれのキャラクターのその後みたいなのが少しだけ書かれていましたけど。
そこに至るまでの話、そこからの話、そうしたエピソードを読んでみたいという気持ちもあります。
それらは描かれればきっと面白いでしょう。けど、蛇足だとも感じでしまう気がしてならない。
いいラストだと思えるこの辺が終わり処、という事かもしれません。
好きなシリーズが終わるのは、やはりどこかもの悲しいものです。

神様のメモ帳 (9) (電撃文庫)
杉井光
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2014-09-10

はたらく 魔王さま! 0

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「……俺と一緒に、遊ばないか?」
「は?」
「暇してるんだろ? 遊ぼうぜ」

メインは魔王が魔王になるまでの過去エピソード。
自分でも言っていたように木端悪魔の出だったサタンがいかにして、王となっていったのか。
うどんさんに告解していたシーンでもありましたが彼は何処までも「王」としての心を持っていたから。
なるべくして王となったという感じ。

アルシエルが派手に抵抗していたこと。
カーミオの下にいた時に最初に仲間に加わったのがルシフェルだったこと。
色々と驚く部分もありましたけど。0巻と銘打つのに相応しいエピソードだったんではないかと。

実力が乏しいなりに、工夫をして知恵を巡らせて、戦略を練った。
力こそ全てみたいな風潮があった魔界において、それは単純な戦力差に左右されない、力となる。
けれど、それだけで全てが決まるわけでもなく。
時には敵に押されて、計画が十年単位で遅れることもあったとか。
壮大な志を持っていて、そのために勢力を拡大していった魔王が結構格好良かった。
これは、なるほど。失策を悟った時に、「死なせるわけにはいかない」と思うはずだ。
そしてそれを失ってしまったことを知りながらも、豆腐メンタルな勇者を気遣うこともできると。
有能な王ではあったんですね。最近同僚となった勇者にたじたじ見たいですけど。

あとは、勇者一行の道行。
自然の驚異に晒された都市に救いを求めれ、行動することになるのだが……
それがトカゲとか。まぁ、大量発生して防壁ぶち抜くようなのはトカゲというよりは一種の凶器ですし。
そしてちゃっかり登場しているうどんさんがまた変な個性をつけてたぞ。
エンテイスラでも現代でもうどんさんは食事に凝るというか、一つの食材を愛する人だったのか……
ゆるくて笑えた。
もう一遍、年末から正月にかけて、1巻の少し前のエピソードなんかも書かれていましたよ。


魔法科高校の劣等生14 古都内乱編・上

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「信用できるのでしょうか?」
「味方が必ずしも信用できる相手である必要は無い。要は、いざという時にこちらの注文どおり動いてくれれば良い。その為にそこそこの対価を払うのは構わないさ」

また論文コンペの時期がやってきました。
毎年持ち回りなので、今年は京都で実施するとか。
で、横浜と京都では評価されるプレゼンの方向性が違うので、代表としては五十里が参加。
横浜では技術的なものが、京都の時には純理論的なものが好まれているとかなんとか。
達也は別の研究で手一杯で、請われれば手助けするものの、基本的には外野。
前回発表ができなかったどこぞのカーディナルさんが躍起になって論文書いている姿が幻視できます。執念の炎を燃やして渾身の論文を携え参加してみれば、達也が代表じゃないという衝撃を受けるカーディナル……ってところまで想像しました。

何か暗躍しているらしい四葉家当主。
普段は、達也に対して命令を下しているのに、今回に限っては依頼という形で、別に断ってもよいとまで行ってきた。
拒否権あるなんてすごい。確実に裏がありますな。
まぁ、そうした裏を知りつつ、逆らうのは賢明ではないと達也は普通にその依頼を受けるわけですが。
依頼内容は、小物臭いのになんだかんだで生き残って、あちこちで火種を巻いている周への対処。

まぁ、今回は内乱とあるとおり、周絡みの問題として一つ。
古式魔法の伝統派という過激な派閥とその他の派閥の諍いという要素が加わってくるわけで。
その辺の事情説明だとかが大半になって、他校の様子とかさっぱり描かれていないんですけどね。

九重八雲も、九島列。古式魔法の使い手たる忍。引退し物の、『九』の名を関するかつての最巧。
そうした人々の好意や協力を受けて達也が情報を集めたりしているわけですが。
九重先生は俗世にあれだけ関わっていていいのかとたまに思います。
もうそういう人だと思っているとおおむね気にならないものなんですが。

上巻なんで、大きな事件が起こるわけでもなく。
下準備というか調査だったり他所で動いている状況の話だったりと、展開はゆったり気味。
今回一番の衝撃的なところといえば、七草元会長の護衛をやっている名倉さんの顛末でしょうか。
十師族にはそれぞれの思惑があったりして、それぞれ動いているわけですが。
さてはて内乱は伝統派絡みなのか、今回のことで顕在化する可能性のある十師族がらみに含みを持たせたものなのか。普通に前者な気がしますけどね。

身体が強くないという、九島閣下の孫、光宜。
親戚の欲目というだけではなく、ちゃんと実力があるんだって描かれていたのはいい感じですかね。
この段階で彼と達也たちが出合ったことにはどんな意味があるんでしょうか。
順調に時間は流れて、真夜のたくらみが着々と進んでいる感じがしますけど、さてはてどうなることやら。

七草元会長が卒業後も毎回のように登場しているのは楽しんでますが。
摩利が久しぶりに登場して、親友同士の会話を見せてくれたのはよかったです。
やっぱり先輩たちの落ち着きは貴重だよなぁ、と言いますか。
さて、今回摩利に指摘されてましたけど、七草元会長はやっぱり達也のことを意識しているってことになるのかなぁ。最後十師族として動いていましたけど、下巻はまだかなぁ・・・

魔法科高校の劣等生 (14) 古都内乱編 (上) (電撃文庫)
佐島勤
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2014-09-10

ストライク・ザ・ブラッド11 逃亡の第四真祖

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「いいわ、すべて聞かせてあげる。後悔することになると思うけれど――」
真紅に染まる水平線を背にして、霧葉は最初のひと言を告げる。
それは古城たちに大きな決断を迫る、運命の一日の始まりだった。

新年を迎えようとしている時期。
帰省した妹からの連絡が絶え、心配していたところにひょんなことから情報を獲得して。
そして、心配事を抱えている状態で、獅子王機関との連絡も絶える。
すわ何事かと古城と雪菜は焦りを覚えていくわけですが。

これまで古城は、なんだかんだ言っていろんな人の協力を経て戦っていたんですよね。
獅子王機関やその関係者。那月ちゃん。
後書きにもありましたが、古城は魔族特区から自由に出られない代わりに、ある程度の行動の自由があったわけです。
ただ、そこから外に出ようとしたことで、状況は変化していく。
事件が多発こそしていましたが、ある意味では、その事件を通して第四真祖を取り巻く環境っていうのは安定してきていたと思うんですよね。

手を貸してくれる人もいますし、眷獣を順調に把握していったり、事件を解決することで、知人を増やしていったりと順調にイベントをこなしていた感じ。
それらが一変して、それまで協力してくれていた人に足止めをされ、敵対した相手にアドバイスをもらったりと結構ちぐはぐな状態で話が進んできます。
シリーズが順調に進んでいるから、こういう逆転が面白い演出になるんだとは思うんですが。
新章の序章といった感じが。
そもそも逃亡と言ってるのに島でれてないじゃないですかーみたいな終わり方はちょっとモヤモヤするものが。続刊早く。

ストライク・ザ・ブラッド (11) 逃亡の第四真祖 (電撃文庫)
三雲岳斗
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2014-09-10

電子魔法使いのトロニカ

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「出来るか出来ないかの話じゃない。やるかやらないかの話だ。
 まあやらないって選択肢なんてないんだけどね。つまり、やるしかない。そうだろ?
 出来るからやるんじゃない。やるから、出来るんだ。」
――『電王の後悔。』より


タイトルで『電子魔法使いのトロニカ』って言っているのに・・・トロニカ、電子魔法使えてないじゃないですかー。
いや、帯には落ちこぼれってあるし、あらすじでは電子魔法のデバイスを壊してしまうってありましたけど。
それにしたってもう少し何かなかったのか。

ハッキリ言って軽い。
設定を詰め込んでいる上に、展開が予想できるっていうか。
事件が起きているはずなのに、驚きがない。
山も谷もないというかメリハリがないという感じで。
フラットなまま進んでいって、いつの間にか終わっていた、みたいな雰囲気があります。

スクールライフとか言っている割にいきなり、演習やっているところから始まるし。
問題もそこで発生して終始そこで展開していくし。
トロニカがどうして、デバイスを壊してしまうのか。アナログオタクっていうトロニカの個性が生かせてなかったというか。ふつうああいう、逆転の場面ってもっと光って見えるものじゃないのかなぁ。
あっさりしすぎてて笑える。
戦い方がひどく美しかった、と評されているけど、見ているこっちとしては、美しいように感じられなかったのは相当痛いと思いますが。

設定は面白そうなにおいを感じたんですけどね。
素材はよくても調理法間違えると食えたものじゃないっていう好例というか。
作者のネームバリューで買うのも善し悪しか。
お奨めはしないし、万一続きが出たとして買わない。

電子魔法使いのトロニカ。 (電撃文庫)
ハセガワ ケイスケ
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2014-07-10

ドウルマスターズ1

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「いいとも、君の望みを叶えよう! インドラは君の為に持ってきたんだ!」


いや、さすがの設定量と説明のくどさ。
魔法科読んでて耐性で来てなかったら投げていたかもしれない。
丸々序章な感じで、今回はかなりパッとしないというか、メリハリが足りないというか。
一度落選したというのもむべなるかな。
ま、個人的には嫌いじゃないですよ。

中身は要素を抜き出すと、超能力と巨大ロボと宇宙。
ロボものはそんな詳しくないですけど、とりあえず宇宙に行く印象。
まぁあれだけの技術があって宇宙進出出来てないって言われる方が嘘くさいから仕方ないのだろうか。

資源争奪戦の果てに、無数の都市国家として分裂した世界。
ゲリラやテロによって、交通や通信インフラはダメージを受け政治機能は麻痺し、人々は要塞化した都市に閉じこもるように暮らしていた。
都市にしか人々は生きていないのかといえばそういう訳でもなく。
テロリストやゲリラとの疑いをもたれた人々などは排斥されて都市の外で細々と生きていた。
ま、そういう背景もあって都市の人と、外側の人とでは諍いがあったりと面倒な状況なようで。
これからどういう展開になっていくのかは気になるところですが。
後書きにもありますが、文章で巨大ロボものはなかなか難しいところもあるでしょうし、さて、どれだけ面白く描けるかっていうのが肝か。

ドウルマスターズ (1) (電撃文庫)
佐島勤
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2014-07-10

マグダラで眠れⅤ

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「……子供じゃ、ありません」
(略)
「欲しいものには手を伸ばす……錬金術師です」

アイルゼンさんがなんか個人的に株が急上昇しているんですけど。
あの人中々面白いキャラクターじゃないですか。
女神と崇められたフェネシス。
敵に囲まれた状況で、どうにか危地を脱し、逃げ延びた先にすら問題があって。
鐘の鳴らない街。追い込まれた状況で、それは人々の心を徐々に蝕んでいく。
そして、ついには逃げられないほど問題は悪化し、聖女として祭り上げられていたフェネシスとその傍にいる錬金術師であるクースラたちへと持ち込まれるわけで。

そんな追い込まれた状況になってクースラたちは気になる書物を見つけたりとイベントが地道に進行中。
電撃大王の番外編にちょっとだけ出ていた異端審問官の名前が出てきたりと、行く先が少しずつ変わってきているのかなぁ、という感じです。
クースラ、オマエは本当に何をしているのかと。
『利子』であったはずのクースラがどんどんヘタレになっていっているのは、良いのか悪いのか。
迷っているあたりに人間味あって俺は好きですけどね、今のクースラ。

錬金術師であるからマグダラの地を目指すのか。マグダラの地を目指すから錬金術師なのか。


クースラがヘタレてる傍でフェネシスはどんどんしたたかになっていますね。
昔は、クースラが一方的にからかったり教えたりしている感じでしたが、少しずつ逆転していっているというか。
逆転、とまではいかなくても関係がどんどん変化していっているのは確かですか。

あと、地味にクラトール大公が気に入ってます。
演説というか、演出がうまいよなぁ、という所が。
アイルゼンさんともども地味に気に入ったので、いつか登場しないだろうか。
クースラたちが北に行くんだったら無理かなぁ。

マグダラで眠れ (5) (電撃文庫)
支倉 凍砂
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2014-02-08

視ル視ルうちに好きになる

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「後悔、しているんだ。……罰を、受けた気がするんだ」
絞り出すような声だ。肉体を失ったことを悔やんでいるのではない。
「なんで……どうして俺は諦めたんだ」

神崎早苗は、未来が見える少女。
常時発動しているわけじゃなくて、時たま発動して未来が見えてくるって能力のようですが。
そんな彼女と一緒にいるのは、三島洋平。
早苗と同じように、異能を持つ少年。彼には生命が見えていた。
異質な二人が出合って、学校で生徒の相談に応じたりちょっともめごとに巻き込まれたりする話。

7章構成で、一つ一つで違う人の相談に乗っていく感じ。
早苗の力もそうですけど、洋平の力が強すぎてなぁ、何とも言えないテイストです。
最初のうちは、問題を起こした幽霊を始末したり、心残りある幽霊を祓ったりとかしているんですが・・・
途中から物理になってくるからなぁ、問題。
5章の、首狩り姫とかはなんか微妙なライン。

でもいっそ異能を主軸において考えるんだったら、3章の「芽吹きの季節」と6章の「決まりはないはずだから」みたいな日常のエピソードの方が異質なのか。
どっちにメインにおきたいのかがよくわからない感じで。
気になって楽しみ切れなかった。

視ル視ルうちに好きになる (電撃文庫)
扇風気周
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2014-06-10

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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