気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

電撃文庫

GENESISシリーズ 境界線上のホライゾンⅠ〈上〉

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『危機って、面白いよね?』
元信は、言う。
『先生、よく言うよね? 考えることは面白いって。じゃあ、やっぱり、どう考えったって――危機って、面白いよね?』
だって、
『考えないと、死んじゃったり、滅びちゃったりするんだもんなぁ。すっごくすっごく考えないと解決できないと思うんだけど、それってつまり、――最大級の面白さだよね?』


相変わらずの川上節が光ります。
ネタが多くていったいどこからツッコめばいいのか悩みますが。
設定盛りだくさん、キャラクター大勢。おまけにキャラクターはほぼアクが強い。
エロネタとか、外道ネタとか多い。そんな作品なので、どうしたって合わない人は合わないんじゃないかなぁ。

前にアニメ化されていましたが、この厚さの原作をよく落とし込んでいた感じがしますので、この文章読むのはなぁ、って人はアニメから入ってみるといいんじゃないですかね。
コミックも、それなりに分かりやすいので、それでなお気になったら原作読めばいいんじゃないだろうか。
まぁアニメだと正純の父親とか普通に格好いいけど、割愛されたシーン見ると、うん、武蔵の住人だよなぁ、とある種納得してしまうんですけども。

過去栄華を極め、地球を離れた人類。
しかし、その力を以て争い、再び地上へと戻った。
争いによって多くの者が失われたが、記録は残った。だから、過去の栄華を取り戻すために、過去と同じ行動を行ったらどうだろうか、と人々は考えた。
歴史が記された『聖譜』。それに乗っ取った行動を『歴史再現』と呼び、人々は少しずつ進展してきた。
だが、今聖譜に記されていない滅び、末世が近付き各国は思惑を以て動いている。

主人公たちが住まう武蔵はそうした思惑の渦中にあって色々と制限を受けている都市なわけですが。
そんな中でもキャラの濃さ変わらないというか、抑圧されて煮詰まってんじゃないのかと一瞬思います。
外見ると案外そういうキャラ多いから、この世界の標準装備なわけですが。外道属性。
どうしてコイツラは身内で陥れ合うのが好きかなぁ。
点蔵なんかはからかわれるのが仕事の一部みたいな勢いですけど。
キャラの濃さはモブにも反映されているので、案外モブがガヤでツッコミ入れていたりしてその辺りも笑えたりはします。

アニメでは描かれていなかった場面で気に入っているのは、ミリアムの点数評価と御洒落の話ですかね。
東とミリアムも何だかんだでいいコンビですよねー。
今のところ、ミリアムがどんな価値を持っているのかっていうのが気になるところですが。
あのクラスに配置されて全くなんも関与しないっていうのはないと思うので、その内あるだろう東の回を待ちますか。
元信公の演説も一部抜粋されたものですし、アニメでは描かれなかったあれこれがあります。
まぁ、一から十まで描いていると、本当癖強くなりすぎるし、ヤバいネタもあるしであれぐらいがちょうどいいさじ加減なんでしょうが。

今回の一番気に入っているシーンはやっぱり、元信がはっちゃけているあたりですかね。東国無双と西国無双のやり取りとかもいい感じですし。1巻からいきなり状況を動かしてきたなぁ、という終わり方しますが。トーリが伸ばした手は届かなかった。失われようとしているものを、彼はどうにか得られるのか、というところで次回。
 

失恋探偵ももせ

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「恋は終わり際が肝心なのですよ」
(略) 
「恋にはいつか終わりが来ます。その時何か未練を残してしまうと、うまく次の恋に踏み出せなかったり、ともすれば恋愛自体を嫌いになってしまったりもするわけです。そんなの、悲しいではないですか。あるまじきことではないですか。ですから私は、できる限り絡まった糸をほどいて恋を終えることができるよう、皆さんのお手伝いをしたいのです」


「恋はいつか終わる」と言い放つ千代田百瀬。
彼女はミステリ研究会に所属し、先輩の野々村九十九も巻き込んで「恋に破れた人のために失恋の真実を解き明かす」探偵業を行っていた。
ミステリ研究会で探偵の真似事をするからにはミステリ好きなのかと思いきや、百瀬は少女漫画ばかりを読む少女で。
九十九の方はちゃんとミステリも読む、ミステリ好きな人間ですけど。まぁ、探偵としての才能はなく、百瀬の助手のような立ち位置になってます。

タイトルからして「失恋」が主題ですが、状況がこんがらがって、嫌われたと思っただけの話だったりします。
重い展開になってしまう話も混ざっていますが、青春を謳歌する学生にとっては、悩みを相談できる場所があるというのは良いことなんじゃないですかね。
失恋を主題に受け付けている百瀬ですが、恋愛方面の知識はすべて少女漫画から。
インプットだけでよく解決できるものだと思いますが、百瀬自身の観察眼も優れているからこその合わせ技といったところですか。

探偵って言葉からミステリを期待して読むと肩すかし食らうかもしれませんが。
まぁ、聞き込みとか張り込みとか、割と本気で調査をしていたのはいい感じでした。
便利な情報屋じみた友人とか、権力持った生徒会長とか出てこないから、その辺はしっかりしていた。
いや、上に書いたような要素持つキャラが嫌いってわけじゃないですけどね。
青春モノとしては悪くないと思います。少なくとも、個人的には嫌いじゃないです。

失恋探偵ももせ (電撃文庫)
岬鷺宮
アスキー・メディアワークス
2013-04-10
 

はたらく魔王さま! 11

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「だってじゃありません! なんですかそれ! 最初からちゃんとそういってあげればいいのに、どうしてそういう回りくどいことするんですか!」
「いや、でも俺にもあいつにも立場ってもんが……」
「立場でご飯食べられますか! 仕事が回りますか!?」
「うう、それを言われると……でもさぁ、相手が恵美だしぃ……」
「そういうときにきちんと真面目に優しく接しないから、聞いてもらえる話も聞いてもらえなくなっちゃうんですよ!」


無事にエンテ・イスラから帰還した魔王一行。
勇者も帰還したものの、さすがに仕事を失い、その上魔王から探索費用を請求されて借金まみれに。
そうした後処理の話と、少しずつ明らかになっていく世界の話。
今回は大きい動きはあまりなくて、伏線回というか説明回だった気がします。

久しぶりに魔王が働いてます。
ま、悩みはつきないようですけどね。
ちーちゃんをどう扱うのか。心から信頼できる相手だとは思っている。
しかし現時点でも危険なことに巻き込んでいるのに、これ以上近くにおけるのだろうか。
受け入れたとして、世界の差や種族の差といったものがどうしたって存在する。
どうしたものか、といろいろと悩んでいますが。
そこまで悩めるぐらい大切なら、と思うんですけどね。
そのうち爆発すればいいのに。本当にこれに関してはカワっちのいうことが正しい気がする。

勇者の父親の惚気話がしれっと混ざったりしてます。
天弥や、大家さんから語られるこちらの世界の話。
キーパーソンとなるのは、いろいろと暗躍していたらしいライラ。
そしてたびたび名前が出ている「古の大魔王サタン」といったところでしょうか。
次回以降は核心に迫る話になっていくんでしょうし、楽しみに待ちます。


魔法科高校の劣等生12 ダブルセブン編

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「うん。きっとアンタだって頑張ってきたんでしょう。私だって努力してるわ。でも、あの人たちの方が強いってことは、あの人たちの方が頑張ったってことじゃないの?」
「…………」
「才能は否定しないよ? 私だって自分の力は大部分、才能のお蔭だって思ってるからね」
「…………」
「でも、アンタがショックを受けたような『強さ』は……きっと才能とは別のところから生まれるんじゃないの?」

2学年の部スタート。
今回は、新入生たちが入ってくる話ですねー。
表紙の二人は七草の双子、前生徒会長、真由美の妹ですね。
チョコレート作っているときとか、たまに出てきてましたけど、ついに本編にしっかり登場。

新入生が入ってくるだけではなく、状況もいろいろ変わっています。
達也が実績を上げすぎて、補欠扱いしてると損だと思われたので、新しく『魔法工学科』が二年次から設置されることとなった。
一科生から、工学科に移った生徒もいたため、穴埋めとして二科生のなかから一科生になった者もいる。レギュラーの中では幹比古がそうですねー。

一方で、学年総代は七宝という師補十八家の一つの長男が獲得。
七草の双子と僅差だったらしいですけども。
しかしこの学年総代、十師族だとか、いろいろなものに噛みつく性分なようで。
色々と現状に満足していないから、手を打っている野心的な人物ですが、どうにも甘い。
水波には「身の程を弁えぬ愚か者」、「狂犬」とか称されてますけど、まさしくそんな感じで、手当たり次第に噛みついて行っている。
その上で、試合に負けたり、先輩方に敵わなくて悔しがったりと、すごく咬ませ犬感がして……

まぁ、七草の双子も十師族の一員としては、いろいろと甘い部分があるよなぁ。
うっかり魔法発動して姉から説教受けたりしてますし。
こうしてみると横浜騒乱の時に、戦いに臨んだ一条はそこそこ傑物ではあったのか。実戦経験があったとはいえ、家の名に恥じない行動をとろうとしていたわけですし。
姉がいたりするから、気が緩んでるのかなぁ、とか思う部分もあったり。

双子と七宝以外にもちらほらと新キャラが出てきて、ここからさらにキャラが増えていくのかぁ、と少し思いましたけど。
そうした新キャラたちの様子に焦点が移っていて、あまり大きくは進まなかった感じがしますね。
達也がちょっと派手なデモンストレーションをしたりと、彼の目的としては少しずつ進展している様子はありますけど。

魔法科高校の劣等生 (12) ダブルセブン編 (電撃文庫)
佐島勤
アスキー・メディアワークス
2013-10-10

魔法科高校の劣等生11 来訪者編〈下〉

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「俺もリーナも『今の立場』に置かれるにあたり、事実上、選択肢がなかった。一高生になったのは俺がもぎとった『選択』と言えないこともないが、リーナには多分、そんな些細な選択肢すら無かったと思う」
(略)
「俺はいずれ、与えられていない選択肢を作り出し選び取る。割り当てられた『役』を捨てて、与えられた舞台から飛び出す。もしリーナが同じことを望むなら、同類の誼で力になってやろうと思ったんだが……」

三巻にわたった来訪者編も無事に完結。
リーナを含むUSNAの問題とピクシーの問題。
関わりのある二つの事柄が同時に進行していたわけですが。
スターズ総隊長という仕事は確かにリーナに向いていないよなぁ、という感じがしてならないですね。

「スターズ総隊長」っていう仮面をつけて行動する分には、いいんでしょうけど。達也たちが自分なりの目的とかを持っているのを見ると、ちょっとリーナは盲目過ぎる感じがあるかなぁ。
最後、ピクシーと戦うときも、役目を果たすだけと言って、引っ掻き回してますし。
まーそれは、エリカも自分の哲学にのっとって戦いに臨んでいたから同じようなものか。
しかし達也の友人たちは、こうしてみると恐ろしい戦力を持っていますよね……

ここにきてエリカが達也たちの事情に踏み込んできましたね。
まーアレは踏み込んだというか、地雷踏んで巻き込まれた、みたいな感じですが。
しかし、キャラが多くなってきて、思惑もあちこちで絡んできて、これからの展開が読めません。

達也たちは本当に「実は秘密隠す気ねーだろ」みたいな結果を招きまくってるといいますか。
トラブルの神に愛されているんだろうなぁ、という感じ。
描写があちこちくどいのには、ここまで読んで来たらいい加減慣れてきましたねぇ。

魔法科高校の劣等生 (11) 来訪者編(下) (電撃文庫)
佐島勤
アスキー・メディアワークス
2013-08-10

魔法科高校の劣等生10 来訪者編〈中〉

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「お兄様……お優しくなられましたね」
(略)
「お兄様はご友人である西城君を傷つけられたのが許せないのです。仮初とはいえ友人となったリーナに手荒な真似をしたくいないとお考えなのです。お兄様、深雪は嬉しいです。お兄様がわたし以外の者にも、情けをかけてくださることが。お兄様はご自分でお考えになっているよりずっと、人間らしい感情をお持ちなのです」


吸血鬼事件について少しずつ調査を進めている一同。
真由美と十文字の十師族とエリカと幹比古たちは、目的は同じでも、ばらばらに行動していたわけで。
達也が、お膳立てして、歩み寄ることになったようですけど。
かなり厄介な状況に置き去りにされた幹比古には少し同情します。
初期の鬱屈したところがなくなってきたと思ったら、代わりに苦労人属性着きましたよね、彼。

吸血鬼の正体、パラサイト。
USNAにいた雫からもたらされた情報もあって、達也は結構分析を進めていっているようですが。
普段とは勝手が違う相手に、どうも状況が一進一退という感じですねー。
情報を得ても、決定打に欠けるような状態。
実際、一度パラサイトと戦いますが、かろうじてマイナスにならなかっただけと、辛い採点してましたし。

あとは事件が発生しながらも、時間っていうのは流れるわけで。
今回はバレンタインデーなんかも描かれていますね。
真由美作の服部を撃沈した物体も愉快だと思いましたが。 

ほのかもめげずに行動を起こしていましたね。
その結果がアレになるとは、羞恥プレイにもほどがありますけど。
ピクシー周りのイベントが、ほほえましくていいんじゃないでしょうか。

そして、スターズ総隊長として、リーナがついに達也と相対する。
以前のように戦闘後で消耗していたものとは違い、達也を対象とした作戦。
準備に余念がなく、専用武装まで持ってきて、本気での戦いになりそうです。
よりにもよってここで切るか、みたいな感じがしますけどね。

魔法科高校の劣等生 (10) 来訪者編(中) (電撃文庫)
佐島勤
アスキー・メディアワークス
2013-06-07

魔法科高校の劣等生9 来訪者編〈上〉

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「フェアという言葉は自分が有利な立場にある時に有利な条件を維持するために使われる建前。アンフェアという言葉は自分が不利な状況にある時に相手から譲歩を引き出す方便だ。腕力で勝てそうにないなら口先で争いを回避するというのは、戦術的に間違っていない。本気にしたら負けだよ、深雪」
「なるほど、そういうものなのですね」


雫が、留学をすることになった。
ハイレベルな魔法師は、その遺伝情報を守るために、海外渡航には制限がかかっている。
それでも許可されたのは、交換留学だったから。
雫の代わりに、金髪碧眼のリーナが訪れることが始まり。
上中下巻になるそうで、結構イベント起きてるけど、まだ序章、っていう感じですね。
WEB時代、三冊分冊になるほどの量あったっけか、とちょっと思いつつ。

まぁ、交換留学なんて手間がかかることをしてやってきた少女が只者であろうはずもなく。
案外早くからみぬかれていますけど・・・というかあらすじでばれていますが、「十三使徒」の一人。
スターズの隊長。魔法師を殺すための、USNA最強の魔法師。
彼女は、「灼熱のハロウィン」における被害を出した魔法師を探すために、高校にやってきた。
戦闘部隊の長なので、裏で動いている部隊もちゃんといるんですけどね。

一方で、街では吸血鬼事件が頻発していた。
魔法師が狙われているようだ、という状況の中で、レオまでが被害に遭う。
門人として修行を見たエリカが怒り行動を起こしたり。
スターズ総隊長としてリーナも動いていたり。
十師族としても行動をとっていたりするわけで。
混沌というほどひどくはないですが、かなり混線はしているんじゃないかなぁ、という感じですね。

魔法科高校の劣等生(9) 来訪者編<上> (電撃文庫)
佐島勤
アスキー・メディアワークス
2013-03-09

魔法科高校の劣等生8 追憶編

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「正直は必ずしも美徳とは限らないのよ」
「相手の為を思う諫言は、得てして耳に痛いものです」


追憶編とあるように、過去のエピソードですね。
中学生にしてはだいぶ幼く見えたけど…仕様?
達也が昔はもっと不器用だったのか、と思いながら楽しみました。
前回の騒動をきっかけとして、四葉真夜に呼び出された達也と深雪。
昔を懐かしんで思い出す、という演出で、現在のシーンと過去のシーンが交互に進行していきます。
シスコンとブラコンな二人ですが、昔はもっと距離に悩んでいる時期があったんですねー。
まぁ、悩んでいるのは一方的に深雪ですけど。
うまく表現できていないだけで、当時からブラコン気質なのは変わっていないんですが。

達也たちの母親や、四葉の当主が登場したりするわけですが・・・
いい感じに壊れていますねこの人たち、という感じがして、もうおっかない。
そもそも達也や深雪に慕ってかなりの戦力なわけですから、この一族本当に怖い。
達也の異能は、真夜の魔法に対して相性がいい。
そのため、現当主を打倒することは可能だろう、と真夜自身が認めていますね。
達也は四葉を裏切れても、深雪を裏切れない。一方で深雪は、課せられた責務から逃げられない。
と、そうやって分析して、深雪を次期党首にするために策を巡らせているようですが、さて。
水波が出てきたところであった「――決裂も衝突もあり得ないのだと、今の彼には知る由も無かった」という一文が不穏だなぁ。

本編が終わった後に「アンタッチャブル―西暦二〇六二年の悪夢―」が収録されています。
過去の四葉のエピソードは、確かに触れたくなくなるなぁ、といった感じで納得。
前当主がかなりまっとうな人だったように感じます。
ここから壊れ始めてしまったのだ、というべきイベントか。
しかし30人の犠牲を持って、四千の敵、多くの情報を破壊しつくしたっていうのは、恐ろしい以外の何物でもない。

魔法科高校の劣等生(8) 追憶編 (電撃文庫)
佐島勤
アスキー・メディアワークス
2012-12-08

魔法科高校の劣等生7 横浜騒乱編〈下〉

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「存分に」
「征ってくる」


前の巻が準備で、今回が本番。
ここまで突っ走るとツッコミ入れる気も起きないくらいの無双で、気持ちいいですね。

論文コンペでは、鈴音がメインで、達也の研究テーマでもある加重系統三大難問の一つについてプレゼンします。
のちに明らかになることですが、達也のコンセプトとは違うものではあったようですが、得るものはあったんじゃなかろうか。
そして雪辱を誓って準備をしてきただろう、吉祥寺がこの騒動に追われて、いいところがほとんどなく本筋から離れていくことになったのが残念すぎでもう。
十師族の一員として動く一条の不安を解消するために、彼があそこに残ることは必要でしたけども。

横浜の街を襲った混乱の中で、それぞれが動き出します。
達也は、特務士官として作戦に参加することに。
一方で、七草、十文字、一条の息女・子息たちはそれぞれ、己が責務を果たすために行動を起こす。
自分の立場を逃げる言い訳とせず、真剣に向き合っているから、好感が持てます。

今回の事件を経て、達也の秘密がいくらかいつものメンバーに明らかになってしまいましたね。
独立魔装大隊のメンバーであること。彼が持つ異能の一つ「再成」について。
「分解」についてはまだはっきりとばれてはいませんけど、真由美がそのシーンを見たり、雫たちもそれっぽい場面を目撃したりはしているようで、時間の問題な気がしますね。

無双しているところは楽しみましたけど、不満がないわけでもない。
混戦に突入して、描写も混乱してたかなぁ、というか。
描写は、相変わらず()での補足が多いなぁ、と。
文章のテンポはあまりよくないように思える。
あと、今回合間合間に地図が出てきてたんですが、それが見にくい。
何が何やらよくわからない感じでしたねー。
まぁ、それぞれ、戦闘シーンが合って面白いは面白いので、楽しんだんですがね。

魔法科高校の劣等生(7) 横浜騒乱編<下> (電撃文庫)
佐島勤
アスキー・メディアワークス
2012-09-07



魔法科高校の劣等生6 横浜騒乱編〈上〉

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「じゃあ何も起きないって言うの!? 君たちが動き回って!」
ところが花音から買ってきた返事はなぜか詰問だった。それも結構キレた感じの。
「自覚がないようだからこの際ハッキリ言っとくけど! 司波君、君はトラブルに愛されてるの! 君自身にその気が無くても落ち度が無くても、トラブルの方から寄ってくるんだから、この忙しい時に仕事を増やさないで!」


面白いですね、相変わらず。
表紙の雫が好きですが、あまり出てこず残念。
達也・深雪の兄妹ももちろん好きですけどね。
あそこまでいろいろ突き抜けていると楽しくなってきますので。

九校戦と対をなすイベント、論文コンペ。
まぁ、名前からして文科系のイベントですよね。
日頃の研究成果を披露する場所でもあり、九校戦で成績が振るわなかった学校が雪辱戦とみる舞台でもある。
論文やら魔法技術の発表やらでいろいろやるイベントなので、まぁ、九校戦に比べると花が欠けますよね。
代表で選ばれるのは三人だけって話ですし。
ま、作中でも触れられてましたが、論文書くのに下手に人数ばっかり集めても方針まとまらずに、船が山に登りますからこれは当然のことか。

ただまぁ、九校戦の裏で陰謀が動いていたように、ただで済むはずもなく。
あちこちで不穏な火種が見受けられます。
九校戦の出来事で達也を逆恨みした生徒が、コンペ用の機材からデータ盗もうとしたり。
達也の近くで別件でスパイがウロチョロしてたり。
大陸の魔法師が暗躍していたり、と。
論文の発表をするだけのはずなのに、ずいぶん物騒なイベント多発してますよ。

一校の生徒は、結構際立ったキャラが多いよなぁ、と思います。
エリカも武門の人間として、魔法師として、覚悟を決めているようですし。
今回、レオをその覚悟に引き込んで、流派の秘剣の特訓に興じたりしていますけど。
そんな簡単に秘剣を伝授していいのかってツッコミはさておき。

下巻でついに無双ここに極まれり、って感じのアレが出てくるわけですから今から楽しみですねー。

魔法科高校の劣等生〈6〉横浜騒乱編(上) (電撃文庫)
佐島 勤
アスキーメディアワークス
2012-07-10

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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