気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

電撃文庫

魔法科高校の劣等生5 夏休み編+1

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「ええ去年の秋に生徒会長になって、最初の半年もそれなりに充溢していたけど、この半年は私にとって本当に充実した時間だったから」
そして達也へ眼差しを移す。
「そして、それはきっと、二人のおかげだから」
「……過大評価だと思いますが」


まぁ、タイトル通り短編集ですよ、っと。
主人公含むいつものメンバーが海に行ったり、いつもと違うキャラたちが活躍したりするお話。
俺は結構脇役の掘り下げも楽しみましたが。
いつもと違った見え方しますし。

雫に招待され、達也たちが海に行く話「夏の休日」。
色々と鬱屈した心境になっていた森崎の過ごした一日とある出会いを描く「優等生の課外授業」。
九校戦で少し出てた明智が友人と遊園地に言ったら面倒事がやってくる「アメリア・イン・ワンダーランド」。
一条たち三校の主力・参謀二人の交流を描く「友情と信頼とロリコン疑惑」。
達也と深雪が買い物に出かけて、はたから見たらデートみたいな一日を過ごす話「メモリーズ・オブ・サマー」。
そして、本編にもかかわる、生徒会長選挙のエピソードを描く「会長選挙と女王さま」。

夏の休日では、深雪のブラコンが重度であると改めて明らかになったりします。
ほのかが一歩踏み込んで、それに達也が、自分の情動に関する情報を打ち明けて、と。
いつもの面々ではありますけど、少しずつ距離が変化してきてますよね。
しかし達也は、うっかり傷だらけの体を表に出すとか、気を抜きすぎなんじゃないか。

森崎とエイミィを主人公としている話は、サブのキャラクターもいろいろと背景考えてあるんだなぁ、といいますか。
森崎のであった少女っていうのは、なんか影響を与えてくるんですかねぇ。
一方のエイミィも、なんか家の事情からは逃れられないみたいですし。
魔法師っていうのは本当に学生の内からでも大変そうですね。
達也たちは、ちょっと事情山盛りすぎるように思いますが。十師族なんてあんなもんか。

三校の二人のエピソードは、二人の信頼関係が分かってよかったんじゃないですかね。
九校戦後、どうしたって達也を意識している二人。
来年に向けて特訓をしたり、シミュレーションゲームで状況判断力を鍛えようとしたりと努力している。
随分まっとうに、健全に、学生をやっているなぁ、という感じ。
いや、一条の方は義勇兵で参加して、戦闘の経験やらいろいろ積んでいるから、健全といっても暗部を知らないわけじゃないんですがね。

「メモリーズ・オブ・サマー」は・・・すばらしい「日常」ですね、といいますか。
服を買いに行ったら、店員に値段勉強するから、服着て帰って宣伝してくれないかと頼まれたり。
行った先の店で、こじらせた感じの芸能人に絡まれたり。
そのうえ最後には銀行強盗に遭遇したりしてますけど・・・
まぁ、この二人からすれば、どれもとるに足らない出来事ではあるんですよね、確かに。

「会長選挙と女王さま」も笑えましたかね。
真由美が引退し、次期生徒会長を決める時期が近付いてきた。
服部とあずさが有力候補だが、服部は部活連に行くため、あずさは自分の性格ゆえに、乗り気ではない。
そうした噂が広まって、いろいろと厄介な状況になりましたが、結局は落ち着くところに落ち着いたかな、という感じですね。

魔法科高校の劣等生〈5〉夏休み編+1 (電撃文庫)
佐島 勤
アスキーメディアワークス
2012-04-10

魔法科高校の劣等生4 九校戦編〈下〉

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「逃げるな、司波。例え補欠であろうとも、選ばれた以上、その務めを果たせ」
このセリフは、九校戦のみを念頭に置いたものではなかった。もともと九校戦には、補欠という制度はないのだから。
――二科生であることを逃げ道にするな。
――言い訳にするな。
――弱者の地位に、甘えるな。

全国に9つある魔法科高校の技能を競う大会、九校戦。
新人戦の開幕ですね。
深雪が、ほのかが、雫が活躍していきます。
達也が調整したCADと、選手に合わせた作戦。
本人的には、選手の適性に合わせて最適の作戦を考えているだけ、とのことですが。
定石から外れた作戦でも平気で敢行し、まだ正体隠しておきたいはずなのに、問答無用で最新技術を取り入れたりと、やってることあべこべだよなぁ。
それらがうまく作用して、順当に勝ち進んでいきます。
勝ち進むというか、最終的に、実質無敗という恐ろしい戦績を樹立してますけどね。。

雫が達也にやとわれないか、と声をかけていたり。
ほのかが、熱烈なアピールをしたり。
他の女子選手からも一定の評価を得たりと、真由美には「地道にファンを増やしている」と言われてましたが。
そんな感じで。

ちょっとした、で済ませるにはたちの悪いハプニングが発生し、競技参加している1チームが丸ごと治療を受けて、最低三日は絶対安静の状態に。
その段になって、事故の状況を鑑み、特例として新しく選手を出せることになりましたが・・・
技術スタッフとして参加したはずの達也が、なぜか、競技に参加する羽目に。
主人公が冷めてるのに熱い展開ってどういうことなの。
モノリス・コード。
今回登場した他校の、十師族の次期党首。
実力者に目をつけられて、相対することに。
機密を守りながら、それでも勝ちをつかみ取るのはさすがというかなんというか。

シリーズ通してカッコつきの補足が多いのがなぁ。
別にそこにカッコはなくてもいいんじゃないかと思わないでもない箇所がちらほら。
文章のノリが気に入ってるので、いいですけど。
そして十文字会頭がオチを持って行った……あれで天然とかありなのか。

魔法科高校の劣等生〈4〉九校戦編(下) (電撃文庫)
佐島 勤
アスキー・メディアワークス
2011-12-10

魔法科高校の劣等生3 九校戦編〈上〉

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「まっ、現時点では俺より奴の方が強い。それは認めるさ。だが、アイツがいくら、詐欺みたいに強いからって、負けっ放しにしとくつもりは無しだ。腕を磨いて磨いて磨き抜いて、次に立ち会うときは勝ってやる。今、劣ってるからって、諦めちまったら、負けたままだからな。
 今までの二科の連中は、過去に劣ってたからって、今をあきらめていた。だから強くなれなかったし、そんな奴等なら対等と認めてやる必要もなかった。だが、強くなろうろして、実際に強くなったやるなら逆に、バカにする理由はないだろうさ」


この本読むと、「劣等生」の定義があやふやになりそうですね…。
そこがこの本の売りで、笑えるところなんですけど。
主人公が、色々と器用なんだよなぁ。シスコンぶりが過熱してた気がします。
同時にブラコンも重度だなぁ、と実感できるようになってくるわけなんですが。

というわけで、劣等生の中でも1、2を争うぐらい気に入っているエピソード、九校戦編です。
これぐらいのさじ加減の方が楽しめると思うんですがねぇ。
最新刊あたりになってくると大人たちの陰謀が増えてきて、さらに複雑になってくるので。

全国に九つある、魔法科高校。
教員の不足によって、九つしか運営できていないのが現状。
優秀な魔法師を育成するために、学校同士で競争させる。
そのための舞台として用意された、全国魔法科高校親善魔法競技大会、通称・九校戦。
ま、要するに魔法を使った大会で、学校同士が競う、とそういうわけですね。

競技における向き不向きや、魔法の選択などすべて生徒たちが工夫して、大会に臨む。
大会で規定があるのは、CADのハードの性能のみで、ソフト面は自由自在。
威力が高すぎる魔法とか、危険なものについてもレギュレーションが設定されていますけども。
なので、選手だけではなく、ソフトを調整するエンジニアも重要になってくる。
選手としては傑出した人材がいるが、エンジニアが不足していて、会長である真由美は悩みます。
あずさや深雪の言動、真由美と摩利に捕まったことにより、達也がエンジニアとして参加することに。

一方で、九校戦の裏側で暗躍している人もいたりするようで。
達也たちの通う一校では、三連覇がかかる大事な年。
今回は、三年生たちが活躍する、本戦の様子が描かれています。
ハプニングがあったりと、ちょっときな臭くはありますが。
手を出したタイミングが悪かったな、というか。
どうせ達也に潰されるのに・・・と、はたから見ているとひやひやします。
まぁ、後ろ暗い人たちなので、最終的に痛い目見ようが自動自得ですが。

魔法科高校の劣等生〈3〉九校戦編(上) (電撃文庫)
佐島 勤
アスキーメディアワークス
2011-11-10
 

魔法科高校の劣等生2 入学編〈下〉

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「それはそれ、背に腹は代えられない、ってことも確かにあるけどさ……教わるには、教わる相手にふさわしいレベルがないと、お互いに不幸だって思うのよ。まっ、一番の不幸は、教える側が教えられる側のレベルについていけないことなんだけどね」


優劣というのは、その判断する基準によって判断が分かれる。
学校の成績が悪いからと言って弱いとは限らない。
そんな一風変わったキャラが多い作品。
そう言ったギャップみたいな要素は好きです。

まず最初に前回の剣道部・剣術部の騒動の報告をしている場面から。
部活動連合の会頭、十文字という新キャラが登場。
またしても数字付、十氏族の一角をなす家の次期党首。
この学年、本当に優秀な人材が集まっているんだなぁ、という感じですが。

達也と深雪が、置かれている状況的に、あまり有名になりたくないはずだろうに。
キャストジャミングの応用技術の話とか、求められたら答えているあたりが何とも言えない部分はありますけどね。
風紀委員としても仕事をしっかりしているようですし。
「魔法を使わず、並み居る魔法競技者を連破した謎の一年生」という名目であっさり有名になってますし。
それでいいのか。

そして、二人の新入生を取り巻く環境は、少しずつ熱を帯びていく。
一科と二科の間にある感情の溝。それを利用して、暗躍していた組織『ブランシュ』。
学生の身分でありながら、叩き潰しに行ってしまうあたりなんだかなぁ、と思いますけど。
それを許容して、ついていく先輩がいるくらいだから問題ないのか。

1巻でも読みましたけど、癖がある文章ではあるかなぁ、と思います。
ただ、その分、文章の勢いに乗れれば楽しめる作品。
個人的には、十分楽しみましたよ。面白かった。

魔法科高校の劣等生〈2〉入学編(下) (電撃文庫)
佐島 勤
アスキー・メディアワークス
2011-08-10
 

魔法科高校の劣等生1 入学編〈上〉

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「……正直なところ、面倒だ、と思っています」
「フン……それで?」
「面倒ですが、今更引き下がれないとも思っていますよ」


魔法が現実のものとして広まった世界。
魔法科学校に、主人公達兄妹が入学した日から、物語は始まって、平穏な日常が揺さぶられていく。
設定も良いし、読んでいて結構面白い。
ネットで人気あったっていうのも納得かなぁ。
説明くどい部分もあるけど、オレツエー系の説明はざっくり読んで楽しむ派なので問題なし。
ただ、 この手の本を読みなれていない人からすると、読みにくい文章になるかなーと思います。

1巻から名前つきのキャラクターが多いんですよね。
主人公の兄妹、兄のクラスメイト3人と、妹のクラスメイトも3人。
生徒会メンバーが4人に、風紀委員長。風紀委員として2人の先輩もいますし。
カウンセラーの先生とか、兄の師匠とか、最後に騒ぎを起こした剣道部・剣術部のキャラとか。
そのうえで、説明も多い。
魔法という存在、魔法科高校の仕組み。
数字付きの一族に、CADの種類などなど。
慣れていない人からすると、とっつきにくいかもなぁ、と思います。

いっそ設定ここまで持っていると笑えてくるので好きですけどね。
七草会長とか、渡辺風紀委員長とか、先輩キャラたちが結構好きですね。
深雪はもうちょっとブラコンを抑えないと生きにくいと思うけれども、ブラコンじゃなかったら深雪じゃない気もしてくるからなぁ。

入学と、一科生とのいざこざ。
妹の生徒会編入と、兄の風紀委員就任。
それに伴う、副会長・服部との試合。
そして部活の新入生勧誘期間と達也の活躍。
描かれているのはこのあたりのエピソードですねー。
個人的には、服部との試合が気に入っています。
劣等生と評されながらも、優秀な相手を破る。
この手の設定だったら、やっぱりこういうシーンは必要ですよね。
そのあとの生徒会メンバーのそれぞれの反応とかも個性が見れていいなぁ、と思いますが。

魔法科高校の劣等生〈1〉入学編(上) (電撃文庫)
佐島 勤
アスキーメディアワークス
2011-07-08

 

魔法科高校の劣等生13 スティープルチェース編

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「私は手を貸して差し上げただけですよ。私がいなくても、いずれ起こったことばかりです」
「迷惑なのだよ。いずれを、今にされるのは」


達也たちが二年になり、また九校戦の季節がやってきた。
ただし、開始一か月前になって、突然競技の入れ替えが発表された。
それは昨今の情勢や、あちこちの思惑を受け、多分に軍事・戦闘色が強くなったものだった。 
変化はそれだけではなく、達也のもとに、そうした競技変更の裏側で陰謀が渦巻いていることが知らされる。
達也は、九校戦の準備だけではなく、その陰謀への対処まで始めることとなり。

と、そんな感じなんですが。
個人的には、少し不満がありますかね。
3・4巻で描かれていた九校戦が結構好きだったもので、なおさら。
今回は、九校戦を舞台としながらも、その裏側で蠢いている陰謀に対処するのがメインとなっているので。
競技変更で大変だ、といった割には競技風景ほぼダイジェストですからね。
盛り込み切れなかったサブエピソードはどうにかして短編として公開していく予定らしいですが、現状では未定なので公式からの続報待ち。
九校戦で、陰謀渦巻きすぎじゃないだろうか。前回といい、今回といい。 

ダイジェスト風っていうこともあって、九校戦が楽しめなかったのは残念ですねー。
一校とか三校とかならわかりますけど、最初七校がトップ立ってますし。
一応「海の七校」で前回も注意される相手ではあったと思いますけど、キャラクターがいないところにあっさり負けていると、なんか微妙な心境に。
今回は、一条も達也にいいようにつかわれていたというか、あまりいいところもなかった感じですし。
その一方で、黒羽の姉弟が活躍していたり、達也たちとの絡みが増えてきたりと、四葉家の問題に向けて話が流れていくっていう伏線なんですかねぇ。

なんだかんだで、真由美が卒業後も毎回登場していますよね。
今回は、姉妹で出かけているところでばったり会うという感じでしたが。
七草姉妹が、真由美を連れてくるダシに使われている感じがまた。

そして、四校の方には、黒羽の姉弟が進学していたようで、九校戦の際に接触してきます。
幹比古によれば「今年の春ごろから」、「四葉の分家の有力筋に黒羽という家があるという噂」が流れているそうで。
陰謀渦巻く中に手を加えて方向を操作していた一人、四葉家当主の真夜が何か怪しいこと口走ってましたしね。
あと半年、来年の正月まではおとなしくしていてほしいとかなんとか。
いったい何をたくらんでいるのかが気になるところです。

横浜争乱の時に動いていた周が今回も裏でいろいろやっていましたが。
それを追い詰めた黒羽貢さんが、仕事人な雰囲気出してて、嫌いじゃないですよ。
あの人本当に、追憶編のパーティーで、達也を黙殺したり、自分の子供と交流することを好ましく思っていないのを悟られるような人なのだろうか。
追憶が深雪視点で、今回は黒羽としての仕事中っていう違いがあるのかもしれませんが。
厄介なものだと、能力という意味では認めているように思いましたけどね。
だからこそ、遠ざけたいのだろうか。暗部の人にしては、やり方稚拙な気もしますが。

「こんな所でアレを使うべきではない。本来アレは、外に出すべきではないモノだ。アレは四葉の罪の結晶。アレを四葉の内に閉じ込めることだけが、我々にできる贖罪だというのに」


アレ呼ばわりしているのは、微妙なところですが、四葉の罪であると認めている部分は、結構重要なんじゃないかなぁ、と。
達也の父や、突っかかってきてた四葉の人とは違って、少なくとも現状認識はしっかりできてるわけですし。

さて。次回は「古都内乱編」だそうで、舞台は京都でしょうかね。
確か論文コンペの会場は持ち回りだったと思うので。
また事件が起こるのか。九校戦でも起きたから、もはやお約束の域ですね。
達也の「戦略級」としての価値、軍人としての立ち位置。四葉のガーディアンであるということ。
まーどれ一つとっても、陰謀からは逃れられない定めですよね。
それに巻き込まれる学生たちも大変だ。

魔法科高校の劣等生 (13) スティープルチェース編 (電撃文庫)
佐島勤
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2014-04-10

へヴィーオブジェクト 亡霊達の警察

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それは世界的に有名な賞なんて取るほどのものではないし、写真家としての個展を開くほどの目玉になるとも思えない。
だけど。

きっと、その一枚には。
世界を大きく動かすほどの『何か』がある。


クウェンサーたちが赴くところ、事件の香りあり? という感じで。
模擬戦をやっているところにかけられてきた一本の電話。
「お前の娘は預かった」。
その電話が、フローレイティアさんを怒らせて、軍人が派遣されることに。
相変わらず学生のくせに連行されている奴もいましたけど。
しかし、そこで見たのは、陰謀の欠片だった。

一つ一つ事件が起きて、それが最終的には大きな陰謀につながっていく、という流れ。
見せ方がいい感じですねー。
今回はいつもの二人だけじゃなくて、ほかの軍人も時に巻き込んだりして、オブジェクトに挑んでました。
前線にいつづけて殉職しそうで怖いなぁ。
彼らは色々騒ぎを起こす問題児ではありますし、この情勢でオブジェクト無力化する学生・軍人が厄介なのはわかりますが、それでも戦果上げてるんだから、裏からなんか評価されたりしないのだろうか。
 
クリーンな戦争が謳い文句な割に、いつでもどこでもどろどろしてますよね、この世界。
高官たちは当然のように不正やらなにやらやっているわけで。
それで現場の人間が苦労する、と。
いや、一人学生が混じっているんですけど、今さらかー。

誘拐された少女を助けに行った先には、人身売買組織や、とある国家の思惑が絡んでいた。
敵国から冤罪を仕向けられ、徹底抗戦の立場をとった。
そのうえで、敵の作戦を砕くために潜入作戦を取ることになったのだが、その先では、暗部を垣間見ることになった。
安心安全な調査のはずが、攻撃を受け、厄介な兵器を使われ、逃げ延びてもなお、黒幕は手を打ってきた。
普通の人間なら何度か死んでますよ。
それを乗り越えて生きているあたり、悪運強いといいますか。

「それしか攻撃方法がないんだ。仕方がないだろう?」
クウェンサーは肩を竦め、中指を立てて、
「言葉で踊れよ馬鹿野郎。陰謀家にはちょうど良い」

このコンビもこなれてきた感じがありますねー。
こんな世界になってしまった理由について興味を持ったようですけど、さて、それ絡みのネタが出てくるんですかね。

ヘヴィーオブジェクト 亡霊達の警察 (電撃文庫)
鎌池 和馬
アスキー・メディアワークス
2013-11-09

楽聖少女4

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「それを戦慣れっていうんだ」
カールさんがぼそりと僕の言い訳を遮る。
「殺るか殺されるかの間際じゃ、現実感なくして熱に浮かされて自分から進んで狂わなきゃいけない。それでいて頭のどこかではちゃんと死ぬのが怖いと思ってなきゃだめだ。その両立ができるやつとできないやつがいる。おまえはなんでか、最初からできてる」


ルゥとユキがもう完全に同棲しているようにしか見えない。
しかし、また新しい情報が出てきたといいますか、もうこの世界で何年も過ごしているのに、成長している素振りが全くない二人。
メフィストに言わせれば、本来いるべき時間じゃないから、召喚された時点で、時間が固定されている、ということみたいですけど。
本気で、何でもありになってきたかなぁ。
まぁ、悪魔とか魔法とか、とんでもないナポレオンとか先進技術とか混ざっている時点で、何でもありのごった煮な世界ですけどね。
着地点がどこになるのかが本当にわからない。

そして、またしても、というべきか。
ルゥの作った楽曲に教会が因縁をつけてくる。
正直、悪魔たちの陰謀とかその辺が印象に残りすぎていて、教会は大したことないと思ってしまってましたね。
ナポレオンのほうが怖いだろう、と。
今回はその思考のスキを突かれたといいますか、ユキの魔力やらメフィストやらについて研究した、という彼らは結構いろいろと手痛い目に遭わせてくれます。

ユキの高校の世界史の先生の話が相変わらず面白い。
こういう先生に教わりたかったかなーとか思いますが。
実際に自分が教わったのは、クラスの過半数が机に突っ伏していてなお、自分のペースを崩さずに授業を続ける、催眠術のプロみたいな先生で。
あれほど眠気を誘う授業はなかなかありませんでしたよ。先生の印象しか覚えてませんからね、世界史。
それはそれでやばいですけど。
 
ついに、ユキがナポレオンの傍にいる悪魔と出会いますが、かなり恐ろしい存在ですなー。
あれに打ち勝つとかできるんだろうか。
ナポレオンが繰り返しの中で遭遇していないゲーテと置き換わったユキの存在がどう影響するのか。
魔術というか詐術というかで、うまく乗り切ってましたけど、どんどん状況は悪くなる一方なんじゃないかなー。
落ちると死ぬ綱渡りを延々と続けているような印象。
数年この世界で過ごしているから、問題ない時期というか、一時的に鎮静化している時期もあるようですけど、そんな時期は、行間で済まされてしまうわけで。

これまでも史実に絡んだ出来事が多かったですけど、今回は、ファンタジー要素が強かったかなーという感じ。
ヴァルプルギスの夜とか出てきますしね。

楽聖少女 (4) (電撃文庫)
杉井 光
アスキー・メディアワークス
2013-11-09

ストライク・ザ・ブラッド10 冥き神王の花嫁

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「大丈夫です。セレスタさんに言ったことは、嘘ではありませんでした、から」
(略)
「ずっと好きでした。雪菜ちゃんのことも、お兄さんのことも・・・・・・」


今回はこれまで活躍できなかったキャラに焦点を当ててみようって趣旨があったそうで。
まぁ、それは成功しているんじゃないですかね。
というか、出番はそこそこあるのに、見せ場がない浅葱にもうちょっといいところを・・・
いや電子の女帝として要所要所で活躍はしていたり、かなりすごいことやっているはずなのに、浅葱ってどうしようもなく不憫というか・・・ここまでくると、それでこそ浅葱って気がしてきますけどね。

相変わらずの戦闘狂なヴァトラーがまた火種を持ってくるわけですよね、古城に。
自分の楽しさのためなら本当に手段を選ばないなぁ、あの人。
混沌領域に恩をうって、厄介な手札を入手していますし、次回はあれが古城にぶつかってくるんですかねー。
どうせなら12の眷獣全てみたいものなので、その辺に頑張って欲しいとは思いますけど。

そして最早安定というレベルを通り越して、正妻の座を確固たるものにしてる感のある雪菜。
過去の一端についても触れられてましたし、その関係の話もそろそろ出てくるんですかねー。
だとしたら、今回は帰省して後半出番なしだった古城の妹の方で話が進むんだろうか。
なんか古城の祖母は結構なコネを持っているようで。そんな人が只者のはずもないというか。
登場したりするのかなー。

しかしまぁ、古城と雪菜の関係が安定しているのはいいんですけど、毎回決めゼリフが同じなのが、ちょっとマンネリ気味かなーとか思います。
別の相手と共闘するときはあっても、ラストは古城と雪菜だからなぁ。
順当に正妻ルート直進している感じですか。
雪菜の目を盗んで今回は、夏音から吸血していますけど・・・あれ、王女様に再登場フラグたってますか?
あの王家は・・・あそこはあそこで結構濃いよなぁ・・・

不憫でお馴染み浅葱の「カインの巫女」っていうのもかなり重要な要素なはずですけど。
10巻まできましたが、まだまだ不透明なところが多いですねー。
おいおい明らかになっていってほしいものですけれど。

ストライク・ザ・ブラッド (10) 冥き神王の花嫁 (電撃文庫)
三雲岳斗
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2014-03-08
 

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン5

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「聞いてくれ、三人とも。――僕の中ではもう、考えたり悩んだりする段階は終わってる」
混迷の泥沼の中で、イクタの声だけがはっきりと揺るぎない。藁にもすがる思いで、三人の視線が彼に集中する。
 「手段を選んでいる余裕は完全になくなった。希望とは別に覚悟も決めている。だから僕は、これから――かつて沈んだ太陽を、もう一度空に引っ張り上げることにする」


 さて、前回痛い目を見た海賊軍の反撃のエピソードですね。
陸軍である以上、イクタたちに出来ることはほとんどない……なんてはずもなく。
イクタたち騎士団の策略をもって、マシューが会議へと参加する。

合間に、イクタの持っている英雄観みたいなものが更に深く触れられていましたけど。
なるほど、だからこそマシューを推しだしているのか、という感じで。
別のラノベで「英雄というのは逃れられない呪いだ」みたいなことが言われてましたけど、そういう感じ。
英雄は全体の理想でなくてはならず、個人が押し流されてしまう。
そんな流れには乗りたくないし、誰も載せたくない。
だからこそ、マシューを推す。責任感と同時に、頼りなさをもっているから。
好意を持たれても、英雄を生み出す流れには乗らない。そんな彼の資質を、生き方を貴く思っているから。
イクタは本当に、怖いくらい色々とモノを考えてますよね。
追い込まれた状況の中でも、それでも諦めずに模索する。
それは彼に言わせれば「正しく怠けるため」の行動なんですが、その行動は、英雄に近いそれだと思いますけどね。少なくとも、父親の名将の血は間違いなく継がれている。

海戦の方は、結構あっさり終わったかなぁ、という感じ。
色々戦場のなかで動きはありましたし、痛手受けたりもしていますが、それでも勝ちを掴み取ったのはさすが。
マシューも、今回は活躍していましたねー。
しかしポルミは再登場の目があったりするんだろうか。海軍と陸軍だと畑違うからなー、今回みたいな作戦がないと会えなかったりするのだろうか。

で、海戦を終えたと思ったら、今度は鉱山へ。
そこにいたのは、北域で相対した、不眠の輝将。
またここでイクタとのチェスじみたやりとりが発生するのかと思いきや、事態は急転直下で動き出す。 
怪しさは感じていましたけど、このタイミングで動き出すのか、といったとこですね。
帝国内で起きた火種の影響で、騎士団と別れて行動することにあったヤトリ。
そしてイクタは、引き戻せない一手を打つ。
怠け者なところも、策士なところも含めてイクタというキャラが結構好きでしたけど、今回は本当に格好良かった。最後にオチをつけてましたけど、それでこそ、って部分もありますし。

あとは、イクタとヤトリの絆の強さが揺るぎないっていうのが、これでもかってほど描かれていましたね。
もう、あのふたりのコンビが大好きです。
それみて、歪な心に振り回されている姫さまもいましたけど。イクタが、姫さまの企画にのったようでいて、へらへらやっていたことについても、色々と考えがあったんだなぁ、と触れられていて個人的には満足。
ヤトリをうまく引き込めれば、あの陣営最強じゃないだろうか。

あとは、癒し系で、結構気に入っていたハロですが、今回なんか怪しい事情が明らかに……。
騎士団の中では確かに、見せ場が少ないというか、濃さが足りない部分ありましたけど、ここでそうくるのか、という感じで。うわー、どうするんだろう。これは予想外。
あっちにもこっちにも問題がありますが、その中でイクタがどうやって収拾をつけるのかが今から楽しみです。

……なんか鉱山で反撃しようとしている不眠さんとどうやって決着をつけるのか、というかどんな作考えているのかも気になりますが。


プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
 コメント歓迎。ただし悪質と判断したものは削除する場合があります。

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