気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

青春ブタ野郎

青春ブタ野郎はディアフレンドの夢を見ない

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「あらゆる梓川咲太の中で、お前が一番思春期症候群を信じているんだろうな」

 

青ブタシリーズ、完結巻。ついに、かぁ……感慨深いですね。

麻衣が「自分が霧島透子」という認識に変わってしまったり、どんどん塗り替えられていく世界。

そんな中で、本物の霧島透子の事を知っていた美織の問題解決を図るべく色々と調べていたわけですが。今回は初手から美織に会いに行って。

彼女が少し前向きになれたのは、良かったですね。認識が改ざんされている麻衣が、それでもなお咲太のこと信じて話聞いてくれるのとか、2人の信頼を感じて実に良い場面もありましたが。

 

予想以上にサクサク問題解決していって、残り全部エピローグ的な展開になるんだろうか、と思ったら。

家に帰ったら「かえで」が居るし、麻衣が「霧島透子」という認識に関しては元通りになったけれど、それ以外の改変はそのまま残り続けてしまって。

咲太もどういうことだ、と困惑していましたが……向こうの世界の自分から、「思春期症候群を起こしているのは咲太自身」という指摘を受けることになって。

複数の世界を見て、いくつもの思春期症候群を超えて来た彼だからこそ起こしてしまったもの。いろんなトラブルにも出くわしたけれど、それらがあったからこそ今の彼があるわけで。

 

問題解決のために向こうの咲太は「思春期症候群を否定しろ」と言ってきましたが……別の答えを出してくれたのは、良かったですね。

エピローグで、少し未来の話が見られたのもありがたかった。魅力的なキャラが多いので、断片的なエピソード以外にも、もうちょっと読みたかったという気持ちもありますが。こういう余韻がある方が、長く続いたシリーズの幕引きとしては美しいという気持ちもあります。ただ、完結を見届けられたのは本当に良かったです。





青春ブタ野郎はガールフレンドの夢を見ない

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「じゃあ、なんでそんな話をしたんですか?」

(略)

「隠し事をしたまま、友達にはなれないからだよ」

 

赤城を伴って、麻衣がサプライズ参加するイベントを見に来た咲太。

しかし「#夢見る」によって多くの人々が認識していたことで、サプライズは失敗してましたが、ある意味期待には応えたので大成功ともいえるのか?

そしてそこで、麻衣は「#夢見る」で共有された夢の通り、自らが霧島透子だと表明して。そこからどんどん「夢」が現実を塗り替えていくことになるわけです。

 

咲太の認識だけは元の世界のものが残っていましたが。

消えたはずの「かえで」が咲太を出迎えてくれたり。国見の交際相手が変わっていたり、古賀の進学先が変わっていたり、などなど。

現実がどんどん書き換えられて、友人知人との会話が全くかみ合わない状況で、赤城との連絡が途絶したりもして、手がかりが得られない状況に追いやられている。

そんな中で手がかりを持ってきてくれたのが翔子ちゃんだって言うのが、なんというか彼女らしいというか。

 

そうやって明らかになっていった事情から、今回の思春期症候群を巻き起こしている人物にはたどり着けましたが。

彼女の傷もなかなかに深く。書き換えられた世界、と一言で言いますけども。咲太もかつて、未来を見て現在を改変するなんてことをして。でも、その時に「過去に戻るのは難しい」という話も出ていたわけで。

もう取り戻せないもの。書き換えられた状況を良しとするもの。そういう柵というか、問題が多くある中で、果たしてどんな決着を見出すのか。次回、最終巻を待ちたいと思います。



青春ブタ野郎はマイスチューデントの夢を見ない

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「僕にとって一番幸せなのは……僕が一番好きになった人が、僕を一番好きになってくれることかな」

 

121日、バイト先の塾で咲太が受け持つ生徒が1人増えることになって。

姫路紗良は成績優秀で、容姿も整っていて。彼女を好きになる男は多かった。彼女もそれを理解したようなふるまいをしていた。

咲太がもともと受け持っていた山田君も彼女のことが気になってる一方、吉和さんは山田君のことが気になってるから面白くない。

 

同じ塾講師のバイトしてる双葉に惚れこんだ生徒、加西くん。

彼は紗良の幼馴染で、以前はほとんどつきあってるくらいの距離感での交友をしていた。ただ、双葉に惚れたことで紗良を実質振った形になっていて……。

その後から紗良はモテるようになった。つまりは、霧島透子から思春期症候群のプレゼントを受け取っていたということで……。

 

「霧島透子を探せ」。「麻衣さんが危ない」。

もう一つの可能性の世界の自分から託されたメッセージが気掛かりで、咲太は調べ物を続けていましたが。

大学の友人との何気ない会話からヒントを得ていたのは、瓢箪から駒というか。まだ入り口見つけただけで、彼女の真意にたどり着けるかというと別の話ではありますけどね……。

 

「好き」が分からないで、迷っている紗良。

そんな彼女の出した問題に、気負いすぎず向き合って解決に導こうとするあたり、相変わらずの咲太クオリティ。

主人公カップルがお互いへの信頼が強くて、横から茶々入れられても安心してみてられるのはいいんですが。

あとがきがシンプル予告なのが、妙に気掛かりではありますねぇ。さてはて、刊行に間ああいてましたが、次はいつになるやら。気長に待ちます。

青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない

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小さな幸せを幸せだと思えるようにもなったし、やさしさにたどり着きたいと思えるようにもなった。大切なことを知って、大切な人ができた。

それが、間違いだったかもしれないと、突然問題点を突き付けられても、簡単に受け入れられるわけがなかった。

 

アニメ化の人気シリーズ!

放送局の関係で見れてないんですけどね! 無念。

 

三月になり、麻衣の卒業式。

麻衣を待っていた咲太の前に現れたのは、子役時代の彼女にそっくりな女の子。

いつくか言葉を交わしたものの、直後にやって来た麻衣にはその少女が見えていなかった、と。

新しい思春期症候群かと思いきや、どちらにも心当たりはなく。

 

麻衣も、母親との距離が多少なり変わったようですし。

咲太や花楓の母の経過も良いため、会えないかという話に。

対面も順調に済んだかと思いきや、咲太に異変が生じてしまって。

つくづく思春期症候群に縁があるなコイツは……

 

とかからかってもいられないんですよね。

何かしらの傷が、症候群を引き寄せる。

妹と母の問題、距離を取って暮らし始めて。経済的には援助があっても、気楽に助けてもらえない状況。

そんな生活をして、ちゃんと兄であるという立ち位置を見失わなかった。それは、たたえられていいと思う。

 

一方で時間が流れ、これまで見えていなかった事も目に入るようになって。

母親との関係に悩み、最終的にはちゃんと自分の足で立って、会いに行けるんだから、凄まじい。

メンタルお化けかよ……

そして問題解決したら一気に時間流れて早々に大学入学していたのは意外。……また次の爆弾引き寄せてる感じがありますけどね! そういう星の下に生まれたのか……


青春ブタ野郎はハツコイ少女の夢を見ない

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「僕は……もう……幸せなんだ……っ!」

(略)

すぐそばにある小さな幸せに気づくこと。

もう手の中にある小さな幸せに気づくこと。

それこそが、幸せなんだと……何度でも咲太は自分に言いたかった。

 

初恋の相手、年上の翔子さん。病魔に苦しむ幼い翔子ちゃん。

彼女の為に無茶をした咲太ですが……失敗してしまい、麻衣が犠牲に。

失われてしまった未来の物語が最初に描かれていましたが……いやはやこれは辛い。

抜け殻のようになった彼を、心配してくれる人がいたのは良かった。

あそこで周囲に責められ続けたら、また動くことはできなかっただろうから。

 

失意の彼の前に、大人の翔子さんが現れて。

彼女と同じ、思春期症候群を使って過去を替える為に動き出し。

ここでも人の手を借りて、助けてもらいながらなんとか事故を回避していました。 

この泥臭さが咲太だよなぁ。
……けれど、そうして戻っても、全てが解決したわけではなくて。
咲太は色々と葛藤していましたが。 

 

戻ってきた後に出会った双葉の反応が良かったなぁ。

咲太は自分を犠牲にするだろうと思っていて、不安だった、と。

まぁ確かに一度はそうしたわけですし、言い訳のしようもないよな……

「可能性がある」とも言えない、奇跡的な確率を願い、行動していましたが。

最後の最後、未来を掴んだのは翔子自身であった、と。
奇蹟が起きた事に賛否はあるかもしれませんが……頑張り続けていた咲太が何かを失うのではなく、翔子も翔子の方で未来を得た、という決着は大団円と言っていいものかと。 

まだ続きを書く気はあるようなので、この後どういう展開にするのかは気になるところ。

 

青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない

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長くて険しい道になるだろう。
だが、咲太の心が臆することはなかった。むしろ、立ち向かう気持ちしかない。
今さら驚く必要は無い。臆する必要は無いのだ。
なぜなら、この日を迎える心の準備はとっくの昔にできていた。

今回はついに、咲太に手紙によって接触を図ってきた翔子さんの話……になるかと思ってましたが。
タイトル通り、妹のエピソードに乗っ取られてました。
麻衣との交際騒動の時に流出した映像を頼りに、かえでの友人が咲太を訪ねてきて。
妹の方も思うところはあったようで、引きこもってばかりの現状を変えよう、と「学校に行きたい」という目標を立て。 

兄として咲太がそれを支えていくわけなんですけど。
彼は本当に、自分が大事なものに対しては臆さないというか、行動力にあふれているといいますか。
兄妹としての距離感としては微妙なものがあるとは思っていましたが、それは過去の事件に起因するものだと思っていました。
けど、かえでが抱えていた事情は、確かにそこらへんに根っこはあるけれど、違う問題で。

花楓とかえで。咲太が見ていた二人の妹。
失ってしまったものと、それでも残っていたもの。
彼にとってはどちらも大切なもので、最後、取り戻せたはずなのにまた失ってしまって。
これは、痛い。咲太の嘆きがよくわかる。
彼にはもう一人妹がいたようなもので、それがいなくなってしまったというのだから、悲しくないはずがない。
また、胸の傷からの出血が生じたりしていましたが、これは花楓になったために発生したのか、そもそも咲太自身に寄る思春期症候群なのか。
満を持して、翔子さんが登場して、最後ちょっと修羅場っぽくしてましたが……自由だな、この人は……


青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ない

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「普通、ここは『少しずつでも自分を好きになって行けばいい』とか、『双葉にもいいところはいっぱいある』とか言うべきなんじゃないの?」
と言ってきた。
「そんな前向きな生き方、疲れるだけだろ。自分大好きな奴ってウザいしさ」
 無理やり嫌いなものを好きになんてなれない。好きになろうとすればそこに摩擦とか圧力とか、何らかの無理が生じる。それが自分を苦しめるだけなら、前向きに諦めてみるのも一つの手だ。それで救われるものがあることを、咲太は二年前に学んだ。かえでの件を通して知った。戦うだけが全てじゃない。それでいいのだ。


二年前にあった、咲太の初恋の相手、牧之原翔子。
高校生だったはずの彼女は、再開したら、中学生になっていて。
思春期症候群のような気がしますが、咲太が中心なのか、翔子が中心なのかは気になるところです。
ただまぁ、今回は翔子の事情が明らかになったりとか交流したりもしていましたが。
ロジカルウィッチ。科学の輩、双葉理央がメインなわけで。

咲太と双葉、それに佑真。
どこか歪なようでいて、それぞれ馬があっているんですよね。
いい友人関係を築けている。帯にもありますが「友達だけど好きになっちゃった」。
好きな人には既に彼女がいて、なんだかんだでそこの関係は強いようです。
咲太を嫌い、時にそれでケンカしながらも付き合っているんだから、あそこのカップルも相当な感じ。
今回、嫌っているはずの咲太に理央の話をしたあたり、単なる嫌なヤツではない気もしますが。相当不器用というか、逆にまっすぐすぎる感じ。

咲太も、思春期症候群に巻き込まれまくってて、あまり長く交流で来てませんが、美人の彼女がいるわけで。
自分が嫌いだという理央は、不安だったんですよね。
彼女の実家も、温かさとは無縁の場所のようですし。
だから彼女は孤独で、寂しかった。頼ろうとして、頼れなくて。
けど、咲太は「青春ブタ野郎」で自分の事ならいいけど、他人のためなら行動を起こせるヤツだし。
佑真だって、深夜に呼び出されても、事情を聴く前にすぐに飛んできてくれるわけで。
そんな二人と友人である彼女が、孤独であるはずはなかった。
ちょっと異常な症候群が挟まっている物の、大分まっすぐ青春しているなぁ、という感じです。

そして一つ事象が片付いたと思ったら、また次が発生するわけで。
いくらなんでも咲太の周りで、頻発しすぎじゃないかなぁ、コレ。
咲太もまた「ラプラスの悪魔」だったりするんだろうか。最終的にそうやって壮大な夢落ちにされると萎えるのでやめてほしいものですが。
興味を持っている記者の方とかもいるわけで、症候群についても何がしかの回答みたいなものがシリーズを通して示されるといいんですけどねー。


青春ブタ野郎はプチデビル後輩の夢を見ない

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「別に全人類に好かれるために生きているわけじゃないからな」
「わたしはみんなに好かれたい……ってか、嫌われたくない」
「僕はたったひとりでいいけどね。そのひとりが必要としてくれたら、生きていける」

タレント業に復活した麻衣。
彼女と、恋人同士になれたはずなのに……咲太は昨日に戻っていて?
とりあえず一日疑問を感じながらも過ごしてはみたが、また同じ日に戻ってしまって。
ループ展開に入り、自分以外にはその現象を覚えている人がいないようだった。
まぁ、咲太の交友範囲って妹、麻衣先輩、友人二人程度の狭い輪だからなぁ……それでもクラスメイトの様子やニュースなどを見て、繰り返しの自覚があるのは自分だけ、と判断した。
双葉に相談をして「本物のラプラスの悪魔を探すんだね」と現象を起こしている引き金となる人物を探せとアドバイスを受ける。

そして出会ったのが、前回奇妙な出会いをした後輩の古賀朋絵だった。
空気を読みすぎる彼女は、友人の憧れの先輩から告白されそうになり困っていた。
告白を受けても断っても、友人グループからは浮いてしまうだろう。
力の強いグループにいるから、そこからはぐれた後、紛れ込めるとこもない気がすると心配そう。
そこで古賀がとったのは、同じように繰り返しの記憶を持っている咲太「恋人」であるという嘘をつき、周囲との軋轢を少しでも和らげようと、あたりさわりなくいこうという行動だった。
彼女がとりあえずの解決方法を見つけたからか、時間はまた進み始めるように。

咲太も、妹と似たような発言をした古賀のことを放っておけず、その偽恋人の関係に協力することに。
麻衣との関係もあるので、期限付きの契約ではありましたけど。
『空気に喧嘩を売っても仕方ない』と、人付き合いの少ない咲太ではありますけど、気に駆けた相手に対してはやっぱり優しいんですよね。
嘘の関係だと、麻衣のことが好きなのだとわかっていても古賀の気持ちを動かしてしまう程度には。
そんな思いに気が付きながらも、麻衣のことが好きだから、と正直に伝える咲太は一本筋が通っている感じがして好感が持てます。

咲太に爽やかすとかイケメンでムカつくとか言われながらも交友を続けている国見。
毒吐きながらもなんだかんだと咲太の相談に乗ってくれている双葉。
絞っている分咲太の友人たちにはいい奴が多いですね。まぁ、国見の彼女とかは1巻で咲太に対して「あんたと仲良くしていると国見の評判が落ちる」とか「国見がかわいそうだ」とか面と向かっていってくるような輩もいるわけですけどね。
国見はなんだかんだでそんな彼女の事を大事にしているようですけど、双葉の方がいいんじゃないのかぁ、とか思います。
友人の想い人だからどうしようかなーと古賀が対応に困っていた先輩も、ダメな部分見せてましたし。

さて、また最後、気になる引きで終わってましたけど。
過去咲太が出合っていた、気になる相手と同じ名前、と面影を持つ少女。
しかし、彼女は咲太よりも年上だったはずで。どう見ても、咲太が出合ったのは中学生くらいだった。
今度はどんな思春期症候群が起きるのかどうか。気になりますねー。
ヒロインが先輩から始まり後輩になり、今度は中学生になるとか、どんどん幼くなっていってまた咲太の評判が悪くなっていく流れなのではないだろうか、コレ。


青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない

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「困ってるのに、誰にも頼れないのはしんどいから」

中々面白かった。
ある日、主人公の梓川咲太は、図書館でバニーガールの格好をした女子を発見する。
それは、同じ高校に通う先輩で、活動を休止している人気タレントである桜島麻衣だった。
彼女によれば、ここ数日「彼女の姿が周囲に見えない」という状態になることがあって、それの検証をしていたのだとか。
バニーガールの格好をしている人がいたら、思わず二度見するだろうから試金石としての格好だったらしいですけど。なぜそこでバニーガールなのか。

一方、ネットでは「思春期症候群」という都市伝説が広まっていた。
他人の心の声が聞こえたとか、誰それの未来が見えたとか、オカルトじみた出来事が起こるとか。
ま、都市伝説なので当然市民権を得ているわけでもなく、精神科医に見せても「多感故に不安定な心が見せる思い込み」だとばっさり切り捨てられるような自称。
けれど咲太はそれの実在を信じていた。
なぜなら、妹が過去その思春期症候群でしか説明できないような状況に陥っていたから。
いじめを受けて引きこもりになった妹は、SNSでの悪口を見ると、身体に傷が突然浮かびあがる症状を見せていた。
周囲の人は誰も信じれくれず、母も、妹の置かれた状況を受け入れられず離れて暮らすような状態になってましたが。

妹の影響か、咲太にも怪我が浮かんだことがあり病院に搬送されたこともあった。
その様子に尾ひれがついて「同級生を病院送りにした奴」という、どうにも近寄りがたい存在として咲太は認識されていた。
咲太は咲太で、そんな実体のない『空気』に喧嘩を売るなんて馬鹿げていると、交流を取ろうとはせず、自分の言葉を信じてくれた二人だけを友人と呼び、日々を過ごしていた。
しれっと書かれているけど、中々重いというか。そりゃあこんな捻くれた行動もするかなぁ、という感じ。
デリカシーない発言をすることもありますし。
けど、それでも彼は優しいんですよね。付き合いを極端に絞っている分、その大切な誰かのためになら『空気』とだって戦って見せる。行動を起こせるというのはすごいことだと思います。

最初は、一部の地域で見えないだけだった麻衣。
学校では見える人も多く、普通に通うこともできた。
けれど、見えなくなる時間はどんどん増え、買い物もままならい状況に。
しまいには存在していたことすら認識されないようになっていって、アレは中々辛い。
そして咲太も一度は忘れてしまうモノの、断片は引っかかっていて、それを活用して、消えた麻衣を取り戻した。
交流を通して、距離を縮めた二人。告白して、付き合うことになったと思ったら……
エピローグで、次回への引き。また新しい思春期症候群か、告白が成功した日の「昨日の朝」に戻っていたのだった、と。

「思春期症候群」っていう異質な要素を入れながらも、しっかり真っ当な青春をしていたといいますか。
咲太が結構好きですよ。自分なりの芯がある感じで。心臓が鉄でできているような言動・行動は真似できない。


プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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