「あいるびーばっく!」
その容姿からエルフと勘違いされ、竜にエルフの里まで運ばれてしまったセレネ。
彼女自身はそこでの生活を満喫してたし、なんなら人間の常識にとらわれない土地だからここにどうにか姉を連れてくれば、女の子同士のカップルでも作れるのではないか、とか考えてるの自由すぎる。
王子の方は彼女を連れて行った先で攫われてしまい、責任を感じたのもありセレネを取り返すために動き始めているというのに。
……まぁ、竜に影響力のある巫女だと勘違いされたセレネはエルフたちに大切にされて、しっかり人里に送り届けてもらえることになってたのですが。
各々が武装した状態で鉢合わせて、王子とエルフの長がバチバチ戦う事態になってましたが、致命的になる前に誤解が解けて良かった。
そこから少しずつ交易でお互いの利になる方向へと話が進んでいったのは、王国的にもありがたい話だったんだろうなぁ。
……こうしてますますセレネの実績が積み重なっていき、エルフたちからは月光姫なんて異名までもらうくらいになってきたわけですが。
存在感が強まるセレネの事を隣国の王女エンテは、面白く思わず……より危険な術を用いるように呪詛師をたきつけた末に、最後に歯向かわれてたのはまぁ自業自得ではありますな……。
別の思惑を持っていた呪詛師は直接セレネを狙うのではなく、彼女を庇護する王家の方に牙をむこうともくろんで。その末にセレネにも影響するだろうと考えたみたいです。
これまで幸運や、有能な執事である鼠のバトラーの助力もあって危険を免れていたセレネが、勘違いからとある行動を起こしたときにその呪いと鉢合わせてしまったのは引きが強すぎるな……これは誤解されまくるのも止む無し。
最終的には王子も無事だったし、いったん距離を取ることに成功したわけですし。……より影響力が強まったとも言いますが……。
番外編「黄金のマリー」の末文によれば、割と早く戻ってきそうな気配がありますけども。今度は何しでかすんでしょうね、彼女。