気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

飴月

私の推しが今日も最高に尊いので、全力で幸せにする!

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「違うよ! 自分のお金で!! メア様に貢ぎたい!! 優秀なATMでありたい!!」

「何を言ってるかほとんどわからないけれど、自分の力でメアリクス様にプレゼントがしたいということかしら?」

「そうです! その通り!!」

 

前世でハマっていた乙女ゲーム世界に転生した主人公。

とはいってもヒロインやシナリオに関係するメインキャラではなく、この世界に生きる一回の平民の調薬師リゼとして、ではあったんですが。

今世の父は早くに亡くなってしまったものの、母から深く愛されて育ったようです。母親も夫に深く愛されて幸せに生きたようですね。

 

しかしもともと体が弱かったために、冬を越せずに亡くなってしまって。

母の薬屋を次いで立派に努めつつ、お金をためて学院に通うことを目標に日々を生きていた。魔法がある世界だけど、魔法薬学はあまり発展してないジャンルだから研究したいと理想を抱いていたり、割と真っ当な薬師なんですよね、リゼ。

 

……ところで話は変わるんですが、彼女は前世で推しを推すためならば金を惜しまないタイプのオタクだったそうで。

そんな彼女がたまたま倒れ伏している最推しの少年を見つけたらどうするか、なんて決まってますよね。

放置すれば裏社会に囚われてしまう。そこから救われるシナリオではあるとわかっていたけれど……推しを放っておくことなんてできなかった。

 

この世界で忌み嫌われている黒髪、ということで警戒心の強い最推し――メア君でしたが。

リゼが彼を大切に庇護して、愛でて、好きだと伝えていくことで彼女に執着することになるわけです。

でも、リゼの「好き」は間違いなく本心でありつつ、推しを見守りたいという気持ちが強くて。自分が拾い上げてシナリオが変わってしまってはいるけど、メアが幸せになるならゲームヒロインとの恋でも応援できるというスタンスは、厄介オタク過ぎて笑ってしまう。

 

でも、セーブ&ロードとかしてルート分岐を確かめられるゲームならともかく、現実世界でそう簡単に心変わりとかするはずもない、というか。

一度は放逐されたが、故合って実家に連れ戻されることになったメアが交渉によってリゼを婚約者として確保してるのに、なお受け入れていないあたり諦めが悪いというか。

推しを見守りたいという気持ちが強すぎて、何重にもフィルターかかってるんだものな……。

 

進学したゲーム舞台の学校で、うっかり仲良くなった少女がゲームヒロインで。

ヒロインは転生者ではなかったし、ゲームとは違う科に属していたりするし、そもそもリゼがメアを保護したことで、もう別シナリオと化してるんだから早く詰みの状態だと理解すればいいのにと見守る構えに入ってましたが。

他の転生者とバッタリ会ったことで、しっかり気付けたのは良し。

拾ったら最後まで面倒見ないとダメですよ? 

君のせいで今日も死ねない。

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――そうだよ。私、君に照らしてもらわないと生きていけないって断言出来るような、大義名分が欲しいんです。

 

小説家になろうで短編として公開されていた作品の書籍化。

元が短編なのもあって、かなり加筆されてますねー。新キャラも出て来てますし、2人の交流イベントの密度も増してる。

天に二物も三物も与えられた天才美少女、三峰彩葉。学校でもクラスでも有名だったが、その実態は孤高というか孤独で……死んでしまいたいと思っているような子でもあった。

通学時などに姿を見た事がある、くらいの距離にいた主人公はある日飛び降りようとしている三峰と遭遇。

 

言葉を尽くして、とりあえずその場での自殺は阻止します。「どうせ死ぬんだったら一緒に学校抜けだして海行こうぜ!」とか、突飛ではあるんですけど。

そうやって彼女を引っ張り回して、一方的に連絡先を渡して、次の約束を取り付けてどうか明日も無事でありますようにと祈る時間を積み重ねていくことになります。

主人公のように接して来る相手は三峰にとっても初めてで……彼のかけてくれる言葉は、彼女の心に刺さりまくって、踏みとどまる切っ掛けになっていた。

 

主人公の方も、他愛ない日常の中で見る非日常的なくらい美しい存在、みたいな遠くにいた三峰に近づいたことで、心境に変化があったというか。

どんどん2人の距離が縮まって、温かい関係を築くのが良いんですよね。特別だった少女が獲得した普通と、普通の少年が到達した特別な時間を是非見て下さい。

 

 

プロフィール

ちゃか

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