気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

魔弾の王と凍漣の雪姫

魔弾の王と凍漣の雪姫12

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「大切なひとたちと、愛すべきこの地を守る。私はそのために生まれました。生涯をかけて、この生き方を貫くつもりです」

「おまえなら、できる」

 

『魔弾の王と凍漣の雪姫』完結巻。

最後の魔物となったズメイはティル=ナ=ファを君臨させるべく動き、使徒メルセゲル異神アーケンを降臨させるための準備をしつつ、戦乱を広める為にキュレーネーという国を焚き付けて、ブリューヌやジスタートに軍を向けさせるんだからいやらしい。

 

特にジスタートの争乱では、ブリューヌの時に助けてくれた戦姫達がかかりきりになる形となったので、本当にティル=ナ=ファ関連の問題はティグルとミラ、リュディで解決しなきゃいけなくなりましたしね。

……完全に応援がなかったかというとそうでも無くて、シャルルが割り込んできたりして中々混沌とした状況になったりもしてましたけどね。

 

ブリューヌを守るためにザイアンがアスヴァールに派遣されたロランに助力を乞いに行ったり、ブリューヌも内乱を経たとはいえ良い人材が居るなぁ、と言ったところ。

というか本当にロランが頼りになりすぎるんですよね……最初のシリーズ『魔弾の王と戦姫』での扱いもまぁ納得と言うか。

頼れる人々に助けられてきたからこそ、信じてティグルがティル=ナ=ファ降臨阻止に専念できる、と言う流れが良かったです。

今回のルートでもまた困難を乗り切ったティグルでしたが、あとがきによれば『魔弾』の物語構想的にまだ続く予定みたいで、全三巻というそれを楽しみに待ちたいところ。2023年初夏予定なのでまだまだ先ですけどね。



魔弾の王と凍漣の雪姫11

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「私が弓を使い続けていた最大の理由は、意地です」

(略)

「この意地が運命によるものだとは、認めたくありません」

 

ガヌロンが滅び、シャルルも姿を消したことでつかの間の平和が訪れる……はずだったけれど。

大陸全土で不可解で大規模な凶作が発生し、戦火が広がっていくことに。

ブリューヌは内乱直後だっていうこともあって、敵対勢力の残党が「一角獣士隊」としてまとまって各地の村落が襲われる事件まで勃発していて。

ティグルはリュディに呼ばれて、彼女に助力する事に。内部に協力者が紛れ込んでいたりもして、対処が難しかったようですが。

 

上手く策に嵌めることが出来てしまえば、魔物との戦闘経験もあるティグル達からすれば対処可能だったのは良かった。終盤で応援が来てくれたのも助かった。

10巻でミラの肌色回ありましたが、今回はリュディ。そっち方面の進展もありつつ、2人で抑えられそうなのは、『魔弾の王と戦姫』を想うと少ないのか。

 

ティル=ナ=ファ君臨のために動く魔物と、死の神アーケンの使徒とが本気を出してきて。

テナルディエの下にいたドレカヴァクも行動を開始して竜を差し向けてくるんだから、厄介な状況に陥ったりもしていましたが。

それでも退かない貴族が居てくれた(内乱で生き残ってくれていた)のは安心材料だなぁ。転移できるミリッツァもシリーズ通して顔出してくれていいですよね。割と彼女好きなんですよ。


魔弾の王と凍漣の雪姫10

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「おまえは、死者をよみがえらせる方法があると言われたら、どう思う?」

(略)

「ない方がいい」

 

魔物たちが一枚岩ではなくて、ティグル達のあずかり知らぬところでガヌロンVSウヴァートが戦って、ウヴァートがあっさり負けてるのがなんか面白い。

特殊な不死身の能力者なウヴァートをガヌロンが消してくれたのは正直有り難いですしね。種しらないと、ティグル達も苦戦したでしょうし。

 

ガヌロンとシャルルと直接対面したことで、ティグルがある程度敵の行動指針を読めるようになっていたのは良かったですけど。

……ガヌロンがこちらの大戦力であるロランと戦姫を足止めし、シャルルは王都に乗り込んでレギンを討つ、という考えはすぐに理解は得られず。

 

ティグルとザイアンがちょっとした勝負をすることになって。

その話題をだした軍議までの間に、ヴォルン隊とテナルディエ隊の兵たちの間で何度か衝突も起きていたそうですし……ミラ達は状況を利用しようとしてるのに比べると、まだまだティグルは青い。でも、満点は無理でも及第点貰えるようになってるのはヨシ。

戦果もかなりあげてますしね、ティグル。あちこちで成長を感じられる。

ロランをして「もっとも勝利に貢献した」と言わしめて、彼の行動に変化を齎すくらいですし。

 

ティル=ナ=ファ信仰の両親に育てられた女性からの情報を得たりして、少しずつ前進もしてる感じはしましたが。シャルルが相変わらず全力で突っ込んでくるのが怖くてしょうがない。

レギンが、王宮から逃げないって覚悟を決めていたり、良い場面見られたのは良かったですけどね。

己の願望のために駆けたガヌロンでしたが……最後には、忘れてしまった約束がために刺されることになったのは、まぁ当人的には満足のいく終わり方だったのでは。

……それで国内ひっかきまわされた側からすると、たまったものじゃないですけどね。

魔弾の王と凍漣の雪姫9

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「あなたたちに私の好きな言葉を送るわ。――諦めなければ終わりじゃない」

その通りだと、ティグルは思った。これまで何度も厳しい現実を突き付けられてきた。それでも諦めず、前に進み続けた。だからこそ、いまがある。

この戦いも、決して諦めない。ティグルはあらためて決意を固めた。

 

ガヌロンがシャルルを復活させて。

蘇ったシャルルは「国奪り」を目的に掲げ、ロランをあしらいティグルの投擲も受け止めて、とかなりのスペックでこちらを圧倒。

あそこでガヌロンが回収に来てなかったら終わってたかもしれない、と言うのは中々厳しいものがありますね。戦力差がいつも大きすぎる、と言いますか。

 

三百年も時がたつと伝承は歪むものですが。……ガヌロンが意図して情報を抹消した部分もある、っていうのが厄介極まりない。

戦場で楽器を弾いていたとか言う伝承が、実は「弓弦を引いた、を弦を弾いた」に改編されたというもので、弓を忌避する風潮の発端もこういう所から生まれたのだろうか。

シャルルただ蘇っただけではなく、かつての友と交わした約束を気にかけている描写が多いので、なにか別の思惑を持っていそうですが。

……それはそれとして若い身体満喫してるのが食わせ者だよなぁ。

 

敵対側には始祖を名乗る力強い戦士がいるけれど、ガヌロンの積み上げてきた悪評があって。

一方でこちらは女王が認められていない国で、これまで王子と身を偽っていた王女レギンがトップになっている。

お互いに弱みがある中で、それでも与することを選んだ人員は貴重な財産とも言えそうですが。

魔物たちの暗躍を知っている読者目線としては、やっぱりティグル達に頑張ってもらいたいところであります。

 

公爵が亡くなったこともあってリュディの母が縁談を持って来たりして、それを切っ掛けにティグルに改めてアピール。

母から聞いた話を元に、ミラとの共同戦線を立ち上げようとしていたり、恋する女子は強いわぁ。

私的な問題にも挑みつつ、始祖シャルルへ対抗するために戦場に立つことも選ぶんだから、このシリーズの女性陣は本当に強いわー。


魔弾の王と凍漣の雪姫8

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「おまえ、他の女にティグルを取られたりしないだろうな?」

「ど、どうしてあなたにそんなことを心配されなくちゃいけないのよ」

「当然だろう。ティグルがお前を好きだというから、私はおまえたちの仲を認めたんだ。他の女がティグルを横取りするのなら、先に私がもらってく」

 

ガヌロンは王都を抑えた上で反抗的な者を処刑したり、ベルジュラック遊撃隊相手への使者を立てて揺さぶったり、ティグルの故郷アルサスに兵隊を派遣したりして、順当に嫌な手を打ってくるなぁ、と言う感じ。

そうやって他の勢力がぶつかっている間に、自分の目的のためにファーロンに干渉してるわけですから、ティグル達目線だと後手に回ってますね。

 

魔物が七柱しか地上に顕現できないという話だとか、普通に生きていたら知りようがない知識を相手が抱えているからなぁ、手持ちの札で対処し続けることになるのはやっぱり厳しい部分はある。

それでも諦めずに足掻いたり、親しい人を信じ託す選択をすることで前に進んで行くのが、実に主人公している、とも思いますが。

 

ティグルと一緒にミラやオルガが行動している時点でアレですけど、ブリューヌ内乱に在らたに戦姫エレンが乗り込んで来たり、ギネヴィアがやってきたりとかなり入り乱れていて眺めている分には愉快な気もする。

……利益分配とか考えなきゃいけないレギンは大変だと思いますけどね。

 

庶子バシュラルの過去を知るベアトリスが、彼の母が残した言葉を告げたシーンは印象的だった。

そして戦い続けた男の末路がアレだというのが、何とも言えないものがありますけど。これを受けてタラードがどう動くのかは少し気になるところ。

魔弾の王と凍漣の雪姫7

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「ティグルなら、だいじょうぶです。負けることはありません」

 

バシュラル陣営との戦いに敗れたティグル達。

それを受けてリュディが一度は指揮官を辞めようとしたりする場面もありましたが、ティグルに励まされて再起して。

マスハスの手助けも得て陣営を整え直して、やってきた敵を蹴散らして傷付いた誇りを取り戻す流れは中々に格好良かった。

 

とは言え、戦場単位での一勝一敗。より大きな局面ではガヌロン公に王都を抑えられて、中々厳しい状態ではあります。

庶子の王子であるバシュラルに関しても、過去に隠された秘密があるようですし。

バーバ=ヤガーがリーザを狙った行動を起こしたりと、魔物たちに良い様に動かされている感じがありますね。

リュドミラの因縁の相手であるズメイが今回の一件には関与してないっぽいのが、まだ救いではありますが。

 

あとは追撃を受けていたロランがなんとか味方と合流できたのも良かったですね。

レグナス王子も、テナルディエの領地に近づいて公爵を巻き込もうと強かな一面を見せてきたりもしてますし。

ギネヴィアに救援を要請しに行った二人が到着したり、ジスターㇳの方でも動き始めているというか……これ、動けないサーシャ以外の戦姫がブリューヌ入りすることになるのでは?

リュディが勝ち戦で自信を取り戻したように、ティグルはタラードと戦い勝つことで再起するの良かったですね。


魔弾の王と凍漣の雪姫6

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「いままで俺は、俺自身の力だけで蒼氷星に矢を届かせないといけないと思っていた。でも、大勢のひとたちの声が、俺を高く押しあげてくれるなら……」

 

『黒騎士』ロランが守る、ナヴァ―ル城砦での異変。

それは、庶子ながら王子として正式に認められたバシュラルとの戦闘によるもので。

レグナスとロランが自分の命を狙っている、と諸侯の連合軍を率いてきたとか、濡れ衣着せるにしても相手が悪い気もしますが。ロランがそんな真似するかよ……

 

バシュラルの背後にはガヌロン公が居て、彼の意向には逆らえないようでしたね。

自らの野心の為にブリューヌに流れ着いたタラードが、バシュラルの副官を務めていて、ガヌロン一派のやり口に想う所はあるようでしたけど。

兵を集めたからには、容赦なく行動できる割り切りが出来る辺りは軍人らしいというか。

 

ティグルが、戦姫との交流が多すぎると内通を疑われているのには、正直笑った。

確かにミラに入れ込んでて、本編中でほとんどブリューヌに居ないけど、彼は彼なりに自国を大事にしてるよ……

まぁ戦姫5人との交流があるとか、疑われる要素としては十分ですし。ティグル自身も、弓を臆病者の武器呼ばわりしている自分の国と、しっかり向き合おうとしてこなったのかもしれないみたいな反省はしてましたが。

 

王国内で起きた内乱を見過ごせず、関わることになってましたが。ティグルが幼少期にまた別の女の子引っかけていたことが発覚。絶対探せばほかにもいる……

レグルスの側近となっていた友人、リュディエーヌと一緒に奔走していましたが。ブリューヌ編が1巻で終わるはずもなく。タラード達、完全な悪役とも思ってませんけど、やり口が好かないので痛打を浴びせて欲しい所。



魔弾の王と凍漣の雪姫5

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「長々とした話になったが、俺が言いたいのは、何かになるときに、それまで自分を育んできたものを捨てる必要はないってことだ。むしろ積極的に使っていこう」

 

魔弾の王の伝承を探るべく、ミラ達と少数でザクスタンに入ったティグル達。

天候に恵まれなかったり、ザクスタンがアスヴァールと不仲な事もあってそこに至るまで思うようにいかなかったようですけれど。

トラブルに巻き込まれないようにしようと思っていたはずなのに、巻き込まれていくんだからもうブラックホールか何かですかね。運命力が強い。

ザクスタン。王家と土豪とで対立している山と森の王国。

不幸な事故でミラとはぐれ、ティグル達は王子と同行し、ミラは土豪の有力者に保護されるとか狙っているのかという位の運勢だよなぁ。

 

表紙にも居ますが、流浪の戦姫オルガとミラが邂逅。

幼く未熟だったため知見を広めるべく領地を離れ、それでも竜具に見放されなかった少女。

本当、竜具の好みと言うのは分かりませんな。でも、いきなり領地経営を任されても、そりゃあ混乱するでしょう。戦姫の継承の性質上、優秀な補佐が揃っているとはいえど、失敗してしまうのも無理はない。

そこで一度立ち止まってしまったけれど、学ぼうとすることを止めなかった辺りは評価したい。遠回りをしたように思えますが、彼女には必要だったんでしょう。…独特の距離感が好きなので、オルガには評価甘め。

 

ザクスタンの騒動に巻き込まれる形にはなりましたが、ティグル達が出会った王子も、ミラを保護した人物も誠実で、意見を聞く余裕のある御仁で、ストレス少な目で読めましたね。

実際、この国でも魔物の暗躍があり、その芽を摘むことに成功しているので、結果としてはティグル達の行動がいい方向に動いているように見えますが。

別のところでも動いていて、それが最後に噴火したように見えるので心配。

あとはしっかりザイアンの描写が入っていて、相変わらずでしたね。多少丸くなった感じもしますし、ここまでくるとなんかもう長生きしてほしいな、みたいな気持ちも湧く。
ブリューヌ編で、どうなるかなぁ……



魔弾の王と凍漣の雪姫4

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「だいじょうぶよ。ティグルは『力』の怖さを知っているもの」

 

アスヴァール王位争奪戦、決着。

いやぁ、『魔弾の王と戦姫』とはまた違った方向に進んでいって楽しいですね。

ティグル達が居るギネヴィア側だけでなく、ジャーメイン王子陣営も描かれていましたが。……彼が密告を推奨する様、じりじりと転げ落ちている感じでハラハラしましたねぇ。

 

敵陣営の方が多く、相手に余裕を与えないためにも動く必要があって。

ティグルは、まだまだ視野が狭いというか。ミラに教えられることも多い様子。

……どの作品においても、彼は周囲に恵まれていると言いますか。良い指導者に遭遇してますよね。今代の弓である彼の強みは、その辺りにもあるのでは。

 

アスヴァールの抱える問題。大陸の民と島の民。そのバランスをとるのが難しいという話もありました。

ウィルから過去の事を聴き、「正しい答えがわからない」と言えるギネヴィアは良い補佐が居れば上手いこと統治してくれそうですが……

アスヴァール王の覚醒と、ジャーメインの行動がまた重く響きそうといいますか。

 

終盤のギネヴィアが、微妙に不穏なんですよねぇ。高揚感が悪い方向に向きそうな気配を感じる。

襲撃受けて撃退したりもしてましたが……戦った相手がまた厄介な状況を招きそう。前作を知ってると正直何してくれてるんだ! って感じなんですけど。

ギネヴィアが察知した、妙な気配の事もありますし、彼女がココで死ぬってことはないと思いたいところです。




魔弾の王と凍漣の雪姫3

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「その気性に合ったやり方というものがあると、私は思います。私の息子は弓に長け、弓を愛している。欠点を是正するのも、あるていどは必要でしょう。ですが欠点を認め、その上で得意なこと、やりたいことを伸ばしてやるべきだというのが、私の方針です。我が領地は小さく、人材も豊富とは言えません。何でもできるような人間はおりませんから」

 

侵略してきたアスヴァールの第二王子を捕え、彼に協力する事をジスタートは決めて。

同じくブリューヌもアスヴァールの姫に協力を要請されて人員を派遣する事に。

ティグル状況によっては危うい立場になったと思いますが、ブリューヌから派遣されてきていたのがロランだったのが救いですね。

 

ウルスの教育方針がいいですねぇ。

彼の元で育ったからこそティグルがブリューヌ人ながら弓に長けた逸材に育った、と。

施設として訪れた際に彼に出会って、ギネヴィアが決意したというのも運命の巡り合わせを感じる。

 

違う勢力に味方をして、相手の様子を窺っていた2陣営でしたが。

レスターという裏切り者が、好き放題暴れていたので一時共闘する事に。

しかし、二人の戦姫と黒騎士が先頭に立ち、その後ろからティグルが射撃支援するって鬼のような陣形ですね。

魔物たちも最終的な狙いはMF版と大きく変わりはないと思うんですが、目覚めている顔ぶれに違いがあって楽しいです。
王子はかなりあっさり退場したなぁ、という感じ。まぁ、ブリューヌとジスタートと違う陣営に置き続けるのも手間ですから、どこかでまとめる必要はあったでしょうけど、かなり驚きました。




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