気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

魔弾の王と叛神の輝剣

魔弾の王と叛神の輝剣3

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「それなら他の方法を考えろ」

簡単なことを命じるような軽やかな口調で、想い人が言った。

「昔、勝ち目はつくるものだと言っただろう。新たな道をつくれ。分かちあってやる。何十年かかけて、いろいろなことをやってみて、それでもどうしても他に見つからなかったら、そのときはいっしょに死んでやる」

 

シリーズ完結巻。

アヴィンたちの奮闘で意思を取り戻したティグル。しかし、操られていた時期に部下につけられていたディエドが今度は操られ……腹部に刺傷を負うことになったりすることに。

一方アーケンに与する側も、セルケトが竜の牙2本を確保しアーケンに捧げ、敵の力も増していくことに。

 

ティル=ナ=ファの干渉を排除するために、魔弾の王の黒弓とか竜具を封じたり、他世界に手を伸ばしたりとかして、準備を重ねた結果ジスタート含め各国は厳しい状況に置かれていたわけですが。

奪った竜具を操る影まで駆使してティグル達の邪魔しに来るの、厄介すぎる。これまで頼もしい戦姫の武器だったものが敵に回ると面倒ですねぇ。転移できるエザンティスが相手側にあるのがだるすぎる。

ミルとアヴィンの元居た世界の戦姫たちは、竜具が反発してしまうから持ち込めない、という事で派遣される戦力として除外されて、子供達がやってきた、という理由もあったみたいです。

 

意識を取り戻したティグルがエレン達と合流して、アーケンに対抗するために再び協力できるようになったのは良かったですねぇ。

神に操られていたキュレネー国の行く末とか、同じく操られていたとはいえ王都落としに関与したティグルとか、悩ましい問題は多すぎますが。

それでも、対処すべきことを間違えず前に進むことが出来たのは、良かったですね。ティグルが操られていた件は、神の関与を表に出せないから薬物を使われたという風に誤魔化してましたが。思う所があるだろうジスタート兵の中にもティグルの味方をしてくれる人が居たのは、エレンも言ってましたが彼の積み重ねがあったからで、そこは良かったかなぁ。

アーケンを巡る一連の騒動に横からちょっかい出してたガヌロンが、自分の目的を見直すきっかけになっていたのは、予期せぬめぐりあわせだなぁって感もありましたが。

神を巡る厄介な戦いを乗り越えたのはお見事でした。

魔弾の王と叛神の輝剣2

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「どうすれば、戦姫様のように不屈の意思を持って、前を向くことができるのですか」

(略)

「答えになるかわからないけど……。僕は、いつ死んでも悔いのないように生きる、しぬまでにやりたいことをやると、そう決めている」

 

アーケンという神の力によって優位を取っているキュレネー軍。

敵方が封じていた竜具の一つを取り戻し、エレンが戦姫となったことはジスタート側にとっての吉報でしたが……。

しかし、魔弾の王となる素質を持ったティグルがアーケンに身体を奪われ裏切ったことで、王都シレジアは陥落してしまったわけです。

 

ティグル、ほぼほぼ身体を乗っ取られているけれど、わずかに意識が戻る瞬間があって。

本気で抵抗すれば隙が出来てエレンに斬られることも出来たかもしれない。けれど、ティグルは敢えてそれをせず、王都の悲劇をただ眺めるにとどめた。

自分の命と引き換えにしてでもアーケンを仕留める好機を、待つために。キュレネーの兵隊が神征を始めてから減らない理由とかを、内部に入り込んだことで知ることが出来たのは良かったですけど。

アーケン神の力で死んだ兵士のから魂を抜き取って、本来なら戦えない女子供老人にぶち込んで兵隊にしてるとか、外道がよぉ……。

 

出自が分かっていないジスタート初代国王。王都が暴かれたことで棺が空だと判明しましたが。メルセゲルはそれに疑いを持って、黒竜の鱗という手がかりを得て独自に暗躍。

かなり厳しい状況に置かれてもジスタートの戦姫たちが諦めず行動しているのは良かったですね。ミルがティグルを信じ続けているのも、戦姫になったこともあり自身の責任としてティグルを切ろうとするエレンも、それぞれの在り方を貫いている。

 

そして、何らかの事情があってティグルを探していたミルとアヴィンの背景についても明かされることになりましたが。

無数に枝分かれした可能性の世界……要するに並行世界からやってきたとか。ミルとアヴィンが来た世界は別々みたいでした。ミルはティグルがブリューヌとジスタート両方の王になった……最初の『魔弾の王』の世界から来たみたいですねぇ。

いろんなIF世界を描いてシリーズ展開している『魔弾の王』シリーズらしいルート分岐というか。アーケン神の力を恐れた魔物たちが行動を起こして、別世界からの応援を読んだとか予期せぬ事態が起こりまくってる世界線だなぁ……とも思いましたが。

諦めず足掻き続けた結果リュドミラの手に竜具が渡り、ティグルも自由を取り戻せそうなのは何より……。まぁ、そのタイミングで別のトラブルに見舞われてましたが……。



魔弾の王と叛神の輝剣1

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「だが、伝え聞く限りだと、勝ち目はないだろう」

「……君は、狩りをやったことは?」

(略)

「勝ち目はつくるものだ。俺は狩りのとき、いつもそうしてきた」

 

ブリューヌの王位をめぐる内乱を、少数精鋭の傭兵団を率いる女戦士エレンとともに駆け抜けてブリューヌの英雄となり、隣国ジスタートとの友好にも力を尽くしていた。

……それから5年後、南の大国キュレネーが『神征』を宣言し次々に周辺諸国を滅ぼし、ついにはジスタートにまでその牙を届かせようとしており、ティグルも手を貸すことになっていたわけですが。

 

ジスタートが誇る戦姫が5人も既にキュレネーとの戦いの中で命を落とし、ジスタートの王すら命を落としているかなりヤバい状況から物語がスタートしています。

ムマの継承者がオルガじゃなくて、オクサーナ=タムという女性になっていたりだとか。

そもそもエレンがアリファールの継承者になっていなかったり、リュドミラがラヴィアスの継承者になっていなかったり。さらには、ティグルの家に伝わっていた家宝の黒い弓とティグルの右目が2年ほど前の戦いで失われていたり。

戦姫アレクサンドラが健康になって、指揮を執っていたり。

これまでの『魔弾の王』シリーズを知っている人ほど、引っかかるポイントが多い感じですねぇ。

 

冒頭の戦いでオクサーナも味方を逃すために残り、命を落とすことになってしまうわけですが。

ティグルとエレンは、キュレネーの神官と思しき連中が竜具を封印する様子を見たり、彼らがアーケンという神の信徒を名乗るのを見て対抗策を探っていくわけです。

絶望的な状況でも諦めてないのは流石ですねぇ。

ティグルは家宝の黒い弓や過去の戦いで助けられた経験から、ティル=ナ=ファの情報を求め……マクシミリアンという墓守を探すことに。まぁ、ガヌロンだったんですが。はい。

 

調査に赴く中でティグルの黒弓に似た弓を持つアヴィンという青年と、ティグル達を探していたという銀髪の少女ミルという不思議な2人組と出会ったりもして。

ガヌロンから話を聞けたことで多少は情報面で前進しましたが。アーケン神が本当に降臨し、その力を与えていることでキュレネーの神征がとんでもないことになっているとか知っても、なかなか対処するの難しいですよねぇ……。

 

ティグルにはまだティル=ナ=ファに願うという道が残っていたのが救いというべきか。

ただ、ティル=ナ=ファを降臨させるためには竜具が少なくとも2つは必要だという情報も出てきて、キュレネー側の封印を暴きにかかったわけです。

エレンがアリファールを継承することが出来たものの、魔弾の王であるティグルの身体にアーケンが入り込んで乗っ取られる羽目になってしまったので、一進一退というか得るモノも大きかったけど損失もデカくてこれからが大変そうです。



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