「妖精たちは、ティル=ナ=ファが降りたら喜ぶのか?」
「ある者たちは喜びましょう。この地が我らのものとなるのですから。ある者たちは悲しみましょう。この地のありようが変化するのですから。すべての猫にとって喜ばしいことなどありませぬ。テトは世の理はそういうものだと理解しております」
カル=ハダシュトの争いに決着がつくことになる第3巻。
ティグル達は妖精たちの助言を受けて、この土地にため込まれた力をネリーに悪用される前に使うべく動き……サンディという可愛い子を迎えることになったわけですが。
残された力を使ってネリーは目的のために行動を起こしてきたわけですから、油断なりませんよね……。
その影響でカル=ハダシュトの周りでは異常気象が起きたり、象が暴れたりする異変が観測されることになって。
エリッサは双王が居ない今、仮にでも方針を決めて旗を振る代表が必要だ、と都に入って復興に向けて行動を開始して。
当人は商人気取りですけど、なんだかんだ良い視点を持ってるんですよねぇ彼女。
情報を掘り返してみたり、弓の王ネリーと対立する部族が出てきたり、色々と状況が変化していく中で……しかして、ネリーの本願は果たせなかった、と。
大山鳴動して鼠一匹というべきなのかどうか。まぁ、この騒動の中でカル=ハダシュトの在り方が大きく変わる決定が下されたわけですから、そこまで影響が小さいとも言えませんか。
まぁ、騒乱に区切りがついたのはなによりでしたね。エリッサはまだまだ仕事がたくさんありそうでしたけども。