――自分は弱さを、許されなかっただけだ。
シリーズ完結巻。
昨今では珍しい30巻を超えた超大作となりましたが、終わるんですねぇ。
……まぁ、直後から続編を刊行する予定なので、まだまだ続くとも言えるんですが。
光宣やパラサイトとの決着がメインではありますが、達也がその実力を広く知らしめたことで起きたあれこれに対する、事後処理と今後の為の根回しがほとんどでしたね。
確かに必要なことですが、最終巻でそれをやるあたりは勇気がある。
達也が多芸でスペックが天井突破していて、そんな彼を上手くあしらっている真夜を見ていると、十師族会議とか魔法協会の一支部長の反応とかもうちょっと頑張れと思ってしまうな……
まぁ大人全員が、真夜なり八雲みたいに達也にマウント取れる相手ばかりだったら、彼の活躍度合も変わってくるわけで。このシリーズに達也の活躍を期待していた身としては、いい塩梅だったと思うべきなのか。
そういう意味では、ラスボスが光宣なのはちょい物足りなかった感はある。
実戦経験などもあるので仕方がありませんが、順当に決着ついたなぁという感じ。
ただ、そこに至るまでの心情とかをくみ取れていなかったのは、年相応みたいなさじ加減にはなっていましたか。
……最終的に見出した解決方法が、技術者としての達也の真骨頂みたいで笑いましたが。何を作り上げているんだ君は……。
一年生からスタートして、順調に進学して後輩キャラも増えて……をやり続けた結果、気に入ったキャラの描写が減ったとかはありますが。長編シリーズの宿命でもありますからね、それ……
なにはともあれ、完結おめでとうございます。