![]()
「ああ、人は素晴らしいな。魔王を少しは慢心させてほしいと、贅沢な不満を言いたくなる」
(略)
「おにーさん。人を散々負かしておいて、その反応は酷いのです」
魔王として召喚されたイグサがSF文明圏に踏み込んで設立した会社「魔王軍」。
海賊に占領されていたエネルギーステーションを制圧して報奨金を貰ったり、宇宙海賊を狩る賞金稼ぎじみた活動を続けて、実績を積んで行って。
魔王として君臨するものだからか、「身内」を大事にしたいという気持ちが強くなっているというイグサ。SF世界という宇宙にまで舞台が広がった世界では、イグサたちが成果を上げられる位には海賊が跋扈したりもしてるし、命の価値が安い。
そんな世界で、身内を大事にするために「最大限、社員の安全を確保する」という方針を打ち出して。勇者ライムや、獣人姉妹のリゼルやミーゼみたいに社員の中には彼の女も複数混ざっていることもあって、生暖かい目で見られているのはなんとも微笑ましいですが。
利益だけを追い求めず、足元も見られている余裕があるのは良いですね。
ちなみにイグサ、死者蘇生の魔法とかまで使えるみたいですが、人間に使うとそのまま高位のアンデッドとかに変質しそうで怖いと言ってるの、ファンタジー世界的なスペックがぶっ壊れてますね、相変わらず。マウスで実験したら、「浸食吸収して異常増殖する凶悪かつ機械な怪物になった」と言ってるので、心配しすぎってこともないのが恐ろしいところ。
魔王が最初に魔法生物化させた旗艦ワイバーン。古い機体だからこそ魂が宿って付喪神(というカテゴリの魔物)化させられたみたいですけど。
その手法で意識を持った艦隊と言うのを作って戦力拡大に努めたり。イグサとは違うけれど、似たような形で悪役としての矜持を持っている、一大勢力『隠者の英知』を取り込んだりもして。
さらに『隠者の英知』は、勇者一行の仲間となるはずだった賢者の末裔だっていうんだから、ここにきてSFとファンタジーがより近づいてきましたね。
……『隠者の英知』、長命のエルフが当主を務めてなお七代目になっているそうで、送り込む時代ズレすぎだよ神様……(送り込んだの神様か確定はしてなかったと思いますが……)。
イグサやライムが魔法を使っていましたけど、魔法を極めるのは個人の才能に依存しすぎるために忘れられているだけで、『魔法』というルール自体はこの世界に変わらず存在して、イグサたち以外にも魔法使いが現れて仲間になったのは、打てる手が増えていくわけですから良かったのでは。
さすがに魔王や勇者レベルで魔法使えるわけでもなさそうですけど、いるだけで助かるでしょうし。七代目『賢者』のリョーカン、魔法使えるし代を重ねている分この世界にも詳しいしで頼もしい情報源でしたね。