黄金の、経験値の持つ魔力に惑わされてはならない。
ここで立ち止まって考えることが出来たのは、あるいは僥倖だったのかもしれない。
「――ふふ、やはりラッキーだね」
1巻で魔王となったレアは、配下に指示を出して「大規模攻防戦」イベントを満喫。
……一般プレイヤーは迫りくる魔物から都市の防衛戦をするところ、彼女は一国を滅ぼさんと進軍するんだから規模が違って笑っちゃいますね。
実際いくつもの都市を簡単に落とすくらいの戦力がそろってはいるんですが……それでも、彼女もまた一介のプレイヤーであって当然見落としとかも生じるんですよね。
レアが未発見だったスキルだったり、国宝として継がれてきたアイテムやNPCの行動なんかがかみ合った結果、一度は地に落ちることになったのは驚きました。
スペックでいえば相当とびぬけてますからね、レアは……。
そして一回ミスした後は、失敗を取り戻そうと情報収集しなおして、スペックを向上させた上で報復を仕掛けてるんだから大人げない。
まぁ魔王ロールプレイとしては正しい。脅威はしっかり叩いておかないとね……。
そして今回、レアと同じように悪役RPをしているプレイヤー・ブランが登場します。
レアは一応デメリット持ちでもエルフという、人類種でプレイ開始したわけですが。
ゲーム知識に疎いブランは、よくわからない状態でスケルトンを選択。序盤から大変な目にあいながらも持ち前の明るさで乗り越えて、レアとはまた違った形で珍しいイベント発生させてるのが面白いですね。
純粋なブランちゃん、時に刺さる言葉を言ってレアを動揺させてるんですが。今回翼を得たレアが制御できずに、ばさりってやってるところが地味に好き。
ブランちゃんと一緒に動いていたから、予期せぬ再会をしたときに和解ルートに入れた部分もありますし、いやほんとブランちゃん良いキャラしてるんですよねぇ。結構好きです。
……それはつまり、魔王陣営に協力する勢力が増えるってことで、一般プレイヤー今後大変そうですねぇ。
スタート地点に選べた6国の内1つが滅ぼされてますし、魔の手が伸びてるところもあるし。ますます出来ることが増えそうなレア達の活躍を見守りたい。