「――誰の生徒に手を出したのか、教えてやろう」
モンスターの巣窟として恐れられていたダンジョン。
主人公のレクトはそこに挑み続け、いくつものダンジョンを踏破した「迷宮殺し」と呼ばれる探索者だった。
しかし……ダンジョンに眠る資源に目を付けた貴族によって、探索者資格を剥奪されることになってしまって。
「迷宮殺し」としての活動時も、貴族の思惑によって決められた服装と仮面によって素顔は隠されていたため、レクト自身について知っている者はほとんどいない。
そうやって迷宮殺しを追いやった公爵は、それで満足して別の工作に勤しみ始めるわけですが。
レクト=迷宮殺しという事を知っている、探索者協会会長の娘であるミーシャは自分たち協会の枠を超えてレクト追放を決めた貴族に憤りを示してくれて。探索者を鍛える教習所の仕事を紹介してくれることにもなって。
ダンジョンを踏破出来る実力は有れど、レクト自身の素質からそのビルドはかなりピーキーなものになっていて。
表向きの実績もない探索者なので、侮られたりもする場面もありましたが。実力を示して、少しずつ生徒たちに認められていくことも出来て。
一方、最強の探索者であるレクトの引退を敏感に感じ取ったダンジョンは、今までよりも活動を活性化させてモンスターを増加させるなどの動きを見せて。
そこにはダンジョンで陰謀めぐらせる輩の働きかけもあったみたいですけど。
そういったトラブルに生徒が巻き込まれたとき、最前線に飛び込んで生徒を助けた後に、裏で工作していた面々も叩きに行ったのは痛快でした。
でも、引退直後からダンジョンの活性化がするくらい顕著な反応を示すんだったら、やっぱり公爵達の迷宮殺し追放は大分早まってるでしょ……やってるよ。