「――俺のことはどうだっていいんだよ!」
弾かれたように声が出る。
「目の前で人が困ってたら助けるんだよ。無理とか言ってる場合か!」
空木夜光は天才でどんな問題でも解けるが……しかし、女心の分からない男だった。
そんな彼の前に現れたのが魔女ベルカ。
実はこの世界には恋する少女の心に寄生する「影魔女」と呼ばれる存在が居て……ベルカはそれに対処する「正魔女」だとか。
夜光はベルカによって騎士に選ばれ、『百姫夜行』という恋する少女の心に落ちた影から生まれるので、少女を恋に落としてください! というハチャメチャな出来事に巻き込まれていくことに。
『百姫夜行』が終われば、その期間の記憶は上手い感じにベルカの魔法で修正されて、闇を超えたまま少女は過ごしていくことが出来るようになる、と。
夜光君、過去の経験からちょっとトラウマがありつつも、困っている人は放っておけない善性の人間なので、ベルカに無茶ぶりされた始まりでも少女達と真剣に向き合ってるのは良いですね。
……ただそうやって少女たちの心の闇を祓った後、修正されて関係リセットされてしまうのは、なんだかなぁ……って感じでもありましたが。
まぁあくまでベルカの魔法で認識いじってる形なので、再会した少女達が夜光に何かを感じて会いに来たりとか、残るものがあるのは悪くなかったですけど。
夜光に一目惚れして裏事情に巻き込んだベルカと、夜光に傷を残した元カノとが魔女関連のエピソードの根幹に関わってそうで、その2人がそのまま2強ヒロインとして他の98人を駆逐していきそうなのは惜しい。