「焦らないで ごゆっくり 心の整理をつけてください」
「微力ながら応援しています」
エルフの里編を超えてからの、バルバロス・シャスティルメインのスピンオフ。
第十四話・十五話のサブタイトルが「無自覚な恋愛相談は、まず自覚してから出直してほしい」になってる時点で、もう御察しって感じではありますが。
医療魔術師であるシャックスや、魔法を使えるネフィ相手にバルバロスがとある不調について相談をしてくるわけです。
シャックスが凄い顔で「俺には手に負えない」と言ったり、ネフィも初めて相談聞いた時凄い固まったりして、凄い傍から見ている分には面白いな。
バルバロスがザガンのことを「ろくに女の扱いも知らない」と評してるんですが、自分の恋を自覚できていない時点で、君も相当だよ……とは言いたい。
お互いにヤバい紅茶入れて「自分の方が上手い」と言い合っているバルバロス・シャスティルの花すら萎れる茶飲み話とか、本来ほのぼのするはずなのにヤバいシーンとかもチラホラありましたが。
今回、表紙で妙に存在感のある、中二病的な姿をした少女。
かつて、聖騎士長であったシャスティルの兄に救われたという彼女は純粋にシャスティル兄を慕っていた。
しかしその聖騎士長は、サレオスという魔術師と相打ちになったと教会の報告書には記されていて……。
バルバロスの知る情報でも、5年くらい前に最長老と呼ばれたマルコシアスから粛清されたという噂ですし、死んだはずなのに生きている、というのは気になるところ。
……そもそも、少女の証言では無事に勝ったはずの兄が、死亡していることと報告書の偽造があることから、シャスティルが過去の事件について疑念を抱き……。
しかし、真相を知るだろう教会の人間は今近くにおらず。近くで事件を起こしているサレオス自身に追及に行こう、と思うあたりが強者の思考ではありますが。
迷いがある状態で向かい合ってどうなるやら。……まぁ(物理的に)影から見守っている魔術師がいるので、なんとかはなるでしょうけど。スピンオフで掘り下げエピソード見られるのは良かったですね。