気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

COMTA

魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?13

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「ネフテロスは私が守ると約束した だから…… あのこも私が倒してあげなければいけないんだ」

「…いいだろう それでこそ我が盟友だ!」

 

6367話を収録。

ネフテロスを庇護して、キメラ討伐に赴くシャスティル達教会陣営。謎の人物の襲撃問題とか、頭の痛いものはありつつそれでもやるべきことをやってるのが良い。

そしてザガンはザガンで色々と探っていたところ……先日助けた狐獣人の少女クーの身体に憑依するような形で、魔王ビフロンスが接触してきて。

 

ビフロンスは自分の元から逃げたネフテロスを回収したいだけなんだよー、と建前を口にしますが、ザガンはわざわざ他人の領地に侵入した上で接触してくるならそれは「実行を前提にした宣戦布告だ」と看破。

……途中、オリアスが現れたことでちょっとコントっぽくなってましたけど。

三者三様で魔王にふきだしでぎゅむって潰されてるページ、微笑ましくて笑っちゃった。真面目に宣戦布告5秒前、みたいなシリアスシーンだったはずなのにね。

 

自分の領地で勝手は許さないと言えるザガン、実に良い王様やってますよね。

クーのこともちゃんと後処理オリアスに頼んでますし。緊急事態ではあるけど、そこでオリアスから頼み事をされて、ちゃんと時間を取っているの律儀。

それくらいの時間はあるだろうと、周囲を信頼しているのも良いですねぇ。

……ポンコツと不運のかみ合わせで最悪の誤解が生じたシャスティルがちょっとピンチでしたけど、それ以外のところはちゃんと打っていた手が効果を発揮してましたし。

あそこでポカーンってするビフロンス、なかなか見ものなので好きです。


魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだがどう愛でればいい?19

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「もう休んでいていいぞ? あとは俺が片付けておく」

「すっこんでろ。こいつは俺がはっ倒す」

 

〈最長老〉マルコシアスの招集を受けて集うことになった13人の魔王。

その道中でザガンはネフィとの挙式まで行って……それをゴメリとクーが「魔王観察のススメ」を配って、2人のいちゃつきを見世物のようにしてましたが。

まぁ普段から自然にやってるし、彼らの本拠地付近ではよく見られる光景ですからね……。軽く注意するにとどめてますが、最初の挿絵がクーの頭を掴んでるザガンなの、絵面が悪いな……笑ったけど。

 

フェネクスを殺せる可能性を示したことで、協力を得られることになって。

いつまでも付きまとわれるのも面倒だし、身内認定したらしっかり褒章を与えていく王様なので、フェネクスを殺せる「天燐」を与えてるのは懐が深い。

フェネクスからエリゴルの監視が「未来を見て、因果を辿る形で成してるから、常時盗み聞きされてるわけじゃないよ」という話を聞いたアスモデウスが、フォルに会いに行っていたの微笑ましくて良かったですね。

 

大所帯となったザガン一行を運ぶ役割をフルカスが担当していたの、彼の空間魔術の適性を見せつけてくれてて良かったですね。

マルコシアス、最長老という立場でザガン達の敵となった黒幕的立ち位置でありながら、時にコミカルなギャグ担当みたいになっていたので、どんな姿を見せてくれるのかと主増したが。

骸骨卿アスタロトに、ザガン達遅いし帰っていいかとコントやってる場面もありましたが。

ちゃんと強さを見せてくれるシーンもあったのは良かったですね。

 

1年後、世界が終焉を迎えるからそれを避けたい。結界を担っているアルシエラを救いたいという話、それ自体にはザガン達も協力できる部分ではあるんですよね。

ただし、そのためにマルコシアスが選んだ手段が受け入れられないものだっただけで。

アルシエラの代わりにリリスを犠牲にするというであれば、争いは避けられない。

記憶を失ったフルカスをマルコシアスが叩き起こしてましたが。ザガンがフルカスを保護してからの日々が無駄ではなく、最長老との戦いを選んでくれたのは格好良かった。

ザガンの悪友であるバルバロスの使う技を、より洗練させたような一撃は流石の魔王。

それが魔法であるなら、分析して対処してくるマルコシアスも最長老と言われるだけのことはありましたけど。

 

ザガン陣営もかなり厚くなってきて、マルコシアス一派を相手にしても噛みつけるだろうとは思っていましたし、実際ただのマルコシアス相手だったら善戦できていましたが。

一度敗れる未来すらエリゴルの未来視で見ていたマルコシアスは、切り札を持っていて……。ザガン達は敗走することになってしまったわけです。

刻印の移動まで起きてしまって、かなりザガンは厳しい容体になっていましたが。まぁ、このままで黙っているような王様ではないので、ザガンの復活からの逆転に期待したいところです。

悪友の俺がポンコツ騎士を見捨てられないんだがどう世話を焼きゃいい?~まどめ外伝~3

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「焦らないで ごゆっくり 心の整理をつけてください」

「微力ながら応援しています」

 

エルフの里編を超えてからの、バルバロス・シャスティルメインのスピンオフ。

第十四話・十五話のサブタイトルが「無自覚な恋愛相談は、まず自覚してから出直してほしい」になってる時点で、もう御察しって感じではありますが。

医療魔術師であるシャックスや、魔法を使えるネフィ相手にバルバロスがとある不調について相談をしてくるわけです。

 

シャックスが凄い顔で「俺には手に負えない」と言ったり、ネフィも初めて相談聞いた時凄い固まったりして、凄い傍から見ている分には面白いな。

バルバロスがザガンのことを「ろくに女の扱いも知らない」と評してるんですが、自分の恋を自覚できていない時点で、君も相当だよ……とは言いたい。

お互いにヤバい紅茶入れて「自分の方が上手い」と言い合っているバルバロス・シャスティルの花すら萎れる茶飲み話とか、本来ほのぼのするはずなのにヤバいシーンとかもチラホラありましたが。

 

今回、表紙で妙に存在感のある、中二病的な姿をした少女。

かつて、聖騎士長であったシャスティルの兄に救われたという彼女は純粋にシャスティル兄を慕っていた。

しかしその聖騎士長は、サレオスという魔術師と相打ちになったと教会の報告書には記されていて……。

バルバロスの知る情報でも、5年くらい前に最長老と呼ばれたマルコシアスから粛清されたという噂ですし、死んだはずなのに生きている、というのは気になるところ。

……そもそも、少女の証言では無事に勝ったはずの兄が、死亡していることと報告書の偽造があることから、シャスティルが過去の事件について疑念を抱き……。

しかし、真相を知るだろう教会の人間は今近くにおらず。近くで事件を起こしているサレオス自身に追及に行こう、と思うあたりが強者の思考ではありますが。

迷いがある状態で向かい合ってどうなるやら。……まぁ(物理的に)影から見守っている魔術師がいるので、なんとかはなるでしょうけど。スピンオフで掘り下げエピソード見られるのは良かったですね。

魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだがどう愛でればいい?12 限定版

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「私やバルバロスをたすけてくれて 今度は私の部下を救ってくれると言ったのは」

「他の誰でもない ネフテロスなんだ」

 

ネフテロスが教会でシャスティルに保護されて。

それについて、ザガンについては隠したいと振舞っている……のをザガンが察した上で、その意思を汲んであげるの、何だかんだ良い関係ですよね。

ポンコツな時もあるけれど、魔王ザガンが「守ることに関しては有能で、背中を預けられるくらい」である、と言ってるのかなり高評価ですよね。

そんなシャスティルが、ネフテロスに対して「逃げることも出来たのに、守るために残ってくれた」と聖騎士たちへの援護を評しているの、凄く好きです。

 

仕事中は本当に有能なシャスティル、共生派の旗印として本当に良いキャラですよねぇ。

……この後、シャスティルが身内にだけわかるように、隠しつつ話していたら「お前がラーファエル殺しを主導していたように見えるぞ」とか言われたり、実際暗部に狙われたりしたりして、ちょっと抜けてるように見える部分もありますが。

まぁ暗部の襲撃に関しては、失言と言えるのも確かではあれど、暗部に狙われてた状況だから、あれが無くても一回襲撃はされたでしょうけども。

バルバロスが魔王候補としての意地を見せたり、ネフテロスが治療を買って出たり教会組の関係が出来ていくの好きです。

限定版だとマンガ第一話の「これが、ふたりの長い共同生活の始まりだった」という月下で見つめ合う2人のシーンを再現したSDキャラのアクリルジオラマついてるんですが、実に可愛かったです。

魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?18

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「実体験のない僕が言っても説得力がないとは思うけれど、きっとそれに相応しい瞬間というものが来るよ。そのとき、気後れしなければいい。キミなら大丈夫だ」

 

目的としていた魔王フォルネウスは死んでしまった。

けれど彼の刻印を継いだ《雷甲》のフルフルと、彼女が大切にしている聖騎士長のミーカを確保することには成功したシャックス達。

そして2人を連れて彼らの王である、ザガンの下へと連れて行って。フルフルがザガンから提示された2つの選択肢に納得せず、別の道を望んだのは未熟でもなるほど魔王だなぁって思ってよかったです。

 

まぁ最長老と呼ばれたマルコシアスが暗躍している状況では、かつての魔王候補といえど安心できる状況ではなく、このままでは直ぐに殺されて刻印を奪われるとザガンは予想していましたが。

その欲深さを認めて、彼の下で学ぶことを許してくれたのは良かったですね。シャックス達を信頼しているけれど、それはそれ自分の目でも確認しようという姿勢も良し。

 

ザガンも今はいろいろとやるべき事を抱えている状況で、そのタスクをいくつかは部下に任せたりしていたわけですけど。

魔王や魔王候補と接点を持つ交渉は、フォルネウスの一件のように会うまでは上手くいったとして、マルコシアス陣営の妨害が入ることもあって。上手くいったりいかなかったり。

流石に相手もさるもの、というか。排除するべきと認めた相手にしっかり戦力差し向けてくるの、厄介過ぎるな……。

 

べへモスとレヴィアもまたそうやって人探しをしていたコンビであり……彼らが探していたのは魔王《黄金卿》フェネクス。生贄魔術の祖と言われる人物であり、口ぶりは妙に小物臭いけれど、アスモデウスから今の魔王武闘派トップスリーに挙げられるほどの人物でもあって。

長い年月をある目的の為に流離っているような、変わり者であったようですけど。それがザガンに接触した結果……フェネクスは自分の運命を変えうる可能性を見たわけですから、ザガンの研鑽の成果が出ていて良かったですねぇ。

 

一方マルコシアス陣営も着実に動いていて。

ザガンの城に直接乗り込んだり、他の魔王に書簡を送ったりして、今の魔王を集めたいと言い始めたの怪しいなんてもんじゃないですよねぇ。他にもいろいろと実験してるみたいでしたし。

アスモデウスもまたマルコシアスが動いている隙に、色々と準備を整えてるみたいですし。最後のザガンとネフィのシーンは良かったですけど、上下巻の上巻扱いみたいですからこの後どんな展開になるのか興味津々です。

……それはそれとして、今回ザガンが某人物を「最も恐れるべき存在になった」と評していたのに、その時その人物が抱えていた「やる事」がアレなのは……うん、丸くなったというかなんというか。笑ってしまった。

魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?11

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「遅くなってすまない」

 

ザガンがフォルに頼まれて絵本を読んで、そこで「付き合っている男女はデートをする」という話になって。

ネフィとのデートの下見をするべく街に繰り出す魔王っていったい……。そんな彼だからこそ、臣下たちにも愛されるんでしょうけど。

一応、魔族という脅威への対処についてだったり、エルフの里から持ち帰った資料を見直して、13本目の聖剣という情報について得たりして。シリアスの要素はあるんですけど、ネフィが絡むと基本的にゆるくなるからなザガン。

 

一方で、ネフテロスはビフロンスの下から出奔することを決意。

捕まえようと思えばすぐに出来ただろうに、キメラに追いかけさせて時々顔を見せてちょっかい出しに来る辺り、ビフロンスは本当に性格悪いですねぇ。

逃げ続けたネフテロスを救ったのが教会の騎士達だった、というのも熱い。ネフテロス、狙いは私だからと騎士達を庇おうとすらしましたしね。

それでも退かない騎士達がモブだけど格好良かった。……まぁ魔王さんのキメラなんで、普通に蹴散らされてしまったんですが……。

 

絶望的な状況で駆けつけたシャスティルは、聖騎士長という役職に相応しい格好良さがありましたね。

街に出たザガンは、ごろつきに絡まれている少女たちを目撃することになって。介入するタイミングをうかがっていたら、相手が先に気付いて速攻で逃げたの面白かったですね。

 

黒花がついにコミカライズにも登場して、あちこち可愛いので今回読んでて楽しかったです。「無一文だろう」とか言われて衝撃受けてるシーン、表情豊かで笑える。

あと「妙なやつらと知り合ってしまったな…」のコマ、黒花はまだ抵抗しようという素振りがありますけど、クーはなんだかんだで楽しんでそうな雰囲気あるのも面白い。

刺激的な服装も良かったし。今からでもその服装を未来の某魔王に見せようぜ!! 

悪友の俺がポンコツ騎士を見てられないんだが、どう世話を焼きゃいい?~まどめ外伝~2

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「勝ったから気が済んだ 別に殺すほど頭にきちゃいねえしな」

 

『憤怒の火』の開発に成功していたり、なんだかんだ魔術師として腕を磨くことを怠ってないんですよね、バルバロス。

ひと段落してからすることが、シャスティルの様子見ることなんだから護衛真面目にやってるなぁというか、比重が大分傾いてるなぁというか。

 

彼が護衛開始してから1か月半の間、まともに休んでいるところをみたことがないことに気が付いたバルバロス。

そもそも覗き込んだ日だってシャスティルは休日だったはずなのに、気付いたら執務室に居たみたいですしね。復讐とか後ろ暗い事なんでもござれみたいな魔術師は、作中では人間味があったりするけど、どちらかと言えば裏の人間なわけですが。

そんな魔術師にブラック労働について説かれる聖騎士長はどうなんでしょうね……。

休日はしっかり休めと放り出されることになって、プリプリしながら着替えているオマケ1コマみたいなシーンが可愛かったです。

 

せっかくバルバロスが(当人に自覚ないとしても)気遣ってくれたのに、ワーカホリック気味で休日どうしようってなるシャスティルよ……。

街ではなんだかんだ人気で彼女イメージのティーカップが販売されているのには笑った。そして、なんだかんだお茶してることの多いこの2人がそれを使うことになるのも、微笑ましくて良いですね。レイチェルじゃないけど、なかなか尊いシーンだと思います。

 

本編裏で知人のウェパルからとある取引を持ち掛けられたバルバロスでしたが……妙なすれ違いというか、意地の張り合いから戦闘に発展してたの愉快でしたね。

このシリーズはあくまで外伝で、本編の間で起きたエピソードを描かれてきたわけですが、好評を博したおかげで原作4巻~5巻前後の幕間もできることになったそうで嬉しい限りですね。



魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?17

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「窮鼠猫を噛むってことわざがあるだろう? 臆病者を追い詰めちまったときは、気を付けた方がいいぜ?」
「是。貴殿のような男ほど、恐ろしいものでございます」

 

聖剣を破壊するという目的のため、魔王候補だったウェパルと交渉することにしたザガン。ウェパルが「まともに交渉ができる相手久しぶり」とか零してるのには、こっちもつい目元に涙が……。

ネフィがエリゴルから告げられた「いずれ世界を滅ぼす」という予言について、ザガンに相談したり。ふらっとやってきたアスモデウスと情報交換したりと、ザガンは陣営が広がり身内が増えたこともあって、対処しないといけない範囲がどんどん広がってますねぇ。

 

そうやって慌ただしい中でも、ネフィとのイチャイチャには全力なのは良かった。

某おばありゃんの策略によって、バルバロスとの関係が周知されてしまったシャスティルは、ポンコツモードが長引いていて……フォルがネフテロスから苦言を零されるくらいだったようですけど。

シャスティルの母がバルバロスを認めているの、良かったですねぇ。……シャスティルの母だなぁ、って思う部分が多かった。

 

ただ、今回メインのエピソードは表紙にもなっているシャックスと黒花が、ザガンから任された依頼に関して。

最長老マルコシアスが蘇ってますが、まぁおいておくとして。現存する最古の魔王フォルネウスとの交渉を任されているとか、思った以上に重大任務だな。

シャックスも今では魔王なわけで、シャスティルの共生派への配慮というか、教会として魔王同士の会合に関与しないわけにもいかず、聖騎士長第十二位のミーカが派遣されることとなって。

 

自分に自信が無くて「魔王の監視」を任されたとき、死を覚悟して保証金で家族生活できるかなぁ、とか考えちゃう小心者ではありましたけど。そこはやはり聖騎士長。

善良な性質と確かな実力があって、ちょっかいを出してきた魔王グラシャラボラスを警戒させる、という精神的なコストを払わせていたのは見事でした。

……まぁ、まだ若くて未熟な部分があるのも確かで、魔王の強かさは厄介でしたが。彼がいなかったら、もっと危険な状況になっていたわけですし、大金星と言っていいのでは。

ザガンもシャックスを信頼して任せていたわけですが、全てが思い通りにはいかず。でもまた次代に続くだろうピースを掴みとったので、未来につなげてほしいものです。

 

というかシリアスパートでは魔王としてのシャックスの意地と剣侍としての黒花の覚悟が見れて格好良かったですけど。

日常パートでのシャックスと黒花のイチャイチャも良かったですよね。黒花がシャックスへの好意を隠さず、懐いた猫みたいに頭ぐりぐり押し付けてるのとか、可愛くて良かったです。

魔王の俺が、奴隷エルフを嫁にしたんだがどう愛でればいい?10

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「だから俺はこれが魔族を知る機会だと考えている

 お前は魔術師ではないが 学ぶ機会を無駄にするな」

 

ザガン達を足止めしようと攻めてきたオリアス。

神霊魔法はザガンがくみ上げた「天鱗・竜式」によって阻むことに成功したものの、オリアスも目的をもって仕掛けてきているので引かず。

魔族召喚を行った相手に対し、他の面々は焦って攻撃を仕掛けていましたが……ザガンは、魔族が強大なことを知っているからこそ、対峙してその力を測りたいと考えていて。

 

実際、魔王となってからの積み重ねによって撃退に成功してましたから、お見事というほかない。

効果がなかった場合は無謀と称されたでしょうけど、成し遂げたなら王道ですよ。

オリアスの過去回想が追加されてて、彼女の理解度が増したのは良かったですね。……目的を達成したものの代わりに全てを失ったという、痛ましい過去ではありましたが。

オリアスが隠そうとした事情を察したうえで超えて見せて、自分の望みを告げたザガンは格好良かったですね。

……愛するネフィの前だとポンコツ気味ですけど、しっかり魔王やってて偉い。

 

オリアス周りはシリアス要素強かったですけど、たまに入るコミカルな演出も良かったです。

48章と49章の間にあったオマケ1コマで、避難中のキメリエス達が呆れ気味の顔してるのとか。111Pのキメリエスが「色々あって吹っ飛びました」と言ってるところの書き文字が、ドーンとかじゃなくて潔く「サラチッ」ってなってる遊び心とか。

巻末オマケ扉絵の「ゆらゆら・ゴツゴツ・ペラペラ」三人衆とかも好き。

悪友の俺がポンコツ騎士を見てられないんだが、どう世話を焼きゃいい?~まどめ外伝~

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「私やります…やってやりますよ!」

「一緒に不届き者をとっちめてやりまそうね! バルバロスさん!」

「お…おぅ…」

 

『魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?』のスピンオフコミカライズ。表紙を飾っている、聖騎士長シャスティルと彼女の護衛任務についてからのバルバロスについて描かれています。

ザガンも治癒魔術の使える魔術師の派遣を考えていたり、そもそもバルバロスの護衛もザガンから持ち掛けられた話だったりして、教会のこと全く気にかけてないわけではないんですよね。

ただどうしたって側にいるネフィの事とか、魔王関連の事に焦点が当たりがちなので、スピンオフでちょっと事情が見えたのは面白かった。

 

修道女見習いとなったレイチェル、小説16巻で先に拝見していたんですが。

最初は初々しかった、って言おうとしたけどそうでもないな。むしろ最初からゴメリおばあちゃんとかみたいな、愛で力に全力注げる類の人間だったわ。

見習いになったばかりなのは本当で、この教会の状況について疎かったりするんですが。そういう純粋さはシャスティルの助けになってくれることでしょう。

初日から激マズ紅茶で死にかけて、なお2人の関係を見守ってくれている精神は素晴らしいので、これからも頑張ってほしい所。

 

……濡れ衣着せられそうだったことや、慕ってるシャスティルが狙われたことに怒って、バルバロスもびっくりする剣幕で犯人探しに乗り出せるんだから、素質はありますよ。

魔王候補のウェパルもこっちで先に登場してたんですかね。ここでバルバロスの変化を見ててもなおあの態度だったのだろうか、と思うと16巻がますます味わい深くなるな……。

まぁ悪評流してる犯人への対処法第一手が「殺す」な当たり、根っからの魔術師なのは変わりませんからね……。

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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