気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

DREコミックス

月の白さを知りてまどろむ2

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「充分よくしてもらってる だから… きっとここに帰ってきてくださいね」

「……了解した」

 

58話と描き下ろし8.5話、原作古宮先生の書下ろしSS『身辺調査』を収録した第2巻。

イーシアの似顔絵、上手いですねぇ。「そうそうこんな感じ」と身を乗り出してるサァリがとても可愛い。

暗躍してる人物が居て、神供の家系が狙われている。そんな中で、かつて取り逃がしてしまったものの「化生を生み出す呪術師」の存在を知るシシュが居たのはラッキーでしたね。

生み出された化生には特徴的な紋章が浮かぶから、仮面しているのもそれが理由だろう、と相手の手札を暴く過程を多少スキップ出来たわけですしね。

 

それを聞いたトーマが化生斬りとして動きだそうとして。

一番狙われるサァリと、王都から来た新参として警戒されているシシュを月白に留めておこうとしたわけですが。

2人とも事件が起きている中で黙っていられる性質でもなくて。

シシュの警戒を解くためにサァリが持ち出してきたのが、彼女の客に与えられる紐だったの、目的のためには手段を択ばないなサァリ……。

アイドには見られないでとは言ってましたが、そもそも他の人にもあまり見られない方が良かったのでは……? 鉄刃とか、まさに誤解する結果になってましたし。いやまぁ逆に間違ってないのか……?

 

王の巫から贈られた呪の掛けられた骨。そこから生じた犬によってシシュは敵を追いかけることに。……ミシロ先生がSNSで、この犬がポメラニアンだったバージョンのネタイラスト描いていて、シリアスぶち壊しだけどとても可愛くて良かったです。

 

そして巫としての力を持っていないサァリもまた、街を愛するがゆえに足を止めてはいられず。どうせこうなってしまうんだったら、まだシシュが連れて行った方がお互い無茶せず良かったのでは……? サァリの存在が明らかになって敵が動き出してしまうかもですけども。

シリアスシーンだけど、忍び込もうとして届かなくてぴょこぴょこしてるサァリが実に微笑ましかったですねぇ。……事情知ってからだと、一番危ないところに一番大切な宝が飛び込んでいく場面なので、とっても危ういですけど……。

 

アイリーデという街を狙った、南部のブナン侯の策略で……それに加担している裏切り者もいたわけですけども。アイドさぁ、拗らせすぎてて本当にもう……。

嫌いじゃないですけど、歪みすぎてて見てられないな、という気持ちにはなります。

神話として語られている、太陽を飲み込もうとした蛇を神が滅ぼし、その返礼として美酒と音楽と人肌を神に収めたことがアイリーデの始まりで……その物語は真実である、と。

蛇の毒に蝕まれた呪術師、神供三家が継いできたもの、王の思惑。そういったものが明らかになっていく展開が好きですね。

踊らされていたシシュがそれでも王への忠誠を譲らず……それでも寒さに震えるサァリの手を取ることも躊躇わないのが良いんですよね。

複雑な感情を抱いていながらサァリを助けるために動けなかったアイドとの対比が光る。いや、アイドも悪いやつでは……ありますけど。重いものを抱えていて歪んでて。繰り返しになってしまいますが、嫌いではないです。

巻末の『身辺調査』は、享楽街であるために一時滞在して去る人が多い中で、『戻る』と言ったシシュの事を喜んでるサァリが可愛くて良かったです。

月の白さを知りてまどろむ1

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「無理に急ぐ必要はないだろう」

「え?」

「巫の選択は巫が持ってる当然の権利だ」

 

穢れた気が形を成し、人に害を為す存在である「化生」。

基本的には特殊な才能を持ったものにしか見えない存在ゆえ、化生斬りと呼ばれる存在が必要とされたりしていたようですが。

……本作の舞台となるのは、神話からの伝統を継ぐ街アイリーデ。

かつて太陽を飲み込もうとした蛇が居て神様の力によって人は助けられて。神様が代価として求めた「美酒」と「音楽」と「人肌」を提供するのがアイリーデの役目であった。

 

メインキャラの片方、シシュは王都からアイリーデへ化生斬りとして応援にやってきた青年。もう一人の主人公とも言えるヒロインは、「人肌」を担う神話正統の妓館「月白」の主であるサァリーディ。

神話正統であるために、娼妓の方が客を選ぶというシステムで運営されており……その館の主であるサァリもまた娼妓として、客を選ぶ必要がある。

しかし主であるサァリの客取りは特殊で……彼女が選ぶのは一生で一人だけだった。

 

アイリーデは神話を継ぐ街だからか、化生が実体化するという変わった性質があったりもして。いわゆる歓楽街、夜の街であるはずなんですが。神話正統であるためか、サァリの幼さがあるからか。はたまたシシュの真面目さか。

メイン2人が月白で過ごしていると穏やかというか和やかな空気を感じるのが、味わい深いというか。「普通でいいの?」とサァリが笑うシーン、可愛くて良いですよねぇ。

先日書籍版が3巻で完結となったんですが、初期の2人の関係性をあらためて見られるのはとても楽しい読書体験でした。

 

漫画で描かれるコマが増えると動きが見れて良いですよね。シシュが化生を追って堀に飛び込んだシーンとか、勢いあって笑えますし。

珍しいお茶で引き留めるシーンとか、それ飲んで喜んでるシシュの表情とかコミカルで良い。……まぁ一番笑えるのは描きおろしなんですが。面白い男だよ、シシュ。

あとはカバー裏でサァリとシシュのパラメータ表記がされていたりしたのも遊び心あって良かった。

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ちゃか

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