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「わかってるよ、プリンセスがやってることはプリンセスの我儘なんだって」
「えう……」
「だから、私も我儘でやってることだしね、否定はできないんだ」
前世は男性ながら、魔法のある世界にフーシャという女の子として転生した主人公。
とある行商キャラバンの下で生まれ、そこにいた魔法使いに魔術の教えを受けていた……しかし、魔術を修めた卒業の証である杖を師匠からもらう前に、キャラバンが野盗に襲われて壊滅。
フーシャは辛くも生き延びたけれど、その人以外を師匠と仰ぐ気にもなれず、一部には「杖なし」と呼ばれる魔術師となったとか。……もっとも、冒険者として名を馳せて「白迅」という二つ名を貰っているから身分証明に不足はない模様。
前世男らしく、男冒険者と馬鹿話で盛り上がることもあれば。女として今世20年生きて来た中で、女性陣との交流にも慣れていて。どっちとも良い感じの距離感で付き合ってるっぽいのが良いですね。
……フーシャを可愛がっている女性陣が零してましたけど「自由な猫っぽい」気まぐれさが可愛がられてるポイントなんでしょうねぇ。
ファッションとかには疎かったり。前世男故の無防備さがあったり。
新人冒険者への指導なんかも行っていることもあったりして……青少年の憧れバキュームとかいう、不本意な呼ばれ方をすることもあるとかなんとか。
生まれた行商人グループが殺された過去もあり、魔物もいたりして。この世界、危険と隣り合わせではあるんですよね。
二つ名持ちとして認めらえる最低限の実力を見せつつ、本気は隠しているフーシャですが……その力を駆使して、悪党退治なんかもしてるのは、エゴではあるけど彼女の優しさでもあるとは思います。
そんな彼女の我儘を認めつつ、助力もしてくれる友人がいるのは何より。
巻末の書下ろしエピソードは「猫可愛がりフーシャ」。野良猫と交流して、少しずつ仲良くなって。その光景を見た町の人々に受け入れられた結果……猫グッズが広まったとかいう微笑ましさが良かった。